温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川浦温泉 山県館(後編 信玄岩風呂)

2021年05月07日 | 山梨県
前回記事の続編です。
(2021年5月現在、日帰り入浴は中止しています)


内湯「せせらぎ之湯」でかけ流される二つの源泉に満足した後は、信玄の名前が付けられた露天風呂へと向かうことにしました。一旦服を着て、館内案内に従って通路を進みます。


廊下を歩いて・・・


突き当たりにある専用のエレベータで下へ。


更に渓流へ向かって木造の廊下を下ってゆくと・・・




(公式サイトより画像をお借りしました)
渓流のほとりに設けられた「信玄岩風呂」へ到着しました。目の前を流れる笛吹川を眺めながら入浴できる素晴らしいロケーションです。なおこの露天風呂は写真NGのため、公式サイトより画像をお借りしております。

浴槽周りはゴツゴツとした岩が並べられていますが、浴槽内部は鮮やかな色の豆タイルが張られています。浴槽は3つあり、最も高い位置にある手前側の浴槽が最も熱く、山側の大きな槽が適温、奥がぬるくなっています。こうした湯温の状況からわかるように、湯口は最も熱い浴槽に設けられ、そこから順々に落ちてゆき、奥のぬるい浴槽が川下になっています。また真ん中の大きな適温槽にも湯口があり、ここのお湯は飲めると書かれています。川下のぬるい浴槽へ注がれたお湯は、全量が川へと落ちていました。

内湯と違って、この露天風呂ではどの源泉を使っているのか明記されていないのですが、味や匂いは少々弱いものの、ツルスベの滑らかな浴感はしっかり得られますし、内湯と同じ熱さでしたので、湧出量が多くて温度も高い2号泉ではないかと思われます。

渓流を眺めながらの湯あみはとても爽快・・・と言いたいところですが、季節によってはアブの猛攻撃を受けますし、この「信玄岩風呂」自体、浴槽廻りに腰かけて休憩するような場所が無いため、私個人としては内湯の方が気に入りました。

なお、この露天風呂は1か所だけなので、時間によって男性・女性・混浴といったように使い分けています。なお各時間割は以下の通りです。
 ・日の出~10:00 →  混浴
 ・10:00~16:00 →  男性用
 ・16:00~18:30  → 女性用
 ・18:30~22:00 →  混浴

今回は取り上げていませんが、こちらのお宿には貸切風呂もありますので、今度は宿泊してゆっくり過ごしたいものです。


山県館1号
アルカリ性単純温泉 38.9℃ pH9.3 154L/min(動力揚湯) 溶存物質238.5mg/kg 成分総計238.5mg/kg
Na+:42.3mg(68.91mval%), Ca++:14.9mg,
Cl-:17.3mg(18.01mval%), OH-:0.3mg,S2O3--:0.4mg, SO4--:71.2mg(54.41mval%), HCO3-:22.0mg, CO3--:9.2mg,
H2SiO3:57.6mg,
(平成28年2月22日)

山県館2号
アルカリ性単純温泉 43.6℃ pH9.6 960L/min(動力揚湯) 溶存物質279.1mg/kg 成分総計279.1mg/kg
Na+:56.6mg(71.93mval%), Ca++:18.3mg,
Cl-:17.3mg(14.13mval%), OH-:0.7mg, SO4--:111.9mg(67.15mval%), CO3--:16.8mg,
H2SiO3:54.3mg,
(平成28年2月22日)

山梨県山梨市三富川浦1140
0553-39-2111
ホームページ

日帰り入浴11:00~15:00(14:00受付終了)
1500円
(2021年5月現在、日帰り入浴は中止しています)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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川浦温泉 山県館(前編 せせらぎ之湯)

2021年05月01日 | 山梨県
(2021年5月現在、日帰り入浴は中止しています)


