温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大鰐温泉 大湯会館(リニューアル後)

2021年10月28日 | 青森県

(2020年11月訪問)
前回及び前々回記事で取り上げた大鰐温泉「ヤマニ仙遊館」の隣には当地に複数存在する公衆浴場のひとつ「大湯会館」がありますので、せっかくだから入ることにしました。こちらは2019年6月に完全リニューアルして以前と全く異なる姿に変貌しております。リニューアル前の「大湯会館」については拙ブログの以前の記事をご覧ください。
なお今回は夕食後に訪問したため(しかも翌朝外観の撮影を失念してしまったため)、外観の画像が暗くて見難くなってしまいました。申し訳ございません。


予めネットでリニューアル後の様子を見ていましたが、それにしても本当に全然違う建物になってしまったんですね。この画像ではわかりにくいのですが、玄関の上に唐破風のような庇を載せており、新しい建物ながらも伝統的な雰囲気を後世に伝えていこうとする地元の意思が感じられます。


いかにも公共施設といわんばかりの少々無機的な館内ですが、さすがに新しいだけあり、広く綺麗でバリアフリーも図られているので、どなたも安心して利用できるでしょう。この新しい建物は地域の集会所としても機能も兼ね備えており、玄関付近には集会室が2室も設けられています。
そんな集会所を横に見ながら、ボタンが大きな新しい券売機で湯銭を支払い、券を窓口のおばちゃんに手渡します。訪問時、壁には「入浴者10万人達成」と書かれた紙が貼られていました。生まれ変わってからも、以前同様に地元の方のみならず観光客等からも愛されている施設になっているようです。

暖簾が掛かった男女別浴室入口の奥には小さな休憩スペースもあり、湯上り後にひと息つける場所が確保されています。自販機も設置されているので乾いたのどを潤すことも可能。なおロッカーは受付付近にありますので、貴重品は浴室へ入る前にロッカーへ預けましょう。
更衣室は明るく綺麗で使い勝手が良いのですが、とはいえ没個性な感も否めず、以前のような風情は完全に喪失してしまいました。利便性と風情はトレードオフの関係になりやすいため、致し方ありませんね。


(浴室内の画像は大鰐町公式サイトより借用)
お風呂も明るく綺麗になり、使い勝手が格段に向上しました。天井が高いので実際の床面積以上に広く開放的に見えます。更衣室同様に以前の「大湯会館」らしい風情は過去のものとなってしまいましたが、その名残惜しさを補って余りあるほど居心地や利便性が向上され、地元の方はもちろん外来者にも優しい造りになりました。

洗い場には10ヶ所ほどのシャワー付きカランが設けられています。カランは青森県の温泉銭湯でよく見られるような宝式(押しバネ式)ではなく、ちゃんとした大手メーカー製のオートストップ式水栓です。なおカランから出てくるお湯は温泉です。
浴槽は適温と高温の2つに分かれています。適温槽は内部にオフホワイトのタイルが採用され、縦横の寸法は約3メートル四方。一方高温槽はその3分の1程度の大きさで、内部には淡い赤色のタイルが用いられています。熱いイメージを表現するために赤のタイルが採用されたのでしょうか。
いずれの浴槽にも温泉が掛け流されています。こちらに引かれている源泉は大鰐統合源泉。少々の塩味とともにしっかりとした芒硝感が得られます。ただ、不特定多数が利用する公営の入浴施設だからか、塩素消毒が実施されているようでした。とはいえ、良いお湯であることに変わりありません。大鰐には他にも「若松会館」や「青柳会館」といった公衆浴場がありますが、地元の共同湯にあまり慣れない方や、ご当地の熱いお風呂が苦手な方など、大鰐ビギナーの方には断然この「大湯会館」が利用しやすいかと思います。


大鰐統合源泉(青柳3号・植田3号・赤湯2号・石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 68.6℃ pH記載なし 溶存物質2.445g/kg 成分総計2.473g/kg
Na+:613.2mg(70.09mval%), Ca++:186.3mg(24.44mval%),
Cl-:905.6mg(68.62mval%), SO4--:441.6mg(24.69mval%), HCO3-:140.8mg(6.21mval%),
H2SiO3:81.3mg, HBO2:22.2mg, CO2:27.8mg,
(平成28年2月22日)
加温循環濾過なし
消毒あり

