ぶらぶら人生

心の呟き

ハンマースホイ展 (国立西洋美術館)

2008-12-05 | 旅日記
 上京の二日目(11月30日)は、午後、羽田を発つ日でもあった。
 午前中は、自由に行動できる。そこで、計画していたのは、国立西洋美術館(写真)で、<ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情>展を観ることであった。

 デンマークの画家、ハンマースホイ(1864~1916)については、NHKの新日曜美術館で紹介されるまでは、全く知らなかった。日本の美術館で本格的に紹介されたのも、今回が初めてらしい。
 ハンマースホイは、私の好みの画家である。
 <静かなる詩情>という表題が、そのままハンマースホイの特色を表している。
 多くを語らず、沈黙が全てを語っているかのような絵だ。
 室内表現が多い。その意味では、フェルメールに似ている。
 ただハンマースホイの絵は、モノトーンを基調にしている。画面には、妻のイーダがしばしば登場する。黒いドレスの後ろ姿で。イーダのいる部屋は、ハンマースホイの住まいだそうだ。
 とにかく、今まで類似の絵画を見た記憶がない。その意味で新鮮であり、魅力的でもある。絵の中に、非常に確かな存在として、ハンマースホイがいる、そんな感じだった。展示作品数が多いにも拘らず、飽きさせないのは不思議なほどである。

 <同時代のデンマーク美術>では、他の画家の作品も展示されていた。
 が、今回の展示の大方が、ハンマースホイの作品であるのが嬉しかった。

 入場者の数はかなり多かった。しかし、絵画鑑賞に支障があるほどではなく、自然な歩みで、絵画の前に立つことができた。

 見終わって、羽田に向かうまでには多少のゆとりがあったので、館内にあるレストラン<すいれん>に入った。私は、ここでコーヒーとケーキを注文し、しばらく中庭の木々のそよぎを眺めるのが好きである。
 西洋美術館を訪れる時には、必ず立ち寄ることにしている場所である。
コメント
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