ぶらぶら人生

心の呟き

「野の花 あったか話」より

2017-04-26 | 身辺雑記
「野の花 あったか話」は、朝日新聞に掲載される徳永進さんのエッセイである。
3月までは、土曜日の掲載だったが、4月からは火曜日に変わった。
毎回、楽しみにして読んでいる。

4月11日には、<「七つの大罪」と「無戝の七施」>と題したエッセイが掲載されていた。
「眼施(げんせ)」「和顔施(わがんせ)」「愛語施(あいごせ)」「身施(しんせ)」「心施(しんせ)」「牀座施(しょうざせ)」「房舎施(ぼうしゃせ)」の七施について。

「七施」は、初めて聞く話ではない。
いつもそうありたいと思いながら、簡単そうで、実践は容易ではない。
他人に対しては、とかく不寛容で、七施の中の「和顔施」「心施」くらいは、と思ってしまう。
が、あなたは実践者かと問われれば、自信はない。
特に、「身施」「牀舎施」「房舎施」は難しい。
老いても、自然に「眼施」「和顔施」「愛語施」「心施」のできる人でありたいとは思う。
だが、いつでもそうあることは、容易ではない。

過日、2階の介護施設におられる方が、車椅子に乗せてもらって、4階に来られた。
偶然、廊下にいた私は、介護士にも車上の方にも、笑顔で挨拶したつもりである。
が、介護されている(90歳以上に見える)方は、無表情であった。
上品なお顔立ちの方であり、昔は<和顔>の美しい方だったのだろう。
老いは表情まで奪うのかと思いながら、心が冷えてゆく思いだった。
上手に、寿命を生き切ることは、難しいことのようだ。


木斛(モッコク)の新芽
雨に濡れて…
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