goo blog サービス終了のお知らせ 

温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ブログを引っ越します

2025年04月23日 | その他

2025年11月18日のgooブログサービス終了に伴い、拙ブログ「温泉逍遥」は新たなURLへ引っ越します。
引っ越し先は以下の通りです。ブログ名は変更ございません。

2025年4月27日投稿の記事より、以下の移行先にてアップロード致します(gooブログでの更新は停止致します)。
またそれ以前の過去記事につきましても全て移行先にてご覧いただけます。

温泉逍遥

URLは https://onsenshouyou.net/ です。

拙ブログへリンクを張って下さっている方がいらっしゃいましたら、大変お手数ですが上記URLへ修正をお願い致します。

引っ越しに当たり、このたび独自ドメインを取得し、WordPressで再作成しました。
既に全記事の移行を完了しております。ただし移行の過程で一部記事が重複して登録されているため、この重複分につきましては見つけ次第削除致します。

INDEX(目次)についてはリンク先の変換が容易にできず、また現状を反映した形で内容を修正する必要もあるため(休廃業の情報等)、各地域や内容ごとの目次ページに張っていた記事へのリンクを一旦すべて解除し、手作業で一つずつ修正と確認を行いながらリンクを張り直しています。
外国や一部の県のINDEXについては修正作業が済んでおり、リンクの張り替えが終わった項目については移行先の各記事へ進めますが、まだまだ多くの項目は手付かずの状態であるため、INDEXから各記事へ進むことができません。その場合は、記事タイトルをコピペして、ブログ内検索により当該ページへお進みください。暫定的な措置とはいえ、ご不便をおかけして申し訳ございません。


温泉を含め、あらゆる情報をSNSで得ることが主流となっている昨今、既にブログという存在はネット界のオールドメディア的な立ち位置にあるように感じています。gooブログの終了告知以前から、正直なところ私は「そろそろ自分のブログは潮時か」と思っていたこともあり、gooブログの終了を契機に私のブログもフェードアウトしようかと考えることもありました。特に最近は温泉以外の趣味に時間を割くようになってしまったため、自分の中の温泉熱が冷めてしまい、「湯冷め」した状態で温泉ブログを書き続けることに徒労感を覚えることもありました。しかし、自分にとっての備忘録が無くなってしまう不便さのほか、SNSによる情報発信ですとアーカイブ機能が実質的に無いため検索も難しく、それゆえに温泉情報に触れる機会が減ってしまうことを危惧したこと、そしてこのブログを無くさないでほしいというご声援を頂戴したこと等、閉鎖より継続すべき理由が勝ったため、この度一念発起してブログを引っ越すことに致しました。引っ越し先についてもいろいろ検討しましたが、gooが引っ越し先として推奨している民間のブログサービス(はてなブログ等)は今後いつ終了してしまうか不透明ですので、設定などいろいろと面倒な反面、融通が利いて且つサーバを契約し続ける限り消えることが無いWordPressを選択しました。

なおgooブログについては、しばらく現状のまま残すつもりですが、ある程度経ちましたら半年後のサービス終了日を待たずに全記事を削除する予定です。またその時になりましたらお知らせ致します。

ここ数年は更新ペースが週1となっており、過去記事のアップデートもほとんどできていませんが、出来る範囲で記事の更新を続け、過去記事も現状に即した形で修正し、以て温泉ファンの方に多少なりとも役に立つようなブログを運営してまいる所存です。
これまで長い間、gooブログ版「温泉逍遥」をご覧くださり誠にありがとうございました。
引き続き新しいWordPress版「温泉逍遥」も変わらぬ御贔屓を賜りますようお願い申し上げます。

2025年4月23日

「温泉逍遥」
 K-I
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『日帰りで登れる 温泉百名山』出版記念会に参加しました

2024年11月08日 | その他
今回記事は趣向を変えて、新刊の温泉関連書籍をご紹介します。
昨年(2023年)9月に拙ブログで2冊の温泉関連書籍を取り上げましたが、その中のひとつ『温泉百名山』の続編となる『日帰りで登れる 温泉百名山』がこの度刊行されることになり、2024年11月2日に都内某所でその出版記念会が催されましたので、不肖者ながら私も参加させていただきました。


