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温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

某所 田んぼのぬるい鉱泉

2025年02月11日 | 山形県

(2023年9月訪問)
山形県内を移動中、ちょっと気になるところがあったので、立ち寄ってみました。実は以前にもこのエリアの温泉を1ヶ所だけ取り上げたことがあるのですが(当時の記事はこちら)、実は複数存在しているらしいので、今回は前回記事で取り上げていなかった箇所を訪ねることにします。集落を貫く県道を車で走っていると・・・田んぼの奥に小屋が見えますね。


畦道を歩いて小屋の傍まで来ました。


この小屋の脇には常時水が注がれている円筒形のコンクリ桝が設置されており・・・


桝に注がれている水の温度を計測すると29.5℃でした。訪問した日がいくら暑い夏だとはいえ、沢の水がそんな高温なはずはなく、またどこか別の場所で人為的に加温されたり、あるいは日光に晒され続けて温かくなっているわけでもないでしょうから、おそらくこの水は汲み上げられた時点で29℃以上有していたものと思われます。

ここで軽く法律のお勉強をしましょう。温泉法の第二条では日本における温泉の定義が説明されており、曰く「この法律で『温泉』とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう」とのこと。その別表で「一 温度(温泉源から採取されるときの温度とする。) 摂氏二十五度以上」とあり、湧出した時点で25℃以上あれば、その鉱泉は成分の如何を問わず温泉と呼べます。

ということは、温泉法の定義に基づけばこのコンクリ枡の水は立派な温泉なのですね。でも入浴に供されているわけではなく、あくまで農業用です。ここには人間が浴するのに適した施設も設備もありません。


上の円筒桝からあまり離れていない場所にも別の四角いコンクリ枡があり・・・


この桝の中に絶え間なく流れている水の温度を測ると、こちらも29.8℃とほぼ同じ温度でした。同様に温泉と言えますね。
マニアの中には今回記事で取り上げたこれらの温泉に入っている方もいらっしゃるようですが、幸か不幸かこの時の私は先を急いでいたので、温度の計測後に手を突っ込んでそのぬるさを確認するだけにとどめて、この地を去りました。今回取り上げた2箇所以外にも、このエリアにはぬるいお湯があるそうなので、また機会があればちゃんと調べて場所を特定してから再訪しようかと思っています。

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某所 療養目的に使われていた温泉

2025年02月05日 | 山形県

(2023年9月訪問)
(画像一部加工済)
今回目指す温泉は諸々を勘案して匿名とさせていただきます。
といっても、現地へ向かう道路沿いには・・・


(画像一部加工済)
こんな感じで温泉名を表示した案内標識が立っているんですけどね。


道はやがて未舗装の林道となります。倒木などによりこの道は往々にして通行止になるそうですが、ひとまず行けるところまで行ってみましょう。凸凹路面ですので運転は慎重に。


(画像一部加工済)
荒れた山道を車で走ってゆくうち、このような広場に出ました。付近の山へ向かう登山口らしく、一角にはトレッキングコースの地図が掲出されています。登山する人はここに車を停めて山を登るわけですね。この先のロードコンディションがどうなっているかわかりませんので、私もこの広場に車を停め、ここからは歩いて奥へ進みます。


(画像一部加工済)
道にはゲートが設けられているのですが、完全に開け放たれていましたので、そのままゲートの先へと進んでみると、やがてこのような感じで視界が開け、道のどん詰まりに廃屋が建っていました。
ここはかつて湯治専門の宿で、日帰り入浴はおろか1泊や2泊などの観光客も受け入れず、病院などから相手にされなくなってしまったような重い病を患った人々がここで白装束を着て念仏を唱えながら温泉に浸かり、じっくり湯治をすることで病気の治癒を冀ったんだそうです。この廃屋の裏手には・・・


吹きさらしになったコンクリ槽があり、宿が廃業されて廃屋になった今でもお湯が注がれていました。
さすがに今ではメンテナンスされておらず、それゆえ槽内はコケに覆われています。


お湯は山の斜面上から絶え間なく注がれており・・・


その温度は35.0℃。温浴という意味ではぬるいかもしれませんが、じっくり浸かって湯治をする等モイストヒーリングとして使うのでしたら、むしろこの程度の湯加減であったほうが体への負担が少なく、長時間湯浴みでき、それゆえ効能も期待できるのかもしれません。