(2020年8月訪問)
山梨県は知る人ぞ知る名湯の宝庫。私は甲州での湯めぐりが大好きなので、年に数回は山梨県へ出かけます。さて今回は国道140号「雁坂みち」に沿って位置する老舗旅館「山県館」で日帰り入浴を楽しんでまいりました。ちなみに宿名の山県とは武田の家臣なんだそうで、こちらは武田信玄の隠し湯の一つとされています。以前も拙ブログで申し上げたことがありますが、信玄の隠し湯と称する温泉や鉱泉は山梨県を中心に各地に点在しており、その多さにちっとも隠していないのではと疑い深い私は下衆の勘繰りをしてしまいます。


敷地内には温泉スタンドが設置されており、ホースが2本あって、それぞれに別の源泉名が付けられています。つまり源泉が二つあるんですね。どんなお湯に出会えるか楽しみです。

さて、玄関入って下足し、まっすぐ歩いて正面に構えるフロントで日帰り入浴をお願いしますと、スタッフの方が快く受け入れてくださいました。湯銭と引き換えにレンタルのフェイスタオルを手渡してくださいます(なお、タオルが不必要でしたら受け取らなくても構いません)。


フロントは2階、お風呂は1階です。フロントで受付を済ませたら、階段かエレベーターで1階へ下りましょう。
館内の内湯には「薬師の湯」と「せせらぎ之湯」の2種類があり、男女入れ替え制となっています。階段を下りてすぐのところにある「薬師の湯」は、私の訪問時には女湯の暖簾が下がっていましたので、さらに進んで「せせらぎ之湯」を目指しました。


廊下の途中には水琴窟が設えられていたので、足を止めて耳を澄ませ、美しい音色を楽しみました。


廊下を延々歩いた最奥から一旦屋外へ出て、露天風呂「信玄岩風呂」への分岐を通り過ぎると、大浴場「せせらぎ之湯」にたどり着きました。なお信玄岩風呂については次回記事で取り上げます。


「せせらぎ之湯」は見晴らしの良い場所に位置しており、出入口の前にはちょっとした小庭があって、周囲の景色を展望することができます。


「せせらぎ之湯」の引き戸を開けて中に入ると、このような畳敷きの休憩部屋が広がっているのですが、一旦ここを通過して・・・


脱衣室へ向かいます。室内はとても綺麗で清掃もよく行き届いており、気持ちよく使うことができました。広い室内には貴重品用ロッカーのほか、籠もたくさん用意されており、ドライヤーも4台ほど備え付けられているので、多客時でもあまり混雑を感じることはないでしょう。私の訪問時は猛暑の只中で、街中では35℃近い地獄のような暑さだったのですが、奥秩父山塊の山麓に位置するこちらの温泉には冷涼なそよ風が吹いているため、設置されているエアコンを運転させなくとも、窓から入る風と扇風機だけで十分快適な環境でした。
暑い日には都会で冷房漬けにならず、標高の高い場所へ避暑すべきですね。


浴室も広くて明るく、高いところにあるので見晴らし良好です。主浴槽も大きな造りをしており、その寸法は目測で2m×6.5mほどでしょうか。大きなお風呂にザバンと浸かると、浮世の憂さも忽ち霧消することでしょう。




洗い場にはシャワー付きカランが一列に7基並んでいます。館内掲示にもあるように、シャワーのお湯には源泉が使われており、お湯からは弱い卵感(硫黄感)が得られました。頭からタマゴ感を有するお湯を被ると、とっても幸せな気分に浸れます。私なんて他にお客さんがいなかったことを幸いに、シャンプーを終えた後も、口を半開きにしながら、ひたすら頭からシャワーの温泉を被りつづけ、全身で感じる温泉由来の硫黄の味や匂いに恍惚としていました。もしその光景を他人が見たら、相当訝しく思うに違いありません。


「せせらぎ之湯」の内湯浴槽では、2つある源泉のうち昔から使われている1号泉を使用しており、浴槽の中央に据え付けられている南瓜をかたどった石の湯口から、ポコポコとふんだんに投入されていました。永禄4年(1561年)5月10日に武田信玄が開発を命じたとされるこの源泉は、分析表によれば湧出温度は38.9℃と表記されているのですが、私が実際に入った時には42℃近くあったように記憶しています。湧出温度が上がったのか、あるいは加温しているのか、いずれかでしょう。

