温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

五所川原市 ロイヤル温泉旅館

2023年04月30日 | 青森県

(2022年4月)
津軽平野は犬も歩けば温泉に当たると表現しても決して大げさではないほど温泉施設の多い地域であり、その多くは拙ブログで既にご紹介しておりますが、まだまだ取り上げていない施設もあるので、今後も少しずつ紹介してまいります。
今回取り上げるのは五所川原の市街地からちょっと離れたところにある「ロイヤル温泉旅館」です。以前からその存在は知っていましたが、どこか怪しい雰囲気を漂わす外観の他、湯使いが循環であるという情報を聞いていたためこれまで利用を敬遠していました。しかし、ここ最近の情報によれば湯使いがかけ流しへ変更になったらしいので、五所川原方面へ行く機会があった際に、ついでに立ち寄ってみることにしました。

旧十川の土手沿いに位置しており、五所川原の市街からアクセスする場合は途中から土手上の河川管理用道路を走って現地へ向かうことになります。そのことを知らないと、まさか土手の上を進むとは想像だにしないでしょうから、初見だとちょっと迷うかもしれませんね。しかもたどり着いたところにある建物は、場末のラブホテルみたいな外観。本当にここで良いのか、いろんな意味でちょっと不安になってしまいます。

温泉の建物は駐車場を囲むようにいくつかの棟があり、大浴場がある上画像の本棟の他、貸切風呂がある別棟では宿泊も可能なんだそうです。でも今回の私は日帰り入浴ですので、本棟の大浴場のみ利用しました。

まず玄関を入って右手にある券売機で料金を支払い、その奥にある窓口に入浴券を差し出します。
なお浴場入口は券売機より若干手前の玄関側。そのことを知らなかった私は建物の奥へ進んでしまい、風呂はどこにあるのかと迷ってしまいました(情けない)。ちなみに玄関付近には岩盤浴もあるみたいですよ。


さてお風呂へ参りましょう。木目基調の浴場には、画像に写っている主浴槽のほか、サウナと水風呂が設けられています。主浴槽のサイズは(目測で)4×2.5メートルほどでしょうか。


壁沿いの洗い場にはシャワー付き混合水栓が計7か所取り付けられ、カランからは温泉のお湯が出てきます。なおこの洗い場の上にはテレビが設置されており、普段あまりテレビを見ない私は、ワイドショー番組が報じるスキャンダル報道に「へぇ、そんなことがあったのね」とつい興味津々で見入ってしまいました。


出入口傍に置かれたかけ湯にも源泉のお湯が注がれています。


奥の方には小浴室があって、約1.5メートル四方の浴槽内では泡風呂装置がブクブクと音を立てながら稼働していました。もちろんこちらのお湯も温泉です。


公衆浴場なのに露天岩風呂にも入れるのは嬉しいですね。もっとも、スペースは限られており、周囲の視界も遮られているため、露天風呂に求めたくなる開放感はあまり得られませんが、でも温泉で火照った体を外の風を浴びながらクールダウンすると、最高に爽快ですよね。

さてお湯に関するインプレッションですが、見た目は透明ながらやや琥珀色を帯びているように見えます。五所川原周辺の温泉はしょっぱい食塩泉であることが多いのですが、こちらのお湯を口に含んでみますと意外にも塩味はかなり薄く、むしろ非鉄系の金気味が全面に出るような感じです。色・味・匂いなどは、同じく五所川原市の「エルムの湯」で入れる水風呂へ注がれている冷鉱泉に似たような特徴を有しています。分析表を見ますと溶存物質0.977g/kgなので、あと0.023mg足りていれば「ナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉」を名乗れたのですが、僅かな差で単純温泉に甘んじています。とはいえ成分量は日によって多少の変化があるでしょうから、日のよってはもしかしたらナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉になっていることもあるのかもしれません。

ネット上の情報で見られたように、たしかにこちらのお風呂では温泉がかけ流されており、循環は行われていないようでした。館内表示にによれば塩素系薬剤で消毒しているとのことですが、私の入浴時は特に消毒臭を感じることはありませんでした。ただ湯船の湯加減が熱く、あまり長湯できません。私も早々に出てしまったのですが、それゆえお客さんの回転も早いようです。


