温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大船温泉 下の湯(2013年10月再訪)

2014年01月31日 | 北海道

道南の温泉を巡っていた2013年秋の某日、せっかく亀田半島を訪れているのだから、あの名湯を外す訳にはいかないと思い、久しぶりに大船温泉「下の湯」へ向かうことにしました。こちらは以前にも訪れたことがあり、拙ブログでも取り上げております(前回記事)。ここ数年、各地の鄙びた温泉は相次いで廃業しているので、行こうと決めた際には同時に不安が脳裏をかすめたのですが、実際に現地へたどり着いてみますと、前回訪問時と全く変わらない秘湯感溢れる静かで渋い佇まいでしたので、とっても安堵しました。


 
モスグリーンに塗られた鋼鉄の橋の上から、川の上流側を眺めます。訪問した日はちょうど紅葉が見頃を迎えており、錦のように彩られた川原の中を、清流と白い白濁湯の二筋が流れていました。また湯小屋の背景も紅葉真っ盛りでした。


 
湯小屋の手前にあるお湯の中継槽からは、余ったお湯が川へこぼれ落ち、その流路が瘤状に盛り上がっていますね。これも以前同様。


 
湯小屋の右側に建つ民家で料金を支払ってから、湯小屋へ向かって引き戸を開けます。草臥れたソファーが置かれた脱衣室の様子も以前のまんま。


 
旧仮名遣いの注意書きも以前のまんま。



かなり年季の入った総木造の浴室も相変わらずで、イオウ臭が漂う薄暗い室内には白濁の硫黄泉が湛えられ、窓から差し込む陽光が湯船の湯面を青白く反射させていました。たかが数年で大きく変貌するわけないのかもしれませんが、でも関東人の私としては、遠路遥々やってきて、そして以前と変わらぬ姿で出迎えてくれると、得も言われぬ嬉しさが込み上げてくるものです。この浴室は果たして何年もの間にわたって、この古風な姿を維持しているのでしょうか。聞いた話によれば湯船は明治以前から使われ続けているらしいのですが、だとすれば、これまでどれだけの人がこの湯船で疲れを癒してきたのでしょうか。室内の湿り気とほの暗さが、郷愁を余計に駆り立てます。


 
昔ながらの湯小屋ですから、洗い場には小物を置く小さな棚や柄杓が用意されているばかりで、シャワーなんて現代的な設備は無く、かけ湯するには湯船から桶でお湯を汲む他ありません。でも室内の隅には桶がきちんと積まれており、その様子からは、このお風呂を管理なさっているファミリーの温泉に対する愛情が伝わってきます。


 
浴槽に張られたお湯は、やや青っぽく見える灰白色に濁り、湯中では溶き卵のような湯の華が大量に舞っています。湯船は体感で43~44℃くらいと思われ、人によっては熱く感じられるかもしれませんが、このピリッとする感覚がまた堪りません。湯中で肌を擦ると、サラサラに近いパウダリーな浴感とやや引っかかりのある浴感が混在しつつも、前者のほうが勝って伝わってきました。またお湯からはちょっと焦げた感じを伴うイオウ臭と砂消しゴム的イオウ臭という、2パターンのイオウ臭が放たれており、口に含むと石灰味と石膏甘味、薄塩味、苦味、硫黄味が感じられました。


 
壁の外側には上述の中継槽があり、そこから樋を伝って流れてくるお湯がこの湯口から吐出されているのですが、吐出口のお湯は50℃弱の熱さがあり、お湯を出しっぱなしにすると湯船が熱すぎてしまうため、私の訪問時は湯口に木の栓が突っ込まれており、投入量を絞ることによって湯船の熱さを抑えていました。とはいえ、客の好みによってこの栓を抜いても構わないわけで、実際に抜いてみますと、熱いお湯とともに大量の湯の華が入り込んできました(退室時には栓を元に戻しておきましたよ)。



この画像ではわかりにくいのですが、男女両浴室の仕切り下は貫通しており、湯船は男女双方で共通となっています。つまりこの仕切塀の下を潜れば容易に男女双方を行き来できちゃいます。上画像はその仕切り塀下を撮ったつもりなのですが、お湯の白濁が強いので、貫通している様子がさっぱり写っていませんね。女湯の湯口から吐出されるお湯の量は少なく、にもかかわらず湯加減は熱めであるらしいのですが、それもそのはず、お湯の供給量が多い男湯と共通の湯船なんですから、熱くて当たり前なんですね。

あまりに古い陋屋で全体的にくたびれていますから、衛生的な面や設備面の充実さを重視する方には不向きですが、いかにも秘湯らしい佇まいといい、歴史を感じさせる鄙びた風情といい、イオウ感がはっきり伝わってくる白濁したお湯といい、温泉ファンが好む要素をいくつも兼ね備えており、私もそれらにすっかり魅了され、湯船に浸かった瞬間に、いくつかのマイナス要素は一気にどこかへ吹き飛んでしまいました。また今回は運良く終始独り占めでき、この素晴らしいお湯を思う存分堪能できました。