『日帰りで登れる 温泉百名山』
 飯出敏夫 著
 集英社インターナショナル

まずはこの新刊について。
著者の飯出敏夫さんは、登山と温泉のエキスパートとしてこれまで多くの著書などを世に出しており、今年で喜寿を迎え、大病を克服しつつもまだなお精力的に活動していらっしゃいます。前著『温泉百名山』は、名山に名湯ありという発想のもとで、著者が独自の基準に基づき全国から名湯を擁する名山100箇所を選定し、その百座全てをご自身で実際に登るという偉業の集大成なのですが、登山経験者でないと登頂できないような少々難易度の高い山が多く、また地域も東日本に偏っていたため、もう少し読者の裾野が広がるような山と温泉の選定を求める声もあったようです。そのようなリクエストに応え、今回の新著『日帰りで登れる 温泉百名山』ではその名の通り、対象となる山の難易度を下げ、また九州など西日本にも視野を広げて改めて百座を選定し、今回もその全てを登頂なさっています。

登山と温泉の両方を趣味とする私は、山を登った後にその麓で入る温泉が大好きで、湯船に浸かって疲労困憊の体を湯で癒しながら自分が登った山を見上げていると「俺はあの山を登りきって無事に戻ってきたんだ、そんな自分を褒めたい」なんて感慨に浸り、言葉には表現しにくいほどの満足感をたっぷり噛み締めてしまいます。飯出さんの前著や今回の新著を拝読していると、登ったことがある山ならばその時の記憶を蘇らせ、未踏の峰だったら私自身がその山を登っているかのような追体験ができ、特に温泉に関する記述では、自分だったら上述のような心境で肩まで湯船に浸かっただろうな、と想像をして楽しませていただきました。

そんな私の感想はともかく、登山を楽しんだ後に温泉に入って汗を流す方も多いかと思いますので、私のように読み物として楽しんで追体験をするのはもちろん、実用的なガイドブックとしても活用できますので、いろいろな方法で有用性が高い一冊と言えるでしょう。温泉百名山という概念や認識が人口に膾炙することにより、ひいては、登山愛好者の増加を期待するとともに、斜陽産業となりつつある温泉業界の再興や隆盛を願わずにはいられません。


さて、出版記念会の会場には約130人もの方々が集まり、大変な賑わいでした。飯出さんのお人柄や人望の厚さによるものでしょう。上画像は飯出さんを中心に、温泉百名山の登山でサポートをしているお二方が左右両脇を固めてそれぞれスピーチをなさっているところです。飯出さんはご高齢にもかかわらず難病を克服した後にご自身が選定した百名山登頂を二度も達成しており、その強靭な身体や意思の強さには感服するばかりです。その達成にはお二方のサポートも欠かせず、こうした方々の協力あってこそ著書が完成に至ったのかと想像します。


今回の会では飯出さんから私へ「(私が暮らす)多摩地方の美味しいお酒を差し入れてほしい」とのリクエストを直接頂戴したので、ささやかながら澤乃井を1本提供させていただきました。私のみならず他の方にもお声がけなさったようで、会場には全国の銘酒が一堂に会し、その様は壮観でした。普段私は日本酒を飲まないのですが、これを機に比べ飲みしてみたら、それぞれの美味しさに驚きました。

ということで、毎度のことながら文章が無駄に長くなってしまいましたが、おすすめの本ですので是非ご一読を。

次回記事は再び温泉に戻ります。
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おすすめ温泉書籍 『さあ、海外旅行で温泉へ行こう』

2024年07月10日 | その他
今年(2024年)6月26日に温泉関連の素晴らしい書籍が刊行されましたので、久しぶりに拙ブログでは本を紹介させていただきます。


鈴木浩大さんのご著書『さあ、海外旅行で温泉へ行こう 〜親切ガイド 世界の名湯50選〜 (ビジュアルガイド)』
です。鈴木さんのご著書はこれまでも拙ブログで2冊取り上げており、1冊目は私が台湾の温泉を巡るきっかけにもなった私にとってのバイブル的存在である『湯けむり台湾紀行: 名湯・秘湯ガイド』(まどか出版・絶版)、2冊目は昨年9月の記事でご紹介した『ほぼ本邦初紹介! 世界の絶景温泉』(みらいパブリッシング)です。