青森県南津軽郡大鰐町大字蔵館字村岡53-2
0172-47-8244

6:00~21:00 第2水曜定休
220円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり、石鹸類は番台で販売

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大鰐温泉 ヤマニ仙遊館 後編(お風呂)

2021年10月21日 | 青森県
前回記事の続編です。


さて風格漂う館内と、美味な地元食材を多用したお食事に満足した後は、歴史ある大鰐の温泉に入りましょう。なお今回記事で取り上げるのは男湯のみです。男湯と女湯は離れたところにあるのですが、さすがに女湯を利用するわけにはいきませんので、この記事では紹介いたしません。悪しからずご了承ください。


紺の暖簾をくぐった先には共用の洗面台があり、更に右側の引き戸を開けると脱衣室へとつながります。脱衣室の引き戸はなぜか2枚あるのですが、どちらを開けても結果は一緒。なお脱衣室はシンプルな造りで、棚と籠、そして扇風機程度しかありません。


脱衣室にはこの浴場の温泉がかけ流しであることを説明する文章が表示されていました。やっぱり温泉がかけ流しが一番ですから、こうした文言を目にしますと、入浴前からウキウキしちゃいます。


タイル張りの浴室は年季が入った昭和の旅館そのものといった趣きであり、特に奇をてらった装飾もなく、浴槽1つと洗い場3つという質実剛健の造りですが、よく手入れされており綺麗で快適に湯あみできます。


洗い場は入って左手に2つ、反対側(右側)に1つ、合計3つ用意されています。


小判形の浴槽は(目測で)1.8m×2.4mほどの大きさ。滑らかな曲線を描く浴槽は見た目にも優しく、湯船に入った時には、思わずカーブの部分に背中を合わせて、浴槽と自分の体をフィットさせたくなります。


真っ白な析出がこびりついた湯口からは非常に熱いお湯が注がれています。加水を避けるためか投入量は絞り気味ですが、それでも湯船のお湯はかなり熱く(私の体感で43~44℃)、人によっては加水しないと入れないかもしれません。でもこのピリっとくる熱さが寧ろ気持ちよく、慣れると体に馴染んでくるので実に不思議です。
湯使いはおそらく完全掛け流しかと思われます。お宿の説明には温度のため循環している旨が書かれていますが、浴槽内に循環できるような装置は見当たりませんので、推測するに、引湯元である組合管理の混合泉タンク内でかき混ぜていますよ、という意味でしょうか。

こちらのお湯は組合から供給を受けている「大鰐統合源泉」で、お隣の公衆浴場「大湯会館」と同じお湯です。見た目は無色透明で、口に含むとほんのりとした塩味や芒硝味、そして仄かな芒硝臭が感じられます。ツルツルスベスベの滑らか浴感とともに、肌の皴の深いところまで染み込んで来るような潤い感も得られます。訪問時は日帰り入浴を受け付けておらず、宿泊客しか利用しなかったため、お湯の鮮度感が良く、大変心地良い湯あみを楽しめました。

建物、お食事、そしてお湯、いずれも素晴らしく、泊まって良かったと心から満足したひと時でした。


大鰐統合源泉(青柳3号・植田3号・赤湯2号・石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 68.6℃ pH記載なし 溶存物質2.445g/kg 成分総計2.473g/kg
Na+:613.2mg(70.09mval%), Ca++:186.3mg(24.44mval%),
Cl-:905.6mg(68.62mval%), SO4--:441.6mg(24.69mval%), HCO3-:140.8mg(6.21mval%),
H2SiO3:81.3mg, HBO2:22.2mg, CO2:27.8mg,
(平成28年2月22日)
加温循環濾過なし

青森県南津軽郡大鰐町蔵館村岡47-1
0172-48-3171
ホームページ

日帰り入浴は受け付けていません

私の好み:★★★

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大鰐温泉 ヤマニ仙遊館 前編(部屋・食事)

