温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東鳴子温泉 いさぜん旅館 後編

2017年12月05日 | 宮城県
前回記事の続編です。

●大浴場

前回記事で取り上げた「鉄鉱泉」と「炭酸泉」がある浴室の隣には「大浴場」と称されるお風呂があります。こちらは時間によって男女を入れ替えており、私の訪問時はチェックインした日が男湯として設定されていましたので、その日の夜に利用させていただきました。阪神グッズだらけの脱衣室を抜けて浴室へ・・・


 
浴室そのものは、お隣の「鉄鉱泉」や「炭酸泉」と一体化しており、天井はツライチなのですが、隣と壁で隔てられれることにより独立した浴室となっています。お隣のお風呂は低い位置に浴槽があるため天井が高く感じられましたが、一方こちらは床が脱衣室と同じレベルにあり、掘り下げられていないため、相対的に天井が低く見えてしまいます。また床面積自体も隣の混浴の方が広いかと思われます。そのかわり、大浴場という名前の通り浴槽は館内で最も大きく、目測で2m×4mはあるか思われます。また後付けしたことが明らかだった隣の洗い場と異なり、こちらはシャワー付きカランが2基並んでおり、しっかりとシャンプーすることができます(カランから出るお湯は真湯です)。



浴槽に張られているお湯は、東鳴子温泉の共同源泉です。ちょっと熱めの湯加減で、透明ながら紅茶のような色合いを帯びており、湯面からは東鳴子らしい淡いアブラ臭が放たれていました。ツルツルスベスベの滑らかな浴感がはっきり感じられる気持ち良いお湯です。放流式の湯使いですからお湯のコンディションも良好。共同源泉をのびのびと堪能できました。


●中浴場
 
さて翌朝は中浴場に男湯の札がさがっていました。廊下を進んでトラの暖簾を続けて潜り、お風呂へと向かいます。


 
おそらく増築したと思しきこの浴室は、たしかに「大浴場」より小さく、中小規模の旅館によく見られるような佇まいなのですが、全体的に古い設備が多いこの館内にあって、この浴室だけは比較的新しく、明るく綺麗に維持されていました。暖色系で統一された内湯には浴槽がひとつ、そして手前側にシャワー付きカランが2基並んでおり、実用的ながら温泉宿らしい雰囲気も保たれています。



五角形の浴槽はおおよそ4人サイズ。木材で縁取られており、木のぬくもりが見た目に柔らかい印象を与えてくれます。湯口から注がれるお湯は「大浴場」と同じ東鳴子の共同源泉。夜の「大浴場」で紅茶色だったお湯は、ここでは薄らと山吹色を帯びた透明に見え、湯中では褐色の浮遊物がチラホラ舞っていました。館内表示によれば掛け流しと循環を併用した湯使いとのことですが、浴槽のお湯は縁の上をふんだんに溢れ出ており、実際に湯船へ入った感触も鮮度感がしっかり伝わってきましたので、実質的には掛け流しかそれに近い状態かと思われます。


 
「中浴場」には露天風呂が付帯しています。私が知る限り、こちらのお宿にある唯一の露天風呂のはず。目の前が駐車場であるため目隠しの塀が立てられており、またスペース自体も限られているため、正直なところ圧迫感は否めませんが、塀越しに吹き込むそよ風を受けられるので、爽快な湯浴みが楽しめるでしょう。石風呂の3人サイズで、内湯と同じく東鳴子の共同源泉が注がれています。あくまで私の感覚ですが、「中浴場」のお湯は知覚的特徴が若干弱いような気がしました。しかし、綺麗なお風呂で露天風呂も付いていることから、古い温泉旅館に慣れていない一般のお客さんにも受け入れやすいかと思います。


 
「中浴場」の洗い場に備え付けられたボディーソープには、お宿で飼われている(いた?)ニャンコの写真が貼りつけられていました。また露天風呂の庭石の上にはニャンコかトラの置物が飾られていました。前回記事でも申し上げました通り、こちらのお宿は阪神タイガース色に染まっているわけですが、実はニャンコのお宿でもあり、お宿で飼われているニャンコと触れ合うこともできるんですよ。

