温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

肘折温泉 三浦屋旅館

2013年01月18日 | 山形県
 
前回取り上げた「西本屋旅館」を出た後、次なるお風呂を求めつつ小規模な旅館を中心に訪ってみたのですが、訪問した日はまだ肘折へのアクセス道路が通行止だったために温泉街に客の姿は全く見られず、しかも折からの豪雪のために皆さん雪掻きや雪下ろしで大わらわ、開店休業状態のお宿が目立っており、なかなか入浴まで辿り着くことができません。そんな中で玄関の引き戸に「只今入浴できます」の札を貼っていた「三浦屋旅館」はこの日の私にとって救世主のような存在でありました。



昔ながらの湯治宿的な風情を色濃く残すこちらのお宿を訪って入浴をお願いすると、女将さんが快く受け入れてくださいました。上がり框を上がってすぐ左手が浴室です。浴室入口脇には2階へ上がる階段が伸びていますが、いかにも古い建物らしく勾配が急で、その途中の壁には引き出しが埋め込まれていました。


 
暖簾を潜って浴室へ。お風呂は男女別の内湯が一室ずつ。
脱衣室は括りつけの棚とユニットタイプの洗面台が設置されているだけの至ってシンプルな造りです。



浴室はメインストリートに面しており、窓からは雪に反射された昼光が降り注がれています。外観も館内も伝統的な木造建築そのものですが、お風呂だけは石板貼りなんですね。室内の中央には横幅いっぱいに角の取れた石造りの浴槽がひとつ据えられています。その大きさは3~4人くらいでしょうか。


 
洗い場にはシャワー付き混合水栓が1つ。女湯とこちら側を仕切る塀には渓流を写した大きな写真が貼られていました。限られたスペースを少しでも広く見せようと工夫なさっているのでしょう。


 
「二号湯 あったまり 元湯」と彫られた石の下には灯籠や石樋が設置され、その樋から文字通り組合2号源泉が他源泉と混合されることなく単独で浴槽へ注がれています。緑色掛かった黄土色に濁り、金気や土類系の味と匂いが感じられます。鮮度感が良いスベスベの爽快なお湯です。
お湯に関しては2号泉単独使用である前回掲載の「西本屋旅館」の「金魚湯」とほぼ同じ印象ですが、こちらの方がやや赤みが強く、また透明度もやや高いように見えました。温度調整のために加水されているものの放流式の湯使いでして、縁に3つある切り欠けからしっかり排湯されています。周囲は温泉成分の付着により薄く赤茶けていますが、排湯溝がきちんと機能しており、縁上を乗り越えるような溢湯は少ないため、床全体が染まるようなことはないようでした。
湯船のお湯はちょっと熱めでしたが、温泉街を彷徨い歩いて冷えきった体には寧ろその熱さが丁度良く、あったまりの湯の恩恵を有難く受けさせていただきました。


組合2号源泉
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 87.5℃ pH7.4 掘削自噴 溶存物質4758mg/kg 成分総計4846mg/kg
Na+:1196mg(81.80mval%), K+:103.6mg(4.17mval%), Mg++:38.1mg(4.94mval%), Ca++:105.1mg(8.24mval%),
Cl-:1430mg(59.10mval%), SO4--:302.5mg(9.23mval%), HCO3-:1310mg(31.45mval%),
H2SiO3:194.3mg, HBO2:64.3mg, CO2:87.9mg,
(平成元年10月30日)
源泉温度が高いため井戸水で加水

山形県最上郡大蔵村南山490
0233-76-2046

日帰り入浴時間不明
300円
シャンプー類あり(ドライヤーは見当たらず)

私の好み:★★★

コメント (4)
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