2021年10月16日 | 青森県
(2020年11月訪問)



津軽の奥座敷として長い歴史を有し、藩政時代には湯治場として歴代藩主も訪れていた大鰐温泉。そんな大鰐にあって現役最古の旅館が明治5年創業の「ヤマニ仙遊館」です。数年前に一旦休業してしまいましがが、その後復活を遂げ、歴史の風格漂う老舗旅館として立派に営業しています。伊藤博文や後藤新平といった明治大正期の政治家、そして葛西善蔵や太宰治といった津軽出身の作家など、多くの著名人が泊まった歴史ある宿に、私も一晩お世話になりました。


宿の建物は国の登録有形文化財に登録されているんですね。文化財に泊まれるというだけでもワクワクしちゃいます。


伝統的な建築様式と戦前のモダンな雰囲気を合わせた、趣きたっぷりの館内。
快適に過ごせるようしっかり改修されており、廊下も実に美しく、館内を歩くだけでも気分が高揚します。


館内に掲示されている当地の古い絵地図です。現在大鰐温泉といえば、それこそ大鰐町の中心部に広がる温泉街をまるごとひっくるめて「大鰐温泉」と称していますが、この地図によれば、かつて平川の左岸は「大鰐」、右岸は「蔵館」というように地名が分かれていたんだそうです。つまり現在の「若松会館」や「青柳会館」といった公衆浴場、そして中小規模の旅館の多くが位置するエリアは昔から大鰐と呼ばれ、この「ヤマニ遊仙館」や「大湯会館」などは蔵館温泉に属するわけです。おそらく以前は川を隔てた別々の温泉地として、それぞれ別個の源泉を使っていたものと思われますが、現在大鰐温泉は複数の源泉から集めたお湯を集中管理し、平川両岸の各施設へ配湯していますから、敢えて名称を分ける必要は無いでしょう。なお当地が蔵館だった頃から「ヤマニ遊仙館」は旅館業を営んでいたそうです。


今回宿泊したお部屋は川に面した「萩の間」。8畳の和室です。日本旅館としては一般的な造りであり、かつ現代的なニーズに応えるべくエアコン・テレビ・wifiなども完備されています。なお洗面台やトイレなど水回り系は共用です。


お部屋の窓からは、宿の庭と平川の流れを一望。


今回は2食付きのプランで利用させていただきました。
夕食は蔵を改築した「KURA」でいただきます。なんてストレートなネーミングだこと。


蔵を改造した店内は、1階が厨房で、2階と3階が客室です。レトロ調の内装や装飾が特徴的。


2階には昔懐かしいレコードプレーヤーがオブジェとして置かれていました。


3階の席はどうやら貸切のようです。太宰治の写真がいかにもご当地らしいですね。
私が大好きで何度も読み返した太宰の小説『津軽』の中で、大鰐に関しては「私も少年の頃あそびに行ったが、浅虫ほど鮮明な思い出は残っていない(中略)大鰐の思ひ出は霞んではゐても懐しい」と述べていますが、氏は二十歳の頃にカルモチンによる心中未遂の後、静養のために大鰐を訪れており、おそらくその時にこの旅館で過ごしているのではないかと思われます。


この日の献立は、生ハムつきサラダ、ヒラメのえんがわとサーモンの刺身(脂がのっていて非常に美味)、そして豚肉の鍋といったラインナップ。


出汁がきいた鍋には、ドンコ(しいたけ)とご当地名物の大鰐もやしが入っており、ここへ豚肉を入れるわけですが、お肉は勿論、ドンコの強い風味に大鰐もやしのシャキシャキとした食感が加味されてとっても美味でした。鍋は具を食べた後に、ご飯と生卵を入れて雑炊にできるんです。この雑炊も最高でした。