浴槽のお湯は溝から大量に捨てられていました。

湯治宿としての役割を終えてから長い年月が経っているため、おそらくほとんどの人の記憶から消えてしまった温泉かと思われますが、いまでも源泉は枯れることなく湧き続けているんですね。



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湯田川温泉 理太夫旅館

2025年01月22日 | 山形県

(2023年9月訪問)
1年半前の訪問記で申し訳ございません。
山形県の庄内地方を代表する温泉地であり城下町鶴岡の奥座敷でもある湯田川温泉。拙ブログではこの湯田川温泉を何度か取り上げています。2023年9月某日、東北屈指の名峰である鳥海山を登頂した後、私は湯田川温泉の「理太夫旅館」で一晩過ごし、登山で疲れた体を癒したのでした。


木造三階建ての館内に入りますと、玄関や帳場の周りにはたくさんの吊るし雛が飾られていました。
鶴岡市内ではないものの、同じ庄内藩の港町である酒田は吊るし雛で有名なんですね。


今回通された客室は3階の和室。綺麗に維持されているので、快適に過ごせます。なおトイレや洗面台は共用設備を使います。


温泉街を見下ろす客室の窓からは、湯田川温泉のランドマークである「正面湯」が見えますね。
この画像を撮った時は、お風呂上がりの常連さん同士が汗をぬぐいながらベンチに座っておしゃべりしていました。


夕食は別室にていただきます。山海の旬の味覚をふんだんに使ったお料理はいずれも美味。ビールがすすみます。


朝食も同じお部屋で。彩り鮮やかで且つ美味しく、その日の活力をしっかり摂ることができました。


さてお風呂へ参りましょう。1階の階段下から奥へ進んだ奥にあり、男女別の浴室、そして貸切風呂が1室ずつあります。


この画像は男湯の様子。浴室の中央には、直径2メートルほどのタイル張り真円形浴槽がひとつ据えられており、無色透明の綺麗なお湯が張られています。洗い場のシャワーは1つだけ。掛け湯する際には桶で湯船のお湯を汲んじゃったほうが早いかと思います。
ところで、湯船の向こう側にある奥のドアは何だろう?


更衣室に貼られた説明によれば、ドアの向こう側はなんと別の旅館につながっているんだとか。複数の宿で1つの共同浴場を管理使用するケースはたまに見られますが、旅館に内包されたひとつの浴室を隣接する2つの宿で共同使用する構造って他に例があるかしら。非常に珍しい造りですね。


周りに真っ白な析出を蓄えた黒い湯口は、絶え間なく湯船へお湯を注ぎ続けていました。こちらへ引かれている源泉は湯田川1号。無色透明でほぼ無臭ですが、口に含むと石膏の甘味と少々の芒硝味が感じられます。なお硫黄感は特に得られませんでした。加温加水循環消毒など一切無い完全掛け流しの湯使いで、湯船の温度は41℃前後と言う素晴らしい湯加減。非加水非加温でこの湯加減なのですから最高じゃないですか。あまりに極上な浴感のお湯だったので、私はすっかり虜になってしまい、宿泊中に何度もこのお風呂に入ってしまいました。湯田川の湯は最高ですね。


ちなみにこちらは貸切風呂です。空いていれば使用可能のようです。

湯田川温泉といえば「正面湯」と「田の湯」という2つの共同浴場がありますが、宿泊者の特権としてこれらの共同浴場へ無料で入ることができます。共同浴場のカギは受付にあり、午前8:30~11:00の清掃時間以外は自由に使えます。

料理もおいしく、お風呂も最高。山形県の温泉宿はどこも素晴らしいところばかりですが、とりわけ湯田川温泉は良いですね。
今回もその認識を改めて確認できました。


ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 42.2℃ pH8.7 蒸発残留物1070mg/kg 溶存物質1169mg/kg
Na+:207.8mg, Ca++:148.0mg,
Cl-:54.4mg, SO4--:694.8mg, HCO3-:13.1mg, CO3--:3.2mg,
H2SiO3:40.5mg,
(平成26年7月31日)

山形県鶴岡市湯田川乙51
0235-35-2888
ホームページ

日帰り入浴11:00~14:00
500円

私の好み:★★★


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鶴岡北京田温泉 SUIDEN TERRASSE その3(お風呂など)