今回の記事ではご紹介できませんでしたが、館内にはもうひとつ、小さな家族風呂もあり、宿泊客なら利用することができますので、お泊りの際は是非見つけてみてください。


第一浴場(炭酸泉)
いさぜんの湯1号・いさぜんの湯2号混合泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 42.9℃ pH7.0 溶存物質1002.0mg/kg 蒸発残留物681.2mg/kg
Na+:183.5mg(86.46mval%),
Cl-:12.3mg, HS-:0.3mg, S2O3--:0.3mg, HCO3-:562.7mg(92.57mval%),
H2SiO3:193.7mg, CO2:135.9mg, H2S:0.4mg,
(平成21年10月15日)
加温加水循環消毒なし

第二浴場(鉄鉱泉)
いさぜんの湯3号・新井第2号・新井第5号・動力揚湯源泉・唐竹沢源泉 混合泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 45.1℃ pH7.2 溶存物質1298.8mg/kg 蒸発残留物911.3mg/kg
Na+:275.1mg(82.67mval%), Ca++:28.6mg,
Cl-:77.6mg(15.87mval%), HS-:0.2mg, S2O3--:0.2mg, SO4--:67.6mg(10.22mval%), HCO3-:615.2mg(73.04mval%),
H2SiO3:189.7mg, CO2:128.7mg, H2S:0.1mg,
(平成21年11月30日)
加温加水循環消毒なし

第三浴場(大浴場)、第四浴場(中浴場)・露天風呂
新井第2号・新井第5号・動力揚湯源泉・唐竹沢源泉 混合泉
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 45.1℃ pH7.4 溶存物質1303.5mg/kg 蒸発残留物1052mg/kg 成分総計1380.8mg/kg
Na+:269.7mg(84.03mval%), Ca++:24.7mg,
Cl-:104.8mg(20.23mval%), HS-:0.7mg, SO4--:113.4mg(16.13mval%), HCO3-:565.6mg(63.36mval%),
H2SiO3:180.8mg, CO2:77.0mg, H2S:0.3mg,
(平成25年10月8日)
第三浴場:加水あり(夏の高温時のみ)、加温循環消毒なし
第四浴場:加水あり(夏の高温時のみ)、循環掛け流し併用(浴槽の衛生管理のため)、加温消毒なし

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩2分
宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯11  地図
0229-83-3448
ホームページ

日帰り入浴時間10:00~20:00
500円(湯めぐりチケット2枚)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★












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東鳴子温泉 いさぜん旅館 前編

2017年12月03日 | 宮城県
 
東鳴子温泉の有名なお宿「いさぜん旅館」。拙ブログで既に取り上げているものかと思いきや、意外にも未掲載でしたので、今回紹介させていただきます。半年前に一泊しましたので、その時の記録を前編と後編に分けて取り上げます。


●客室
 
お宿には2食付のプランが基本の旅館部と自炊がメインの廉価な湯治部があるのですが、爪で火を灯すような倹約生活を送っている私は、お手軽に宿泊できる湯治棟を利用し、素泊まりで一晩を過ごすことにしました。6畳の客室にはテレビやエアコンといった電化製品が用意されているほか、小さな台所も備え付けられており、ポット、炊飯器、冷蔵庫、ガスコンロ、流し台など、食材さえ準備すればすぐにでも料理できるような設備が整っています。


 
館内には共用の炊事場もあり、電子レンジやコイン式のガスコンロなどの他、料理で使う各種備品類が揃っていますので、コンビニ弁当を温めたい方や広い台所を使いたい方はこちらが良いでしょう。


 
宿泊客に提供されるフェイルタオルにご注目。トラの絵柄がプリントされていますが、このトラこそこちらのお宿を象徴する動物。といいますのも、ご主人が虎党であるため、館内は阪神タイガースグッズで溢れているのです。かく言う私もかつては熱狂的阪神ファンで、自分の部屋を阪神グッズで埋めていましたから、一般の方には独特で奇怪な感覚に思えるかもしれないこうした光景であっても、私にはごく自然なものとしてすんなり受け入れられてしまうのが何とも不思議です。


