温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

四重渓温泉 四重渓温泉浴室

2020年07月07日 | 台湾

温泉好きな日本人旅行者が訪ねる四重渓温泉の有名ポイントといえば、 戦前に高松宮様がハネムーンで訪れたお風呂を擁する「清泉日式温泉館(清泉温泉ホテル)」か、あるいは地域のための無料公衆浴場である「四重渓温泉浴室」のいずれかではないかと思います。私はいままで四重渓温泉へ何回か足を運んでおり、前者には宿泊したことがあるのですが、なぜか後者はこれまで利用する機会に恵まれませんでした。ある時は工事中、ある時は清掃中といった感じで、ご縁が無かったのです。しかしながら、2020年2月に当地を訪ねた際、ようやくここで入浴することができたので、簡単にレポートさせていただきます。


台湾の地元民向け公衆浴場は多くが無料で利用でき、もちろんこの四重渓温泉浴室も無料です。それゆえ、地元の方に敬意を払い、マナーを守って利用したいものです。上画像は出入口に掲出された開業時間や注意点など。朝5時から夜11時まで利用可能ですが、平日午前8時から10時は清掃時間となるため利用できません。

正面向かって左が女湯で右が男湯。入口から入ってトイレの前を通過し、スイング扉を開けた奥に浴場が広がっています。
私の訪問時、浴場内は地元のおじいさんたちで混雑していたため、撮影はしていません。今回記事は文章のみで説明いたしますので、もし浴場内の様子をご覧になりたい方は、ネットで検索してみてください。

場内は台湾公衆浴場の標準的な造りと申しましょうか、土足ゾーンと入浴ゾーンの区別がなく、また着替えゾーンと入浴ゾーンとの区別もなく、入口から洗い場までひたすらフラットな造りになっているため、特に着替える場所など床が濡れやすいところでどうしても足元が汚れてしまいます。あらかじめ足を拭く雑巾を用意しておくか、サンダルなどで訪れるなど、事前にそれなりの対策が必要かと思います。
浴室奥には洗い場があり、水栓が4つ設置されているのですが、4つともお湯のカランであり、開けると直に触れないほど熱い温泉のお湯が吐出されます。洗い場の奥には汲み湯用のお湯と水道水の槽がありますので、まず備え付けのバケツを手にし、手桶(洗剤の容器の上を切ったもの)でお湯と水を合わせて汲んでちょうど良い湯加減のお湯をつくり、それを使って掛け湯したり体を洗ってください。

浴場の壁には富士山のような山、そして山の両側に桜の花が咲いている様子を描いたタイル絵が施されています。そして、その真下に設けられている浴槽は押しつぶした半円のような形状をしていて、とても大きく、中央の湯口から熱いお湯がドバドバと注がれ、巨大な浴槽に四重渓を湛えていました。多少加水されているものの、ほぼかけ流しの湯使いとみて間違いありません。でも夕方に訪問したときにはお湯が汚れて若干白濁しており、翌朝は透明ながら湯嵩が低くて寝そべらないと肩まで浸かることができませんでした。つくづく私はこのお風呂と相性が宜しくないようです。日頃の行いが悪いのかしら…。
とはいえ、地元の方と触れ合うことができる貴重な施設であることには違いありませんから、日頃善行を重ねている皆様ならば、きっと満足のゆく湯あみが楽しることでしょう。

碳酸氫鹽泉(炭酸水素塩温泉) 53.2℃ 溶存物質1130~1240mg/kg

通年オープン 5:00~23:00(月曜~金曜の8:00~10:00は清掃時間)
屏東県車城郷温泉村文化路3-6

本文が短いので、四重渓温泉公園について簡単に触れておきましょう。


公衆浴場の裏手の山には、近年整備された温泉公園が広がっています。


よく整備された園内には足湯が設けられ、この日も数名の方が足をお湯に浸していました。


足湯の先には石灯篭らしきオブジェが設えられた参道らしき歩道が伸びており・・・


神社浴仏と書かれた説明プレートが設置され・・・


お社のような屋根の下に仏さまが鎮座していました。どうやら薬師様を神社スタイルで拝みましょう、という日台折衷の不思議なコンセプトのようです。あまりこの手のものに突っ込むのは却って無粋な気がしますので、ここは敢えて温かい目で見守りたいと思います。

さて、台湾シリーズはひとまずこれにてオシマイ。
次回からは日本の温泉に戻ります。
あぁ、早く台湾へ旅行したいなぁ。
いつになったら元のように自由に海外旅行ができるようになるのでしょうか。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山本)
2024-05-18 21:26:56
5月6日から8日に四重溪に行きました。
看山民宿に泊まりましたが、部屋付きの風呂では味気ないので、公衆浴場へ。地元?のおっさんがしているように備え付け?のワックス?の空き容器に湯を入れ、水で温度調整。湯はちょっと熱めでした。
帰りに温泉公園に行ってカピバラに笹の葉(30元)をやってきました。四重溪に関する情報があまりなく、この記事が大変参考になりました。ありがとうございました。
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Unknown (K-I)
2024-05-20 11:50:19
山本さん、こんにちは。
備え付けてあるお風呂の手桶が、一部を切り取って汲みやすくした洗剤の容器なんですよね(笑)。ま、たしかに取っ手もあるので、汲みやすいといえば汲みやすいんですよね。使えれば何でもOKという考え方が台湾らしくて、私は好きです。
温泉公園にカピバラがいるんですか!? それは知りませんでした。

おっしゃるように四重渓温泉に関する日本語の情報は少ないにもかかわらず、旧来の民宿がコンスタントにつぶれたり、公営の施設が造設されたりと、細かな変化が多いところでもあります。日本人観光客が行きにくい場所なので仕方ないのかもしれませんね。
拙ブログがご旅行のお役に立てて幸いです。
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Unknown (山本)
2024-05-20 19:03:20
K-1さん、お返事ありがとうございます。
実はカピバラのいる「卡比園区 水豚園」はタマネギ?温泉坊やのいる温泉公園とは道路向かいです。入場料に200元取られますが、売店で使える100元×2の金券がついてきます。(ドリンクとソフトクリームに化けましたが)

行きは海生館に立ち寄り、帰りは屏東客運518系統のバスに乗りましたが、帰りのバスは始発の文明路口から終点の枋寮火車站まで他の客はいませんでした。(11月~2月のシーズンは違うのでしょうか?)
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Unknown (K-I)
2024-05-22 10:40:00
>山本さん
私が温泉公園を訪問した時には一部工事中でしたので、その部分がカピバラ園になったのかもしれません。そもそも私が訪問したときには有料化していませんでしたので、お知らせくださった変貌に驚いています。

私が最近四重渓へ行く際にはレンタカーを使ってしまうため、屏東エリアの路線バスには最近ご無沙汰なのですが、始発から枋寮まで貸切状態とは寂しいですね。一番初めに四重渓へ行った当時は518系統が無く、路線バスも非常に本数が少なかったため、恒春から白タクを捕ました。そもそも人口が少ない上にマイカー社会なので、バスの利用は少ないのでしょうね。
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