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温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

由布院温泉 荒木共同温泉

2013年01月31日 | 大分県
※残念ながら閉館しました。


今回からしばらくは由布院温泉を取り上げてまいりましょう。駅の観光案内所でレンタサイクルを借りて湯めぐりへレッツゴー! 改札から出た観光客は悉く駅前正面の通りを真っ直ぐ進んで行きますが、私一人はそんな人々に背を向けて、観光とは縁の無さそうな方向へとペダルを漕ぎます。
画像は雲に隠れた由布岳をバックに走る久大本線の普通列車です。



列車の画像を撮影したポイントの近くで、線路際に湯気抜きらしきものを戴いた怪しい陋屋を発見。
屋根が撓んでおり、中央部分が凹んでいますね。瓦もかなりくすんでおり、相当古そうな建物です。


 
「線路内人立入禁止」の立て札傍に踏み跡があるので、そこで線路を横断して向こう側へ。なお、看板が指す「立入禁止」とは、『スタンド・バイ・ミー』のワンシーンみたいに線路伝いに延々と歩いちゃいけないよ、という意味だと解釈し、今回は簡易的な第4種踏切なんだと割りきらせていただきました。だって線路敷に降りるためのちゃんとした階段まで設置されているんですもの…。
線路の向こう側には浄水場の沈殿池を思わせる養魚場の大きな水槽がいくつも並んでおり、その手前を線路と並行に折れて小屋へと向かいます。


 
湯屋へ到着しました。近くで見ると想像以上に古色蒼然としています。鄙び系の湯屋を愛する温泉ファンでしたら分泌したアドレナリンで周囲を洪水にさせちゃいそうなほど渋い佇まいですね。ここが今回の目的地である「荒木共同温泉」であります。由布院に点在するジモ専(地元民専用の温泉共同浴場)の一つですが、扉脇に「他の方へ 一人百円をこの中へ入れて下さい」と書かれているように、部外者でも利用が許されている有難い存在なのであります。上向きの固定されたパイプの口に100円を投入し、早速中へとお邪魔します。


 
なお湯屋の脇では、蓋されたヒューム管からボコボコ音を立てながら勢い良く温泉が湧出していました。このお湯が湯屋へと引かれており、これから私はこのお湯に入るわけです。こんな目の前で力強く湧き出る源泉の姿を目にするだけでも興奮しちゃいます。お風呂で使われないお湯は横からドバドバ捨てられており、吝嗇が骨まで染み込んでいる私はつい「勿体無ぇ」と呟いてしまいました。贅沢な湯使いこそ由布院温泉の醍醐味ですね。


 
いかにも九州の共同浴場らしく脱衣所と浴室が一体型となった室内レイアウト。棚はなぜか窓下の低い位置に設けられています。入浴時、無神経にバシャバシャ勢い良く掛け湯しちゃうと、脱衣場のスノコにはもちろんのこと、棚の中に衣類にもお湯がかかっちゃいますので、掛け湯するときは静かに大人しく周囲の状況に注意しましょう。


 
建物に入ってすぐに浴室です。梁がむき出しになった伝統的な湯屋建築です。外から見た時には中央に向かって撓んでいた湯気抜きですが、内側から見るとそんなに草臥れているようには見えませんね。



床も浴槽もモルタルで、ほぼ正方形の浴槽は2人サイズ。
男女両浴室の仕切りの間には小さな仏様が置かれ、湯浴み客を見守っています。この浴室は長年使われ続けているらしく床は薄く白っぽく染まり、浴槽内は苔のような暗いモスグリーン色で覆われていました。湯船のお湯をよく見ますと槽内から剥がれたと思しき苔の破片のような深緑色の小さな浮遊物がチラホラ見受けられます(もっともよく観察しないとわからない程度なので、実使用ではそんなに気にならないでしょう)。