太刀打温泉
単純温泉 48.2℃ pH8.3 湧出量測定不能(掘削動力揚湯) 溶存物質0.977g/kg 成分総計0.980g/kg
Na+:258.5mg(95.42mval%),
Cl-:315.4mg(75.87mval5), Br-:0.9mg, HCO3-:146.5mg(20.46mval%), CO3--:9.0mg,
H2SiO3:221.9mg,
(平成24年10月18日)
加温循環ろ過なし
加水あり(源泉温度が高いため)
消毒あり(衛生管理のため塩素系薬剤使用)

青森県五所川原市大字太刀打字千束刈13-7
0173-39-2323
ホームページ

5:00~23:00
350円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸類は番台にて販売。

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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碇ヶ関温泉 関の庄 御仮屋御殿

2023年04月24日 | 青森県
(2022年4月訪問)
青森県碇ヶ関といえば、藩政時代は津軽藩の関所として、今日では県境の温泉地として、そこそこの知名度がある場所かと思います(いや、ご存知無い方も多いかも)。この碇ヶ関の国道沿いに位置する道の駅には以前から公営の温泉施設があり、私も二度程利用したことがあったのですが、その当時の施設はいかにも公営らしく無機質だったのであまり印象には残りませんでした。しかし、いつの頃か全面的に建て直されてリニューアルオープンし、ネット上で見られる温泉ファンからの評判もまずまずだったので、ちょっと立ち寄ってみることにしました。


場所は「道の駅いかりがせき 津軽関の庄」の奥にあり、すぐ裏手には奥羽本線の線路が敷かれています。津軽藩時代の関所をイメージした施設になっていて、たとえば駐車場から温泉施設へ向かう歩道の途中には上写真のような門が立てられていたり・・・


足湯があったり・・・


関所の様子を再現したと思しき建物があったり・・・。
なおこの関所らしき建物「面番所」の中には関所の官吏と思しきお侍さんの人形が置かれていて、ちょっと不気味です。


「面番所」の左側に隣接する形で浴場が立地しています。一見すると伝統的な和風のファサードですが、館内は典型的な公共施設そのものです。館内に入って券売機で料金を支払い、正面受付のおばちゃんに入浴券を渡して左手へ進みます。なおその過程ににはちょっとした休憩ゾーンがあり・・・


そこにはこの施設のお湯の使われ方(熱交換の方法など)がプレートで説明されています。
源泉から引かれたお湯は一旦加温されてから各浴槽へ供給され、オーバーフローなど浴槽から排出されたお湯は熱交換器によって、ロードヒーティングやシャワーなどの熱源として再利用されるんだそうです。そして熱を奪われたお湯は下水道や側溝から排出されるんですね。

ところで、このプレートには男湯・女湯・足湯のほか、殿様風呂という表記がありますが、この殿様風呂とは施設に1室しかない貸切風呂のことで、休憩用の座敷が付帯し、一度に6名まで使用できて、1時間1500円という比較的リーズナブルな価格設定である上、しっかり温泉がかけ流されているらしく、温泉ファンからは評価が高いお風呂のようです。でも1室しかないので予約は困難であり、今回私の訪問時は既に予約で埋まっていたため利用できなかったのですが、次回訪問時には是非とも利用してみたいものです。


(浴室内は撮影不可のため公式サイト掲載の画像を借用しております)
浴室内は青森ヒバを多用しており、全体的にシックで落ち着いた雰囲気です。中央の浴槽を挟む形で左右に洗い場が配置され、計10個のシャワー付きカランが並んでいます。