温泉分析表掲示なし

北海道函館市大船町821  地図

8:00~21:00
200円
備品類なし

私の好み:★★★

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御崎海浜温泉 浜の湯

2014年01月30日 | 北海道
 
前回問り上げた「恵山温泉旅館」にて入浴を済ませた後、その近所にある御崎海浜温泉「浜の湯」の現況を確認してみることにしました。海岸のコンクリ護岸下に設けられたこの共同浴場は、特徴的な佇まいが実に魅力的であり、以前から温泉ファンにはよく知られていた存在でしたが、一部の外来入浴者によるマナー違反が目立ってきたため、数年前から町内住民以外入浴禁止となっていまい、道路に設置されていた大きな案内標識も撤去されてしまいました。一般論として、いままで外来者の利用を受け入れていた地元民のための共同浴場が、一度でも外来者に対して門戸を閉ざしてしまうと、その後外来入浴を復活させることは稀有であるため、そのセオリー通りに考えていた私は、もうこの浴場で入浴できる機会は無いのだろうと諦めておりました。
そんな先入観を持ちながら、あくまで現状確認するだけの軽いつもりで現地へ行ってみますと、浴場周りの外観は以前と殆ど変わっていなかったのですが、入口手前に立っている柱に括り付けられている札には「この温泉は御崎町内会が管理しています」とは書かれているばかりで、以前にあった町民以外の利用を謝絶する文言は記されていません。さらに・・・


 
入口前のコンクリ壁には、湯浴みしているお姉さんのイラストと共に「ご利用の皆さまへ」と題された案内板には、
この温泉は、御崎町内会の皆さまにより管理されています。きれいに使いましょう。なお、温泉ポンプの維持管理のため、ご入浴は午後八時三十分までとしますので、ご理解とご協力をお願いします。
と説明されており、ここにも外来者お断りの文言が一切ありません。それどころか、明らかにこの説明文は外来者の利用を前提としている書き方です。もしかしたら…という淡い期待を抱きながら中の様子を窺っていると、タイミング良く、前カゴにお風呂道具を載せた自転車に跨ったお爺さんがやってきて、このお爺さんに入浴して良いか聞いてみたら、恐ろしく強い訛りで半分近くヒヤリングできなかったものの、入浴して構わないというニュアンスが伝わってきましたので、ありがたく入らせていただくことにしました。いつの間にやら、地元民限定という制限は解除されていたんですね。


 
階段を下りて浴場へ入ります。防波堤の一部を山側へセットバックさせ、その上にアクリル波板の屋根を載せてお風呂にしている構造は、拙ブログで以前取り上げている鹿児島県トカラ列島・中之島の「西区温泉」「東区温泉」に非常によく似ています。しかしトカラ列島・中之島と異なって、こちらの浴場は混浴となっており、脱衣ゾーンも男女共用である上、水着などの使用も禁じられているため、女性の方にとっては心理的なハードルがちょっと高いかもしれませんね。
入浴ゾーンとの仕切り塀には青い料金入れが括り付けられているので、こちらへ寸志を納めます。



入浴ゾーンは立派なコンクリ造で、床には石板が敷き詰められていますが、湯船から溢れ出るお湯の温泉成分が付着することによって、全体的に赤茶色に染まっており、元の色が全然わかりません。浴槽は6人サイズで、少しでも温泉らしい風情を醸し出そうとしているのか、山側の擁壁には岩が積まれて装飾されていました。


 

岩積みの隙間から突き出ているパイプにホースが接続され、そのホースによって槽内湯面下で源泉が吐出されています。その勢いも量も豊富でして、ホース口からは気泡が無数に上がっており、また吐出される勢いによって湯面では常に小波が立っていました。そして浴槽縁からは惜しげも無くドバドバとオーバーフローしており、上述のように床一面を赤茶色に染めていました。

湯船のお湯は薄い橙色を帯びた弱い懸濁で、ホースから出てくるお湯を手に汲んで口に含んでみますと、大雑把に表現すれば重炭酸土類泉的な味と匂いを有しており、具体的には石膏味+金気(鉄系)味+諸々の土類味+弱炭酸味、そして金気臭と土気臭がそれぞれ感じられました。また湯口では石膏を焼いて焦がしたような匂いもふんわり香ってきました。
プリミティブなお風呂ですから、湯船に対して何らかの手を加えるような設備も無く、加水加温循環消毒が一切ない完全なる掛け流しのお湯であり、加水など一切していないにもかかわらず、湯船では42℃前後の絶妙な湯加減となっていました。これぞまさに恵山の恵みですね。湯船で全身浴しているときに感じられる鮮度感は抜群です。重炭酸土類や金気が多いお湯ですから、湯中で肌を擦るとキシキシとした浴感がはっきりと伝わり、またお風呂上がりも肌からは金気臭や土類臭がふんわりと漂ってきました。前回の「恵山温泉旅館」と同じく恵山の火山活動が生み出した温泉ですが、強い酸性の明礬緑礬泉である「恵山温泉」とは全く異なり、こちらは肌への刺激が少ない重炭酸土類泉的な特徴を呈するお湯である点が、実に興味深いところです。いずれも甲乙つけがたい良泉である点は同じですけどね。