鈴木さんによる今回の新刊は前作と同じ版元から刊行され、海外の温泉を取り上げているという点でも同じなのですが、前作は知る人ぞ知る秘湯がメインだったのに対し、今作はできるだけ多くの皆さんへ実際に行ってもらうべく、各地の比較的アクセスしやすい温泉を厳選して取り上げてる点が決定的に異なります。
拙ブログもしばしば海外の温泉を取り上げており、その場合には地図や現地到達までの過程を紹介する等、ブログをご覧になる方が実際に現地訪問する際の参考になるよう努めておりますが、この新刊は拙ブログと同じ方針で編集されており、しかもアジア・北南米・ヨーロッパ・北アフリカ・オセアニアといった地球規模の超広範囲にわたっていますので、内容がこの上なく充実しています。まさに私が欲しかった(出したかった)本です。

「浸かって気持ちいい温泉」「見るだけでワクワクする温泉」「海外旅行のついでに行ける温泉」「著者が太鼓判を押す温泉」
という4つのテーマに沿った計50カ所の各温泉は、いずれもビジュアル的に魅力的であるのはもちろんのこと、容易にアクセスできるところもあれば、ちょっと頑張れば行けそうなところもあり、また温泉のみならず周辺の観光情報や海外旅行のちょっとしたHow toも紹介されていますので、かなり実用的な旅行ガイド本となっています。ちなみに書中で紹介されている温泉の中には、拙ブログで取り上げている温泉も多くございますので、併せてご参照くださいませ。

拙ブログは日本語で書かれたウエブサイトの中でも海外の温泉を比較的多く取り上げていると自負しておりますが、とはいえ基本的にご覧になっているのが温泉ファンの方々なので、温泉ファン以外の目に止まりにくいのが残念なところ。日本で「温泉旅行」といえば国内旅行と直結してしまいがちですが、この著作が書店の旅行ガイド本と同じ棚に並ぶことによって、海外にも温泉が無数に存在し、アクセスしやすい温泉も多くあることが海外旅行好きの方に認知されたら、海外旅行の大きな目的のひとつに「温泉」が加わり、温泉を愛する人の裾野がより広がるかもしれません。

私はこの新刊を読んで、今すぐに海外の温泉へ出かけたくなりました。
温泉ファンの方は是非ご一読を。

さあ、海外旅行で温泉へ行こう 〜親切ガイド 世界の名湯50選〜 (ビジュアルガイド)

鈴木浩大さんのブログ 「世界の絶景温泉」


次回記事から再び私が訪ねた温泉の記録に戻ります。

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温泉関連書籍 おすすめの2冊

2023年09月13日 | その他
久しぶりに温泉に関連する書籍を取り上げます。

温泉に関する情報をネットから入手することが主流になって久しいものですが、とはいえ今でも書籍は重要な情報源です。
玉石混淆のネット情報と違い、情報が整理されている、わかりやすくまとめられて編集されている、そして編集者など複数の人の目がフィルターになっている、など多くのメリットがあり、そして何より著者の思いが文面から伝わってくるので、その思いにつられて記事で紹介されている場所へ行ってみたくなるのが大きな魅力です。
今回は直近1年の間に刊行された温泉関連書籍の中から、私が特にレコメンドしたい2冊を取り上げます。


温泉百名山
 著:飯出敏夫
 2022年10月
 集英社インターナショナル



刊行から1年が経とうとするタイミングで紹介するのはちょっと遅いように思いますが、でも秋の登山シーズンを控えた今だからこそあえてご紹介させていただきます。
登山を趣味とする方の中には日本百名山の制覇を目指す方も多いかと思いますが、根っからのへそ曲がりである私は、登る山を決める際に敢えて日本百名山を避けたくなってしまいます。天邪鬼な性格もさることながら、深田久弥の『日本百名山』も読まず妄信的に百名山を有難がって目指す世間の風潮に納得がいかないのです。山の好みは人それぞれなのですから、登山家一人一人に自分なりの名山があっても良いのではないかと私は常々考えているのですが、とはいえ、恥ずかしながらそこまで多くの山を登っているわけでもないので、多くの山の中から一定の基準を以て選り好むという崇高なこともできません。
そんな中で昨年10月に刊行された飯出敏夫さんの『温泉百名山』は、温泉と登山の両方を好む私にとって我が意を得たりと言わんばかりの著作であり、ページをめくる手が止まらなくなるほど大変興味深い内容でした。

