しばしば見上げては眺めていた一本の馴染みの樹木が、昨年、伐採された。
その名は、「キササゲ」。
大きな葉がよく繁り、茂みの中のあちこちに円錐花序を出し、初夏には、淡黄色の地味な花を多数咲かせていた。
初秋になると、野菜のササゲに似た、ずいぶん長い実が、垂れさがるのだった。
私は、その風変わりな樹木に親しみを覚え、ブログに幾度か、その花や実を掲載した。
が、その「キササゲ」との再会は不可能となった。
樹木そのものが、不在となったのだから。
(別の場所で、キササゲを見たことがない。)
その樹木は、ずいぶん昔から、そこにあったように思う。
50年以上佇んでいたはずだ。
ただ、私が気に留め始めたのは、ブログを書くようになってからである。
今は、がっしりと大地をつかんだ根だけが、姿を留めている。
戦争中の名残かと思われる、防火用貯水槽が、昔からあった。
コンクリートでできた重い容器を、強靭な根が、持ち上げている。(下の写真)
根の力は、すごい!