 
四角い湯船には上述の源泉から直接引かれたお湯が注がれています。由布院らしい無色澄明無味無臭のあっさりした癖の無いお湯で、当然ながら加温加循環消毒とは無縁の完全掛け流しです。温度計を突っ込んだら46.1℃という高い数値が計測されたので水で薄めて温度調整したかったのですが、加水できるような水道蛇口が見当たらなかったので、熱いまんまでグッと堪えて入浴しました。でも肌への当たりがソフトな優しいお湯なので、多少熱くても思った良い体への刺激が少なく、温度計の数値が嘘に感じられるほど極々自然に抵抗なく全身浴できちゃいました。入浴中はサラサラスベスベ、そして湯上りはすっきり爽快、とても心地の良いお湯でした。こんな素敵なお風呂を外部者に開放してくださっている地元の方に感謝致します。


温泉分析表見当たらず(おそらく単純温泉)

大分県由布市某所
(今回は地図による場所の特定を控えさせていただきます)

※残念ながら閉館しました。
入浴可能時間不明
100円
備品類なし

私の好み:★★★
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天ヶ瀬温泉 共同露天風呂 益次郎温泉・鶴舞の湯

2013年01月30日 | 大分県
「薬師湯」「神田湯」「古湯」「駅前温泉」と4回連続で天ヶ瀬温泉の共同露天風呂を取り上げてきましたが、入浴可能時間の関係で利用できなかった露天が2つありますので、今回は画像だけ紹介させていただきます。


●益次郎温泉

維新十傑の一人である大村益次郎に縁りがあるらしい「益次郎温泉」は天ヶ瀬の共同露天風呂では屈指の人気を誇っているんだとか。


 
天ヶ瀬橋の上から眺めてみました。緑色のテントに囲まれているのが「益次郎温泉」であります。なおその後背に聳え立つ旅館は「天龍荘」と「旅館本陣」です。共同露天風呂の中では唯一玖珠川の右岸に立地しているこの風呂ですが、目の前まで車で来られる点も人気を集めるファクターのひとつなのでしょう。


 
緑色のテントでガッチリ周囲を囲まれたこのお風呂は、天ヶ瀬の共同露天風呂の中では目隠しが最もしっかりしているように感じられます。もちろん混浴です。入浴時間は午後2時から10時まで。


 
今回はお昼前に訪れてしまったため、浴槽はお湯が抜かれて空っぽの状態。湯口からチョロチョロとお湯が落とされているばかりでした。湯口直下の浴槽底は白く染まっています。


 
真上の「天龍荘」玄関前には足湯が設けられています。こちらは午前中でも利用可能でして、天ヶ瀬らしい無色透明で硫黄の湯の香を漂わせる温泉が注がれていました。

久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約7~8分
大分県日田市天瀬町湯山  地図

14:00~22:00
100円
備品類なし(桶のみ)



●鶴舞の湯
 
「神田湯」より更に川を遡ります。なお左岸の歩道は途中で途切れてしまって川伝いに進むことはできませんので、一旦道路へ上がります。青い下路アーチの新天ヶ瀬橋手前で階段を下りて河原へ戻ると・・・


 
階段を下りきってすぐのところに、共同露天風呂の中で最も上流に位置する「鶴舞の湯」がどっしりと構えていました。ここは入浴可能時間が17時以降と遅いため、昼前の列車で当地を経つ予定の私はあいにくこちらを利用することができませんでした。撮影時は入浴開始時間までまだ5時間以上あったため、お風呂の中はもちろん空っぽ。



お風呂からは、川面はもちろん橋の裏側まで見えちゃいます。他の共同露天風呂は多少なりとも目隠しがありましたが、こちらは短冊状の柵がちょこっと立てられているだけですから、当地の共同露天風呂では「神田湯」に次いで開けっぴろげな状態と言えそうですね。


久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約10~11分
大分県日田市天瀬町桜竹 地図
0973-57-2166(日田市観光協会天瀬支部)
日田市観光協会HP

17:00~22:00
100円
部品類なし


●おまけ
 

天ヶ瀬から次の目的地へ向かうべく特急「ゆふいんの森」に乗車。
指定席に座って出発直後の車窓を眺めると、駅前の道路から観光案内所の方がゆずのキャラを手に持って乗客に手を振っていました。九州新幹線全線開業のCM(リンク先はYouTube)を連想させるこの微笑ましい光景は、天ヶ瀬がいかに心温まる場所であるかを伝えてくれているようでした。
コメント (2)
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天ヶ瀬温泉 共同露天風呂 駅前温泉