ところで、冒頭でこの温泉は信玄の隠し湯と称されていることをご紹介しました。一般的に、信玄の隠し湯と呼ばれている温泉は、ぬるいか冷鉱泉のいずれである場合が多いのですが、上述の通りこちらは珍しく40℃前後で湧出しており、季節によっては加温することなく浴用に供用できるでしょう。


湯船を満たしたお湯は、浴槽の縁から惜しげもなくオーバーフローしています。加水循環消毒のない純然たるかけ流しの湯使いです。お湯の見た目は無色透明で、湯舟に浸かるとヌルヌルというほどではないにせよ、アルカリ性泉らしいツルツルスベスベの滑らかな浴感が楽しめます。歴史のある1号泉は、実に気持ち良い極上の名湯です。


浴室の角には飲泉場もあり、お湯を飲むこともできます。いかにもアルカリ性単純泉らしい微収斂とほのかな苦味が感じられたのですが、タマゴ感は得られませんでした。浴槽の1号泉ではなく、後述する2号泉ではないかと思われます。


内湯の網戸を開けると露天風呂です。約2.5メートル四方の浴槽には若干ぬるめで長湯しやすい湯加減のお湯が張られていました。内湯ほどではありませんが、湯船のお湯はしっかりとオーバーフローしています。


石樋の湯口から注がれるお湯は平成2年に発掘された新しい2号泉です。1号泉と同じくアルカリ性単純泉であり、無色透明という見た目の特徴も同じなのですが、味、匂い、浴感、そのいずれも1号泉より若干薄いような気がします。特に硫黄感(タマゴ風味)はほとんどありませんでした。とはいえ、基本的な知覚的特徴は1号泉とほぼ同様です。


この露天風呂自体は建物の内側へ入り込んでいるのですが、高い場所にあるため、眺められる景色はなかなか良好で、奥秩父山塊の山深さを実感できます。何しろ渓流から離れた高い位置ですから、夏の露天風呂の大敵であるアブが来ませんし、そよ風も吹くので、実に快適です。

次回記事ではお宿ご自慢の露天風呂である「信玄岩風呂」を取り上げます。

次回に続く
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塩原元湯温泉 元泉館(高尾の湯・日帰り)

2021年04月25日 | 栃木県

(2020年4月訪問)
前回記事の塩原温泉郷・古町温泉から奥の方へ進み、塩原元湯へとやってまいりました。言わずもがなこの塩原元湯は個性的な温泉が揃っていますが、元湯の中でも規模が大きな「元泉館」を訪ねて日帰り入浴を愉しんでまいりました。場所としては以前取り上げた「恵比寿屋」の隣です。


玄関にはこんな顔出し看板が設置されていましたが、さすがに中年のオッサンが一人でここから顔を出すのは躊躇われるので(本当はやってみたかったのですが)、見るだけに留めました。
フロントを訪ねて日帰り入浴をお願いしますと、快く対応してくださいました。


館内には複数のお風呂がありますが、日帰り入浴で利用できるのは浴舎が別棟になっている「高尾の湯」のみ。宿泊者用専用のお風呂「邯鄲の湯」や「宝の湯」では別源泉が使われているらしいのですが、残念ながら今回は入れません。フロントで料金を支払い、一旦建物から出て・・・


駐車場の奥、自販機の横にあるべニアの扉を開けます。この扉には手書きで「800円」と書いてありますが、もちろん日帰り入浴の料金を示しているのは言うまでもありません。


扉の向こうの通路を左側へ歩き、離れの浴舎へ。


この通路の脇には温泉関係の設備があり、周囲に湯気と硫黄臭を漂わせていました。期待に胸が膨らみます。


通路を歩いて「高尾の湯」に到着です。


ガラスのドアを開けた向こうに広がる、妙に大きくてガランとしたホールの寒々しさに少々戸惑いつつ、男湯の暖簾をくぐります。


訪問した時には室内に湯気が立ち込めていたため、見難い画像となってしまいました。申し訳ございません。皆様の豊かな想像力を良い方に膨らませながら記事と画像をご覧ください。