●鉄鉱泉と炭酸泉

さて、肝心のお風呂へと参りましょう。館内には、「鉄鉱泉」と「炭酸泉」が一緒になった浴室、「大浴場」、そして「中浴場」という3つのお風呂があり、それぞれに違うお湯が張られています。自家源泉を複数有するお宿ならではの贅沢な館内湯めぐりが可能なわけです。なお「鉄鉱泉」と「炭酸泉」は混浴ですが、「大浴場」と「中浴場」は男女入れ替え制です。
まずは「鉄鉱泉」と「炭酸泉」の浴室から入ることにしました。浴室案内に用いられている「ホーム」や「アウェイ」という言葉は、いかにもスポーツファンらしい表現ですね。浴室入口の暖簾では縦縞のユニホームを着たトラが投球していますよ。


 
骨董品クラスのマッサージチェアが置かれた脱衣室は昭和の香りが強く漂っており、壁にかかっている効能書きからも宿の歴史が伝わってきます。湯治宿はこのように年季が入っていないと、シックリきませんよね。


 
「鉄鉱泉」と「炭酸泉」のお風呂はひとつの浴室にそれぞれの浴槽が並んで据えられており、混浴で使われています。脱衣室には双方の名前が書かれた出入口が左右に分かれて設けられており、ドアの向こう側にはその名前の浴槽があるわけですが、いずれも後述する同じ浴室に出ますので、どちらのドアを開けても結果的には同じ空間に出られます。


 
ドアを開けてステップを数段下りたところに、二つの浴槽が並んでいます。奥の壁にはそれぞれの名前を記した看板が掲出されていました。


 
両浴槽を仕切る衝立の柱は、アール・デコを思わせるレトロな感じの豆タイル貼り。そんな仕切りを挟んで、2つの浴槽が隣り合わせに並んでいるのです。混浴ですが、少なくとも湯船に入っている間は、向こう側のお風呂を気にしなくて済みそうですね。



源泉が異なる二つの浴槽を有するこの混浴浴室において、洗い場は後述する右側の「鉄鉱泉」側に設けられており、シャワー付きカランが取り付けられていました。元々はカランなどなかったのでしょうけど、時代の流れやお客さんからのリクエストなどによって、後から追加されたのでしょう。


 
脱衣室から見て右側のひょうたんを半分に割ったような形状の浴槽は「鉄鉱泉」。浴槽のキャパは3人ほどでしょうか。自家源泉である「いさぜんの湯3号」に東鳴子温泉の共同源泉である「赤湯地区共同源泉混合泉をミックスさせたお湯が張られています。とはいえ共同源泉の量が多いため「いさぜんの湯3号」の存在感が薄まっているのはちょっと残念かもしれません。明るい飴色を帯びたお湯は若干熱めなのですが、よく掻き混ぜれば加水せずに入れるかと思います。鉄という名前から金気の強いお湯を想像しますが、実際には膏薬のような匂いと東鳴子らしい淡いアブラ臭が得られます。特にミックスされる前の「いさぜんの湯3号」はアブラ臭がはっきり主張しており、このお湯だけの浴槽があったら是非とも入ってみたいと期待してしまうほど面白いお湯です(でも湯量と温度の関係で共同源泉をブレンドせざるを得ないのでしょう)。


 
仕切りを挟んだ反対側の浴槽は「炭酸泉」。1.5m×1mの四角い浴槽で、キャパは2〜3人といったところでしょうか。こちらは全量が自家源泉であり、「いさぜんの湯1号」と「2号」をミックスし、投入量こそ控えめですがしっかりかけ流されています。紅茶のような色を帯びたお湯は40℃前後の長湯仕様。アブラ臭に近いモール臭が湯面からはっきりと漂い、お湯を口に含むとはっきりとした苦味が感じられます。そして湯船に浸かると全身がツルスベの滑らかな浴感に包まれます。匂いと浴感、そして湯加減、この三要素が私の心を掴んで離さず、個人的には館内に複数あるお風呂(お湯)の中で、この「炭酸泉」が最も気に入りました。