 
浴場の前を横切る道路を跨いだ崖下にはこのような櫓が立っているのですが、先程のお爺さんの話によれば、どうやらこれが源泉井(御崎1号井)のようでして、30メートルほど掘ってポンプアップしているんだそうです。今回入浴を共にした地元のお爺さんは、外来者の利用に対して今でもかなりナーバスになっており、地元の皆で出資して備品の揃えてこまめに手入れしているにもかかわらず、お風呂を荒らす者やゴミを散らかす者、酒盛りをする者、そして寸志泥棒をする者が現れて困っているんだ、と30分以上にもわたって私一人を相手に熱弁をふるっていらっしゃいました。よほど腹に据えかねていたのでしょう。
どのような経緯で外来者利用が再び可能となったのかわかりませんが、かつてのように大きな案内標識を出すこともなく、現在は知っている人だけが訪れる温泉として、来る者拒まずの姿勢でひっそりとお風呂を開いているような雰囲気です。せっかく外来利用が再開されたのですから、いつまでも我々外来者が利用できるよう、地元の方々への配慮を忘れずにいたいものですね。


御崎1号井
カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素塩泉
詳細な数値は掲示なし

北海道函館市恵山町御崎 (地図による場所の特定は控えさせていただきます)

開場時間不明~20:30
寸志
備品類なし

私の好み:★★★
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恵山温泉旅館

2014年01月29日 | 北海道

道南きっての名湯である、恵山の麓の温泉宿「恵山温泉旅館」で日帰り入浴してまいりました。津軽海峡を見晴らす広い駐車場に車を止めてお宿の玄関へ向かうと、その玄関前はちょっと雑然としており、また館内も薄暗かったので、営業しているか不安になりましたが、中に入って声をかけますとご主人と思しき方が厨房から現れ、対応してくださいました。


 
帳場から右手に伸びる廊下を歩き、共用洗面台の先にある浴室へと向かいます。洗面台の上には歯ブラシやコップがたくさん並んでいたのですが、これは湯治客のものでしょうか、はたまた常連さんのものでしょうか。廊下の壁には恵山の山野草やその花々を写したたくさんの写真が展示されていました。


 
旅館というより湯治宿と表現したくなる質素で草臥れた脱衣室には、カギの無いスチールロッカーや籠が置かれているばかりです。


 
恵山温泉が有する特徴のひとつとして強い酸性が挙げられ、それゆえお風呂では石鹸は使えません。使おうとしても中和しちゃってちっとも泡立たないんですね。このため、館内にはその旨を記したプレートがあちこちに掲示されていました。


 
お風呂は男女別の内湯のみ。その浴室は薄暗くてこぢんまりしており、装飾的な要素は見当たりません。娯楽性も歓楽性はおろか、温泉風情や情緒もあまり感じられない、極めて質素で古風な造りのお風呂です。洗い場は2ブースでいずれも水とお湯のカランしかなく、シャワーはありません。このように造りは至ってシンプルなお風呂であるにもかかわらず、脱衣室からこの浴室へ一歩足を踏み入れた途端に、ものすごい迫力で圧倒されそうになってしまいました。一呼吸置いてから冷静に室内を見回してみると、長年にわたる温泉の飛び散りによって、浴槽や床が黄・赤・茶・黒といったような色によって染まっており、腰掛けや桶にも色がこびりつき、そればかりか左右両サイドの壁にまでその着色が及んでいるので、あたかも浴室全体が濃い温泉成分を纏って入浴客に迫り来るような、ただならぬインパクトがあったのです。


 

浴槽はコンクリ造で4~5人サイズです。浴槽の左側には何もない空間が確保されているのですが、ここってトド専用スペースなのでしょうか。白や黄色の結晶がビッシリこびりついたパイプからドボドボ音を立てながら源泉が注がれており、槽の容量に対して投入量が多いためか、浴槽縁からふんだんに溢れ出ていました。
湯船のお湯は紅茶のような赤っぽい透明で、湯中では薄い褐色の浮遊物がたくさん舞い、ほんのりと明礬臭や金気臭が漂っていますが、口に含んだ時の衝撃がものすごく、pH2.2という数値からもわかるように強烈に酸っぱくて口腔が急激に収斂するのはもちろんのこと、明礬味や鉄(緑礬)味が酸味とともに味覚神経を襲撃し、口の中が痺れて麻痺しそうになり、酸の影響で歯がキシキシしてしまい、頬の肉が溶けるんじゃなかろうかという恐怖感に襲われてしまいました。とてつもない凶暴さは味のみならず浴感にも現れており、湯中での肌を擦るとギッシギシに引っ掛かり、湯上がりにはベタつきとキシキシ感が残りました。これだけ濃いお湯なんですから、お湯が持つパワーは尋常ではないものと思われ、それゆえ湯治にはもってこいなのでしょうね。その反面、肌の弱い方や体調が芳しくない方は入浴に注意を要するでしょうし、健康体であっても長湯は避けたほうがよいかもしれません。お湯が繰り出す強烈なストレートとフックに私もヘロヘロになり、湯上がり時にはパンチドランカーになってしまいそうでした。