上述のホールと同様に、内湯浴室もまた妙に広いのですが、その中にあるのは1つの浴槽とシャワー5基のみ。スペースに余裕があるおかげで各シャワーの間隔はかなりあいており、仕切り板が無くても隣との干渉は気にならないでしょう。なおシャワーから出るお湯は真湯です。浴場内の床には緑色凝灰岩が敷き詰められており、足元の感触はとても快適なのですが、長年にわたって多くのお客さんを支え、また温泉が流れ続けてきたためか、表面が部分的にオレンジ色に染まっていました。




木造の浴槽は1つのみですがとても大きく、目測で4~5メートル四方かと思われます。またちょっと深めの造りとなっており、湯船に浸かった時の入り応えがあります。湯口からは少々熱めのお湯が滔々と注がれてており、クリームを流し込んだような鶯色に濁る湯船のお湯には、黒や白の小さな湯の花が浮遊しています。湯加減は42℃前後でしょうか。

お湯からはクレゾールのような刺激を伴うイオウ臭が漂い、タマゴ味とともに口の粘膜が痺れる苦味が感じられます。サラサラスベスベでよく温まります。色、香り、浴感、湯加減、そのいずれもが素晴らしく、一度入ると出たくなくなってしまうほど極上のお湯です。


露天風呂はひさごのような形をした岩風呂で、キャパは5~6人でしょうか。内湯と違ってやや浅めの造りです。湯船の半分以上に屋根が掛かっているので、多少の雨や雪なら凌げそうですね。


清らかな沢を眺める風情あるロケーション。せせらぎとともに、若葉、花、紅葉、雪見など四季折々で美しい景色が楽しめそうです。


露天の湯口から出てくるお湯は既に適温でしたので、おそらく内湯から流れ出たお湯がこちらへ導かれているのかと推測されます(間違っていたらごめんなさい)。湯口で既に適温ですから、外気によって更に冷やされる露天の湯加減は若干ぬるく(41℃前後)、長湯仕様ではありますが、お湯の良さでは内湯が勝るかと思います。とはいえこれはあくまで私個人の感覚。内湯、露天ともに素晴らしいので、どなたもお好きなお風呂で極上湯に癒されることでしょう。


高尾の湯
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 49.1℃ pH6.6 72.0L/min(自然湧出) 溶存物質3.3301g/kg 成分総計3.9272g/kg
Na+:799.5mg(81.79mval%), Mg++:22.5mg, Ca+::83.2mg(9.76mval%), Al+++:0.8mg, Fe++:0.2mg,
Cl-:806.4mg(52.40mval%), Br-:2.3mg, HS-:24.3mg, SO4--:106.0mg, HCO3-:1077.2mg(40.67mval%),
H2SiO3:244.4mg, HBO2:101.7mg, CO2:528.0mg, H2S:69.1mg,
(平成29年6月22日)

栃木県那須塩原市湯本塩原101
0287-32-3155
ホームページ

日帰り入浴8:00~20:00
800円(2時間)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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塩原・古町温泉 旅館 上会津屋

2021年04月20日 | 栃木県



(2020年4月訪問)
前回記事に引き続き栃木県の温泉をめぐります。
栃木県屈指の温泉街である塩原温泉郷へとやってまいりました。今回訪ねるのは、塩原温泉郷の中心部と表現しても差し支えない古町温泉です。当地では国道に沿っていくつもの温泉旅館が軒を連ねていますが、その中でも歴史あるお宿「上会津屋」を訪ね、日帰り入浴を


帳場で日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。江戸時代から続く老舗旅館なので入浴のみの利用は難しいのかと覚悟していたのですが、とても家庭的な温かい雰囲気にホッと安心。


