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温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

八甲田ホテル その3(温泉)

2025年01月15日 | 青森県
前回記事の続きです。


さて、お待ちかねのお風呂へと参りましょう。なお日帰り入浴は受け付けていないはずですので、こちらのお風呂に入れるのは宿泊客だけの特権と言えます(そのはず)。浴衣姿で通路を歩き、階下にある大浴場へ。


男女別の浴室は夕・夜・朝いずれも固定されており、時間や日による暖簾替えは無いようです。


さすがハイクラスのホテルだけあって更衣室は清潔で使い勝手も良好。各種アメニティが用意されている他、タオルは棚に積んであるものが使えるので、お部屋から持ってゆく必要ありません。


洗面台付近には冷たい八甲田の伏流水が用意されており、湯上り後に飲んだら美味しいのはもちろん、入浴で失われてゆく水分を補うため、入浴前にも飲んでおきましょう。


お風呂は内湯のみで、夜はライトアップされ、朝は日の光を受けて輝く八甲田の豪雪を窓ガラス越しに眺めながら、寒さ知らずでのんびりゆったりと雪見風呂を楽しみました。


主浴槽と窓外の景色を別アングルから。落ち着いた良い雰囲気です。窓外に広がるヒバの自然林も美しいですね。
本館に相当する酸ヶ湯温泉旅館みたいに、こちらのお風呂もヒバ材を多用しており、特に浴槽は床も含めて総ヒバ造。ヒバならではの質感や重厚感、ぬくもりがしっかりと感じられます。


サウナと水風呂も完備。


湯口からはほぼ無色透明なお湯が浴槽へ注がれ、湯船を満たした後は窓側の溝へとオーバーフローしています。酸ヶ湯と近いので同じ源泉かと想像する方もいらっしゃるかと思いますが、こちらではれっきとした独自の自家源泉を加水かけ流し使用しており、お湯を口に含むと口腔内をキュッと収斂させる強い酸味が感じられます。酸ヶ湯と同じように硫酸、鉄、そしてアルミニウムが主成分という典型的な酸性の明礬泉なのですが、白濁しやすい酸ヶ湯と異なり、上述の通りこちらはほぼ無色透明です。強い酸性のため湯船に入った瞬間は肌にもピリッとした刺激がありますが、そのまま肩までしっかり浸かると肌にしっとりと馴染み、ツルツル感も相俟って、実によい入り心地が得られます。
このお湯をすっかり気に入った私は、宿泊中に何度もお風呂と自室を往復してしまいました


なんとアイスキャンディーのサービスも用意され、お風呂上がりで火照った体を気持ち良くクールダウンすることができました。


実はこの温泉のお湯を拙ブログにおいて2014年8月に、別の形で紹介したことがあります。その時の記事タイトルは「八甲田山中 某源泉地帯のこぼれ湯」というもの。ホテルで使い切れずにオーバーフローさせている源泉のお湯があり、そのままでは熱すぎるため、沢水と混じって良い湯加減まで下がったところで野湯として楽しみました。あれから約10年が経ち、ようやくちゃんとした形でお風呂に入れたわけです。

それにしても、ホテルのファシリティー、館内の雰囲気、サービス、お食事、そしてお風呂、それらすべてが素晴らしく、わざわざここまで来て良かったと納得の一泊でした。温泉マニア的な視点から考えても、酸ヶ湯温泉旅館とは別源泉且つ良い温泉ですので、入る価値は十分にありますね。


荒川温泉(再分析)
酸性・含鉄( II・III)・アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉
72.9℃ pH1.66 自然湧出(湧出量測定不能) 溶存物質7.970g/kg 成分総計7.985g/kg
H+:22.0mg(19.65mval%), Na+:58.2mg(2.28mval%), Ca++:297.3mg(13.36mval%), Al+++:496.4mg(49.67mval%), Fe++:203.8mg(6.57mval%), Fe+++:31.8mg,
F-:8.5mg, Cl-:1431mg(33.55mval%), HSO4-:2061mg(17.65mval%), SO4--:2798mg(48.43mval%),
CO2:15.3mg,
(2024年9月24日)
加水あり
加温循環消毒なし

青森県青森市荒川南荒川山1-1
017-728-2000
ホームページ

私の好み:★★★


コメント (2)
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八甲田ホテル その2(お食事)

