温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

烏来温泉 国際岩湯 (台湾北部・烏来)

2010年11月30日 | 台湾

烏来の温泉街の中心部、土産屋や飲食店が犇くエリアにある入浴施設のひとつ。
料金は高めですが、日本の温泉をイメージしてつくられているので、日本式にすっぽんぽんで入浴できる上、広く清潔で使い勝手がよいので、水着と水泳帽を着用する台湾の温泉に慣れない方でも、気軽に入浴できる施設だと思います。


受付のおばちゃんは日本語が達者。料金を支払うと階下へ向かうよう指示されます。階段を下りきったすぐ目の前のカウンターで、今度はロッカーの鍵とタオルを受け取り。このフロアには貸切風呂がありました。私のような露天風呂希望者は更に1フロア下ります。

受付から2フロア下りたところが露天風呂の階層。右手が男風呂。
ロッカールーム(更衣室)はとっても綺麗。頻繁に係員のおじちゃんや兄ちゃんが出入りして、いろいろと手入れしていました。洗面台もアメニティー類が充実。さすがに値段が高いだけのことはある。入口付近にはサウナと水風呂あり。


露天風呂はほとんど屋根に覆われているので、半露天と表現した方がいいかも。シャワーつき混合栓のカランが5ヶ所ほど。浴槽は手前に方形のものが二つ、そしてその奥に円形の岩風呂(石風呂)が2つの、計4つ。奥へ行くほど湯温が熱くなります。手前から2番目の槽は38~9℃、底からものすごい勢いでジャグジーが出ています。


3番目の円形で石に囲まれた浴槽はお湯の投入量が多いためふんだんにオーバーフローしています。湯口では59.1℃。源泉そのままなのでしょう。4つある浴槽の中では一番気に入りました。ここには台湾では良く見られる強い勢いの打たせ湯(押しボタンで作動)も設置。この槽の湯加減は私にはちょうどよく、しばらくのんびり浸かっていたのですが、打たせ湯があることを忘れ、これを使いたいお客さんに「こいつ邪魔だ、早く出ないのか」と言わんばかりに周囲をウロウロされちゃいました。すっかり皆さんのお邪魔をしちゃったみたいです。


一番奥はウッドデッキ。川が一望できる気持ちよいテラスです。花に囲まれて良い雰囲気。川風が吹くので、お湯で火照った体をクールダウンさせると、とっても爽快。でも対岸からこちらが丸見え。全裸だとちょっと恥ずかしいですね。また、見上げると、そこには烏来名物というべき川を跨ぐ幾条ものホース&ケーブルが黒々と頭上を覆い尽くしていて、これがけっこう鬱陶しい。

お湯は無色透明無味無臭。ツルツルスベスベのとても気持ちよい浴感です。ウォータークーラーで冷やした温泉水が飲泉できたので、ためしに口にしてみると、癖が無くてスッキリ飲めました。結構うまい。ちなみに烏来の原住民族であるタイヤル族は、川の水が飲用に適さなかったため、この温泉を飲料水として利用していたそうですよ。

台湾の温泉入浴施設ですからレストランも完備。私は入浴するだけで帰ってしまいましたが、できれば食事でも摂りながらゆったり過ごすといいのかもしれません。

ちなみに、国際岩湯の並びには、同じく日本式に全裸で入浴できる小川源という入浴施設もあります。こちらにも入ったことがありますが、7年前のことなので、どんな様子か忘れてしまいました(内湯のみながら色んな浴槽があってサービスが良かったように憶えています)
小川源ホームページ(小川源・日本語あり)
この他にも烏来には入浴施設がたくさんありますよ。


炭酸泉(日本ではおそらく重曹泉型の単純泉に該当すると思われます) 69.7℃ pH7.7  溶存物質864mg/kg

MRT新店駅から新店客運・烏来行バス(1601番)で約40分(40元)終点下車、徒歩5分程
15~20分間隔  悠遊網の1601番バス紹介ページ


台北県烏来郷烏来村22号  地図
02-26616351 
ホームページ

8:00~翌1:00(露天は16歳以上)
380元 
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり、タオル無料貸出

私の好み:★★★
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四重渓温泉 散策と夕食 (台湾南部)

