温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

白布温泉 米沢市森林体験交流センター 白布森の館

2012年07月31日 | 山形県
 
白布温泉から天元台へ向かう上り坂の途中に位置する「米沢市森林体験交流センター・白布森の館」へ立ち寄りました。緑豊かな周辺の環境に調和する落ち着いた雰囲気の建物です。


 
玄関でスリッパに履き替えて館内へ。受付では係員のおじさんが愛想良く対応してくれました。米沢市の条例によれば、この施設は「林業者の資質の向上及び林業後継者の育成を図るとともに、広く市民の森林及び林業に対する意識を高揚させる」ことを目的としているんだそうでして、館内のホールには木材の見本や森林の機能に関する説明、動物の剥製など、林業や山の自然に関する説明が沢山展示されています。また、峠を越えたら福島県会津である場所柄、会津地方の観光パンフレットも多く用意されていました。でも今回ここを訪れたのは展示物の見学が目的ではなく、同施設内にある温泉に入浴することであります。一段高くなっているところでスリッパを脱ぎ、展示コーナーの奥にある浴室へと向かいます。


 
お風呂は男女別の内湯が一室ずつで、露天風呂はありません。
脱衣室は清潔な状態が保たれており、棚も広くて使い勝手良好でした。


 
大きな窓の下には三角形の湯船が据えられています。浴槽やその周りに黒光りする石材を用いているため、湯船の中で舞う白布らしい真っ白な湯の華がクッキリと見え、浴槽内を歩くと沈澱している湯の華が掻き分けられて、はっきりと足跡が残りました。湯口からはふんだんに源泉が注がれ、浴槽の端っこからしっかりとオーバーフローしています。公的施設ですが嬉しいことに循環濾過消毒は実施されておらず、気温の低い期間と混雑時のみ加温・加水が行われているそうですが、私の訪問日は気温もそこそこあってお客さんも少なかったため、完全掛け流しの状態でした。白布の1~3号源泉が混合して使用されており、無色透明でトロトロしたお湯からは、硫黄の味と匂い、そして石膏の味と匂いがそれぞれ感じられました。なお湯口には石膏が析出しているようでした。浴感としては弱キシキシ系、ちょうど良い湯加減となっていました。



洗い場にはシャワー付き混合栓が4基設置されています。石鹸こそ備え付けられていますが、他は無いため、事前に必要なお風呂道具は持参しましょう。

公営の温泉施設はお湯の質を考えるとあまり期待できないケースが多いのですが、こちらはそんな固定概念を見事に覆してくれました。白布温泉は旅館の日帰り入浴可能時間が限られているので、廉価で且つ気軽に白布のお湯を楽しみたいのならば、とても便利な施設だと思います。


白布1・2・3号
カルシウム-硫酸塩温泉 56.8℃ pH7.8 蒸発残留物1262mg/kg 溶存物質1244mg/kg
Na+:52.3mg, Ca++:287.1mg,
SO4-:692.1mg, HCO3-:89.1mg, HS-:0.8mg,
H2SiO3:106.0mg, 遊離H2S:0.1mg,
(気温の低い期間と混雑時のみ加温・加水、循環濾過消毒なし)

山形県米沢市大字関町3934−18  地図
0238-55-2118

9:00~18:00(11月~4月は15:30まで) 水曜定休
395円
ロッカー(100円リターン式)・石鹸・ドライヤーあり

私の好み:★★
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小野川温泉 露天風呂 小町の湯

2012年07月29日 | 山形県
 
小野川温泉の脇を南北に流れる大樽川の河原はホタルの棲息地。夏になればホタルたちが乱舞するんだとか。付近には蛍供養塔なんてものも建てられていました。



さてこのホタル生息地の傍の河畔にある露天風呂「小町の湯」で入浴してきました。かなり以前からその存在は知っていましたが、なぜか今まで入る機会が無かったんです…。



こちらのお風呂観光的色彩が強い施設ですが、常時無人となっています。以前は無料だったように記憶していますが、いつの間にやら有料になったんですね。料金箱に所定のお金を投入しましょう。無人で無料だったら、有象無象、不埒な輩が現れちゃうことは必至ですし、運営費だってバカにならないでしょうから、有料化は然るべき措置だろうと思います。なお宿泊客は無料券がもらえるので、今回はその券を料金箱へ入れました。