翌朝の朝食は本館1階の大広間で、お庭を眺めながらいただきます。


「津軽のカッチャおかず」と題された朝食の献立は、サトイモの煮物、ニンジンの子和え、大鰐もやしの炒め物、ナスの揚げ浸し、炒り豆腐、津軽付けといった野菜系中心のおかずの他、塩鮭、温泉卵、白米(つがるロマン)、お味噌汁(川の対岸で醸造しているご当地のマルシチ味噌)、リンゴジュースという彩り豊かでバランスの良い内容です。ちなみにカッチャとはお母さんのこと。津軽のおふくろの味ってこういう感じなのかな、と心豊かに想像しながら美味しく完食致しました。個人的には津軽の郷土料理であるけの汁が出てくると尚良かったのですが、あれは冬の味覚なので、もし提供していただけるのであれば厳冬期に再訪してみたいものです。

さて、今回の記事はここまで。
次回記事ではお風呂の様子を取り上げます。

次回に続く。
コメント (4)
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柏木温泉 家族風呂

2021年10月10日 | 青森県

(2020年11月訪問)
今回取り上げる青森県平川市の柏木温泉は、津軽平野によくある、観光地とは無縁の田園地帯に位置する公衆浴場併設の温泉旅館であり、私も何度か利用したことがあるのですが、なぜか拙ブログではこれまで紹介したことがなかったため、今回満を持して取り上げることにしました。


と言っても今回ご紹介するのは家族風呂です。
公衆浴場利用時は玄関に設置されている券売機で入浴料を支払うのですが、家族風呂利用時は玄関を入って左側にあるフロントで直接料金を支払います。


大浴場の入口はフロント前のホールに面しているのですが・・・


家族風呂はその奥へ伸びる廊下に沿ってドアが並んでいます。私がザッと見たところ4室ぐらいあり・・・


そのうち今回は最も手前にある「10番」を指定されました。フロントでもらった札をドアノブに掛け、ドアを締めて内側から鍵を掛けます。


脱衣室は狭く、広さは1畳半程度でしょうか。備品も扇風機と籠だけという至ってシンプルなもの。


浴室も民家のお風呂と大差ないコンパクトな造りで、浴槽はグレーのタイル貼り。10号室の場合は入って右側にシャワー付き水栓が設けられています。


なおシャワーから出てくるお湯は源泉です。


浴槽は2人入るとちょっと狭いかなというサイズですが、私のように1人で利用すると多少余裕があって良い感じ。


蛇口から温泉が常時供給されており、その蛇口には白い析出が少々付着していました。出てくるお湯はやや熱めで、完全かけ流しの湯使いであり、私が湯船に入ると、豪快な音を立ててお湯が浴槽から溢れ出ていきました。お湯の見た目は無色透明で、特に湯の花の浮遊は見られません。口に含むと塩味と出汁味が感じられ、津軽平野の食塩泉に共通している淡い磯の香のような匂いが漂っています。津軽平野の温泉によく見られる化石海水型温泉の典型例であり、湯中ではツルツルスベスベの滑らか浴感が得られます。なお泡付きはありません。食塩泉なのでよく温まり、体の芯からしっかり火照ります。私が訪ねた時は肌寒かったのですが、にもかかわらず、お風呂上がりはいつまで経っても汗が引きませんでした。津軽の厳しい冬には心強い味方となりますね。そして家族風呂ですので、良泉を心置きなく堪能できるのもうれしいところです。


柏木下山源泉
ナトリウム-塩化物温泉 49.3℃ pH8.2 湧出量測定不可(掘削動力揚湯) 溶存物質2.849g/kg 成分総計2.849g/kg
Na+:961.8mg(95.50mval%),
Cl-:1176mg(78.96mval%), Br-:2.7mg, SO4--:318.5mg(15.78mval), HCO3-:96.4mg, CO3--:12.6mg,
H2SiO3:212.9mg,
(平成27年5月19日)

青森県平川市柏木町柳田227-2
0172-44-7600

6:00~21:00
公衆浴場400円
家族風呂1100円

私の好み:★★+0.5
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百沢温泉 2020年11月再訪

2021年10月05日 | 青森県

岩木山の山麓に位置する岩木山神社は津軽を代表する神社ですが、この神社のまわりには温泉が多く、拙ブログでも今までいろんな温泉を取り上げてまいりました。そんな中でも「百沢温泉」、特にマニアからは株百沢などと呼ばれている株式会社百沢温泉は、泣く子も黙る名湯であり、これまで数多の温泉ファンによってフィーチャーされています。拙ブログでも10年前に一度取り上げておりますが(当時の記事はこちら)、どういうわけかそれ以来ご無沙汰だったので、久しぶりに再訪することにしました。