浴槽は手前と奥に分かれており、湯口のお湯が直接注がれる手前側の浴槽はやや熱く、且つ小さなサイズで、その寸法は(目測で)左右3m×奥行2mといったもの。一方、奥は湯尻に当たり且つやや大きなサイズで、(同じく目測で)左右3m×奥行4mほど。奥の浴槽は窓に面しており、外に出っ張っているような出窓みたいな造りです。
両浴槽とも浴槽は総ヒバ造で、しかもオーバーフローが排水されるグレーチングも木造という徹底さ。ヒバならではのぬくもりのある見た目と優しい肌触りが実に良好です。一方、手前と奥の両浴槽間には仕切りがあり、手前側から奥へお湯が流れる比較的大きな貫通部が設けられているのですが、それでも仕切りがちゃんと役割を果たしており、手前側はちょっと熱く、奥の浴槽は比較的入りやすい湯加減に維持されていました。

さてこちらのお湯は無色透明のアルカリ性単純泉で、源泉湧出温度が40℃未満のため加温した上で浴槽へ供給しています。なお館内表示によれば消毒しているとのことですが、実際に入浴した際にはあまり消毒臭は気になりませんでした。特段感動するほどではありませんが、アルカリ性単純泉らしいツルツルスベスベの滑らかな浴感が湯中で得られ、また湯口のお湯からはこの泉質らしい微収斂も確認できました。

幹線道路沿いで駐車場も広く、リーズナブルで使い勝手も良いためか、私の訪問時は利用客が絶え間なく訪れていました。


高田温泉
アルカリ性単純温泉 38.4℃ pH8.7 溶存物質0.947g/kg 成分総計0.947g/kg
Na+:317.1mg(98.22mval%),
Cl-:350mg(78.02mval%), HCO3-:84.9mg(10.99mval%),
H2SiO3:129.9mg,
(平成27年5月12日)

10:00~20:00
400円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸やシャンプー類の備え付けなし(販売あり)

私の好み:★★
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杣温泉旅館

2023年04月16日 | 秋田県

(2022年4月訪問)
このブログをご覧の方でしたら一度は名前を耳にしたことがあるだろう森吉山麓の名湯「杣温泉」。5月の連休に宿泊しようと試みたのですが、ギリギリまで予定が定まらずに予約ができなかったため、日帰り入浴で訪ねることにしました。

秋田県道309号線を東進して巨大なロックフィルダムである森吉山ダムを通過すると、車から見える景色は湖面と山の緑ばかりになり、奥深い山の中にいることを実感します。沿道には以前集落があったことを知らせる石碑がいくつか立てられていますが、現在は生活の気配が感じられません。古くからあった集落はみな湖底に沈んでしまったんですね。そんなことを思いながらハンドルを握り、旧湯之谷集落にある「森吉山荘」(現在休業中)の手前を左に曲がって細い橋を渡り、更に左折して山道を進んでゆくと、そのどん詰まりが今回の目的地「杣温泉」です。こちらもお宿以外には何も無く、まさに秘境の一軒宿。


玄関に入って宿のおばちゃんに日帰り入浴したい旨を伝えて400円を支払います。
靴のまま本棟の裏手に出て、奥の階段を上がった右手に浴舎があります。
浴舎のお風呂は男女別で、男湯の場合は脱衣室が2つあり、奥の方は後述する露天風呂へ比較的行きやすい位置関係になっています。なお室内にはドライヤーが用意されているほか・・・


2つある洗面台の片方には温泉が出てくる専用の水栓があり、コックを開けて温泉を飲むことができます。
もちろん私はここでしっかり飲泉させていただきました。


内湯は相当年季が入っていたタイル張り。男湯の場合は右手にシャワー付き混合水栓が3つ並んでいます。なお洗い場に備え付けられているアメニティは秘湯を守る会オリジナルのクマザサシャンプーとクマザサボディーソープです。

青いタイル張りの浴槽はおそらく6人は入れそうなサイズがあり、絶え間なくお湯が溢れ出ています。なお浴槽の縁でもオーバーフローが流れるところはツルツルとしたタイルの質感そのままですが、オーバーフローしないところは長年にわたって温泉飛沫の付着と蒸発が繰り返されることによって成分析出によるトゲトゲがこびりついており、迂闊に縁へ座ろうとするとお尻にトゲトゲが直撃してチクチクと痛いので、もしこれからご利用される方は念のためにお気を付けくださいね。


温泉は獅子の湯口から浴槽へ投入されています。獅子の口周りには析出がこびりつくことによって、白い立派な髭が蓄えられていました。なお湯使いは完全かけ流しで、加温も加水もせずに丁度良い湯加減が維持されています。素晴らしい!