暖簾を潜ると、もうすぐ目の前に露天風呂が据えられており、塀際には脱衣所エリアがあります。とっても開放的で簡素なつくりであり、棚と籠があるだけです。


 
岩組みの浴槽。頭上を覆うものが一切ないので、この日のように快晴だったら爽快この上ありません。もっとも周囲は塀で囲まれているので、残念ながらすぐそばを流れるせせらぎを眺めることができませんが、逆サイドには山の緑が迫っており、ちょうどこの日は自生の藤の花がそこかしこで咲き乱れていました。また遠方を望めば山々の稜線がはっきりと見えました。

なお、自然豊かな場所での開放的なお風呂であるため、季節によっては虫や落ち葉が気になることもあるでしょうけど、そのあたりは自然環境に依るものですから、仕方ないことと諦めましょう。



湯船へ注がれているお湯は4号源泉の単独使用です。何しろ無人施設ですから、湯加減を常時管理することができず、時と場合によっては湯船が激熱になっていることもあるんだそいうですが、幸いにもこの時はちょうど良い湯加減となっていました。
なお浴槽からのお湯の溢れ出しは見られないかわりに、槽内のオーバーフロー管から排湯されていました。
ほぼ無色透明なお湯の中では湯の華が無数に舞っています。また槽内の岩には湯の華が付着しており、このためお湯が若干青白く霞んでいるようにも見えます。硫黄の香りが漂い、塩味の効いたおいしいタマゴスープの味が感じられます。



浴槽の脇には掛け湯用の甕が置かれており、こちらにも源泉がチョロチョロと落とされていました。


 
湯上りには温泉街へ戻って、お豆腐屋さんで豆乳ソフトクリームをいただきました。
豆の風味がはっきりしており、甘さが控えめでとってもうまい!!


協組4号
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 80.3℃ pH7.0 蒸発残留物6470mg/kg 溶存物質5515mg/kg
Na+:1518mg, Ca++:437.7mg,
Cl-:3124mg, HS-:1.6mg, S2O3--:0.8mg,
H2SiO3:77.4㎎, 遊離H2S:1.8mg,
(平成17年2月4日分析)

JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で小野川温泉下車、徒歩5分
山形県米沢市小野川町
0238-32-2740(小野川温泉旅館組合)
小野川源泉協同組合ホームページ

6:00~21:00 火曜定休
200円
私の好み:★★★
コメント (2)
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小野川温泉 うめや旅館

2012年07月27日 | 山形県
 
5月下旬の某日、所用で仙台へ出掛けた翌日が完全オフとなったので、以前から泊まってみたかった小野川温泉の「うめや旅館」で1泊することにしました。数ある小野川の旅館の中で、なぜこの宿をチョイスしたのかと言えば、比較的リーズナブルであることが理由の一つ、そしてもう一つ重要な理由があるのです・・・


●お部屋
 
宿泊当日の午前中に直接お宿へ電話して平日限定プラン(1泊2食で\8,600)でお願いしたところ、3階の表通りに面した広い和室を用意してくださいました。とても綺麗で居心地の良いお部屋です。
宿泊当日は使用しませんでしたが、客室の暖房(ヒーター)は温泉熱を利用したものでして、この温熱システムは先に述べた私がこの宿を選んだ理由と大きく関係しております。



窓からは小野川のランドマークである尼湯など温泉街が見下ろせます。



廊下には自由に読める本棚もあり、民宿のような家庭的な雰囲気。


●食事

花より団子、腹が減っては戦もできぬ。温泉を取り上げる前にまずはお食事から。なお食事は夕食・朝食ともに別室にていただきました。



宿泊料金は8,600円とビジネスホテル並みですが「こんなにいただいて良いの?」と申し訳なく思えるほど、地元の食材を中心とした彩り豊かな品揃えに吃驚しちゃいました。


 
画像左(上)は米沢牛のすき焼き。お口の中でフワっと溶けちゃう極上の逸品には感激せずにいられません。画像右(下)はご当地の名物である鯉の甘露煮。しっかり煮詰めてあるので鯉の臭みは全くなく、骨までしっかり食べられちゃいます。


 
画像左(上)はこごみ入りのトロロそば。訪問日は初夏だったためこごみが旬を迎えていたわけですね。画像右(下)は筍と玉こんにゃくの煮物。筍は咀嚼する力を要さないほど柔らかくて、その食感に思わず目尻が下がってしまいました。


 
こちらは朝食。中央にこごみのおひたしが据えられ、両脇を焼鮭や温泉卵が固める、いかにも日本の温泉旅館の朝らしい布陣です。撮影し忘れちゃいましたが、一緒に供された緑色のふわふわ(おぼろ)豆腐は豆の風味が強くてべらぼうに美味く、あっという間にペロっと平らげちゃいました。