日本の山と温泉は切っても切れない関係にある、と言いたいところですが、山があるからと言って決して温泉が湧いている訳ではなく、温泉の有無は火山活動や地質などいろんな条件によって左右されてしまいます。奥羽山脈や北アルプスのように温泉資源が豊富な山域もあれば、日高山脈や南アルプスのように、温泉資源が決して多くない山域もあるので、私のように「下山後は必ず温泉マニアとしても納得できる温泉に入りたい」と考えると、目指す山域に偏りが生まれ、結果的に日本百名山とは無関係な山行になるわけです。

そんな中、この『温泉百名山』は温泉と登山の達人である飯出敏夫さんが、「品格」「歴史」「個性」という深田久弥の百名山選定基準を援用しながら、麓や山腹に名湯が湧く名山を日本全国から100座選び、しかもご自身が選んだ100座全ての頂上をご自身で登って、その記録を一冊にまとめ上げたもの。しかも著者は悪性リンパ腫や膝関節症などの病に幾度も侵されながら、病気を乗り越えて自分の足で山の頂に立っているのですから、只々驚くしかありません。単に名山名湯を選定しているだけでなく、山と温泉を愛する飯出氏の生き様に感銘を受ける一冊です。仕事で疲れて週末ダラダラと過ごしてしまう私は、その精力的な動きに「すげぇ!」と尊崇の念を抱くと共に感銘を受けるばかりでした。

今回の著書では深田久弥『日本百名山』と同じく、一座一座の山や温泉についてそれほど文章量が多いわけではないのですが、簡にして要を得るというべきか、的確で無駄のない筆致なので、著者が実際に現地で感じたであろう景色や空気、そしてお湯の感触が如実に伝わってきます。また実際にその山を登ったことがある方なら、ご自身の山行や下山後に疲れを癒した温泉の気持ち良さを追体験できるでしょう。余計な表現が削ぎ落されているからこそ、想像を膨らませ、記憶を蘇らせることができるのかと思います。
このため、登山と温泉のガイド本として活用するのはもとより、新たな切り口による山選びの指南書として、あるいは紀行文や風土記のような読み物として捉えると、より面白みや有用性が感じられるのではないかと思います。日本には様々な百名山がありますが、この温泉百名山もアウトドアを趣味とする方々にとってのひとつのメルクマール的な存在として末永く在り続けていくことを、著者のファンの一人として願っています。

ちなみに現在、著者は早くも第二段として『続・温泉百名山』の選定に取り掛かっていらっしゃいます。この続編では登山初心者や高齢者でも登れるような山とその麓の温泉を中心に選定してゆく予定とのことで、具体的には今作であまり取り上げられなかった九州方面の山や、それほど高いとは言えないような箱根方面の山など、明らかに今作とは異なるターゲットを既に登っていらっしゃいます。詳しくはインスタをご覧ください。
https://www.instagram.com/oncolle_iiyu/


ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉
 著:鈴木浩大
 2023年6月
 みらいパブリッシング



拙ブログで以前ご紹介した鈴木浩大さんの著書『湯けむり台湾紀行』(まどか出版、2007年・現在絶版)は、私が台湾の温泉に深くはまってゆく契機となった名著であり、「台湾にはマニア心をくすぐる蠱惑的な温泉がこんなにあるのか」と感心しながら、私が台湾を旅行する際には文字通りバイブル代わりとしてこの本を常に携行していました。数えきれないほど読み返してきたので、今ではページの隅がヨレヨレになり、製本がバラバラになってしまいそうな状態になっているほどです。

