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久大本線の特急「ゆふ」に乗って天ヶ瀬駅へやってきました。駅前から温泉街が広がる天ヶ瀬温泉は別府・湯布院と並んで大分県の3大温泉地の一つなんだそうですが、前2者に比べればはるかに知名度が低く小規模で地味な存在と言えそうです。九州以外の方で、天ヶ瀬と聞いてお分かりになる方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
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真上を国道210号の高架が走る特徴的な駅舎には駅員さんが常駐しており、念の為に湯めぐりする前に予め窓口で切符を購入すると、この上ない笑顔と明るい口調で対応してくれました。駅は外来客がまずはじめに接する玄関口であり、その土地に対する第一印象を左右しますが、この駅員さんのお陰により、私の中において天ヶ瀬に対する評価は早くも最高ランクへ急上昇です。
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駅舎には観光案内所も併設されており、通りに面したところには温泉を引いた手湯や足湯が設けられていました。当地はゆずの産地なんだそうでして、それぞれの湯にはゆずが浮かべられていました。寒い冬にゆず湯へ入ると体の芯まで温まりますが、こうして観光客の目に触れやすい施設にゆずが浮かべられていると、その鮮やかな黄色い果実を見ているだけで温かくなりますね。
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駅に近い橋の上から温泉街を眺望しました。玖珠川の流れに沿って両岸に20軒弱の温泉旅館が甍を並べています。また、この川岸に混浴の共同露天風呂が点在しており、今回はそれらをハシゴしてやろうという腹積もりなのであります。
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同じ橋の上から上流側左岸を拡大してみました。川に沿った道路の下、ちょうどバスが走っている直下に張られている茶色いテントがわかりますか。
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共同露天風呂の一軒目は、橋の上から見えた茶色いテントの「薬師湯」であります。道路から階段で河原に下りましょう。
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コンクリで護岸された河原に石組みの浴槽がひとつ据えられ、頭上をアクリル波板が簡単に覆い、周りを茶色いテントで囲って目隠しにしているだけの、至って簡素な露天風呂なのであります。しかも混浴なのですから恐れ入ります。周囲の目隠しですが、入浴中の眺望を考慮して一部分は川に向かって目隠しされていませんので、そこからお風呂が丸見えです。河原を散歩している人がいたら否応なく視界に入ってきますね(^^)
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「入浴料百円」とテントに直書きされています。「円」の右の棒が妙に右下へ長く払われているのはなぜかしら。
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その100円は荷物を置く店の左側に固定されている金属の赤い箱へ投入します。脱衣エリアはと入浴エリアとは簾一枚が垂れ下がっているだけで、他に視線を遮るものなし。男でしたら着替えているところを見られたって痛くも痒くもないでしょうけど、女性にはちょっと厳しいかもしれませんね。女性の方には着替え用ポンチョの持参をおすすめします。
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開放的でワイルド。いい露天風呂じゃありませんか。
お風呂にカランなんてものはありませんので、備え付けのケロリン桶(3つあり)で湯船のお湯を直接汲んで掛け湯します。河原にある無人の露天風呂ですが、地元の方の熱心な管理のおかげで、脱衣エリアも浴槽周りも、更には湯船の中も、ワイルドな環境にあるとは思えないほど綺麗に維持されており、実に気持ちよく利用することができました。この手のお風呂にありがちな浴槽内のヌメヌメは全くありませんでしたよ。
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お風呂の山側、つまり道路の法面には、周囲に駆動音を響かせているポンプ小屋があり、そこからパイプを通じて浴槽へと源泉が供給されています。湯口のお湯は熱いものの直接手で触れる程度の温度でした。
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お湯は無色透明ながら僅かに硫黄で白く霞がかってるいるようにも見えます。その見た目から想像される予想を裏切らず、湯面からは火山ガス的な硫黄臭とタマゴ臭を足して2で割ったような明瞭な硫化水素臭が漂い、タマゴ味と砂消しゴム的な味(つまり硫黄的な味)、そして重曹的なほろ苦さと石膏的な甘さが感じられました。ご覧のようなお風呂ですから加温循環消毒とは無縁な放流式の湯使いであり、訪問時は加水すら行われていない完全掛け流し状態でした。人によってはちょっと熱く感じる温度かもしれませんが、私の体には丁度良い湯加減であり、とってもオープンな露天風呂でタマゴ感溢れる掛け流しのお湯をノビノビと堪能させていただきました。
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あまりに気持ちよかったので、ついつい自画撮りしちゃいました。本当にいい湯だ…。
駅から徒歩で10分も要さないほど近いのに、こんな開放的で野趣溢れる露天の温泉に入れるんですから、有難いことこの上ありませんね。
温泉分析表見当たらず
(含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉)
久大本線天ヶ瀬駅より徒歩約7~8分
大分県日田市天瀬町桜竹 地図
0973-57-2166(日田市観光協会天瀬支部)
日田市観光協会HP
9:00~22:30
100円
備品類なし(ケロリン桶が3つのみ)
私の好み:★★★
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