さて、次回記事では、時間によって男女を入れ替えている「大浴場」および「中浴場」を取り上げます。

次回に続く





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川渡温泉 板垣旅館 2017年再訪(新館)

2017年12月01日 | 宮城県
 
前回記事の中山平温泉から東へ進んで、私が大好きな川渡温泉へとやってまいりました。この日は温泉街のメインストリートからちょっと奥へ入ったところにある「板垣旅館」を訪い、日帰り入浴で新館のお風呂に入らせていただきました。なお、以前拙者ブログでは旧館のお風呂を取り上げています(当時の記事はこちら



敷地内の左手に新館、右手に旧館が並んでいるのですが、まずは旧館へ。


 
以前の記事でも紹介しましたが、旧館玄関の上がり框にはケロリン桶が置かれており、入浴する場合はここに湯銭を納めます。この時は奥の居間に宿の方がいらっしゃったので、声をかけた上で湯銭を支払いました。引き戸の柱には料金表が貼り付けられているのですが、いつの間にやら値上げされたのか、新しいものに替えられていました。


 
旧館玄関から板張りの廊下を歩いて、旧館浴室の左側を入って連絡通路を進みます。


 
連絡通路を抜けた先が新館の玄関ホール。旧館と同じ旅館とは思えないほど、現代的で整然としています。このホールのエントランス右側に紺と紅の暖簾がかかっていました。


 
お風呂は男女別の内湯のみですが、天井が高い室内は明るくて開放的であり、のびのびと気持ちよく利用することができます。またこの浴室内には川渡温泉ならではのツーンと鼻腔を刺戟する硫化水素の匂いが漂っており、ドアを開けた瞬間に香ってくるその匂いに私は嬉しくなって、反射的に鼻をクンクンと鳴らしながら匂いを懸命に嗅いでしまいました。
男湯の場合、浴室に入って右側に後述する浴槽が据えられており、左側に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3つ並んでおり、カランからは真湯が吐出されます。


 
タイル張りの浴槽は石材で縁取られており、寸法はおおよそ1.8m四方。浴槽隅に設置された湯口より温泉が滔々と落とされています。湯使いは完全掛け流し。一切お湯に手を加えず、湯量の増減だけで湯温を調整しており、私が訪問した時も素晴らしい湯加減に調整されていました。


 
浴槽縁の端っこに切り欠けがあり、湯船に張られたお湯はそこから溢れ出ています。お湯は全量がここから排出されるため、浴槽縁を乗り越えて洗い場へオーバーフローするようなことはありません。


 
湯船のお湯は淡いウグイス色を帯びた透明ですが、湯中では溶き卵のような白い湯の花がたくさん浮遊しており、風呂桶で湯船のお湯を掬うと、上画像のように簡単に湯の花を捕らえることができます。湯口から吐出されるお湯を口に含んでみると、タマゴ味と苦味、清涼感を伴う重曹味、そして口腔の粘膜が痺れるような渋みが感じられ、鼻をツーンと刺激する硫化水素臭がしっかりと伝わってきました。また肩まで湯に浸かると、全身が重曹泉らしい滑らかな浴感で覆われ、その気持ち良さゆえ、何度も自分の肌をさすってしまいました。そして、重曹の効果が発揮されることにより湯上がりは粗熱の抜けが良く、嫌味な熱の篭りがないため、よく温まるのに爽快感も持続するという実にありがたい風呂上がりのひとときを過ごせます。さらには、風呂上がりの肌はサラサラさっぱり。温度的も感触的にもさっぱり爽快なお湯です。同じ川渡温泉の共同浴場で使われているお湯は同じような知覚的感覚を有しながら、それぞれの特徴が強く感じられるのに対し、こちらのお湯はそれに比べるとややマイルドなのですが、優しいながらも各特徴ははっきりと主張しており、川渡温泉らしさを存分に味わうことができました。なおこちらで使われているお湯の源泉名は「神の湯」。まさに神の恵みという表現が相応しいブリリアントなお湯です。