●お風呂

お風呂は1階の帳場の奥方にあり、男女別内湯が一室ずつで、男女の入れ替えは無く、露天風呂もありませんが、それでもこの宿を選びたくなる理由が・・・



こちらのお宿の湯使いにあります。小野川温泉では、主力の4号泉が激熱であるため、ぬるい5号泉を混ぜて適温にしたり、あるいは4号の単独使用であっても、湯加減調整のために加水したり、あるいは投入量を絞ったりしているのですが、こちらのお宿ではそのような方法を採らず、4号源泉を単独使用の上、熱交換器に通すことによって浴槽へ提供しているのであります。これによって湯量を絞らず加水もせず、新鮮な状態の4号源泉をふんだんに掛け流すことができるのです。熱交換により得られた熱は給湯や暖房に転用されており、上述のお部屋の紹介にて、暖房の温熱利用もこの宿の選択理由に関係があると申し上げたのは、こういう事情なのでありました。



脱衣所は至ってシンプルですが一通りのものは揃っており、手入れも行き届いておりとても清潔です。


 
窓に面している浴室は、夜間はもちろんのこと日中でもやや薄暗いのですが、これは浴室内で落ち着いて湯あみしてもらうために敢えてそのような明かりの設定にしているんだそうです。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基用意されており、小野川の他の宿と同様、金属部分は硫化して黒く変色しています。



浴槽は四角い4人サイズでタイル貼りのものが一つしかなく、外見は至って普通なのですが、一湯入魂と言うべきで、上述のようにお湯のクオリティが全然違う!


 
浴槽に隅っこに設けられた湯口から源泉が注がれており、そのお湯は洗い場の床へ溢れさせないよう、浴槽縁の手前で口を開けているオーバーフロー管によって排湯されています。
このお湯は上述のように4号源泉単独使用でして、小野川の他の宿でも4号を単独利用しているところがありますが、同じ4号単独でもこちらのお湯は全然違います。他の宿のお湯に比べてごく薄く白く靄がかかっており、トロトロとした感触を有し、湯面から硫黄の匂いがはっきりと感じられます(換気がきちんと行われているために、硫黄臭の室内充満は軽度です)。飲泉すると出汁が効いた美味しいタマゴスープ味が明瞭に口腔内に拡がり、見た目、匂い、味、そしてトロミなど、ありとあらゆる知覚面の全てが他の宿のお湯より抜きんでいるように感じられ、湯船に浸かるとまるで自分が濃厚タマゴスープの具になったかのようでした。なお小野川の他のお湯に比べて湯の華がかなり少ないのですが、これはお湯が新鮮である証でしょう。

とても人当たりが優しい若旦那曰く、先代の主人が何とかお湯を良い状態のままで提供できないものかと思案した末に、このような熱交換システムを導入したんだとか。硫黄・塩分による腐食や成分によるスケール付着など、維持管理面でご苦労されているかと思いますが、そのおかげで小野川温泉のお湯本来の姿を存分に堪能することができました。
なお若旦那は鉄道や旅行がお好きのようでして、同じく「鉄」分の濃い私はその素性がわかると俄然饒舌になり、寝台列車やローカル線の話題に華が咲いて夜遅くまで話し込んでしまい、若旦那のお仕事の邪魔をしてしまいました。事情も察せずにひたすらしゃべり続けてごめんなさい。この場を借りてお詫びします。でもお蔭様でとても楽しいひと時が過ごせました。


●たんぼアート
 
若旦那のおすすめで、翌朝、温泉地からちょっと離れたところにある田圃アートを見学しに行きました。
田圃を見下ろす展望台には寄付金箱がありますので、寸志を入れてあげてください。防犯カメラもありますから、お金をくすねちゃダメよ。


 
まだこの時(5月下旬)は苗を植えたばかりだったので、絵がうっすらとしか現れていませんが、それでも「なせば成る」の言葉とともに米沢藩の名君である上杉鷹山の肖像、そして山形が誇るお米の品種「つや姫」のロゴを確認することができました。河北新報の記事によれば、このたんぼアートはちょうど今が見ごろを迎えているそうですよ。