2013年01月29日 | 大分県
 
鉄道で旅をする者にとって、駅から近いところに温泉入浴施設があるかないかは非常に大きな問題のひとつでありますが、天ヶ瀬温泉では駅の至近に掛け流しの共同露天風呂があるんですから、JRで当地を訪れた私としてはその温泉を利用しないわけにはいきません。
駅前の土産物店の間から伸びる路地を河原へ向かって入っていきます。路地の入口にはちゃんと案内が掲示されているので、初見でも迷わずに済みますね。なお前回取り上げた「古湯」から河原に沿って川下へ歩いていってもOKです。


 
土産物店の軒下を抜けて河岸へ出ますと正面に「駅前温泉」と記されている瓦屋根の小屋が建っていますが、これは湯屋ではありませんので、小屋下に置かれている岩へ直書きされている赤い矢印に従って更にスロープで河原へと下りていきます。


 
駅から徒歩1~2分程度で今回の目的地「駅前温泉」に到着です。天ヶ瀬では最も下流に位置する共同露天風呂であります。当地の他の共同露天風呂と同様に混浴で質素な造りが特徴的ですが、目隠しとなるグリーンのテントが人目に対して大きく張られており、全体的な構造や施設名の銘板なども他に較べてはるかにしっかりとした造りです。観光客が一番訪れやすい立地なので、おもてなしをするためにきちんとお化粧しているのかもしれません。


 
他の共同露天風呂と同じくここも入浴料は100円。柱に括りつけられた料金箱に投入させていただきました。当然ながら各露天とも無人ですし両替できるような場所もあまりありませんから、当地で湯めぐりする場合には予め小銭をたくさん用意しておいた方がいいですね。



ちなみに付近の橋の上から眺めるとこんなロケーションです。


 
地元の方のご尽力により、無人の屋外施設とは思えないほど綺麗に維持されています。またケロリン桶の備え付けも他より多かったり、木の切り株のようなあたたかみのある外観の腰掛けが用意されていたりと、使い勝手も心地も良好です。



壁には寄付者の名札がぶら下がっていました。みなさんの善意によって湯浴みが楽しめるんですね。利用者のひとりとしてこの場を借りて感謝申し上げます。


 
一方で、無人であるがゆえにマナーに反する有象無象が出没するのでしょう、そうした輩に対して牽制するため強めの語気で書かれた注意も目を惹きました。文言を目にするだけで頑固親父に睨まれているような緊張感が全身を走ります。


 
玖珠川の流れに沿った長方形の岩風呂っぽい湯船は、他の共同露天風呂よりも広い容量が確保されており、多人数でも体を伸ばしてノビノビ入れます。その湯船に張られているのは底が霞むほど白濁したぬるめのお湯で、前回まで取り上げてきた無色透明のお風呂とは一線を画しています。お湯の中には「神田湯」ほど多くはないものの真っ白い湯華が浮遊しており、それに混じって少々の黒い湯華も舞っています。また湯面からは明瞭な硫化水素臭が放たれ、硫黄らしい味と重曹的なほろ苦さが感じられました。言わずもがな湯使いは完全放流式。
駅前にもかかわらずこんな開放的な露天風呂があり、しかも硫黄感を有する白濁湯にわずか100円で利用できるのですから、天ヶ瀬は旅人にやさしい温泉地ですね。


 
「駅前温泉」の手前側(上流側)には古めの標柱が立っており、よく見ると「簗瀬共同浴場」と記されていました。これは「駅前温泉」の旧称なのか、もしくはそのような名称の共同浴場が別個に存在していたのか…。


 
「駅前温泉」の対岸にも開放的すぎる露天風呂を発見。



実際に対岸に渡ってみますと、その露天風呂は旅館「清風荘」のお客さん専用「せせらぎの湯」でした。


温泉分析表見当たらず
(含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉)

久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約1~2分
大分県日田市天瀬町桜竹 地図
0973-57-2166(日田市観光協会天瀬支部)
日田市観光協会HP

8:00~22:00(22:00以降入浴禁止)
100円
備品類なし

私の好み:★★★
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天ヶ瀬温泉 共同露天風呂 古湯

2013年01月28日 | 大分県

前回取り上げた「神田湯」から河原を歩いて駅方向(川下)に戻り、「薬師湯」も通り過ぎ、天ヶ瀬橋を潜ってすぐのところで、左の崖沿いに青いテントが、川側に緑色のテントが目に入ってきました。