単に感覚だけで表現してもその強烈さはあまり伝わりませんから、分析表の数値で更に追ってみますと、まず目を惹くのが325.7mgというアルミニウムイオンの多さです。浅学の私が迂闊に断言することはできませんが、この数値は蔵王温泉や玉川温泉を遥かに上回っており、おそらく日本一かそれに近いレベルではないかと思われます。また、鉄イオンの量も目を見張るものがあり、2価の鉄イオンは125.4mg、3価は48.5mgですから総鉄量は173.9mgとなり、これまた日本屈指の高レベルであることに相違ありません。まさに生粋の明礬泉であり、且つ緑礬泉でもあるのですね。


 
強烈なお湯に入った私はまるでアントニオ猪木に闘魂注入(ビンタ)されたかのように、シャキッと英気が蘇り、その元気を持て余してしまったのですが、ちょうど駐車場の目に前には展望台へ上がる498mのトレイルのスタート地点がありましたので、漲るパワーを活用すべく、上へ向かってみることにしました。このトレイルは終点までひたすら登りが続きます。


 
ジグザグの階段を登り切ると、その先には展望台が立っていました。


 
展望台から海を望むと、津軽海峡の対岸には下北半島の姿が鮮明に確認できます。




視野を180度回転させて恵山を眺めてみますと、さすが北海道屈指の紅葉の名所とあって、ちょうど見頃を迎えていた恵山の紅葉は、色艶やかな錦織のように、さまざまな色によって彩られていました。本州の紅葉と異なり北海道の紅葉は黄色がメインであることが多いのですが、この山には紅色も目立っており、火山ならではの荒涼とした白い岩肌も相まって、実に美しい色彩美が展開されていました。わざわざ500メートル近い階段を登ってきた甲斐がありました。でも、せっかくお風呂に入った後なのに、また汗かいちゃった…。


酸性・含鉄(Ⅱ)・アルミニウム-硫酸塩温泉 41.5℃ pH2.2 120L/min(自然湧出) 溶存物質4.923g/kg 成分総計5.077g/kg
H+:6.3mg(8.90mval%), Na+:70.8mg(4.36mval%), NH4+:3.5mg, Mg++:31.0mg, Ca++:276.7mg(19.55mval%), Al+++:325.7mg(52.87mval%), Fe++:125.4mg(6.36mval%), Fe+++:48.5mg(3.69mval%),
Cl-:187.5mg(7.32mval%), HSO4-:617.8mg(8.80mval%), SO4--:2908mg(83.78mval%),
H2SiO3:263.4mg, HBO2:22.2mg, CO2:153.7mg, H2SO4:9.9mg,

函館駅前バスターミナル(6番のりば)より函館バスの恵山御崎行で「恵山登山口」バス停より徒歩20分(登り一辺倒の1.3km)
北海道函館市柏野町117-150  地図
0138-85-2041
ホームページ

日帰り入浴時間6:00~20:00
300円
備品類なし

私の好み:★★★
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東前温泉 しんわの湯

2014年01月28日 | 北海道
 
今回から連続して北海道の渡島・後志・胆振エリアに湧く温泉を取り上げてまいります。その手始めは、函館のフェリー埠頭からさほど離れていないところにある「東前温泉 しんわの湯」です。津軽海峡フェリーで青森から函館へ渡っていた私は、景色を眺めるべく甲板に出ずっぱりだったのですが、潮風にあたっていたら当然ながら体が冷えきってしまい、一刻も早く体を温めたかったので、フェリーを降りてからすぐにこちらへと向かいました。国道227号沿いで周囲には何も無く、また道路沿いには大きな看板が目立っているので、迷うこと無く辿りつけたのですが、週末の夕刻という時間帯だけあって、広い駐車場には敷地を埋め尽くさんばかりの車が止まっており、人気の高さが窺えるどころか、相当混んでいることが察せられ、混雑を回避して利用をやめるべきか入館するか迷ってしまいました。



「ホテル秋田屋」や生鮮食品店が併設された建物に入って「しんわの湯」のエントランスへと進むと、その内部は食堂・軽食コーナー・マッサージルーム・床屋さん・ゲームコーナーなど各種サービスを兼ね備えたいわゆるスーパー銭湯そのものでして、ロビーホールはとっても広々しており、案の定多くのお客さんで賑わっていました。券売機で料金を支払い、券と下足箱(100円リターン式)の鍵をフロントに差し出して、その引き換えにロッカーキーを受け取ります。


