温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

壱岐 湯本温泉郷 国民宿舎壱岐島荘 (後編 お風呂)

2024年06月26日 | 長崎県
前回記事の続編です。


お食事に舌鼓を打った後は、お宿自慢のお風呂に入りましょう。
客室で浴衣に着替え、階段を下って浴場のあるフロアへ。
なお施設内には家族風呂もありますが、今回は利用していないためこの記事ではご紹介できません。


手前が女湯で、奥が男湯。
なお私が宿泊した日は男女が固定されていました。どうやら暖簾替えは無いようですね。
脱衣室はコンパクトながら綺麗で空調も完備されており使い勝手良好です。


海を臨む浴場。内湯のみで露天風呂はありませんが、高台に位置しているので見晴らしが素晴らしく、窓の向こうに広がる海の景色が実に開放的なので、内湯だけでも十分に非日常感が楽しめます。


窓に面した浴槽は大小2つに分かれており、大きな方は(目測で)幅4m×奥行2m。右奥の角に湯口があり、私が利用した時には間歇的にお湯が出ていました。源泉から湧出したお湯を一旦貯湯槽でストックして浴槽へ供給しているものと思われますが、湧出量があまり多くなく、且つ高温であるため、出しっ放しにしないで出したり止めたりを繰り返しているのではないかと想像されます(間違っていたらごめんなさい)。その甲斐あってか、万人受けする丁度良い湯加減が維持されていました。なお湯使いはかけ流しです。


こちらは小さな浴槽。1~2人サイズです。大きな浴槽との仕切りの下部に穴が開いており、ぬるめのお湯がこちらへ流れてくるようになっています。ぬるめのお湯が好みの方や小さなお子さんにはこちらの小浴槽が良いでしょう。

お湯は界隈の他源泉と同じく緑色を帯びた赤茶色に強く濁っており、塩気が強く、苦汁の味もしっかり得られる他、金気も少々感じられます。塩気については同エリアの他源泉より若干マイルドに感じられたのですが気のせいかしら。ともかく、海を眺めながらかけ流しの温泉に浸かると旅の疲れが一気に吹き飛び、体の芯までしっかり温まります。
宿泊はもちろん、日帰り入浴も受け付けているそうですので、旅でこのエリアを訪問なさった際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


国民宿舎壱岐島荘(源泉)
ナトリウム-塩化物温泉 64.8℃ pH6.4 75L/min(動力揚湯)  溶存物質17.45g/kg 成分総計17.62g/kg
Na+:5362mg(233.2mval%), Mg++:244.1mg(20.09mval%), Ca++:665.0mg(33.18mval%), Fe:3.8mg,
Cl-:9592mg(92.02mval%), Br-:7.9mg, SO4--:696.3mg, S2O3--:0.1mg, HCO3-:534.3mg,
H2SiO3:69.8mg, HBO2:17.0mg, CO2:161.6mg,
(平成26年7月23日)

長崎県壱岐市勝本町立石西触101
0920-43-0124
ホームページ

日帰り入浴9:00~16:00
400円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★


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壱岐 湯本温泉郷 国民宿舎壱岐島荘 (前編 お部屋・食事)

2024年06月21日 | 長崎県

(2023年3月訪問)
拙ブログでは連続して長崎県壱岐の湯本温泉郷を取り上げておりますが、この湯めぐり旅では「国民宿舎壱岐島荘」で一晩お世話になり、かけ流しの温泉とご当地の料理で壱岐の旅を満喫させていただきました。


こちらのお宿は前回取り上げた「平山旅館」の向かいに当たり、ちょっと急な坂を登った上の、海を臨む高台に位置しています。
玄関の横には昭和44年に当時の皇太子ご夫妻が宿泊なさったことを記念する石碑が建てられていました。現在の上皇ご夫妻ですね。


スタッフの方は皆さん明るく丁寧。チェックインの時点で「この宿を選んで良かった」と安心しました。


私は一人旅なのでコンパクトな客室が宛がわれましたが、綺麗にお手入れされており、必要な備品類も用意されているので快適に過ごせました。そして何よりも窓から眺める景色が素晴らしい。壱岐の漁村や山の緑、そして大海原を一望。時間を忘れてずっと眺めていられます。


お食事は夕食・朝食共に食堂でいただきます。この食堂も海に面しており、海原を眺めながら舌鼓を打つわけです。


指定されたテーブルには前菜が用意されており・・・


お造り、長崎和牛の陶板焼き、魚のアラの煮つけ、そして野菜天ぷらといったラインナップ。
そのいずれもが実に美味い! 箸が止まりません。


朝食はいかにも日本旅館といった感じのバランス良く彩り豊かな献立で、こちらもおいしくいただき、その日の英気をしっかり養いました。

さて、次回記事では肝心のお風呂についてご紹介してまいります。

次回に続く。
コメント (2)
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壱岐 湯本温泉郷 平山旅館