 
緑色のテントは旅館「シャレー水光園」が管理している露天風呂「かじかの湯」の脱衣小屋。この露天風呂は「神田湯」のように何の囲いもない開けっぴろげなお風呂ですが、共同露天風呂の5倍となる料金500円が必要ですし、運悪く訪問時は清掃の真っ只中でしたので、今回入浴は見送ることにしました。



ということで今回の入浴先は100円で入れるこちらの共同露天風呂「古湯」であります。ブルーシートで目隠しされている簡素な造りもさることながら、上の画像ではわかりませんが、信用金庫の直下という立地条件も他に類を見ない、かなり稀有なお風呂であります。
~悠久の清流玖珠川に寄り添う、威風堂々たる仙湯の殿堂~


 
小股でステップを上がって掘っ立て小屋のような入口へ。
~ラグジュアリ感に満ち溢れたエントランスは、湯煙に揺蕩う旅人を秀麗な時間へ誘う栄光のステージとなる~


 
ブルーシートの目隠しは仮設じゃなく常設なんですから恐れ入ります。擁壁側が更衣スペースになっていて足元にスノコが2枚敷かれいますが、衣類や荷物を収めるカゴ代わりとして、100円ショップで売られているようなプラスチックのBOXが2つ、紐に括りつけられて置かれているだけ。まさに身内(地元民)が日々の生活のために用いる普段着のお風呂なのですね。
~質樸という名のプライド。削ぎ落とされたストラクチャにこそ類い稀なる真実の享楽が宿る~


 
崖上の建物基礎を支える柱に注意書きが直書きされています。屋根を支える骨組みにぶら下がっている缶の料金入れも、これまた手作り感たっぷりで良い味出してますね。
~1枚のコインが眩い後光を放つ瞬間、あなたは得がたい価値を享受する、それこそ真の贅~


 
天ヶ瀬の共同浴場らしく対岸から丸見えですね。でも浴槽まわりの目隠しに断絶はないので、湯船に浸かっちゃえば河原を散歩している人から見られるようなことはないでしょう。尤もその場で立てば外部の視線を遮ることはできないのですが…。日頃から私は、生物学的にも精神的にも市場の対象としても女性に劣る男に生まれてきたことに後悔してばかりいるのですが、露天風呂に限って言えば羞恥心を全く気にする必要がないので、この時ばかりは自分が男であることに至上の喜びを覚えます。なお川の手前にある吹きっ晒しの露天風呂は上述の「かじかの湯」です。
選ばれし地より連綿とした湯の伝統を育んできた渓流を展望すれば、そこに圧倒的な感動と邂逅があなたを待っている



ここには以前内湯があったのでしょうか、あるいは元々そういうスタイルなのでしょうか、四角い浴槽の縁は小さな方形のタイルが貼られており、長い年月の間に草臥れてしまったのか至るところが割れたり剥がれています。
浴槽の側面から突き出た短いパイプにホースが接続され、その先からお湯が吐き出されています。しっかりとした放流式の湯使いでして、全身を湯船に沈めると硫黄感を有する透明なお湯が勢い良くオーバーフローしていきましたが、湯加減はちょっとぬるめであり、またお湯の投入量も少なめでやや鈍り気味でした(この時だけなのかもしれません)。
天ヶ瀬の他の共同露天風呂が観光施設的な側面も兼ね備えているのに対し、この「古湯」は地元の生活が色濃く映し出されているように感じられますので、共同浴場の風情が好きな方でしたらこの「古湯」を当地における湯めぐりの第一選択にしたら良いかもしれませんね。
~AMAGASEリバーフロント、天の恵んだ神々しい出で湯とともに息づく生活、そして湯浴み人を癒しの極致へ導く静謐な時間がここにある~

台湾の烏来に似たコンクリ基礎直下の質素なブルーシート囲いという衝撃的な外観を目にした瞬間、誇張や誇大を通り越したオフザケ&面白コピーが氾濫する不動産業界の広告コピーでこのお風呂を表現したら面白いだろうなと思いついてしまったので、今回は各キャプションにそれっぽい文章を付け加えてみました。もし不快に思われる方がいらっしゃったらゴメンナサイ。こんな文章を付け足したからといって、「古湯」を批判しようなんて考えは毛頭ございません。むしろその唯一無二の独特な雰囲気はとっても印象的でしたよ(^^) 皆様も是非どうぞ。