2010年11月27日 | 台湾
・四重渓公共温泉浴室

 
四重渓温泉には無料で入浴できる「四重渓公共温泉浴室」があります。場所は清泉温泉会館の手前すぐの路地を左へ入ったところ。男女別で裸で入れるらしいので、期待して訪れたのですが、運悪く、この時は改修工事中で、中に入ってみたものの、みごとにスッカラカンでした。残念だったなぁ。


湯屋の横には源泉温度や水位(源泉井の深さのことか?)を計測する表示器も設置されていましたが、休業にともないこちらも停止中。

 ※なお工事による休業は今年(2010年)夏までのようですので、おそらく現在は再開しているものと思われます。

「四重渓公共温泉浴室」の場所(地図)



・昔日の光景


四重渓温泉のメインストリートから南台湾温泉飯店や玉泉寺へ上がる路地が分かれる交差点に、小さな公園があります。温泉マークを模したモニュメントと共に「四重渓温泉」と記された化粧壁が立っているのですが、そこをよく観察する、と壁に埋め込まれたタイルには写真がプリントされており、それらは日本統治時代の当地の様子を撮影したものでした。

 
かつての役場(庁舎)や温泉街の様子、餌付している養鴨業者、牡丹社事件において死亡した琉球人の墓碑、そして茅葺き屋根の頃の共同浴場、清泉旅社(旅館)などの戦前の姿(画像をクリックすると拡大)

台湾の方々は、日本統治時代の歴史を負の側面ばかり強調せず、善し悪しの区別なく、あるがままに捉えて伝えようとする傾向にあり、アジアの歴史に関して後ろめたい思いのすることが多い私たちにとっては、とっても心が救われます(地域は違いますが、八田與一の灌漑事業に対する評価はその典型かもしれませんね)



・美味かった夕食


清泉温泉会館の宿泊は1泊朝食付でしたが、夕食が含まれていなかったので、この日の夕餉をどうするかが問題でした。何しろ寂れた温泉街、レストランは何軒かありますが、どこもうす暗く、営業しているんだかいないんだか判然としない状況。セブンイレブンがあるので、そこで弁当を買って済ませようかとも考えましたが、その並び(新亀山別館の斜前あたり)に明るい食堂が営業しており、客入りも良かったので、一か八か入ってみることにしました。一人旅の最中、見知らぬ土地で飲食店に入るのって、かなり勇気が必要なんですよね。
「大山羊肉爐」というお店。メニューが印刷された伝票がテーブルに置いてあり、自分で注文したいものにチェックして店員さんに手渡すというオーダー方法だったので、コミュニケーション面の心配はクリア(漢字なので何となく理解できます)。


今回注文したのはマトンとニガウリの炒め物(羊肉爐という店名なのでマトンは外せない)、エビチャーハン、そして台湾ビール。台湾の田舎の食堂では過去に何度かえらく不味いものを食わされた経験があるので、ちょっと心配でしたが、食べてみたら、とっても熱々、不安を払拭するどころか十分に満足できる美味しさでビックリ。この店を選んでよかった!
各卓上にはカセットコンロが置かれていたので、鍋や焼き肉的なものがここの名物なのかもしれませんが、普通の中華料理も「很好吃!」

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四重渓への行き方 & 恒春 (台湾南部)

2010年11月27日 | 台湾
(1)四重渓への行き方
四重渓を含む台湾最南部は鉄道路線が無いので、バスで行くことになります。高雄から頻繁に出ている屏東客運・高雄客運・国光客運・中南客運の4社共同運行バス「墾丁列車」、特に88号快速(自動車専用道)を経由するバスが早くて便利です。列車と称されていますが、鉄道とは無縁。このバスで、四重渓の玄関口となる恒春という街まで乗車。所要時間は約2時間半~3時間です。
なお、地図を見ると、恒春よりその手前の車城の方が四重渓に近いのですが、車城は寂しい田舎町でタクシーを捕まえにくいので、恒春まで行っちゃった方が得策です。


高雄駅を出て左手。旧高雄駅の更に左側、道路を挟んだ向かい側に「墾丁列車」が出発する高雄客運のターミナルがあります。結構ボロい建物です。「墾丁列車」のみならず、各方面へのバスも発着するので、ターミナルでチケットを購入する際はメモに「墾丁列車 88快速道路 往恒春 ○個人(○には人数を)」と書いて窓口に出せば、すぐに発券してくれるでしょう(予め発車時間がわかっていれば、それを書いておくと完璧)。