2024年06月14日 | 長崎県

(2023年3月訪問)
前回に引き続き壱岐の湯本温泉郷を湯めぐりします。今回は日本秘湯を守る会の提灯宿である「平山旅館」を訪ねて日帰り入浴させていただきます。さすが立派な旅館だけあって、純和風のお宿はとっても綺麗ですし、スタッフの方の対応も実に丁寧。日帰り入浴をお願いするこちらまで、つい恭しくなってしまいました。


スタッフの方がお風呂まで案内してくださいました。
帳場向かいの階段で下のフロアへ降り、中庭をのぞむ通路を進むと左側に浴場があります。更衣室はまずまずの広さでお手入れが行き届いており、綺麗で気持ち良く使えます。


内湯は正面と左手の二手に分かれており、更衣室からお風呂に入って正面の空間には、洗い場と(目測で)おおよそ1.2m✕2.4mの浴槽が設置されているほか・・・


浴槽上に神話の絵が飾られています。神功皇后が当地の温泉を自らの子である応神天皇の産湯に使ったという言い伝えが残っているらしく、おそらくはその様子を描いたものと思われます。神々が宿る島らしい装飾と言えましょう。


一方、左手にはログハウス調の浴場があり、前者より若干大きめの浴槽が設置されています。
訪問時、前者(正面)の浴槽はやや熱く、(後者)左手の浴槽は入りやすい湯加減でした。ま、これは偶々そのような状況だったに過ぎないかと思われます。なお正面、左側、両方にシャワーがあります。


正面の浴室の奥には表へ出るドアがあり、出てみますとそこには露天岩風呂が赤いお湯を湛えていました。露天風呂は外気に触れて冷却される機会が内湯よりも多いためか、湯面ライン上の岩には析出の赤い庇が形成されていました。お湯の濃さがビジュアル的に伝わってきます。なお露天の周りは塀と植栽に囲まれているため景色はあまり期待できませんが、内湯のみの施設が多い当地で露天風呂は貴重ですから、これでも十分楽しめるかと思います。


個人的には露天風呂手前にある蒸し風呂が秀逸。一見すると小さなサウナのような構造をしているのですが、奥の方に人が入れない温泉槽があって、そこへ温泉が落とされており、槽から絶えず湯気が上がっているのです。いかにも塩分が濃い当地の温泉らしく、温泉の湯気で満たされた室内には潮の香りが漂っており、そんな香りを嗅ぎながら湯気に蒸されていると、体中の肌がモッチモチ、そしてプルプルになりました。素晴らしい!

当地の他のお湯と同様に、塩分が強くて苦汁感も含まれ、底が全く見えないほど赤みや緑色を帯びた黄金色に濃く濁っています。
ません。ミネラル分が多いため石鹸の泡立ちはあまり良くありませんが、塩気が強いお湯なので温浴効果が強く、寒い日でも長い時間ポカポカとし続けます。

今回は入浴のみでしたが、次回訪問する機会があれば是非とも宿泊してゆっくり過ごしてみたいものです。


ナトリウム-塩化物温泉 66.5℃ pH6.79 湧出量測定せず(自噴) 溶存物質16.41g/kg 成分総計16.53g/kg
Na+:5335mg(81.32mval%), Mg++:240.1mg, Ca++:495.0mg(8.65mval%), Fe:4.0mg,
Cl-:8744mg(91.63mval%), SO4--:638.3mg, HCO3-:560.2mg,
H2SiO3:68.3mg, CO2:128.4mg,
(平成27年7月22日)

長崎県壱岐市勝本町立石西触77
0920-43-0016
ホームページ

日帰り入浴8:00~21:00(最終受付20:30)  繁忙期などは日帰り入浴不可の場合あり
800円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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壱岐 湯本温泉郷 あづまや旅館

2024年06月07日 | 長崎県

(2023年3月訪問)
前回に引き続き長崎県壱岐の湯本温泉郷を巡ります。今回訪ねる「あづまや旅館」も湯本地区の集落にあり、美しい朱色の格子窓が印象的です。


路地向かいの駐車場には源泉井と思しきコンクリ桝があり、あたりは赤茶色に染まっていました。いまから入るお風呂のお湯はここで湧いているんですね。目にするだけでもワクワクします。

玄関で日帰り入浴をお願いしますと、快く了承してくださいました。上がり框から真っ直ぐ進み、途中で左へ折れて狭い廊下を進んだ先にお風呂がありました。


家庭のお風呂をひと回り大きくしたような民宿サイズのこぢんまりした浴室には、浴槽とシャワーがひとつずつ。
コンパクトなつくりながら、浴槽の上に窓があるため、室内は明るくて気持ち良く入浴できます。


周囲を白いタイルで囲まれた浴槽は、3人は入れそうな容量があり、ご当地ならではの濁り湯が張られています。そしてタイルを含めた浴槽まわりは、温泉成分の付着により赤茶色に染まっています。完全かけ流しの湯使いで、浴槽の右側からオーバーフローしています。