2022年10月24日 | 山形県
前回記事の続編です。


さて拙ブログの主題である温泉浴場について紹介してまいります。館内表示(デザイン性を優先しているため少々見難い感あり)に従って通路や階段を歩いてゆき、浴場棟へと向かいましょう。
敷地の隅の方にある浴場棟はドーム状の建物で、宿泊棟とは連絡通路でつながっているのですが、この通路は暖房されているとはいえ厳寒期は寒く、とくに「月白の湯」へ向かう際には一旦屋外へ出るため、その出入口から雪が吹き込んできます。冬にお風呂を利用する際には、上から羽織るものを着た方がよいでしょう。


お風呂は「天色の湯」「朱鷺色の湯」「月白の湯」の3つがあり、時間によって男女の暖簾を入れ替えています。
「天色の湯」は内湯・露天・サウナの3種を全て擁している一方、「朱鷺色の湯」は内湯のみ、「月白の湯」は内湯が無いかわり露天とサウナを有する構成となっているため、たとえば上画像のように「天色の湯」が女湯の時間帯は、「朱鷺色の湯」と「月白の湯」の両方を男湯にすることで、設備面の公平性を確保しているようです。

浴場内は撮影禁止なので、以下の画像は全て公式サイトの画像をお借りしております。

●「天色の湯」

ドーム状の建物の半分を占める「天色の湯」。更衣室・内湯・露天ともに他2つの浴場より大きく、その全てが全体的に円弧状です。内湯の壁側に洗い場が配置されており、そのうちのいくつかは立って使うシャワーとなっています。内湯の浴槽も大きなものですから、多少の混雑はものともせず、余裕をもって湯あみできます。


こちらは露天風呂。内湯とほぼ同じ大きさの湯船で、露天とはいえ建物の屋根の下に湯船が設けられていますから、多少の雨や雪ならば凌ぐことができます。周囲には水田の溜め池が広がり、遠方には山々が聳え、遠近の景色を楽しみながらのんびりと湯あみを堪能できる造りです。私の利用時には雪が降り続いていましたが、外気の寒さとお風呂の温かさという温度差が気持ちよく、池に浮かぶカモたちを見下ろしながら、爽快なバスタイムを堪能させていただきました。


なお露天風呂の奥にはサウナと水風呂もありますので、サウナ愛好家の方にも楽しんでいただけるかと思います。


●「朱鷺色の湯」

「天色の湯」の逆サイドに位置する「朱鷺色の湯」は、サブ的な位置づけのお風呂で、占有床面積としてはドーム状の建物の約3分の1ほど。更衣室は「天色の湯」より明らかに狭く、多客時には窮屈さが否めません。一方、ドーム状建物の中央部分が浴室スペースになっていてまずまずの広さがあり、ドーム屋根を支える六角形の木製梁と、浴室名の由来にもなった朱鷺色のタイルが印象的です。


総タイル張りで全体的に優しい曲線を描く浴槽は、実際に入ってみますと体の曲線に上手い具合にフィットし、体への負担が少ない状態で湯あみすることができました。


●「月白の湯」
内湯のみの「朱鷺色の湯」とセットで男女いずれかの暖簾が掛かることになる「月白の湯」も、お風呂自体はドーム状の建物に含まれているのですが、脱衣室までのアプローチが他2室と異なっています。「天色の湯」と「朱鷺色の湯」は建物に入ってから左右に分かれるのですが、「月白の湯」だけはその手前の連絡通路右手に出入口があり、アプローチ用のサンダルに履き替えて一旦屋外へ出るのです。屋外と言ってもきちんと通路が設けられて塀も立っているのですが、ほぼ吹きさらしのような状態なので、私の訪問時のように外が吹雪いていると、その風雪がモロに通路を吹き抜けてゆくのです。それゆえ、内湯の「朱鷺色の湯」は利用しても「月白の湯」は出入口の段階で諦めてしまうお客さんが散見されました。冬以外はそんな問題など無用でしょうけど、厳冬期に利用される方はちょっとご注意を。


アプローチには難癖をつけてしまいましたが、中へ入ってみるととても快適。脱衣室はまずまずのスペースが確保され、その奥にある洗い場も十分な数が設けられています。内湯こそありませんが、露天風呂がありますから、個人的には使い勝手に問題はないかと思います。
上画像の左端に写っているドアは洗い場から露天へ出るためのもので、2つ写っている浴槽のうち、奥の真ん丸くて青いものは水風呂、手前側の長い浴槽は温泉槽です。水風呂があるということはサウナもあるわけで、私がこのお風呂に入っていると、外気温は0℃近いにもかかわらず、サウナーの方々は水風呂へドボンと入ってみたり、あるいは吹雪の冷たい風で体を冷やしたりして、熱いサウナと寒い屋外とを行き来していらっしゃいました。