 
こちらの施設は湯使いの良さを積極的にアピールしており、館内のあちこちにこのような文言が表示されていました。右(下)の画像には「ナトリューム泉」「アルカリ泉」と2種類の泉質名が表示されていますが…



こちらでは実際に2つの源泉が使用されており、それぞれ掛け流しの状態で供給されているのですから、大したもんじゃありませんか。しかも浴用のみならず、保健所から飲用許可もちゃんと受けているんですから立派です。浴室入口の手前にはこのような飲泉所が設けられていますので、両者を飲み比べてみました。
まず画像左手の「アルカリ泉」ですが、白い紙コップにお湯を注ぎますと、そのお湯は薄い褐色を帯びており、鼻を近づけますとふんわり且つほんのりとアブラ臭に近いモール臭が香り、僅かですが清涼感を伴う苦味が感じられます。分析表を見ますと泉質名は単純温泉でありまして、溶存物質は0.852g/kg、ナトリウムイオンが81.77mval%、炭酸水素イオンが91.75mval%といった数値が記録されており、そうした数値から見ますと純重曹泉に近いものであり、また知覚から大雑把に捉えればモール泉と言うこともできそうです。

一方「ナトリウム・カルシュウム泉」(以下「ナトリウム泉」)は極わずかに白く靄掛かっているように見え、口にするといかにも函館地区の温泉らしい特徴、即ちニガリ味を伴うしょっぱさが感じられます。この「ナトリウム泉」の湧出地は浴場の所在地と同一ですが、「アルカリ泉」の方は浴場からちょっと離れた国道の反対側となっており、わずかな位置の差でも全く異なる泉質のお湯が湧き出ることは実に興味深い点です(源泉井の掘削深度が全然違うのでしょうね)。


 
脱衣室も広々しており、洗面台もたくさん用意されているので、他客に気兼ねなくゆっく鏡の前で身支度を整えられます。一般的にスチールロッカーには、コインロッカーでしばしば採用される正方形に近いタイプと、企業やスポーツジムの更衣室で採用されるような縦長タイプに分類することができ、前者はいろんなものを収められる反面、衣類に皺ができやすい欠点がありますが、一方で後者はハンガーが使えるので衣類を綺麗に収納できる反面、幅が狭いので大きな荷物が入らなかったり、開閉時に隣の客と干渉しやすい傾向があります。ちょっと長い前置きになっちゃいましたが、こちらの施設で採用されているのは後者のタイプであり、しかも2段重ねとなっているのですが、たまたま私は下段があてがわれてしまい、また運悪く左右サイドのお客さんと開閉するタイミングがバッティングしてしまったため、使用時はかなり窮屈な思いをしてしまいました。でもこの構造のお陰で余多のお客さんの荷物を収容できるわけですから、これも致し方ないと考え、荷物を広いところへ移動させて着替えました。



まるで体育館を彷彿とさせるほど広い浴場は、そんじょそこらの旅館の「大浴場」が可愛く思えるほどの空間が広がっており、何十人という多くのお客さんが利用しているにもかかわらず、その広さのお陰でちっとも混雑を感じさせません。浴室は手前半分に洗い場が、残り半分に各種浴槽が配置されており、(男湯の場合は)洗い場には計46基のシャワー付きカランが何列にも分かれてズラリと並んでいました。なお各カランはオートストップ式の単水栓となっており、お湯(沸かし湯)しか出ません。また洗い場の左側には、サウナ・水風呂の他、打たせ湯など仕掛けのあるお風呂が並んでいました。

各種浴槽ゾーンに関しては、右側から中温「ナトリウム泉」(正しくは含塩化土類・食塩泉)、中温「アルカリ泉」(正しくは単純泉)の主浴槽、そして高温「ナトリウム泉」の順に各浴槽が並んでおり、「ナトリウム泉」のお湯は透明ながら微かに白く濁る一方で、「アルカリ泉」のお湯は薄い琥珀色ですので、浴槽における両者の違いは一目瞭然です。いずれの浴槽もたくさんのお客さんを擁しても余裕のキャパがあり、しかも各槽とも放流式の湯使いを実現しているため、ストレスなくおもいっきり足を伸ばしてゆっくり湯浴みをたのしむことができました。また浴室最奥のガラス窓沿いは小高くなっており、デッキチェアが並べられ、湯船から上がってクールダウンをする方々が、横になりながらゆっくり寛いでいらっしゃいました。



露天ゾーンにも多様な浴槽があり、好みに応じて入り分けることができます。具体的には、窓側(建物側)にはぬるめの「アルカリ泉」の寝湯、寝湯の隣のちょっと高い位置には「ナトリウム泉」の檜風呂、中央には「ナトリウム泉」が張られた屋根付きの円形主浴槽、その右側には「アルカリ泉」泡風呂、さらに奥にはぬるめの「アルカリ泉」が張られた周回コースの歩行湯・・・といった感じです。