 
これは中南客運のバス。前面に大きく「88」と表示されているのが、88快速路経由で走る速達便。
ハイデッカーなので見晴らし良好。

 
高雄の市街地を抜けると、車窓にはバナナ畑が広がります。いかにも南国。やがて進行方向右手に海岸線が。とってもトロピカル。日本には無い熱帯らしい紺碧の海。


恒春に到着。この街の紹介は後述します。
ネット上の旅行記を読むと、この街から四重渓方面への路線バスがあるらしいのですが、バス会社のサイトにはそれらしき路線が載っておらず、現地にも該当するようなバス停が見当たりませんでした。もし運行されているとしても本数が少ないでしょうから、ここから先はタクシーが良いかと思います。
街の中心(セブンイレブンがある福徳路と中正路の交差点付近。上の画像の辺り)をウロウロしていると、運ちゃんが声を掛けてくれますよ。一般的に向こうから声をかけてくる運ちゃんは怪しい奴しかいませんが、この街なら大丈夫でしょう。タクシーはメーターではなく事前交渉制。私の場合、黄色い車体の認可タクシーで400元、白タクで300元でした。四重渓まで約15~20分。その間は、ひたすらタマネギ畑が広がっています(その風景は撮り忘れてしまいました)。この地域の特産品なんだそうです。

 
ちなみに恒春から高雄へ帰る際のバス停が上画像です。警察署と南門の間に位置しています。屏東客運のターミナルなんだそうですが、バス停って書いてなきゃ、道路工事の仮設プレハブ小屋にしか見えませんね。小屋の前では野良犬が呑気にウロウロしてました。

 
仮設小屋に見えても、内部ではちゃんと係員がいて、チケットを販売していました。料金は320元。もちろん時刻表も掲示されています。高雄行は本数がたくさんあるので、時間を気にしなくて済みます。

屏東客運ホームページ
高雄のバス乗り場(Googleマップ)
恒春のバス乗り場(Googleマップ)




(2)恒春を散策
せっかくなので、恒春の街も簡単に散策してみました。清朝統治時代に城壁が築かれたそうで、現在でも城壁と城門の一部が残っています。

 
これは西門。メインストリートである中正路の西側を並行している中山路を歩いていたら、遭遇しました。


南門。屏東客運・恒春バス停の近くです。今ではロータリーの役割を果たしています(修繕工事中でした)。

 
恒春の観光名所として有名なのが、街中心から東へ3kmほどのところにある出火奇観。地中から漏れ出た天然ガスが自然発火しています。タクシーの運ちゃんに頼んで立ち寄ってみました。現地はちょっとした公園になっていました。訪問した時間帯のためか、私と運ちゃん以外、人影は見当たらず。

 
鎖で囲まれた円陣内で、確かにメラメラと炎が燃えていました。ここから天然ガスが湧出しているのかぁ。不思議な光景ですね。
もうちょっと火柱がすごいのかと思ってたんですが、まぁこの程度の方が安全かも。

 
説明プレートに映っている出火の様子はもっと迫力があるんですが、この時は天然ガスの漏れ具合が弱かったんでしょうか。火のそばで野良犬がダラダラしていました。こちらに一瞥するだけでちっとも動こうとしません。



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四重渓温泉 清泉温泉会館 (台湾南部)

2010年11月27日 | 台湾

四重渓温泉ではどこに泊るか全く決めていなかったので、ぱっと見たところ綺麗そうな「清泉温泉会館」に飛び込みで訪ねてみることにしました。ここは戦前「山口旅館」という名前で営業していた老舗だそうです。

 
玄関の前には「湯の出」と名付けられた手湯らしきモニュメントがあります。どうやら源泉らしく、現地語とともに日本語表記の説明もあるので、抜粋してみるとこんな感じ・・・「静寂が包む森の中の四重渓、泉質は無色、無色透明な炭酸水素塩泉で、可飲可浴です。泉温は50~80℃の間で、血液循環を増進する他に、筋肉を柔かめる効果もあります。特に皮膚病、胃酸過多症、関節痛、神経痛にも利きます」。 柔かめる?? ちょっとおかしなところもありますが、その他は文法的に問題無いですね。