以前は宿泊営業も行っていましたが、現在は日帰り入浴のみの営業です。お風呂には一般的な公衆浴場のほか家族風呂もあるため、私としては家族風呂を使いたかったのですが、事前予約制であり、また訪問時はあいにく全て利用中だったため、公衆浴場へ向かうことにしました。


番台近くの券売機で料金を支払って、おじさんに券を渡し、昭和から時が止まっているかのようなの渋い色合いのホールを抜けてお風呂へ。館内の内装こそ昭和から時の流れが止まっていますが、しっかり清掃が行き届いており、つい最近まで旅館業を営んでいたんだというような矜持が感じられます。


さぁ、暖簾を潜りましょう。脱衣室はシンプルな造りでそこそこ広く、エアコンはないものの扇風機が用意されているので、湯上がり後のクールダウンも問題ありません。


多くの温泉愛好家たちを感動させてきたこの浴室。かく言う私も何度もこのお風呂にはお世話になりました。久しぶりの訪問ですが、浴室の様子は以前とほとんど変わっていません(以前の記事はこちら)。
洗い場は二手に分かれており、手前の壁側に宝式(押しバネ式)カランと壁直付けの固定式シャワーという青森県の温泉銭湯おなじみの組み合わせが5セット並んでいます。また、中央の柱には同じく宝式カランのお湯と冷水の組み合わせ5セットが柱を囲むように設置されており、2ヶ所に柱直付けの固定式シャワーが付いています。なおカランから出てくるお湯は温泉です。


洗い場の近くには、小さくて浅く、そして熱めの浴槽があります。


床には赤茶色に染まり、鱗状の析出が幾重にも覆って分厚い層をなしています。豊富な湯量とともに、こうした析出によるビジュアル的な迫力もこの温泉の大きな特徴です。


百沢温泉といえばこのラッパをつぶしたような湯口。百沢温泉の代名詞的な存在でもあります。同じ会社が経営している系列の「あたご温泉」や「広田温泉」でも見られますね。この平たい金属製の湯口からふんだんに温泉が吐出され、そのお湯が析出こってりの赤茶色い床へ惜しげもなくオーバーフローしている様を見ると、あぁ津軽まで来た、あぁ岩木山へ上がった、あぁ百沢に入っているんだ、と実感できます。

お湯は緑色を帯びた黄土色に濁っており、塩味と金気、苦味。そして明瞭な炭酸味が感じられます。岩木山の南東麓や南麓には、同様の特徴を有する塩化土類泉が点在しており(三本柳温泉や湯段温泉など)、百沢温泉はその代表的な存在と言えるでしょう。この手の温泉へ入浴すると、得てして肌にキシキシと引っかかっる浴感を得られるのですが、百沢の場合はその引っかかり感に滑らかなツルスベ感が混ざっており しかも不思議な軽やかさも肌に伝わってきます。とにもかくにも名泉であることに間違いありません。


浅妻1号泉(再分析)
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉 44.1℃ pH6.6 湧出量測定不能(掘削動力揚湯) 溶存物質3.432g/kg 成分総計3.811g/kg
Na+:489.1mg(44.47mval%), Mg++:170.1mg(29.25mval%), Ca++:220.1mg(22.96mval%), Fe:3.3mg,
Cl-:1034mg(58.77mval%), Br-:2.1mg, I-:0.9mg, HCO3-:1167mg(38.51mval%),
H2SiO3:206.5mg, HBO2:21.9mg, CO2:379.1mg,
(平成31年2月6日)
加温加水循環消毒なし

青森県弘前市大字百沢字寺沢290-9  
0172-83-2226

10:00~22:00
330円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸やシャンプーなどは販売

私の好み:★★★
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