内湯と露天風呂はちょっと離れており、露天風呂は駐車場の近くにありますので(上画像で温泉マークが書かれた塀で目隠しされているところ)、一旦服を着てから屋外に出て向かうことになります。


周囲の自然と広い空を存分に体感できる露天の大きな岩風呂。
脱衣室こそ男女別ですがお風呂は混浴です。そのかわり宿泊客が利用する時間帯には女性専用時間が設定されているようです。


私が訪ねた日は山の新緑が実に美しく、天気にも恵まれ、また脇を流れる沢のせせらぎも耳に心地よく、最高の環境で湯浴みすることができました。ただし、山の木々が浴槽の上にオーバーハングしているため、季節によっては
ブナの花や落ち葉などが大量にお風呂へ落ちてしまいます。この場合は塀に立て掛けてあるネットで各自掬い上げましょう。

お湯は無色透明ですが、露天風呂では白い湯の花が浮遊したり、あるいは一ヶ所にまとまって沈殿したりと、湯の花の存在感が目立っていました。とりわけ露天風呂のお湯の中を、まるで蛇の抜け殻を思わせる、白いリボンみたいな長い湯の花が何本かユラユラと浮遊していました。おそらく引湯パイプの内側に付着した湯の花が剥がれて流れてきたものでしょう。

泉質としては石膏を含む食塩泉で、飲泉すると薄い塩味やはっきりとした石膏味のほか、ほのかに硫化水素(チオ硫酸イオン)らしい茹で卵風味が感じられます。内湯の蛇口は硫化して黒ずんでいるのですが、これは温泉に含まれる硫黄の影響でしょう。湯中では食塩泉的なツルスベと石膏泉的な引っ掛かりの両浴感が混在して全身に伝わってきます。何も手を加えていないにもかかわらず、豊富な湯量と絶妙の湯加減が維持されており、まさに森吉山の恵み、極上のお湯です。


ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 53.6℃ pH8.5 溶存物質1.292g/kg 成分総計1.292g/kg
Na+:285.2mg(63.16mval%), Ca++:136.0mg(34.55mval%),
Cl-:459.4mg(67.15mval%), SO4--:287.9mg(31.04mval%), HS-:0.5mg, S2O3--:0.1mg,
H2SiO3:86.9mg,
加水加温循環消毒なし

秋田県北秋田市森吉字湯ノ沢7
0186-76-2311
ホームページ
(2023年冬は休業しており、2023年4月に営業再開予定とのことですが、詳しくは施設へお問い合わせください)

日帰り入浴7:00~20:00
400円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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打当温泉 マタギの湯

2023年04月11日 | 秋田県

(2022年4月訪問)
林業とマタギで知られる秋田県阿仁地区は温泉の数が多くないため、みちのくを得意とする拙ブログでも今まで触れたことは無かったのですが、当エリアでは珍しいかけ流しの温泉に入れる打当地区の温泉旅館「マタギの湯」で日帰り入浴してきましたので、その時のレポートを書き綴ります。

秋田県道308号線を東に走り、秋田内陸縦貫鉄道の阿仁マタギ駅を通り過ぎてしばらくすると、右手に見えてくる大きな建物が今回目指す「マタギの湯」です。こちらは宿泊業の他に日帰り入浴や食堂営業など、センター系施設としての要素も兼ね備えており、私が訪問したときにも、界隈にお住まいと思しき爺さん婆さんが軽自動車でやってきて、大きな建物へと吸い込まれていきました。


駐車場の一角には再現したマタギ小屋があり・・・


小屋の中ではクマの剥製がおっかない顔で牙を剥いてこちらを睨んでいました。ちょっとびっくり。


玄関ホールでは子熊の剥製や顔抜き看板がお出迎え。
靴を脱いで右手のフロントで入浴料金を支払います。


ロビーで前脚を上げて二本足立ちしている巨大な熊は、ヒグマのごんた君。生前は近所のクマクマ園で飼われていたそうです。でも秋田県にヒグマは生息していないので、ご当地のマタギが捕らえたものではなく、北海道から連れてこられたのでしょうね。