卓越した調査力と探査力、そして行動力を兼ね備えた旅の達人である鈴木さんが、今度は世界を舞台にして、これまたマニアックな温泉本を世に出してくださいました。その名も『ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉』。「ほぼ」という副詞をタイトルに含める謙虚さに著者のジェントルな人柄が表れているような気もしますが、それはさておき、ビジュアルガイドシリーズというシリーズ名が示す通り、温泉マニアだったら間違いなく惹きつけられるグラビアが多く、著作の中で紹介されている温泉の全てに行きたくなって体が疼いてしまうこと必至。しかも「ほぼ本邦初紹介」の文言に偽りなく、著書の中で紹介されている温泉の多くは、日本語のウエブサイトではほとんど取り上げられていません。どうしてこんな温泉があるという情報を得たのだろうか・・・不思議で仕方ありません。私にとっては正に神の領域です。
著者が実際に入浴して紹介している温泉は、南北アメリカ、極東アジア、東南アジア、南アジア、中東、小アジア、欧州、アフリカというように新旧の大陸を股に掛けており、しかも単に取り上げるだけでなく、「析出物」「景観」「噴泉・気泡湯」「濁り湯」「変わり種」という温泉マニア視点で章立てされている点が読み物として面白いところ。分かる人にはわかる分類方法ですね。

私はたまに「海外にも温泉ってあるんですか」「日本こそ温泉大国ですよね」という質問を受けます。井の中の蛙大海を知らずと言ってしまうと語弊がありますが、日本のみならず、地球上の各地で星の数ほどの温泉がそこここで湧出しており、それぞれの地域にそれぞれの温泉文化が息づいています。日本の場合は毎日湯船に入る習慣が高度経済成長期以降に根付き、そこに古くからある温泉文化が混ざり、団体旅行ブームなども相俟って、温泉と庶民が非常に密接に結びつくようになったわけですが、文化や生活、そして観光や資本に組み込まれてしまった温泉が多い日本と比べ、海外の温泉はワイルドで手付かずのものが多くあり、それゆえ景観面でも泉質面でも良好な状態が保たれており、大地の恵みをダイレクトに受けられるという意味では、むしろ日本より海外の方が良い場合も多々あるように思っています。もちろん日本には素晴らしい温泉が余多あり、その中には大変ワイルドで到達困難な野湯などもあって、RPGをプレイするかのように野湯や地元民向け温泉浴場を訪ね歩く強者もいらっしゃるわけですが。でも海外旅行の醍醐味のひとつであるカルチャーギャップを体験したり、日本にない風土や景色に抱かれたりしながらワイルドな温泉を入浴するとその感動もひとしおであり、日本の温泉では決して味わえない強烈な想い出が残るのです。

拙ブログを以前からご覧くださっている方はお気づきかと思いますが、私もまさにそうした魅力を求めて海外の温泉へ出かけており、世界各地の温泉に魅了され続けてきました。そんな私にとって鈴木さんの新刊は目の前に応現した新たなバイブル。コロナ禍で海外旅行が一時的に難しくなり、その問題が去った後も円安という現実的問題が立ちはだかって、なかなか海外には行きにくい状況ですが、今回の著書を読んで、やっぱり海外に出かけなきゃ、という思いを新たにしたのでした。ということで、台湾に続いてこれからも私は鈴木さんが通った轍を追いかけてゆくのでしょう。

ちなみに鈴木さんはブログも執筆なさっています。
ぜひご覧になってください。
ブログ「世界の絶景温泉」


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2021年の湯めぐりを振り返る

2021年12月29日 | 旅行記
私はもちろん、このブログをご覧の皆様も、そして世界中も、この地球上に生活するほぼ全ての人々がコロナ禍に振り回されたと言っても過言ではなかった2021年。まったく海外に行くことができず、国内にしても状況を見極めながら慎重にタイミングを図って出かけたため、思うように湯めぐりすることができなかったのですが、これは皆さんも同様のことかと思います。またコロナ禍に加えて私の場合は仕事の繁忙化によって思うように時間を確保することもままならず、今年を振り返ると新規開拓できた温泉施設数は40にとどまりました。とはいえ、数は少なくとも一つ一つはときめく記憶で彩られた個性派揃い。そこで今年最後の記事は、2021年の湯めぐりを振り返って締めくくることにします。

●新規オープンの温泉
コロナ禍にめげず、関東周辺では2021年も温泉施設が新規オープンしています。私はその中のいくつかへ訪問しました。


千葉県流山市の「すみれ」(ブログで紹介済。記事はこちら)。
露天風呂では東葛地区らしい濃厚な化石海水型温泉がかけ流され、出来たばかりの綺麗な施設でのんびり寛ぐことができました。館内には温泉に関する頓珍漢な説明が書かれていましたが、今でも掲出しっぱなしなのかしら。