屋根上の看板には大きくひらがなで「せいせん」と書かれているし、玄関前には日本語の解説文もあるし、ロビー天井のスピーカーから日本の演歌も流れているし、ホームページにも日本語が用意されているので、てっきり日本語が通じるのかと思いきや、フロントのお姉ちゃんは全く日本語がダメ。単語もまったく理解できない様子。仕方ないので、かたことの中国語と筆談で交渉し、定価よりも安めで部屋をキープすることができました。中庭には石灯籠があったりして、和風をイメージしているんでしょうね。


さて今回割り当てられたお部屋ですが、ラグジュアリー感を期待させる綺麗な外観とは裏腹に、田舎の民宿のような素朴なつくりでした。でもきちんと掃除されているし、テレビも冷蔵庫もクーラーもあるので満足。もちろんバストイレも設けられていて、バスは温泉です。

 
館内の別の部屋には「花巻」や「金沢」など、日本の地名が付けられています。金沢はともかく花巻をチョイスするなんて渋いセンスだねぇ。貸切風呂の暖簾にも「花巻温泉」と染め抜かれています。貸切風呂にはシルキーな細かい泡風呂が売りの奈米湯屋と和風コンセプトを前面に出した日式風呂の二種類があるようですが、いずれも宿泊料金とは別料金で、しかも結構いいお値段なので、今回は利用しませんでした。


チェックイン時に渡されたチケット。上が露天風呂入浴券で下が朝食券。さっそく上のチケットを使って露天風呂へ行ってみましょう。

 
露天風呂入口で係員のお姉さんにチケットを渡すと、そこでスリッパに履き替えるよう指示されます。露天風呂は水着・水泳帽着用なので着替える必要あり。入り口付近にロッカー兼シャワールームが何室か並んでいますが、内部はビショビショなので着替えしにくいのが難点。でも、正面向こう側に戦前からの旧旅社時代の建物が残っていて、その一階部分も更衣室・パウダールーム・ロッカースペースになっており、こちらはとっても使い勝手がよいので、利用するなら旧旅社棟の方をお勧めします。

 
浴槽は全部で5つ。入り口に近い旧旅社の下にちょうど良い湯加減(41度くらい)の丸い槽、その隣に広くて強烈な勢いの打たせ湯があるぬるい槽、ベンチが置かれた休憩スペースを挟んで、一番右側にあたる屋根の下にちょっと熱めの浴槽2つ(右側が42度で左側が44度)と、その間に水風呂1つ。
新亀山別館は中高年の客ばかりでしたが、こちらは客層が若め。平日なのにお客さんが多く、中には欧米人の姿も。みなさんゆっくりと寛いでおり、ベンチに座りながら持参したお弁当を食べて談笑していました。

 
お湯は無色透明無味無臭で、ツルスベ感はっきり。お湯も大量にオーバーフローしており、特に熱めの槽へあがる段は、溢れ出て流れ落ちるお湯によって、成分がコテコテに析出しています。薄そうな重曹泉ですが、意外にもカルシウム分が多いのかもしれません。

 
部屋に戻って、客室のお風呂も入ってみることに。浴槽自体は白いタイル張りで、ちょっと古めの生簀を連想させます。蛇口を捻ってお湯を貯めてみます。蛇口を全開にしても注がれるお湯の量が少ないので、入浴に適した嵩になるには30分以上かかりました。
蛇口から出てくるお湯は43.8℃。水で薄める必要ありませんね。無色澄明なので露天風呂と同様の無味無臭かと思いきや、明瞭なタマゴの味と匂いが感じられるではありませんか。しかもよくあるたまご臭ではなく、ゆで卵の黄身に限りなく近い特徴的な匂い。入ってみたら、露天風呂をはるかに上回るヌルヌルスベスベな浴感で、とっても気持ちよい。何度も肌をさすっちゃいました。湯上り後もスベスベ感が持続。窓を開けても隣の壁しか見えず、室内は他に流し台と便器があるだけで、殺風景極まりないのですが、お湯の質は最高です。なるほど、こりゃ4大温泉に含めて当然です。