神の湯
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉 49.8℃ pH7.6 溶存物質1002.1mg/kg 蒸発残留物783.4mg/kg
Na+:202.8mg(78.33mval%), Ca++:31.9mg(14.12mval%),
Cl-:27.8mg(6.96mval%), HS-:6.6mg, SO4--:181.7mg(33.75mval%), HCO3-:391.4mg(57.23mval%),
H2SiO3:139.1mg, CO2:47.3mg, H2S:2.1mg,
(平成21年11月25日)
加水加温循環消毒なし

JR陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩20分
宮城県大崎市鳴子温泉川渡64  地図
0229-84-7225

入浴可能時間不明
500円
シャンプー類あり、他備品類見当たらず

私の好み:★★★
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中山平温泉 菊地旅館

2017年11月29日 | 宮城県
本年(2017年)10月から連続してアメリカ西海岸の温泉を取り上げてまいりましたが、拙ブログの読者の皆様にとって海外の温泉はあまりご興味が無いようですので、今回からしばらくは日本の温泉に戻り、また間をあけてアメリカの温泉を取り上げるつもりでおります。今回はみちのくの中山平温泉です。


 
中山平温泉の旅館分布は、国道47号沿いと、国道から陸羽東線の線路に寄り添う形でに南側へぐるっと迂回する細い道沿いの2エリアに区分することができます。以前拙ブログでは後者のエリアに属する「あすか旅館」を取り上げたことがありますが、今回紹介する「菊池旅館」はそのご近所、ほとんど隣といっても差し支えないような場所にあります。湯治宿泊と休憩をメインとして営業しているようですが、この日は入浴のみの利用で伺いました。



駐車場の前に建つ小さな建物は源泉でしょうか。後述しますが、こちらの温泉は源泉を3本持っているんだとか。


 
玄関の引き戸を開けると、目の前のお座敷にご主人がいらっしゃったので、入浴したい旨を申し上げますと、いまは先客が利用中ですが間もなく上がるはずなので、それまで座敷で待っていてほしいと対応してくださいました。こちらのお宿には二つの浴室があり、本来は男女で使い分けているのですが、訪問時のご主人は足を痛めており、広い男湯のメンテナンスができない状態であったため、コンパクトな女湯のみで営業しており、このため先客がいるとその場で待つ必要があったのでした。

さて座敷の囲炉裏端でご主人と四方山話をしているうち先客が上がったので、その入れ替わりに私が入浴させていただきました。玄関前の廊下を進んだ突き当たりが浴室です。



お風呂へ入る前に、訪問時クローズされていた大浴室をちょっと見学。モルタルの壁に豆タイルが貼られた昭和の風情たっぷりな室内には、左右にそれぞれ1つずつの浴槽が平行に並んで据えられており、それぞれにしっかりとお湯が注がれていました。浴室自体は使っていなくとも、お湯は絶え間なく供給されるようです。


 
2つの浴槽はほぼ同じ大きさかと思われ、いずれも縁は木で槽内は豆タイル貼りなのですが、一方には小さな仕切りのような塀が括りつけられていました。湯船に入った時だけ機能するような目隠しとして設置されたのでしょうか。正直なところ、こちらのお風呂にも入りたかったのですが、ご主人がお手入れできていないお風呂に入るのは大変失礼ですので、ここは見るだけに留め、小浴室(女風呂)へ戻ることにしました。


 
タイル貼りの小浴室は実用本位のコンパクトな造りですが、室内には温泉由来のアブラ臭が漂っており、その芳香は湯の香にうるさい一部の温泉ファンを喜ばせるに十分な要素を有しています。