温泉分析表見当たらず
(含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉)

久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約5~6分
大分県日田市天瀬町桜竹 地図
0973-57-2166(日田市観光協会天瀬支部)
日田市観光協会HP

入浴可能時間不明
100円
備品類なし(ケロリン桶が3つのみ)

私の好み:★★★
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天ヶ瀬温泉 共同露天風呂 神田湯

2013年01月27日 | 大分県
 
前回取り上げた「薬師湯」から玖珠川の左岸を更に上流へ歩いていきます。次に目指すのは、駅からずっと続いている温泉街の街並みが少しずつ寂しくなりはじめた辺りに位置している共同露天風呂「神田湯」です。神田湯の読み方は「かんだゆ」ではなく「じんでんゆ」なんだそうです。



川の流れのすぐそばに、何やら池のようなものから湯気が上がっている光景が目に入ってきました。これも歴然とした共同露天風呂なのですから、初見の私は驚いてしまうやら感激してしまうやら…。



目隠しも何にもない、まさに吹きっ晒しの露天風呂。河原からはもちろん、崖上の道路からも思いっきり丸見えですね。究極の衆人環視状態です。湯船の下流側には周囲より僅かに低くて天然石材が敷き詰められているスペースがあるのですが、雰囲気から察するにおそらくそこで掛け湯をするのだと想像されます。



双眼鏡が無くても対岸の旅館から丸見えでしょう。お風呂というより川の流れの一部みたいですね。



道路のコンクリ擁壁にアンカーボルトで鋼材が直接固定され、その上にアクリル波板を載せて両側に簾を垂らしただけの、至って簡素な脱衣スペース。目隠しなんて無いに等しい状態で、脱衣スペースというより物置みたいです。



赤いポストのような料金箱に100円玉を一枚投入します。



天ヶ瀬にある共同露天風呂の中では最も開放的でしょう。
河原にある丸見えの共同露天風呂といえば、岐阜県下呂温泉の「噴泉池」や熊本県満願寺温泉の「川湯」など、全国的な視野で探せばいくつか列挙できますが、「噴泉池」ほど往来は多くなく、万願寺の「川湯」ほど民家に近くありませんし、また当地の往来もそんなに多いわけじゃありませんから、いくら吹きっ晒しだからといってあまり周囲からの視線に対して神経質になる必要は無いかと思います。そして・・・



注意書きの立て札にご注目。このようなあまりに開けっぴろげすぎるロケーションゆえに、このお風呂では例外的にバスタオルや水着を使用した入浴がOKなのです。尤も更衣スペースは上述のような状態ですから、予め室内や車内で水着など着替えた上で利用するのも一つの方法かと思います。



浴槽は全体的に浅い造りで、入浴中は姿勢をちょっと横にしないと肩まで浸かれませんでした。また清掃のタイミングの問題かあるいはワイルドなロケーションのためか、浴槽の底がとても滑りやすくて利用中は何度も足元を掬われそうになってしまいました。
張られているお湯は前回の「薬師湯」とほぼ同じような感じですが味・匂いともに若干弱く、湯口からはしっかりと熱い源泉が注がれているのですが、湯船の表面積が広くて熱を奪われやすいためか40℃あるかないかの温度でした。またその温度低下に伴うためか、槽内には白く小さな硫黄の湯華が沈殿しており、入浴するとそれが一気に舞い上がって湯船が湯の華まみれになります。でも湯使いは紛れもなく完全掛け流しです。

天ヶ瀬で最も開放的な露天風呂は、雰囲気といいコンディションといい、見た目通りに野湯っぽいワイルドな一湯でありました。


温泉分析表見当たらず
(含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉)

久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約9分
大分県日田市天瀬町桜竹 地図
0973-57-2166(日田市観光協会天瀬支部)
日田市観光協会HP

6:00~23:00
100円
備品類なし(ケロリン桶が1つのみ)

私の好み:★★★
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