 
露天風呂と旧旅社棟の間には、戦前に高松宮夫妻がハネムーンで利用した大理石の浴室が残されていて、ガラス越しに見学できます。この皇族ゆかりの浴室は当宿が誇る名跡のようでして、傍らに日本語の解説が掲示されていたので、ここに書き写してみます。
「清泉は地味な名前で、当時の日本皇族親王にも来訪きれた所、昔の風景を掲載している所でございます。たとえ時が流れても、今の清泉も昔の華麗風景を語っています。歴史の遺跡を探求して四重渓の美しさを体験したい人、ようこそ清泉へお越しください」(原文ママ)
??? なんとなく意味はわかるけど、誤植はともかく、変テコな文ですね。いかにも外国人の手による作文という感じで、憎めません。
なにはともあれ、異国で日本の歴史に触れると、とっても嬉しいですね。


炭酸泉(重曹泉) pH7.8 58.5℃ 溶存物質1130mg/kg 


屏東県車城郷温泉村文化路5号  地図
08-8824120

ホームページ  ←音声が出ます。日本語ページ(不思議な言葉遣いがテンコ盛り)

露天風呂200元 貸切風呂は600元~(委細はホームページ参照)
コインロッカー20元、ドライヤーあり

私の好み:★★
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四重渓温泉 玉泉寺 (台湾南部)

2010年11月27日 | 台湾

四重渓温泉の町並みが途切れそうになる温泉街の西の端、車城へ伸びるメインストリート(温泉路)が真南へ曲がる辺りに、北へ向かって伸びる上り坂の路地があります。そこを登り、公園の脇を通って、南台湾温泉大飯店を通り過ぎると、その丁度裏手に、仏宝山・玉泉寺という一軒の小さなお寺が佇んでいます。途中に看板が立っているので、あまり迷わずに済みそうです。
ここは単なる寺院ではなく、温泉を有しているのです。


ご覧の通り、境内と道路を隔てる低い擁壁にはペンキで天然温泉と書かれており、「ここで入浴できますよ」と言わんばかりのアピールをしています。台湾の温泉めぐりには欠かせないバイブル的存在である鈴木浩大さん著「湯けむり台湾紀行―名湯・秘湯ガイド (Taiwan通 3)」に「お寺でも個室風呂が利用できる」という一文が記載されていたので、それだけを見てどんなところか大して下調べもせず、行けば何とかなるだろうと考えて、訪れてみました。境内に入ると、網戸が閉められた庫裏の内側でおばさんと尼さんが雑談中。入浴したい旨を伝えると、おばさんが出てきて、個室風呂へと案内してくれました。


これがその個室風呂。倉庫でもトイレでもありませんよ。プレハブ小屋ですがれっきとしたお風呂です。8室あるうち、真ん中の部屋へ入るよう指示されました。境内には庭園や蓮の咲く池もありますが、日本の寺院のように整然とはしておらず、お庭と駐車場と個室浴場が雑然と配置されていました。

 
個室内部は一人用のポリバスと流し台があるのみ。結構狭い。バスタブを洗ってからお湯を溜めます。53℃と熱めなので、水も一緒に入れて薄めました。この水がちょっと臭い。水はプレハブ裏手に置かれたタンクに貯めてあるのでしょうが、貯水してから時間が経ってちょっと腐りかけていたのかもしれません。

お湯は無色透明無味無臭。弱めのツルスベ感あり。クセのないあっさりとした泉質です。新亀山別館で感じられた硫黄感(たまご味&匂い)は感じられませんが、お湯の熱さから推測するに、源泉掛け流しでしょう(加温じゃないと思います)。


ちなみに、壁には「入浴中は用を足さないでね」という注意書きが貼ってありました。てことは、室内で排泄しちゃう輩がいるってことか。

狭い個室で景色も楽しめず、ただ透明で癖の無いお湯に入るだけですから、わざわざ足を運ぶほどの温泉施設ではないかと思いますが、お寺の境内にある温泉はなかなか珍しいので、話のネタとして、四重渓へ訪れた際には立ち寄ってみるもの面白いかと思います。なお、湯あがりにはちゃんと尼さんと合掌させていただきました。




高雄から墾丁列車(屏東客運・高雄客運・国光客運・中南客運の4社共同運行バス)に乗って2時間半~3時間の恒春で下車。そこでタクシーを拾って15分ほど。

屏東県車城郷温泉村温泉路玉泉巷 地図

時間・定休など不明
100元
備品類なし

私の好み:★★
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