湯口には木の栓が差し込まれているのですが、栓がゆるいためか単に差し込んだだけだと抜けちゃうため、重石を載せて動かないようにしています。


お宿の方にお風呂まで案内していただく際、「ぬるければ石をどかして(栓を抜いて)ください」とのことでしたので、実際に栓を抜いてみますと、湯口からしっかりと温泉が出てきました。先程駐車場で見たコンクリ桝で湧出したお湯がここへ流れてきているのでしょう。前回記事までに取り上げた各施設の温泉はかなり熱いお湯が湯口から出ていましたが、この湯口から出てくるお湯はそんなに熱くなかったので、おそらく源泉からお風呂へ導く途中の中継タンクで湯温が下がるのでしょう。でもそのお蔭で水で薄める必要がないため、源泉そのままの濃い温泉を味わえます。

同じ地域の他源泉と同様、こちらのお湯もやや緑色を帯びつつ赤茶色にしっかり濁っており、とてもしょっぱく、わずかに金気を感じます。特に塩味については他源泉より強く感じたのですが、これって私の気のせいかしら。いずれにしても良いお湯であることには違いなく、明るいお風呂で良泉を堪能させていただきました。


ナトリウム-塩化物温泉 52.6℃ pH6.6 22L/min(動力揚湯) 溶存物質17.16g/kg 成分総計17.32g/kg
5316.3mg(78.78mval%), Mg++:228.7mg(6.41mval%), Ca++:595.0mg(10.11mval%), Fe:2.7mg,
9187.2mg(91.70mval%), Br-:21.0mg, I-:2.5mg, SO4--:675.2mg(4.97mval%), HCO3-:546.6mg(3.17mval%),
H2SiO3:71.2mg, HBO2:17.9mg, CO2:157.4mg,
(平成22年2月9日)

長崎県壱岐市勝本町湯本浦59
0920-43-0006
ホームページ

日帰り入浴については施設へお問い合わせください

私の好み:★★+0.5

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壱岐 湯本温泉郷 旅館長山

2024年06月01日 | 長崎県

(2023年3月訪問)
前回に引き続き長崎県壱岐の湯本温泉郷を巡ります。今回は湯本地区の集落の中にある「旅館長山」です。ご当地の観光協会によれば、こちらのお宿は3代・100年続く老舗なんだとか。なかなか年季が入った外観ですね。お昼過ぎに玄関を開けて日帰り入浴をお願いしたところ、まだ湯船が熱い状態だがそれでも良ければ構いませんよ、と優しくご対応くださいました。こちらのお風呂では70℃以上ある源泉を湯船に張って非加水で冷ますために時間がかかり、適温まで落ち着くのは午後2〜3時頃になるそうですが、今回は熱いのを承知で入らせていただきました。


玄関を上がり、廊下を進んで男湯へ。


お風呂へ向かう途中、廊下の窓からは源泉と思しきコンクリ枡が間近に見えました。湧出したての温泉に入れると思うだけでワクワクしますね。あぁ幸せだぁ。


渋い佇まいの更衣室。室内には利用者が自由に使えるタオルが積まれていましたが、日帰り入浴の分際にもかかわらず、お宿の方に負担がかかるようなサービスを受けるのは申し訳ないような気がしたので、私は持参したタオルで入浴しました。


浴室もこれまた大変渋くて独特な趣き。黒く塗られた壁に囲まれた総木造のお風呂で、3~4畳程度のこぢんまりした空間に3人サイズの浴槽が1つ据えられているばかり。壁の下半分は温泉成分の付着で赤茶色く変色しており、しかも部分的にかなり草臥れている御様子です。特に洗い場のシャワー周辺は早急な修理を要するのではないかと余計な心配をしたくなるほどの状態でした。


この温泉の泉質名は「ナトリウム-塩化物泉」ですから、名前だけ捉えるとナトリウムばかりが多そうな印象を受けますが、あくまで相対的にナトリウムが多いという話であって、絶対量ですとカルシウムやマグネシウムも多く含まれており、そのカルシウムの影響により、浴室の床には析出が鱗状(あるいは千枚田状)。にこびりついていました。成分の濃さをビジュアルで確かめられると、マニア的には嬉しいものです。


床の析出のみならず、湯船の湯面にもカルシウムの膜が張っていました。そっと湯船に入りながらこの膜をパリパリと割ってゆく瞬間も、マニア的にとっては興奮材料です。
お湯はやや緑色を帯びながら赤茶に強く濁っており、とてもしょっぱく、わずかに金気を感じます。お宿の方がおっしゃっていたように、私が入った時間帯の湯船はかなり熱かったのですが、お湯のコンディションは大変良好で、熱さと鮮度により心身をシャキッとさせることができました。アットホームで優しい対応と玄人向けの味わい深いお風呂が印象的な、なかなか素敵な施設でした。


ナトリウム-塩化物温泉 66.2℃ pH記載なし
Na+:5014.8mg, Mg++:282.9mg, Ca++:614.2mg, Fe++:4.6mg,
Cl-:9762.6mg, Br-:23.5mg, I-:3.1mg, SO4--:717.1mg, HCO3-:535.1mg,
H2SiO3:70.4mg, HBO2:17.4mg, CO2:111.8mg,
(平成22年1月21日)

長崎県壱岐市勝本町湯本浦43
0920-43-0033
ホームページ

日帰り入浴時間については施設へお問い合わせください

私の好み:★★+0.5
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