帳場で湯銭を払った後は、向かいにあるこちらの暖簾をくぐり・・・


廊下を進んでお風呂へ向かいます。途中にはかつての宿帳など昔の資料がケースの中に収蔵されており、声を掛ければ見せてくださるそうです。この先もいくつか暖簾をくぐります。


一旦屋外に出た後、再び自動ドアを開けて建物に入ると上画像のような小さい休憩室の前に出ます。お風呂上がりにひと息つくには良さそうなお部屋ですね。さて、この休憩室の手前で2階と1階の二手に分かれており、それぞれに浴場があります。1階と2階は男女入れ替え制になっており、私が訪ねた日は1階のお風呂に男湯の暖簾がかかっていました。


脱衣室は比較的コンパクトな作りですが、さすが老舗旅館だけあって手入れが行き届いており、とても綺麗で使い勝手も良好です。


1Fの浴室は奥行きが深い横長の造りで、その真ん中に浴槽が一つ据えられており、奥に洗い場が配置されています。


洗い場にはシャワー付きカランがL字形に8基並び、それぞれに仕切り板が取り付けられているので、隣客との干渉を気にせず利用できます。


窓に面して設けられた浴槽の大きさは、目測で1.8m×6mほどでしょうか。浴槽に張られたお湯は、洗い場側の湯尻よりしっかり溢れ出ていました。おそらく加水された上での放流式の湯使いかと思われます。以前は循環していたようですが、今はかけ流しですので、湯使いが改善されたんですね。なお浴槽の縁はアイボリー色に染まっていますが、おそらく元の素材(黒いタイルか石材)に温泉成分がコーティングされることで、このような色合いになっているのではないかと思います。


浴槽中央の窓側で立ち上がっている湯口から、温泉が滔々と注がれています。湯口のまわりは温泉成分の析出がコテコテにこびりついており、ビジュアル的にお湯の濃さを湯浴み客へ伝えていました。このようなコンモリ且つトゲトゲな析出を目にすると、私のようなマニアはつい興奮してしまいます。

そんな析出がたくさん現れるこちらのお湯は、後述する自家源泉から湧出しており、ほぼ無色透明ですが少々笹濁っているように見えます。いわゆる塩化土類泉であり、お湯を口に含むと薄い塩味と塩化土類泉によくある土気味、そしてカーボンを思わせる炭みたいな焦げ味が感じられます。塩化土類泉はパウダリーで引っ掛かる浴感が一般的ですが、こちらのお湯は意外にもツルスベの滑らかな感覚がしっかり得られ、同時並行でその中に引っ掛かりも含まれているような浴感でした。食塩泉と土類泉の双方の良いところが上手く組み合わさって活きているような感じでしょうか。


内湯の左側にあるドアを開けると、このような露天風呂が設えられています。この露天の浴槽は3~4人サイズの5角形で、内湯の浴槽はタイル貼りでしたがこちらは木造です。頑張ってスペースを捻出したような猫の額みたいな空間にあり、塀の向こうはちょうど玄関の角に当たる場所かと思われ、簾が下げられているものの、露天入浴中は向かいの建物から見えてしまう状態です。もっとも、見られる機会はほとんど無いかと思いますが、お湯も若干鈍り気味だったように思われたので(偶々そのようなタイミングに当たってしまったのか)、お宿の方には申し訳ないのですが、私個人としては内湯ばかりに入っていました。


先ほど申し上げましたようにこちらのお宿のお湯は自家源泉なのですが、その源泉井は玄関の前にあるため、お宿に入る際には誰しもが否応なく目に触れることでしょう。上画像がその源泉であり・・・


しかもこの源泉では、自噴する温泉の姿を目にしながら、飲泉することができるんです。もちろん私も飲泉させていただきました。当然なのですが、湧出したてのお湯からは、お風呂の湯口でテイスティングするよりはるかに強くはっきりとした味が感じられました。このように湧きたてのお湯を飲泉できる施設はたいへん珍しいので、こちらを訪問の際は是非体験なさってください。