川崎市川崎区の「朝日湯源泉ゆいる」(ブログで紹介済。記事はこちら)。
こちらは元々銭湯でしたが、リニューアルの際に温泉掘削に成功し、温泉施設として生まれ変わりました。かけ流し浴槽こそ無いものの、塩辛くて濃い温泉、そしてかなり深い水風呂に入れますし、サウナではロウリュウも実施されるため、温泉ファンのみならずサウナ愛好家にとっても利用価値のある施設かと思います。


埼玉県吉川市の「アクアイグニス武蔵野温泉」(ブログで紹介済。記事はこちら)。
三重県湯の山の手前にある「アクアイグニス片岡温泉」が関東へ進出。片岡温泉の良さを実感している私としては、是非とも行ってみたかった施設です。周辺の競合施設よりちょっと高く、また皆さん大好きな(私は正直無くても良い)サウナが別料金なので、人によって評価が分かれるものの、いかにも埼玉県東部らしい濃い化石海水型温泉がかけ流されており、また施設もとっても綺麗で、館内の食事も美味しく、私個人としては高評価したいところです。片岡温泉とは泉質が全く異なるので、名前は同じだけれども別施設として捉えるのが吉です。


大沢温泉「依田之庄」(来年ブログで紹介予定)。
こちらは2021年ではなく、2020年12月下旬にオープンしたのですが、私は開業1年以内に利用しましたので、新規オープンのグループへ加えさせていただきました。以前は「大沢温泉ホテル 依田之庄」として営業していましたが、廃業後は敷地内の「旧依田邸」が静岡県指定有形文化財に指定されて、史跡として一般公開されるようになり、同敷地内の西側で2020年12月に日帰り温泉入浴施設「大沢温泉 依田之庄」が新規開業しました。大きく明るいお風呂ながら、とても静かで湯量も多く、大沢温泉自体の質の良さも相俟って、大変素晴らしい入浴時間を過ごせました。ここはお勧め。


番外編として、新規オープンではないものの、先日何の予備知識も無いまま飛び込みで訪問したら、いつの間にかこの画像のような立派な露天風呂ができていましたので、ここでご紹介致します。くらくら燃える地を這って越えた峠の先で、某温泉ホテルが所有する洞窟風呂があり、そこにこの露天風呂が付帯しています。以前この場所にはもうちょっと簡素なお風呂がありましたが(立ち風呂という名前だったかな)、ご覧のようにきれいなお風呂になり、万人受けするような形になりました。その代わり日帰り料金がアップされています。この露天風呂がどこにあるのか、来年記事にする予定です(来年ブログで紹介予定)。


●貸切風呂の積極利用
コロナ禍という状況で、安心して入浴するには、貸切風呂をするのが良い方法かと思います。昨年に引き続き、今年のゆめぐりでは、積極的に貸切風呂を利用しました。


「伊豆市富戸 藤よし伊豆店」(ブログで紹介済。記事はこちらこちら
相模灘を望む大きな露天風呂を貸切利用し、しかもお風呂上りは美味しい伊豆の海の幸をいただきました。時間内なら自由に空いているお風呂を貸切れるのも良いですね。とっても気分爽快な施設でした。


伊豆高原 城ヶ島温泉「花吹雪 貸切風呂(ヒュレヒュレイセポ)」(ブログで紹介済。記事はこちら)。
日中は予約なしで日帰り利用できるのですが、施設内にあるお風呂の全てが貸切。空いていれば好きな浴室を使えます。しかも一人利用も可能。さすが人気のあるお宿だけあり、コンセプトがしっかりしており、お湯も良く、綺麗で快適な湯あみを楽しめました。おすすめ。


石和温泉「深雪温泉」貸切風呂(来年ブログで紹介予定)。
何度か宿泊している「深雪温泉」に今年も1泊お世話になったのですが、その際に貸切風呂も利用しました。そもそも大浴場だったと思しき浴室はかなり広く、しかも露天風呂もあって、贅沢な湯あみのひと時を過ごせました。やっぱり石和ではこの「深雪温泉」が良いですね。