 
浴槽は1.8m×1m弱の立方体で2~3人サイズ。昭和の趣きを強く残す古い豆タイル貼りです。浴槽の左奥に石組みの湯口があり、その内部にはバルブ付きの配管が隠されていました。その湯口から出てくるお湯の量は、一見するとさほど多くないように思われるのですが、浴槽の容量に対しては十分のようであり、私が湯船に入るとお湯は勢いよくザバーっと溢れて室内が軽い洪水状態になり、その後しばらくは湯船の嵩が減ってしまうのですが、ものの数分で湯嵩は回復し、私が湯船から出た後も途切れることなくお湯は溢れ続けました。

お湯は薄い麦茶を思わせる淡い褐色で、湯中では同色の浮遊物がチラホラと舞っています。お湯を口に含むと麦茶のようなほろ苦さが感じられるほか、上述したようなアブラ臭、具体的にはミシン油を連想させるような鉱物油臭がふんわりと嗅ぎ取れます。中山平温泉といえばニュルニュルのウナギ湯を思い浮かべる方も多いかと思いますが、あの手のお湯が出るのは蒸気泉を使っている国道沿い施設が多く、こちらのように蒸気泉ではなく一般的なお湯の状態で湧く温泉については、アルカリ性泉らしい滑らかなツルスベ浴感が特徴的です。湯使いはもちろん完全掛け流し。淡いアブラ臭とツルスベ浴感に包まれながら、満足のゆく湯あみを楽しむことができました。

お風呂から上がると、ご主人がお話を交えながら鳴子温泉に関する様々な資料を見せてくださいました。また、こちらのお宿のお湯についても説明してくださり、計3本の源泉を有していることも教えてくださいました。1本目は昭和初期のもので、2本目は現在使っている昭和32年掘削の源泉井、3本目は昭和40年代に掘った硫黄の白濁湯ですが現在は使っていないんだそうです。一見すると渋くて鄙びた宿に見えますが、それでも複数の源泉を有しているのですから、いかに中山平温泉は温泉資源が豊富であるかがわかります。


高砂湯
単純温泉 59.1℃ pH7.8 溶存物質503.7mg/kg 蒸発残留物371.6mg/kg
Na+:67.4mg(93.91mval%),
Cl-:5.7mg(4.82mval%), S2O3--:0.3mg, SO4--:9.1mg(5.72mval%), HCO3-:179.0mg(88.25m,val%),
H2SiO3:235.3mg, H2S:0.1mg,
(平成21年9月16日)
加水加温循環消毒なし

陸羽東線・中山平駅より徒歩15分(1.2km)
宮城県大崎市鳴子温泉字星沼54-1  地図
0229-87-2420

日帰り入浴時間10:00~20:00
550円
ボディーソープあり

私の好み:★★+0.5

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栗駒・駒の湯温泉 2017年秋 栗駒山頂はまもなく紅葉のシーズン

2017年09月28日 | 宮城県
鳴子エリアの温泉を連続して取り上げている途中ですが、今回記事だけタイムリーな話題をお届け致します。

 
拙ブログでこれまで何度もご紹介しており、私(K-I)も個人的に応援している宮城県栗駒山の「駒の湯温泉」。
栗駒山の山頂付近がまもなく2017年の紅葉シーズンを迎えつつありますので、紅葉狩りの登山と温泉をセットにしたお出かけはいかがでしょうか、というご提案とともに、季節の便りをお知らせ致します。なお、9月16日の土曜日に下山してきた登山者の方の画像を拝見したところ、色づきはじめといった状況でしたので、この週末(9月下旬)から見頃を迎えるものと推測されます。


 
 
ご参考までに2015年および2016年の山の紅葉をご覧ください。駒の湯温泉の「そばカフェ」に置かれているアルバムの上からデジカメで撮ったので、写真の上で照明が反射しておりますが、何卒ご了承ください。山頂の紅葉は今月下旬ですが、駒の湯温泉付近の色づきはまだ先ですので、「私は登山をしない」という方は、紅葉前線が山を下ってくるまで、もう少しお待ちください。