「天色の湯」の露天風呂は建物に庇護されている感が強かったのですが、こちらの露天風呂は屋根が半分ほどしかかかっておらず、塀などに囲まれるような構造でもないため、「ザ・露天」と言うべき開放的な環境で湯あみを楽しめます。
湯船の湯面とコンクリの壁ひとつ隔てた向こう側は真水のため池。「天色の湯」の露天風呂は高い位置にありましたが、こちらは湯船と溜め池がほぼ同じ高さであり、隔てるものは壁一枚しかないため、あたかも池に入っているかのような感覚です。目の前のため池ではカモたちがグワッグワッと啼きながら餌を啄んでいました。
同じような感じのお風呂をどこかで入ったことあるぞ、と記憶をたどっていったら、北海道の「ヒルトンニセコビレッジ」
の露天風呂に似ていることに気づいたのでした。ニセコヒルトンのお風呂が気に入った私はその数年後に宿泊して存分に堪能したのですが、その時の楽しい想い出がよみがえるばかりか、また新たな想い出を増やすこともできました。しかもこの「月白の湯」の利用当日は吹雪いていたため寒さを敬遠するお客さんが多く、あまり混むことが無かったので、静かにのんびりと寛ぐことができました。個人的にはこの「月白の湯」が最も気に入りました。

さてお湯に関するインプレッションですが、見た目は無色透明で、湯口ではアブラ臭がほんのりと香り、お湯を口に含んでみますと芒硝味と淡い塩味が感じられます。館内表示によれば塩素消毒をしているとのことで、たしかにカルキ臭を確認しましたが、でも然程気になるような強さではないかと思います。各浴槽ともかけ流しの湯使いである点は嬉しいですね。硫酸塩泉らしくトロミがあり、そしてお風呂上りもしばらく全身のホコホコが続くほどに力強く温まります。なかなか良い湯です。

鶴岡にこのようなハイセンスな宿泊施設ができ、そして人気が持続することは大変喜ばしいですね。
館内スタッフも若い方が多く活気があります。単なる町おこしではなく、いろんな方面へプラスの方向へ波及するこうした動きは、他の地域にとって大いに参考となるのではないでしょうか。
今回の宿泊では大変満足できましたので、また季節を変えて再訪してみたいと思っています。


鶴岡北京田温泉
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 62.0℃ pH8.1 溶存物質3520mg/kg
Na+:777.6mg, Ca++:397.7mg,
Cl-:871.2mg, Br-:3.2mg, I-:0.4mg, HS-:1.4mg, SO4--:1362mg,
H2SiO3:48.1mg,
(平成28年10月6日)
加温循環ろ過なし
一時的に加水することあり(温度調節のため)
塩素系薬剤使用(衛生管理のため)

山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
0235-25-7424
ホームページ

日帰り入浴不可

私の好み:★★★

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鶴岡北京田温泉 SUIDEN TERRASSE その2(食事など)

2022年10月22日 | 山形県
前回記事の続編です。


話の順番は前後しますが、まずは朝食からご紹介しましょう。
フロントがある共用棟の2階にレストランもあり、朝食付きプランの場合はこちらで景色を眺めながらいただきます。ガラスを多用し、天井も高く、明るくて開放的な空間です。なお座席は2階のみならず1階にもあり、スタッフの方が適宜空いている席へと案内してくださいます。なおテラス席もあるようですから、冬以外はテラスで田んぼを吹き抜けるそよ風を感じながら食事することもできるのでしょう。


前回記事で客室のベッドなどに紙管が使われていることをご紹介しましたが、このレストランのイスにも紙管が使われています。上画像をご覧になるとお分かりいただけますが、背もたれから座面にかけてたくさんの紙管が用いられていますよね。座っているだけではその材質に全く気付かず、周囲を見回して「あれ?」とようやく気付くのです。このホテルを設計なさった建築家の方の哲学がこうしたところからも伝わってきます。


庄内平野の田んぼ、そして庄内の風土を大切にしているこちらのお宿は、食材も庄内産を積極的に取り入れており、ご当地ならではの食材や料理を楽しめるのもうれしいところ。


朝ごはんの内容は決まっており、各自でキッチンカウンターへ受け取りにいきます。我々は2泊しましたが、ちゃんと違った内容の料理が提供されました。器に盛られているベビーリーフは自家菜園で採れたものなんだとか。なおご飯やお味噌汁はセルフでよそいます。個人的には酒田市でよく食べられている塩納豆(上画像のトレイ下部に写っている透明容器に入れられた納豆)がとてもおいしく、ふっくら炊かれたつや姫の白いご飯がとてもよく進みました。