●2週連続で草津通い
なにをとち狂ったか、今夏は2週連続で草津温泉へ出かけてしまいました。恋の病以外は何でも癒してくれる草津の湯に惹かれてしまうほど、その時の私は心身が病んでいたのかもしれませんが、良い湯にたっぷり浸かれ、しかも避暑することもでき、病んでいたらしい私の心身はしっかり健康になったのでした。今回お世話になったお宿はいずれも再訪でしたが、改めて良い湯であることを実感しました。


「草津館」(2021年の記録は来年ブログで紹介予定)
湯畑の目の前という好立地はもちろん、館内湧出の若乃湯と白旗源泉の2源泉が楽しめるお宿として温泉愛好家には夙に有名なお宿。お湯もお宿の方も、本当に素晴らしい。


「極楽館」(2021年の記録は来年ブログで紹介予定)
3室あるお風呂は全て貸切利用のため、コロナ禍でも安心して宿泊できました。特にお宿ご自慢の大日の湯源泉が実に良く、草津にしては穏やかな浴感なので、ついつい微睡んでしまいます。朝食も美味しいですよ。おすすめ。

●熱海市伊豆山の土石流災害に驚く
今年7月に発生した熱海市伊豆山の土石流災害には多くの方が驚き、特に当地に思い入れがある温泉ファンは大変嘆かれたかと思います。ニュース映像で何度も放映されたあの現場の急坂を、私は3か月前に自分の足で歩いて登り下りしていたので、まさかあの場所がこんなことになるとは、と絶句してしまいました。


自分で坂を登って入りに行った某施設の温泉露天風呂。大変眺めが良いのですが、確かに急な地形ですし、無理して開発しているなぁ、という感は否めません。今回の土石流の原因となった場所はここから東側の稜線を越えたところですが、そこで発生した土石流は一気に山を下ってこの施設へアクセスする道やその周辺民家を呑み込み、逢初橋を泥濘で覆いつくして、海に達したのでした。


上画像の施設を訪ねた翌日も私は熱海におり、相模灘を一望する某ホテルの大浴場で日帰り入浴を楽しんでいました(来年ブログで紹介予定)。
ここも熱海らしく海に落ち込む急峻な地形の上に立地しているため、その建物の最上階にある大浴場からの眺めは大変素晴らしいのですが、私が露天風呂に入っていたら、なんと目の前の相模灘をに綺麗な虹が掛かったのです。風呂に入りながら虹を眺める経験って滅多に得られず、非常に珍しいかと思います。今回被災された伊豆山の方々の生活にも美しい虹がかかることを祈念するとともに、犠牲になった方々にはご冥福をお祈り申し上げます。

●東北へあまり行けなかった・・・
私の湯めぐりではホームグラウンドと称しても差し支えない東北6県ですが、今年はあまり行けず、福島県と山形県にちょこちょこと足を運んだだけでした。あぁ悲しい・・・。


「蔵王国際ホテル」(来年ブログで紹介予定)。
なかなか足を運べなかった東北ですが、私が大好きな蔵王で、お盆休みに辛うじて1泊することができました。近江屋旅館グループらしいコンセプトが随所に感じられるホテルで、お湯もスタッフの対応も良く、同行者曰く大変素晴らしく再訪したいとのことでした。


蔵王温泉「かわらや」
蔵王に来たらここは外せません。何度入ってもこのスノコのお風呂は最高。


郡山市「ホテルバーデン」宿泊者用大浴場(来年ブログで紹介予定)。
晩秋の某日、会津磐梯山を登山したのですが、その前日に泊まったのが郡山市「ホテルバーデン」でした。郡山南インター付近は知る人ぞ知る温泉郷であり、特にこの「ホテルバーデン」や「バーデン温泉」は湯量豊富で良いですね。ちなみに翌日の下山後はこの近所の「月光温泉大浴場」にも入っています。なお私が郡山の温泉で一番好きなのは「月光温泉大浴場」なのですが、果たしていままで何回入っているのかしら・・・。