2025年01月09日 | 青森県
前回記事の続編です

前回記事では豪雪の厳冬期にレンタカーで「八甲田ホテル」へアクセスするまでの過程と、ホテルの立派な造り、そしてお部屋の様子をご紹介しました。今回記事では夕食と朝食を取り上げます。
人里から完全に隔絶された八甲田山中にある「八甲田ホテル」で宿泊する場合、自分で食糧を持ち込まない限り、素泊まりという選択肢はありえません。周囲に飲食店や商店はありませんし、特に冬期は21時から翌朝7時半まで、酸ヶ湯へアクセスする国道103号・国道394号ともに途中のゲートで閉鎖されるため、夕食のために人里へ降りてモタモタしているとホテルへ戻って来られなくなります。そもそもこのホテルに泊まるお客さんは素泊まりで済ませようなんてケチなことは言わないかと思いますが、せっかく宿泊するのですから、ホテルご自慢の料理に舌鼓を打って、ブリリアントな時間を過ごしましょう。

●夕食

こちらのディナーは、宿泊予約時にフレンチのコースと和食のコースから選択できるのですが、和食処が2024年9月にリニューアルされたそうですので、今回はそんな和食処でいただくことにしました。


すっきりとした合理的かつ現代的な構造でありながら、木材の多用や暖色系照明によって和の趣きもしっかり感じられる、ぬくもりたっぷりの食事処。


まずは窓外の雪を眺めながら生ビールで喉を潤します。


まずは前八寸。ガラスの器に盛られた料理は、右上から時計回りに、青森サーモンのスモーク、ワカサギの南蛮酢、青菜のお浸し、岩もずく、そして筒井紅蕪豆腐と白蕪のすり流し。
続いて椀物で、青森県の中でも旧南部藩領や下北地方に伝わる郷土料理の「けいらん」が入った真鯛の潮汁。


お造りは、マグロ、ヒラメ、ボタンエビといういかにも青森県らしいラインナップ。
そして焼き魚は青森県産ブリの酒焼きで、兵庫県六甲の名産である有馬山椒によりピリッとさせたタレをつけていただきます。山椒の辛さと風味がブリの美味さを引き立ててくれました。


強肴、所謂メインディッシュは低温調理した津軽鴨ロース。鴨の上に添えられているのは紅玉リンゴです。


タコの炊き込みご飯、味噌汁、そしてデザートで締めくくります。
食べて美味しいだけでなく、見て美しく、香って芳しく、ご当地産食材の持ち味や魅力が存分に活かされた、大変結構なお食事でした。

●朝食

朝食は和食処とは別のレストランでいただきます。ディナーでフレンチのコースを頼めば、おそらくここでいただくことになるのかと思います。


さすがフレンチディナーが提供されるレストランだけあって実に豪華な造り。調達するだけでも非常に苦労したのではないかと想像される太くて立派な丸太を組んだログハウス建築の高い天井から、ホテルオリジナルの特注シャンデリアが吊り下げられており、材工合わせて算盤を弾いたらとんでもないことになりそうだ、と下世話な想像をしながら室内を見回し・・・


窓外の真っ白な雪を眺めて、案内された席へ座ります。


朝食は和食と洋食から選択可能で、私は和食を選択しました。塩鮭、玉子、煮物のほか、青森県が日本屈指の生産量を誇る長芋、深浦の特産品である「つるつるわかめ」、リンゴのコンポート、リンゴジュース、そして青森県の新ブランド米「はれわたり」など、ご当地の食材をふんだんにつかった品の数々。そして…


津軽の郷土料理である貝焼き味噌です。自分で火を点け、生卵を溶いて中へ注ぎ、程よく固くなったら自分で火を止めて食べます。ご飯が進む美味しさで、ついついお櫃ごとご飯をおかわりしてしまいました。

●棟方志功




食後に気づいたのですが、館内には青森を代表する版画家棟方志功の作品が複数展示されていました。生前の棟方志功は、このホテルの本館に相当する酸ヶ湯温泉旅館を度々訪ねていたようですから、その時の縁で作品が提供されたのかもしれませんね。

お待たせしました。
次回記事では肝心のお風呂について取り上げます。

次回に続く。

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八甲田ホテル その1(現地まで・お部屋)

2025年01月07日 | 青森県
(2024年12月訪問)
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
さて、ここ数年の拙ブログでは1年以上前に訪ねた際の記録を週1回のペースで小出しに投稿しており、今後もしばらくは同様のペースで記事をアップしてゆくことになりそうですが、せめて新年一発目ぐらいは新しく且つちょっと豪華な感じの訪問記をご紹介することによって賑々しくスタートを切りたいので、今回記事では昨年末に一晩利用した青森県八甲田山中の「八甲田ホテル」について取り上げます。