浴槽によって2つの源泉が使い分けられており、一見すると漠然と分けられているようにも思えるのですが、ぬるくしてゆっくり入る寝湯や、湯中で体を動かす歩行湯、そして気泡を発生させる装置にお湯を通す泡風呂など、体への負荷が少ない方が良い、或いは機器への負担を軽くすべきお風呂には「アルカリ泉」、静かに全身浴して体を温める(且つ気泡発生装置等を通さずに済む)檜風呂や主浴槽には「ナトリウム泉」、というように、用途に合わせて泉質の特徴を上手く使い分けているのです。こちらのお風呂では規模の大きさや浴槽の多様性、そして掛け流される湯使いなどに関心が寄せられがちですが、こういう泉質に合わせた使い分けや配慮といった面も大いに評価すべきではないかと思います。



お風呂から上がった後、施設の裏手に回って、目の前に広がる函館郊外の夜景を眺めながら、火照った体を冷ましました。こちらの施設は温泉ファンからの評価が比較的高く、「鄙び」や「静寂」といった要素を愛するはずの温泉ファンが、どうしてスーパー銭湯を評価するのかわからなかったのですが、実際に利用してみてその訳がわかりました。規模が大きく、多種多様な浴槽に、2つの源泉を掛け流す、温泉資源の豊富な環境のメリットを存分に活かした素晴らしい入浴施設でした。混雑するのも納得です。


「ナトリウム泉」(湧出地:北斗市東前85-5)
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 76.2℃ pH6.8 610L/min(動力揚湯) 溶存物質8.187g/kg 成分総計8.433g/kg
Na+:2004mg(65.34mval%), Mg++:167.8mg(10.35mval%), Ca++:580.1mg(21.70mval%),
Cl-:3649mg(78.37mval%), S2O3--:0.2mg, SO4--:722.7mg(11.46mval%), HCO3-:807.8mg(10.08mval%),
H2SiO3:106.7mg, CO2:246.3mg,

「アルカリ泉」(湧出地:北斗市東前3-47)
単純温泉 45.0℃ pH8.0 430L/min(自噴) 溶存物質0.852g/kg 成分総計0.857g/kg
Na+:152.7mg(81.77mval%), Ca++:12.5mg(7.64mval%),
Cl-:19.2mg(6.19mval%), HCO3-:488.8mg(91.75mval%),
H2SiO3:149.6mg, CO2:4.2mg,

北海道北斗市東前85-5  地図
0138-77-8000
ホームページ

5:00~23:00 年中無休
400円
ドライヤー(有料30円)・ロッカーあり、入浴道具販売有り

私の好み:★★+0.5
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大中山温泉

2014年01月26日 | 岡山県

半月に及んだ岡山県の温泉の記事も、ひとまず今回で一区切り。大トリは岡山県きっての珍湯「大中山温泉」にお出で願いましょう。この温泉施設を訪問するに当っては事前にネットでどんなところか調べていたのですが、検索して得られるページには総じて「B級」「コンテナ」「怪しい」「綺麗とは言えない」といったような、決してポジティヴではないワードが並んでおり、その上、施設側のホームページにも…
設備は決して立派ではなく、娯楽施設ではありません。温泉を掘り当ててから少しずつ、老夫婦が手作りのような温泉を営んできました。ネットでもたくさんの方たちが賛否両論の評価をしていただいて、本当に有難く思います。(ホームページより抜粋)
と自ら「賛否両論」と言っちゃっているのです。しかしながら、今までの湯めぐりの経験則にもとづいて考えれば、施設のB級感の強さとお湯の良さは比例する傾向にありますので、怪しい施設だからと言って訪問しないと後悔する可能性も高いわけです。何事も、行動しないで後悔するなら行動して後悔すべき、と言いますから、多少の負傷は覚悟して、旺盛な好奇心を満たすべく行ってみることにしました。

和気市の中心部から4~5km、山陽道の和気インターから2km弱、それぞれ国道374号線を南下してゆくと、国道沿いには上画像のような立派な看板が立っており、これを見る限りでは大きな規模のちゃんとした温浴施設があるんだろうと考えるのが普通です。この看板に誘われて、何も知らずに矢印の方向へハンドルを切った人も、今まで何人もいたことでしょう。でもその矢印に従って国道から路地へ入ってゆくと、早くも凸凹の激しい砂利道となり、本当にこの先に温泉があるのか不安になります。