●あの震災を扱う2つの常設展示
あの震災から10年は経ち、記憶が徐々に風化してゆく中で、私は春の某日にいわき湯本温泉で泊まりながら、福島県浜通りで新設された震災や原子力災害に関する二つの常設展示施設を訪ねました。


いわき湯本温泉の旅館「古滝屋」の一室を改造して3月12日にオープンした「原子力災害考証館」。
宿泊客が減って使わなくなった部屋を転用したんだそうです。


お部屋の中央には、子供の靴や服、道具、そして劣化した写真などを、復元した瓦礫とともに展示しているのですが、これは福島第一原発傍の民家で被災した家族が、数年後に自分たちで捜索して見つけ出した娘さんの遺品とのこと。どうやら遺骨もその時に発見されたらしく、ご家族の気持ちを思うと言葉を失います。
また一角には東電へ賠償金請求する書類が積まれているのですが、その分厚さ、複雑さ、難しさ、難解さを目にして、思わずため息が出てしまいました。
この他、室内にはたくさんの関連書籍が置かれており、手に取って目にすることができます。余計な説明を敢えてしない代わりに、自分で見て手に取ってもらうことで訪問者に考えてもらおうという意図だと思われます。改めて自分の不勉強を痛感し猛省したのでした。

私は以前、熊本県水俣市の民間施設「相思館」を訪ねたことがあり、この部屋の展示を見学した時には「相思館」と非常に似た感覚を覚えたのですが、それもそのはず、この展示を設けたお宿のオーナーさんは「相思館」に影響を受けて今回オープンさせたのだそうで、お部屋も、展示物の一つ一つも、たしかに小さいかもしれませんが、被害者や生活者の側に立脚しており、見る人の心に訴えかける力がとても強く、被災者の声や心が如実に伝わってくるのです。そして女の子の遺品が、女の子の寂しさ、悲しさ、そして親の無念さ、怒り、やるせなさ、国や東電に対する怒り、理不尽さ、無理解を端的に示しているようでした。更には多くの被災者の心情(亡くなった方の気持ちを含め)を代弁する象徴的な存在でもあるのでしょう。


続いて、常磐線で湯本から北上し、双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」へ。
さすがに公的な施設だけあって、大きく見やすく、分かりやすく、館内で説明してくださるスタッフの方も親切にかつ心を込めてお話ししてくださいました。開館当初は東電や国に対する批判はご法度だとか箝口令が敷かれているとか展示は撮影禁止だとか、いろいろな締め付けがあったらしく、方々から批判されていましたが、私が訪ねた時にはそのような締め付けは緩くなっており、撮影も可能でしたし、批判が許されないような雰囲気でも無かったような気がします。しかし・・・


原発立地を象徴するこの看板を、何の説明も無いまま建物の裏手にひっそりと置いているところに、当施設の姿勢が端的に表れています。確かに縛りは弱くなったのかもしれませんが、でもやっぱり全方位外交的であり、感情的なものは排除され、どのような立場で来館者に訴えたいのかわからず、玉虫色な決着を目指そうとしているような雰囲気を感じずにはいられません。公的機関なので致し方無いのかもしれませんが、「原子力災害考証館」を見学した私には、何だかモヤモヤした感情が残ったのでした。

以前私は水俣病のことを深く知るため、水俣を訪ねたことがあります。上述した民間施設「相思館」は水俣病の患者の立場で細かく展示しており、一方で水俣市立の「水俣病資料」は綺麗で分かりやすいが心情的なものが伝わってこない、という両者の違いを実感したのですが、今回福島浜通りでオープンした二つの展示施設に関しても全く同じ感想を抱きました。とはいえ、どちらかについて良し悪しを評価するつもりはなく、寧ろ両方を訪問し、そこで見て感じて、自分なりの考えを持つことが大切なのでしょう。


「東日本大震災・原子力災害伝承館」見学後は、周辺を散歩。他の被災地では既に撤去されているようなものも、ここではまだ残っているんですね。まるで時計の針が止まっているかのよう。

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以上、今年一年を振り返りました。

新年は果たして再び自由な旅をすることができるようになるのか。あるいは進展が無いままなのか。
どうなることやら見当がつきませんが、ともかく、本年も拙ブログをご覧くださり誠にありがとうございました。
新年も宜しくお願い申し上げます。

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