なお宮城交通(バス)では、栗駒山の紅葉に合わせて、石越駅(東北本線)~くりこま高原駅(東北新幹線)~くりこま荘~いわかがみ平(栗駒山登山口)で臨時バスを運行します。期間は2017年9月22日(金)、23日(土)、24日(日)、25日(月)、29日(金)、30日(土)、10月1日(日)、2日(月)、7日(土)、8日(日)、9日(月)、14日(土)、15日(日)の計13日間です。予約は不要です。バスは途中、「くりこま荘」や「ハイルザーム栗駒」など、栗駒耕英地区の各所にも停車。「くりこま荘」で下車すれば、徒歩で「駒の湯温泉」までアクセスできます。さらには、往路と復路の間の時間帯に、「いわかがみ平」~「くりこま荘」間での区間運行便も1往復ありますので、登山や紅葉狩りの後の入浴に便利です。
詳しい時間帯や運賃などは、宮城交通公式サイト内の専用ページでご確認ください(サイト内のPDFで細かい情報がアナウンスされています)。

(このサムネイルをクリックしても、臨時バスのPDFへ飛びます)



なお、湯小屋ではいつものように、新鮮な温泉が豊富にかけ流されていますよ!
極上のぬる湯を存分にお楽しみください。


つづいて、駒の湯温泉の現状です。私が実際に9月中旬の連休に行ってまいりましたので、現地で気がついた点をいくつか挙げさせていただきます。

(1)定休日が変更されています

2015年秋の復活から毎週水曜が定休日でしたが、今年から毎週水曜のほか、第2および第4木曜も定休日となりましたので、ご注意ください。
なお営業時間は従来通り(10:00〜17:00)ですが、時折変更される場合がありますので、訪問の際には駒の湯温泉公式サイトでリンクされているブログ「森の温泉~駒の湯温泉通信」、もしくは駒の湯温泉日誌(ブログ)やFacebookなどでご確認ください。


(2)そばカフェに「石巻鯨カレー」が登場

駒の湯温泉の食堂「そばカフェ」では、昨年のオープン以来、北海道幌加内産のそば粉を湯守のご主人が手打ちで仕込んだ十割蕎麦をいただけますが・・・



今年から木の屋石巻水産の鯨カレーが仲間入りしました。下北沢のカレーの名店「ぱんにゃ」が監修した本格的なカレーです。鯨肉は須の子と呼ばれる貴重な霜降り肉を使っているため非常に柔らかく、複数のスパイスを用いてスパイシーに仕上げているものの、ココナツミルクを入れることによってマイルドな口当たりも実現しており、実際に口にした私の実感としましては、程よく辛いのに優しくまろやかな風味もあり、それらが一体となって奥深い味わいに昇華しているように感じられました。栗駒のお米にもよく合っており、お世辞抜きで本当に美味です。特に、鯨肉に関してはスパイスがその味をうまく引き立てており、鯨を食べたことのない人には鯨の臭みを感じず、食べたことのある人ならばあの懐かしい風味が口の中に広がるというような、絶妙な風味に仕上げられていて、よくぞここまで高いレベルの食感を実現できたものだと、頬張りながら感心してしまいました。


(3)お風呂の湯口が変わりました

お客様により安心してご利用いただけるよう、今年の夏から男女両浴室の湯口の形状が変わりました。具体的には、湯口の上にカバーを被せ、その脇に設けた換気扇を運転させることにより、湯船付近の換気性を高めています。なおお湯は以前とまったく変わりありません。

駒の湯温泉は例年通り、11月中旬か下旬で今期の営業を終え、冬篭りに入ります。冬季休業の期間に関しては、その時の気象状況(降雪や凍結など)によって変わってきますので、今期の営業終了日はまだ決まっていません。先が見えてきましたら、また改めてお知らせ致します(この記事のコメント欄か、もしくは新しい記事にてご報告致します)。

秋の行楽シーズンは、栗駒山の紅葉を愛で、そのついでに駒の湯温泉のお風呂に癒され、蕎麦やカレーを召し上がってみてはいかがでしょうか。

次回記事から鳴子エリアの温泉に戻ります。

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