さて、私たちは夕食も館内のレストランでいただくつもりでいました。真冬の夜にわざわざ外出したくないですし、徒歩圏内にレストランはおそらく無いかと思われ、お酒を飲みたければタクシーを利用して市街地へ繰り出す必要があったからです。しかし詰めが甘い私は、何の根拠もなく楽観的な発想を抱いてしまい、チェックイン当日に現地で予約すれば良いだろうと甘い見通しを立てていたのですが、繁忙期は早めに(宿泊日より前に)予約しておく必要があるらしく、チェックインした時点で既に当日も翌日も予約が埋まっていたのです。

実は列車で鶴岡駅へ到着した際、念のために食事処を調べておこうと考えて、観光案内所でおすすめのお店を聞いておいたので、館内の夕食が不可と分かって部屋に入った後、まずは教えてもらったお店に片っ端から電話したのですが、ちょうど忘年会シーズンと重なっているため、どのお店も満席で断られ続けてしまい、「已んぬる哉」と天を仰いで困り果ててしまいました。
そこで改めて館内のレストランに確認したところ、席は無いが、お弁当なら用意できるとのこと。このお弁当はディナーコースと同じような金額なので、数字を目にしたときは一瞬躊躇してしまいましたが、食い逸れることは避けたいですし、注文可能な数にも制限がありそうだったので、宿泊初日の夕食分を注文することにしました。


レストランに席は無いわけですから、客室でいただくことになります。お弁当はスタッフの方が指定の時間に持ってきてくださいます。上画像はお品書き。山形県産食材、特に庄内地方の食材をリコメンドした献立であることがお分かりいただけるかと思います。


紙製の白いお重に前菜・サラダ・メイン・デザートが盛られており、重ねられたお重を一段一段開けてゆくごとに「おぉ」なんて声を上げて喜んでしまいましたが、味もなかなか美味しく、お部屋でしたら他の人に気兼ねすることなくいただけますので、結果的にこうしたお弁当も良かったかな、と思っています。


なお館内には物販コーナーもあり、お土産物の他、飲み物やおつまみ類、アイスクリームなどのデザート類を売っているので、自分で好きな飲み物(私はホテルオリジナルのビール)を買ってきて夕食のお供にしました。瓶ビールに関しては、物販コーナーで栓抜きを借りることもできますよ。


2日目の夜はタクシーで鶴岡市街に出て、観光案内所のおじさんに薦めていただいたお店「和定食 滝太郎」で夕食をいただきました。なお前夜と同じ轍を踏まないために、前の日に席を予約しております。


海鮮のお料理がメインのようですが、魚介以外にもお肉系やお鍋など選択肢が広く、いずれもリーズナブルで美味しいのです。我々は庄内の味覚に舌鼓を打って大満足。山形県って本当に食材に恵まれた素晴らしい土地ですね。

ということで、繁忙期にこちらのホテルを利用する場合、館内レストランでの夕食をご希望でしたら早めに予約しておきましょう。特に年末は忘年会で市街のお店も予約しにくいため、事前の準備が肝要です。

ついでに、館内の他の場所についても簡単に触れておきましょう。


客室棟の廊下はこんな感じ。ホワイトと木目を基調にした明るいデザインは、館内の多くの場所で共通しています。


温泉浴場へ向かう途中に「SAKE LOUNGE」と称するラウンジがあり、こちらではご当地庄内地方の地酒や山形県産のワインをセルフでいただけるサーバーが設けられているんだそうです。酒豪の方には天国のような場所かと思われますが、私は残念ながら下戸なうえ、日本酒が苦手なので、こちらのラウンジは利用しておりません。


お酒のラウンジ近くにはもう一つの宿泊客専用ライブラリがあり、2~3つほどのお部屋に分かれて約1000冊の蔵書を擁しているんだとか。


共用棟とは若干異なる7つのテーマに沿った本が並べられており、全て開架式ですから自由に手に取って読むことができます。私がぱっと見たところ、芸術、文芸、美術、観光などといったジャンルが多かったようです。


温泉に関する書籍もありましたよ。

さて次回記事では、お待ちかねのお風呂について紹介します。

次回記事に続く。
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