「八甲田ホテル」は泣く子も黙るほど有名な「酸ヶ湯温泉旅館」と同じ酸ヶ湯温泉株式会社が運営するホテルで、「酸ヶ湯温泉旅館」同様に年間営業です。八甲田の山中にある酸ヶ湯温泉といえば毎冬の記録的な積雪で全国ニュースに取り上げられますが、「八甲田ホテル」はその酸ヶ湯から更に1キロほど奥に位置しており、冬期の国道103号線はこの「八甲田ホテル」で完全に通行止となり、その先は数メートルもの分厚い積雪によって行く手が阻まれます。

酸ヶ湯までは青森駅や新青森駅から路線バスが通年運行されていますが、冬期とそれ以外では運行ダイヤが異なっており、しかも利用者減少なのか近年のドライバー不足なのか理由はわかりませんが、いつの間にやら運行本数が減らされていて、現在の冬期運行ダイヤですと、酸ヶ湯行最終便は青森駅10:50発→酸ヶ湯温泉12:30着というかなり早い時間設定となっており、これですとチェックインがかなり早くなり、旅程の自由度も減ってしまいます。
青森駅付近を14時に出る酸ヶ湯温泉旅館の送迎バスを利用することもできますが(事前連絡必要)、せっかく大好きな青森県へ行くのだから他の温泉もハシゴしたかったので、今回はレンタカーを運転して「八甲田ホテル」へ向かうことにしました。


もし新青森駅から車で直接「八甲田ホテル」へ行くのであれば、国道7号などで青森中央インター方面へ東進してから国道103号線をひたすら南下すれば良いのですが、上述のように津軽地方の温泉をハシゴしたかった私は、新青森駅付近でレンタカーを借りてから国道7号で弘前方面へ向かい、リンゴ畑越しに聳える岩木山を眺めながら何ヶ所かの温泉をめぐり・・・


湯めぐり後はまず国道102号で黒石市街を抜け、温湯温泉の先で左折して国道394号線に入り、あとは八甲田山へ向かって真っ白な雪の山道をひたすら登って行きました。
山道とはいえしっかり除雪されているので、雪道運転に慣れていれば問題なくアクセスできるかと思いますが(むしろ市街地の方が怖いかも)、とはいえ時おり上の画像のようなホワイトアウト状態に見舞れましたので、慎重に前方を確認しながらハンドルを握ったのでした。


城ヶ倉大橋を渡って国道103号線に合流したところで、前方を走るJRバスに追いつきました。あれ?この時間帯に定期便なんてあったっけ?と思いつつ車両後部の行先表示を見たところ、このバスは回送でした。おそらく酸ヶ湯14:50発の青森駅行として運行されるのでしょうけど、どうせ酸ヶ湯まで回送するのならば客扱いしてくれたら良いのになぁ、と短絡的に考えてしまった私は現地の事情を知らないズブな素人なのでしょう。


「酸ヶ湯温泉旅館」を左に見ながら通過して更に奥へ進みます。


冬期の国道102号線は酸ヶ湯温泉から約1キロほど先の地点で通行止となり、その先はご覧の通り、八甲田山中に積もった豪雪の壁によって遮られます。この雪の壁の手前で右に曲がってアプローチ路を数百メートル入ると・・・


「八甲田ホテル」に到着です。
冬期に車で到着した場合は、まず正面出入口(車寄せ)に車を止めてチェックインし、鍵をフロントに預けます。するとスタッフの方が車を駐車場へ移動してくださいます。いわゆるバレーパーキングみたいなものですが、これはサービスの一環というより、駐車場をこまめに除雪する必要があり、その都度お客さんの車を移動させなくてはならないため、このような措置を取っているものと思われます。


1991年に建てられたこのホテルは基礎以外は全て木造で、しかも立派な丸太が組まれたログハウスのような構造となっており、エントランス廻りの様子から見ても、建設費は相当なものだろうということは想像に難くありません。


スタッフの方に館内を案内されながらたどり着いたこちらが、今回私に宛がわれたお部屋です。一人旅にもかかわらずかなり広いお部屋なので少々持て余してしまいましたが・・・