 
砂利道を下っていった先には、工事の資材置き場のような荒涼とした風景が広がっており、その中央にプレハブ小屋やトレーラー用のコンテナが据え置かれていました。往年のドラマ「西部警察」だったら、間違いなくコンテナに隠れている犯人と銃撃戦の後に、大門団長が撃つショットガンに追われた廃車寸前のセドリックが突っ込んで大爆破されそうですし、あるいは戦隊ヒーロー物でしたら、ショッカー的な悪の秘密結社がヒーロー達と戦闘を繰り広げた挙句にやっぱり大爆破されちゃいそうな、はたまた「お笑いウルトラクイズ」でダチョウ倶楽部やたけし軍団の皆さん方が絶叫しながら爆破カースタントを受けていそうな、とにもかくにも爆破撮影が似合いそうな、温泉ではなく「アジト」という言葉がぴったりな佇まいなのであります。

そのコンテナには大きく「大中山温泉」と書かれており、その脇には申し訳程度に小さく「仮設浴場」と記されていました。ここに至ってようやく温泉施設であることが確認できましたが、資材置き場かと見紛うようなその状況に直面すると、果たしてちゃんと営業している施設なのか否かという、新たな不安が沸き起こります。国道沿いの立派な看板を見て、きれいな温泉に浸かれることを想像していたにもかかわらず、この佇まいを見て逃げ帰ってしまう方も多いことでしょう。小屋の裏手にある駐車場へ廻りますと、駐車場には車が数台とまっているので、訪えば何とかなるだろうと割りきって、プレハブ小屋へ向かったのですが、その入口の外側には靴がたくさん並べられているではありませんか。小屋には下足場が無いため、靴は外に出しっぱなしにしなけれならないのです。客商売している施設とは思えないその光景に怖気づきそうになる反面、怖いものを見たいという好奇心もフツフツと頭を擡げ、結局後者の方が勝ったので、私も先客に倣って靴を外側に放置し、プレハブのドアを開けたのでした。


 
プレハブの内部はいろんなものがゴチャゴチャ散らばって雑然としており、生活臭が強く放たれているのですが、雰囲気を表現する意味としての「臭い」ではなく、実際に嗅覚としての不快な「臭い」が充満しています。足元ではニャンコが徘徊していましたし、床にはネコの餌が散乱していたので、それらが原因の一つかもしれません。そんな室内にもかかわらず、入口のそばには券売機が設置されており、これで料金を支払うのであります。普通の人でしたら立ち入りを躊躇ってしまうほど雑然とした環境に似つかわしくないマシーンの存在こそが、客商売をしている証なのでしょう。私は意を決して券売機に500円玉を投入し、吐き出された券を傍のソファーで寛いでいたご夫婦に手渡たして、奥にある脱衣室へ向かいました。

その脱衣室も「衛生」や「清潔」とは程遠い雰囲気でして、茣蓙敷きの室内には錆びたガタガタのスチールロッカーが設置されており、無料で施錠できる点はありがたいのですが、トイレが近いからか臭気が侵入しているばかりか、ヨレヨレの雑巾が何枚も干されているので、表現のしがたい異臭が鼻を突いてきました。
また室内の片隅には姿見代わりの化粧台が置かれているのですが、埃にまみれている上にいろんなものが周りにゴチャゴチャ放置されていますし、台の上には一応ドライヤーも用意されているのですが、吸込口は埃で目詰りしていますし、その前に置かれた扇風機もやはり埃だらけでして、これらで風を吹かすと体調に支障をきたしそうな予感がしたので、手を付けないでおきました。


 
コンテナ外観の隅にちいさく「仮設浴場」と書かれていましたが、浴室はまさにその言葉がぴったりな造りで、壁や天井などあちこちが傾いでおり、サビやくすみが目立っています。うなぎの寝床のように細長い室内の手前側には洗い場が並び、その奥に浴槽が2つ設けられているのですが、5基のシャワー付き混合水栓が並ぶ洗い場の床に敷かれている石板タイルは、色に統一感がなくバラバラで、建材屋さんで余っていたものを適当に並べたような感じです。またシャワー下の台も、一見すると化粧板でしっかり作られているように見えるのですが、その実はコンクリブロックの上に俎板状の石板を置いただけという、とっても簡素なものです。なおシャワーとは反対側の壁にはフックがたくさん並んでおり、常連さんはここへお風呂道具やタオルを掛けていました。


 
浴槽は長方形で同じサイズ(5~6人)のものが2つ並んでおり、いずれもコンクリ打ちっぱなしで、その様相は金魚の養殖池を彷彿とさせます。浴槽傍の壁の隙間からは雑草が入り込んでおり、ワイルドな感すら受けます。この2つの浴槽は温度が異なっており、右側はやや熱めで43℃くらい、左側はぬるめで34~5℃くらいに設定されていました。源泉温度は19.5℃ですから両浴槽とも加温されたお湯が注がれているわけであり、右が熱くて左がぬるいという区分は日を問わず固定されているようですが、両浴槽の間に設けられた加温湯(ボイラーで沸かされた源泉)と冷鉱泉(生源泉)の蛇口を開閉することによって湯加減が調整できちゃいますから、常連さんは好みに応じてお湯や水を吐出させており、温度に関しては先客の好み次第でかなり上下するかと思います。ちなみに私がお風呂に浸かっていたら、浴場のご主人も湯船に入ってこられ、右側の槽に浸かって曰く「今日は熱い」と仰っていましたから、普段の右側槽は43℃より低いのでしょう。