さて、ロビー右手の廊下を進んだ突き当たりが浴場です。途中の廊下には秋田内陸縦貫線やマタギを写した写真がたくさん展示されていました。
脱衣室は広くて綺麗。室内には人感センサーで点灯する照明が設置されています。エアコンもあるので季節を問わず快適に使うことができるでしょう。なおロッカーは脱衣室の入口に用意されています。


大きなガラス窓によって外光が燦燦と降り注ぐ明るい浴場。


男湯の場合、洗い場は左の壁に沿って12個のシャワー付き混合水栓が一列に並んでいます。
なお浴場へ入ってすぐ右側にサウナが設けられていますが、訪問時は新型コロナ感染対策のため使用中止になっていました。


内湯の浴槽は緩い円弧を描くような形状で、手前側が3分の1、奥が3分の2という割合で二分割されています。手前側は(目測で)幅3.5m×奥行3m、奥は幅6m×奥行3mといったところでしょうか。手前の小さな浴槽は熱く、奥の大きな浴槽は適温ですが、小さな方は濁り方が弱くて透明度があり、浴槽内で温泉を供給しています。


一方、大きな方は適温ながらはっきりと濁っています(後述する露天風呂と同じ程度)。また、温泉は大小両浴槽の仕切りの上にある湯口から落とされています。大小両浴槽は、大きさのみならず、お湯の湯加減・濁り方・投入方法などいろいろと異なっているんですね。なお両浴槽とも湯尻に向かってオーバーフローしています。


露天風呂はいわゆる岩風呂で、5~6人は同時に入れそうな大きさです。


建物の下に設けられた露天風呂なので頭上の開放感こそありませんが、周囲の山々や広々とした田園風景を眺めながらの湯あみできますのでとっても爽快です。なお露天風呂のベランダに設けられた仕切りはガラス製であるため開放感を引き立てていますが、こちらから丸見えということは外側からも丸見えなのかしら・・・。いや、実際には外側からは見られないような加工が施されているものと思われます。


石造りの熊が口を開ける湯口からお湯が投入されており、湯尻からしっかりオーバーフローしています。なお湯船は適温でした。熊さんのお口の周りには山塩でできた髭が蓄えられていますね。

さてこちらのお湯についてですが、海から遠く離れた山間部にもかかわらず、しっかりしょっぱい山塩の食塩泉です。塩味のほか少々の金気味と出汁味、そして石灰っぽい土類泉の味が得られます。湯船に浸かりながら湯面に鼻を近づけると、金気臭や石灰的な香ばしい匂いが香ってきます。なお炭酸味や気泡の付着などは全くありません。
上述のように比較的熱い内湯の小さな浴槽は濁り方が弱いのですが、内湯の大きな浴槽や露天風呂では黄土色と深緑色を混ぜたような色にはっきりと濁っています。
湯中ではキシキシと引っかかる浴感が全身を覆い、お湯が肌の皴一つ一つにしっかり沁み込んでくるようです。館内表示によれば塩素消毒ありとのことでしたが、特に消毒臭が気になりませんでした。以前は内湯が循環だったようですが、現在は内湯・露天風呂ともに源泉かけ流しです。
しょっぱい温泉ですから厳冬期は体の芯までしっかり温まりそうですね。


ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 54.9℃ pH7.0 溶存物質4.056kg/kg 成分総計4.064g/kg
Na+:789.6mg(51.22mval%), Ca++:635.0mg(47.26mval%), Fe++:0.5mg,
Cl-:1955mg(82.34mval%), Br-:2.8mg, SO4--:551.4mg(17.14mval%),
H2SiO3:40.7mg, HBO2:33.6mg, CO2:8.6mg,
(令和3年10月26日)
加水あり(源泉温度が高いため)
消毒あり(衛生管理のため)

秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上ミ 67
0186-84-2612
ホームページ

日帰り入浴9:00~21:00
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (2)
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繋温泉 癒しの宿ロデム