清掃が行き届いた綺麗な室内は暖房がしっかり効いており、二重窓なので断熱性も問題なし。
窓の外は深い雪ですが、室内は浴衣で過ごせます。


室内にはトイレやバスなど水回りも完備。


ステンレスのポットに入っている冷水は八甲田の伏流水とのことで、お風呂上がりに飲むと清冽な喉越しが実に美味い。またその水を沸かして淹れるホテルオリジナルのドリップコーヒーも美味。
市街地から遠く離れた、本来は人々の生活と隔絶されているはずの深い山と厚い雪に囲まれた場所なのに、むしろ市街地よりも快適に過ごせるだなんて、なんだかとっても不思議な感覚です。

ここまでのご紹介でかなり長くなってしまいました。
次回記事ではお食事を、その次でお風呂の様子を取り上げます。

次回へ続く。


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広田温泉 家族風呂

2023年05月04日 | 青森県

(2022年4月訪問)
これまで私が何度も利用しているのに、なぜかブログの記事にしてこなかった温泉がいくつかあり、五所川原市の「広田温泉」もその中のひとつ。特に他意は無いのですが、長年にわたって紹介できないままでしたので、満を持して今回取り上げます。と言っても、既にネット上では広田温泉を紹介する記事が多く存在するため、へそ曲がりな拙ブログでは家族風呂に限定して取り上げます。


こちらは大衆浴場の建物です。家族風呂を利用の際は、まず大衆浴場の券売機で所定の料金を支払い、番台で受付を済ませます。


駐車場の片隅にある源泉施設を一瞥しながら・・・


駐車場の奥に建つ家族風呂棟へと向かいます。
なかなか立派な建物ですよね。


家族風呂棟の広いロビーには誰もおらず、ガランと静まり返っていました。
このロビーに各浴室の出入口扉が面して並んでいます。


今回案内された個室は1号室です。上画像をご覧になるとわかりますが、1号室の入口扉は隣接するトイレと接するような不思議な造りになっています。更に言うと、1号室の室内側にもトイレと行き来できるドアが設けられており、もっと言えば更に右側の2号室の室内からもトイレに行けます。つまり2つの浴室の間にトイレを設けることで、両方の部屋からトイレへ直行できるようにしたわけですね。
せっかくトイレへ直行できる構造にしてくださっているので、訪問時の私は下半身に力を入れて無理矢理尿意を催し、1号室の室内側からトイレを使わせていただきました。


更衣室はこのような感じ。洗面台と鏡、ドライヤー、長椅子が用意されているだけで、他の貸切風呂にあるようなテレビやソファーなどはありませんが、短時間でお風呂に入るだけですから、必要にして十分な設備ではないでしょうか。


浴室は木材を多用した造り。家族風呂にしては室内空間に余裕があり、複数人数でもストレスなく湯浴みできそうです。


洗い場には、青森県の温泉銭湯でおなじみの押しバネ式カランと壁直付けのシャワーが2セット設けられており・・・


シャワーやカランから出てくるのお湯は温泉です。なおカランに石鹸類は無いので、予め用意して持参しておくか、番台で購入しましょう。


湯船も木材で縁取られた立派な造り。私ひとりでは持て余すサイズです。この浴槽に、温泉ファンが太鼓判を押す温泉のお湯が大量に注がれており、惜しげもなくオーバーフローしています。
広田温泉のお湯はうっすら黄緑色を帯びていて、出汁味を伴いつつ塩辛く、ほのかなアブラ臭と磯の香に似た匂いが湯面から漂い、湯中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感を楽しめます。ちょっと熱めですが、大変気持ち良いお湯なので心身シャキッとすること間違いなし。極上のお湯です。


広田温泉2号泉
ナトリウム-塩化物温泉 46.6℃ pH7.8 湧出量測定不可(掘削動力揚湯) 溶存物質6.477g/kg 成分総計6.496g/kg
Na+:2332mg(94.14mval%),
Cl-:3097mg(93.12mval%), Br-:10.0mg, I-:0.6mg, HCO3-:375.7mg,
H2SiO3:115.7mg, HBO2:37.4mg, CO2:18.4mg,
(平成27年11月2日)
加温循環消毒なし
加水あり(泉温が高いため井戸水を約5%加水)

青森県五所川原市広田字下り松111-1
0173-34-6385

6:00~22:00
大衆浴場330円、家族風呂1300円

私の好み:★★★
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五所川原市 ロイヤル温泉旅館

2023年04月30日 | 青森県

(2022年4月)
津軽平野は犬も歩けば温泉に当たると表現しても決して大げさではないほど温泉施設の多い地域であり、その多くは拙ブログで既にご紹介しておりますが、まだまだ取り上げていない施設もあるので、今後も少しずつ紹介してまいります。
今回取り上げるのは五所川原の市街地からちょっと離れたところにある「ロイヤル温泉旅館」です。以前からその存在は知っていましたが、どこか怪しい雰囲気を漂わす外観の他、湯使いが循環であるという情報を聞いていたためこれまで利用を敬遠していました。しかし、ここ最近の情報によれば湯使いがかけ流しへ変更になったらしいので、五所川原方面へ行く機会があった際に、ついでに立ち寄ってみることにしました。