江戸時代から続くこちらの老舗旅館は、その連綿とした歴史のみならず、温かい接客、そして良質な自家源泉という複数の誇るべきものを兼ね備える魅力たっぷりのお宿。今回は入浴のみの利用でしたが、次回訪問時は宿泊でお世話になりたいと思います。


上会津屋源泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 65.1℃ pH6.8 59L/min(掘削自噴) 溶存物質1.82g/kg 成分総計1.99g/kg
Na+:309mg(60.05mval%), Mg++:27.0mg, Ca++:110mg(24.53mval%), Fe+++:0.4mg,
Cl-:440mg(54.24mval%), Br-:0.7mg, I-:0.3mg, HCO3-:588mg(42.13mval%),
H2SiO3:232mg, HBO2:33.3mg, CO2:164mg,
(平成20年4月4日)

栃木県那須塩原市塩原745
0287-32-2734
ホームページ

日帰り入浴時間不明
800円 
ロッカー、シャンプー類、ドライヤーあり

私の好み:★★★
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板室温泉 勝風館

2021年04月15日 | 栃木県


(2020年4月訪問)
前回に引き続き板室温泉のお風呂を訪ねます。当地は一本道に沿って温泉旅館が静かに建ち並んでいますが、そんな温泉街のちょうど真ん中あたりに位置する、淡いオレンジ色の外壁が印象的な「勝風館」で日帰り入浴させていただきました。玄関の引き戸を開けて日帰り入浴をお願いしますと、スタッフの方がとても温かく対応してくださいました。


お風呂は階段を上がった2階にあります。紅色の暖簾側は「融合風呂」、紺の暖簾側は「超音波風呂」と分かれているようです。「超音波風呂」については後ほど触れますが、女湯側の「融合風呂」とは果たしてどのようなお風呂なのでしょうか。
脱衣室はシンプルな造りですがちゃんとお手入れされており、快適に使うことができました。なお室内には扇風機が用意されていますが、ロッカーはありませんので、貴重品は帳場へ預けましょう。


ワインレッドのタイルが印象的なお風呂は内湯のみ。男湯の場合、入って左側にシャワーが3基並んでいます。


浴槽は大小に分かれており、手前は2~3人サイズの小浴槽、奥が4人サイズの大浴槽です。湯口は両方に跨がっていますが、主に大浴槽へお湯を供給しています。そして大浴槽を満たしたお湯は小浴槽へ流れ、更に小浴槽から洗い場へ溢れ出ていました。大浴槽ではジェットバスが稼働しているのですが、おそらくこれを超音波と称しているのでしょう。


神社のお札が祀られた湯口からは、無色透明無味無臭という、優しくまろやかなタイプのお湯が注がれています。分析表によれば比較的高いアルカリ性を示していますが、ツルスベ浴感はあまり強くなく、程々といったところでしょうか。源泉の湧出温度が40℃に満たないため加温されていますが、比較的ぬるめに設定されており、また体へ当たりがとても優しいお湯なので、時間を忘れていつまでも湯あみしていられます。なお湯使いについては特に館内表示が無かったかと思いますが、おそらくは加温した上での放流式でしょう(間違っていたらごめんなさい)。

長湯したおかげで体の芯までしっかり温まり、しばらくは汗が引きませんでした。やはり温泉の力はすごいですね。お宿の方の対応もハートフルで、そして温泉もしっかり温かい…。こちらのお宿の名前には「あったか~い宿」という副名もあるのですが、その言葉に嘘偽りは無いようです。とはいえ今回は日帰り入浴のみの利用でしたから、次回は宿泊してじっくりと宿の温かさを感じてみたいものです。


塩沢温泉組合源泉(板室4)
アルカリ性単純温泉 34.9℃ pH9.6 溶存物質738mg/kg 成分総計738mg/kg
Na+:158.0mg, Ca++:65.9mg,
SO4--:432.5mg, CO3--:8.9mg, OH-:0.7mg,
H2SiO3:36.5mg,
(平成7年2月10日)

栃木県那須塩原市板室1136
0287-69-0224
ホームページ

日帰り入浴12:00~20:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品帳場預かり

私の好み:★★+0.5
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