2023年04月05日 | 岩手県
(2022年4月訪問)
前回記事と同様、今回の記事も私が2022年4月に訪問した際の記録を書き綴っております。繰り返しになりますが、今回取り上げる宿を運営している宗教法人は、私が調べた限り、2022年7月以降に世間を騒がせている某宗教団体とは別組織であるらしいことを、改めてお伝えしておきます。

御所湖の湖畔に位置する盛岡市の繋温泉は、その奥にある鶯宿温泉より知名度も規模感も劣るためか、温泉地としての存在感は今一つのような気がしますが、それでも良いお湯に入れるお宿があり、個人的には好きな温泉地のひとつです。今回はその中でも異色なお宿で日帰り入浴してまいりました。


今回訪ねた「癒しの宿ロデム」は温泉街からちょっと外れた湖畔の道路沿いにあり、一見すると保養所みたい地味な外観ですが、れっきとした温泉旅館です。


察しの良い方は名前から想像つくかと思いますが、拙ブログの前回記事で取り上げた「レムナント鶯宿」と同じ韓国系キリスト教(プロテスタント)団体が運営している施設です。このため鶯宿の施設と同様に驚きの安さで宿泊することができます(2022年4月時点で素泊り3,850円)。


私がフロントを訪ねると、作務衣のような服を着た韓国系の方が対応してくださいました。


フロント近くの棚にはたくさんの資料が並べられていました。普通のホテルだったら観光パンフレット類ですが、こちらのお宿の場合は布教を目的とするもの。ここからして他のお宿とは性格を異にしていますね。


お風呂はフロントから奥へ進んだところに位置しています。
脱衣室はこじんまりしていますが、一応エアコンが設置されており、大型のロッカーも備え付けられています。なおロッカーの数はあまり多くないので、全て埋まっていたら貴重品はフロントへ預けましょう。


浴室は男女別の内湯がひとつずつで、露天風呂はありません。当然ながら私は男湯の暖簾が下がっていた浴室を利用しましたが、浴室内のタイルはピンク色でした。なおもう一つの浴室のタイルは緑色なんだとか。男女で色を分けていないのか、あるいはたまたま男女の暖簾が逆に掛かっていたのか、男女入れ替え制なのか、その辺りの事情はよくわかりません。

洗い場は浴室手前の左右に配置され、シャワー付きカランが計6ヶ所(もしくは8ヶ所)取り付けられています。
浴槽はひとつで、その寸法は約4m×2m程。おおよそ6人サイズでしょうか。洗い場の床や浴槽は十和田石張りです。竹筒を模した樹脂製の筒から浴槽へ温泉が投入されているのですが、その湯口の傍には聖書の言葉が掲示されていて、初めて見た時にはちょっと驚きました。

こちらへ引かれているお湯は繋温泉共有の混合泉であり、周辺の他施設と同じお湯です。訪問時の湯船のお湯はかすかに白く靄掛かっていたのですが、これはお湯の特徴なのかあるいが湯鈍りしていただけなのか、詳しいことは不明です。なお湯中でたまに白いものや黒い羽根状の湯の花を見かけました。お湯からは弱いタマゴ風味が得られます。ツルスベながら若干ひっかかるような浴感です。湯使いは加水した上でのかけ流し。
私が訪問した夕刻には日帰り入浴客が続々と来ていました。どうやら近所の銭湯の代わりとして活用されているのでしょうね。


つなぎ温泉混合泉の湯(至光の湯、新瑞光の湯の混合泉)
単純硫黄泉 65.3℃ pH9.1 溶存物質0.5926g/kg 成分総計0.5926g/kg 
Na+:163.3mg(90.91mval%),
Cl-:105.7mg(36.43mval%), HS-:1.1mg(0.37mval%), SO4-:200.8mg(51.10mval%), S2O3--:2.4mg(0.49mval%),
H2SiO3:68.7mg, H2S:0.0mg,
(平成18年11月21日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし

岩手県盛岡市繋字萪内沢83-1
019-689-2266
ホームページ

日帰り入浴11:00〜20:00(日曜休み)
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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