旧十川の土手沿いに位置しており、五所川原の市街からアクセスする場合は途中から土手上の河川管理用道路を走って現地へ向かうことになります。そのことを知らないと、まさか土手の上を進むとは想像だにしないでしょうから、初見だとちょっと迷うかもしれませんね。しかもたどり着いたところにある建物は、場末のラブホテルみたいな外観。本当にここで良いのか、いろんな意味でちょっと不安になってしまいます。

温泉の建物は駐車場を囲むようにいくつかの棟があり、大浴場がある上画像の本棟の他、貸切風呂がある別棟では宿泊も可能なんだそうです。でも今回の私は日帰り入浴ですので、本棟の大浴場のみ利用しました。

まず玄関を入って右手にある券売機で料金を支払い、その奥にある窓口に入浴券を差し出します。
なお浴場入口は券売機より若干手前の玄関側。そのことを知らなかった私は建物の奥へ進んでしまい、風呂はどこにあるのかと迷ってしまいました(情けない)。ちなみに玄関付近には岩盤浴もあるみたいですよ。


さてお風呂へ参りましょう。木目基調の浴場には、画像に写っている主浴槽のほか、サウナと水風呂が設けられています。主浴槽のサイズは(目測で)4×2.5メートルほどでしょうか。


壁沿いの洗い場にはシャワー付き混合水栓が計7か所取り付けられ、カランからは温泉のお湯が出てきます。なおこの洗い場の上にはテレビが設置されており、普段あまりテレビを見ない私は、ワイドショー番組が報じるスキャンダル報道に「へぇ、そんなことがあったのね」とつい興味津々で見入ってしまいました。


出入口傍に置かれたかけ湯にも源泉のお湯が注がれています。


奥の方には小浴室があって、約1.5メートル四方の浴槽内では泡風呂装置がブクブクと音を立てながら稼働していました。もちろんこちらのお湯も温泉です。


公衆浴場なのに露天岩風呂にも入れるのは嬉しいですね。もっとも、スペースは限られており、周囲の視界も遮られているため、露天風呂に求めたくなる開放感はあまり得られませんが、でも温泉で火照った体を外の風を浴びながらクールダウンすると、最高に爽快ですよね。

さてお湯に関するインプレッションですが、見た目は透明ながらやや琥珀色を帯びているように見えます。五所川原周辺の温泉はしょっぱい食塩泉であることが多いのですが、こちらのお湯を口に含んでみますと意外にも塩味はかなり薄く、むしろ非鉄系の金気味が全面に出るような感じです。色・味・匂いなどは、同じく五所川原市の「エルムの湯」で入れる水風呂へ注がれている冷鉱泉に似たような特徴を有しています。分析表を見ますと溶存物質0.977g/kgなので、あと0.023mg足りていれば「ナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉」を名乗れたのですが、僅かな差で単純温泉に甘んじています。とはいえ成分量は日によって多少の変化があるでしょうから、日のよってはもしかしたらナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉になっていることもあるのかもしれません。

ネット上の情報で見られたように、たしかにこちらのお風呂では温泉がかけ流されており、循環は行われていないようでした。館内表示にによれば塩素系薬剤で消毒しているとのことですが、私の入浴時は特に消毒臭を感じることはありませんでした。ただ湯船の湯加減が熱く、あまり長湯できません。私も早々に出てしまったのですが、それゆえお客さんの回転も早いようです。


太刀打温泉
単純温泉 48.2℃ pH8.3 湧出量測定不能(掘削動力揚湯) 溶存物質0.977g/kg 成分総計0.980g/kg
Na+:258.5mg(95.42mval%),
Cl-:315.4mg(75.87mval5), Br-:0.9mg, HCO3-:146.5mg(20.46mval%), CO3--:9.0mg,
H2SiO3:221.9mg,
(平成24年10月18日)
加温循環ろ過なし
加水あり(源泉温度が高いため)
消毒あり(衛生管理のため塩素系薬剤使用)

青森県五所川原市大字太刀打字千束刈13-7
0173-39-2323
ホームページ

5:00~23:00
350円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸類は番台にて販売。

私の好み:★★+0.5
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