協組4号
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 80.3℃ pH7.0 蒸発残留物6470mg/kg 溶存物質5515mg/kg
Na+:1518mg, Ca++:437.7mg,
Cl-:3124mg, HS-:1.6mg, S2O3--:0.8mg,
H2SiO3:77.4㎎, 遊離H2S:1.8mg,
(平成17年2月4日分析)

JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で小野川温泉下車、徒歩1分
山形県米沢市小野川町2494  地図
0238-32-2911
ホームページ

入浴可能時間13:00~翌9:00
現金での立ち寄り入浴は要問い合わせ
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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小野川温泉 高砂屋旅館

2012年07月25日 | 山形県

前回記事に引き続き小野川温泉の旅館を「夢ぐり手形」で立ち寄り入浴します。今回は共同浴場「尼湯」の左側に位置する老舗旅館「高砂屋旅館」です。間口こそそれほど広くありませんが、建物の横幅いっぱいに広がる唐破風がをはじめとする重厚感のある外観は一見の価値があり、その威風堂々たる佇まいを目にして、小市民の私は思わず緊張してしまいました。


 
玄関内部の三和土には釜がふたつ並んだ竈、そして飲泉や足湯など温泉を手軽に楽しめる設備のほか…



杵や朱塗りの立派な箪笥など伝統工芸の数々も展示されていました。



玄関から上がったところには掘りごたつのあるお座敷も設けられています。帳場はこの座敷の右側奥にあるのですが、上り框が結構高くて、どこから上がってよいものか一瞬戸惑ってしまいました。
このように玄関周りの限られたスペースにはいろんなものが配置されているのですが、まったく雑然とした印象が感じられず、むしろ全てがうまく整然と組み合わされて、あたかも昔話の挿絵を見ているかのような、伝統美を体現するひとつの小世界を作り上げているかのようでした。


 
帳場まわりもラグジュアリ感を醸し出すモダン和風なデザインで統一されており、段違いで小さな枡状の棚が開いているこの飾り置きなんてとってもおしゃれ。しかもその傍にはタッチパネル式の観光ガイドも設置されており、伝統美を意識しながらも先端技術を取り入れようとする宿側の積極姿勢が窺えます。


 
帳場から階段を上がって2階へ向かいます。いかにも温泉旅館らしく、館内はかぎ状にクネクネ曲がった廊下が伸びており、案内が無いと迷ってしまいそうになります。
上画像の案内板が立っている右側には貸切風呂(小町の湯)がありますが、今回は利用しておりません。


 
脱衣所はごく普通ですが、手入れが良く行き届いており清潔で気持ち良く使えました。




(上画像クリックで拡大)
室内では湯使いに関する細かな表示や、各浴槽に関する諸々の情報が開示されており、お宿のお湯に対する矜持が伝わってきます。加温加水循環消毒一切ないとのこと。


 
岩の組み方や木材の配置などがワイルドな感じの浴室からは男性的な印象を受けます。
自然石貼りの浴槽は木板で二分されており、手前側はちょうど良い湯加減で3~4人サイズ。一方奥側はそれより若干狭く、湯口のお湯が直接流れ込むために湯加減がやや熱いのですが、かき混ぜて湯もみすれば手前側と大して変わらない温度になりました。なお両者を仕切る板は底まで達していないため、お湯は板の下方を通って奥側から手前側へと流れ、縁からしっかりオーバーフローしてゆきます。



お湯が落とされる岩には硫黄の白い湯の花が付着し、お湯の流れに身を任せてユラユラと揺れていました。また湯口直下の奥側の湯船には白い湯の花がたくさん舞っていました。こちらのお宿のお湯は協組4号源泉の単独使用で、外観としては他の施設でよく使われている4号と5号の混合泉よりも若干白く濁っているように見え、小野川らしい硫黄臭や美味しいタマゴスープ味が際立って感じられます。小野川のお湯は混合泉よりも4号単独の方が個性がはっきり伝わってきますね。



洗い場にはシャワー付き混合水栓が浴室の左右に分かれて計5基設置されています。水栓金具は硫化して真っ黒です。



内湯のガラス窓の向こうに側に広がる日本庭園の中には露天風呂が据えられています。源泉が岩の上を舐めががら浴槽へと流れてきます。利用時は外気に冷やされてややぬるめの湯加減でした。小さな庭園ですが奥行があるため意外と広く感じられます。この日はちょうど頭上にお月様が浮かんでいたので、月見風呂が楽しめました。


協組4号
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 80.3℃ pH6.9 高砂屋への供給量48.6L/min 蒸発残留物5659mg/kg 溶存物質5768mg/kg
Na+:1412mg, Ca++:547.2mg,
Cl-:3199mg, HS-:1.7mg,
H2SiO3:241.7㎎, 遊離H2S:2.5mg,

JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で小野川温泉下車、徒歩2~3分
山形県米沢市小野川町2427  地図
0238-32-2224
ホームページ

手形での入浴時間7:00~21:00
現金での立ち寄り入浴は要問い合わせ
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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小野川温泉 亀屋万年閣

2012年07月23日 | 山形県
 
小野川温泉宿泊者のみが購入できる「夢ぐり手形」を利用して小野川温泉の旅館で立ち寄り入浴をしてきました。まず一軒目は共同浴場尼湯の右手に位置する「亀屋万年閣」です。とても縁起の良い名前ですね。創業120年の老舗旅館らしく唐破風の玄関が目立つ外観からは歴史の趣きある風情が感じられます。
小野川温泉の旅館で「夢ぐり手形」(湯めぐり)に協賛している施設では玄関に必ず立ち寄り入浴の可不可を表示している札が立てられており、この時も全てのお風呂が○であることを確認してから訪いました。


 
とても上品でシックな館内。築年数は古いものの内部は改装されているのか、クラシックなデザインながら新しくてモダンな雰囲気が横溢していました。ラウンジに置かれたチェアーのクッションの上ではニャンコは夢の中。私が近づいてもビクともしませんでした。老舗旅館は猫まで泰然としているんですね。



ラウンジを抜けて廊下を進んでゆきます。


 
廊下を抜けて浴室へとたどり着きました。この時は右側の浴室に男湯の暖簾が掛かっていましたが、男女の区分を指し示す札が裏返すと逆を示すようになっていたので、どうやら男女入れ替え制のようです。おそらく宿泊すれば両方を利用できるのでしょう。



さすが老舗らしく更衣室はとっても綺麗で快適です。。さっきまでの古風なデザインとは打って変わって、こちらは至って現代風な造りですが、中規模旅館らしく必要なものはコンパクトにまとめられており、使い勝手は良好です。


 
浴室もモダンなデザインとなっており、浴槽や男女仕切りの壁など、曲線を多用した優しい印象を受ける造りになっています。置物の亀が鎮座する湯口には竹の短い樋が二つ繋げられており、それぞれに若干レモン色が混ざった白色の硫黄の湯の華が付着して、天女の羽衣の如くゆらゆらと揺れていました。
こちらで使われているお湯は、小野川の旅館では標準的な4号泉と5号泉の混合泉で、見た目はほぼ無色透明、硫黄の香りがはっきりと嗅ぎ取れ、飲泉すると出汁が効いたタマゴスープを飲んでいるような美味しさが味わえます。湯使いは加水加温循環消毒一切無しの完全掛け流しです。


 
洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基。いかにも硫黄泉の浴室らしく、水栓金具は硫化して真っ黒です。


 
露天は浴室と隣の敷地との隙間に無理やりこさえたような猫の額程度のもので、内湯からドアをあけたらすぐに湯船となっており、湯上りに腰を掛けたりできるような余裕のあるスペースはほとんどありません。また周囲は塀や近隣家屋に囲まれているため景色も楽しめません。湯気の籠りを一切気にせず外気に触れながら入浴したいという方向けのお風呂と言えるでしょうね。こちらの湯口にも竹の小さな樋が接続されており、その上には亀が置かれています。また亀のコップも用意されていました。個人的には内湯の方が断然好きです。

お風呂は綺麗ですしお湯も良質。そして落ち着いたシックな雰囲気が漂う館内も非常に魅力的。知り合いの女性に紹介したくなるお宿でした。


協組4号・5号(混合)
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 42.2℃ pH7.4 溶存物質4291.8mg/kg 成分総計4314.4mg/kg
(館内掲示の分析表には「成分総計22.6mg/kg」と表記されていましたが、これは溶存ガス成分計の数値をそのまま転記しちゃったみたいです)
Na+996.1mg(66.93mval%), Ca++:764.0mg(29.45mval%),
Cl-:2214.0mg(97.33mval%), HS-:0.9mg(0.05mval%), S2O3--:6.2mg(0.09mval%),  
遊離H2S:0.4mg,

JR米沢駅から山交バスの小野川温泉行で小野川温泉下車、徒歩2~3分
山形県米沢市小野川町2481  地図
0238-32-2011
ホームページ

夢ぐり手形での入浴時間8:00~21:00
現金での入浴は要問合せ
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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