さて肝心のお湯に関するインプレッションですが、見た目は無色透明で無味無臭、クセも無ければ柔らかさも無い、ごくごく普通の浴感です。強いて言えば、冷たい生源泉を口にした時には重曹泉的な清涼苦味が感じられ、また湯中ではそして引っ掛かり浴感が微かにあったような気がしますが、あまり自信はありません。2つの浴槽とも、源泉温度が低いために加温されていますが、加水循環消毒は行われていません。冷たい蛇口に至っては生源泉100%であり、入浴客の皆さんは必ずと言ってよいほど、入浴中にこの冷鉱泉を飲んでいらっしゃいました。といっても、溜め湯式の湯使いですからどうしてもお湯がなまりやすく、特に私が訪れた夕方は若干の濁りが発生していました。また浴槽の底には細かい砂利が沈殿しているのですが、ご主人曰く源泉は自噴しているそうですから、鉱泉と一緒に地中から上がってきて、お風呂に紛れ込んでしまうのでしょう。

私としては左側のぬるい浴槽が心地よかったので、たまに体温維持のために熱い浴槽へ入る以外は、ひたすらぬるい浴槽に浸かっていました。ご主人曰く、常連さんの中には私のようにぬる湯好きがいて、そういう人は皆さん1時間以上長湯するんだそうです。
35~6℃の湯船ですから、湯上がり後に逆上せることはありませんが、長湯したからか、あるいは鉱泉が秘めたるパワーを有しているのか、湯上がり後もしばらくは湯冷めせず、まるで体内に熱源を宿したかのように全身がポカポカし、やがて汗がじんわりと噴き出してきました。でも不快な熱の篭りは無く、爽やかなサッパリ感もあり、相反する感触が同時に感じられる何とも不思議な浴感なのであります。



雑草が隙間から入り込む浴室の窓から外を眺めると、このような設備が目に入ってきました。おそらく源泉井なのでしょうね。ご主人曰く、地下1000mボーリングしており、しかも自噴なんだとか。



入浴中にご主人といろいろとお話した後、私が遠方から来た人間だとわかると、帰る際にお土産として、パッケージされたこの温泉の源泉(鉱泉水)を手渡してくださいました。こちらの鉱泉水は、浴用のみならず飲用として持ち帰る方も多いんだそうでして、ご主人の説明によれば、この水は所謂「水素水」と称するもので、医者から見捨てられたような重病の患者さんがこの水を毎日1リットル飲んだら効果が現れたとして評判なんだそうです(ご主人は具体的な病名を言っていましたが、敢えてここでは触れません)。また健康な人でも、この水を飲んだら我慢できないほど利尿作用が強く働くとのこと。とはいえ、たとえ水を飲んで健康になれるとしても、浴場の環境が衛生という概念と隔たりのある状況ですから、入浴と飲泉を併用したところでその効果は相殺されてしまいそうな気もします。また、自分のブログだからこそ申し上げますが、私はこの手の話には眉にベッチョリと唾を付ける性格でして、あくまで伝聞としてお伝えするまでですから、水の効能に関しては各自でご判断願いたいのですが、尤も、病の治癒におけるプラシーボ効果はかなり大きいと聞きますし、薬漬けに陥るよりはこの水を飲んでいる方が、結果の如何はさておき、遥かに体への負担が少ないことは間違いないでしょう。水の効能や、お風呂の怪しげな雰囲気など、この温泉に関する全てについて、ご主人は「わかる人だけわかれば良い」と、まるでドラマ「あまちゃん」の花巻さんのようなセリフを語っていらっしゃいましたが、確かに信じる者こそ救われるのかもしれません。そして私のような一見の客にも商品である水を譲ってくださる優しさや、病に苦しむ人達に心を寄せて難病回復を願うその気持ちに、嘘偽りはないのでしょう。


単純弱放射能泉 19.5℃ pH8.1 湧出量測定不能(自然湧水) 溶存物質0.18g/kg 成分総計0.18g/kg
ラドン含有量31.3×10^-10Ci/kg 
Na+:24.0mg(50.24mval%), Ca++:20.0mg(48.31mval%),
Cl-:5.7mg(7.84mval%), SO4--:9.3mg(9.31mval%), HCO3-:95.4mg(76.47mval%), CO3--:2.1mg,
H2SiO3:24.6mg, H2S:0.1mg,
加温あり

岡山県和気郡和気町大中山池尻1798-1  地図
0869-92-0522
ホームページ

9:30~18:00頃 元旦および1月2日以外は無休
500円
ロッカー・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (2)
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