温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

キーオ温泉 温泉の川  Keough Hot Ditch

2017年10月30日 | アメリカ
 
カリフォルニア州中部の小さな街ビショップ(Bishop)は、四方を山に囲まれた高原の街でもありますが、その南方に位置するキーオ温泉(Keough Hot Springs)では温泉が川をなして流れており、ワイルドな野湯が楽しめるらしいので、車で行ってみることにしました。
ビショップの中心部からハイウェイ395号線を8マイルほど南下すると、路傍でキーオ温泉の存在を示す看板が立っている箇所があるので、その下の角を曲がって西へ進みます。


 
 
その道を山に向かって進んでゆくと、やがて有料の温泉プールである"Keough's Hot Springs"に辿り着きます。ここで入浴しても良かったのですが(料金:12ドル)、ここの営業時間は夜7時まで(金曜と土曜は夜8時まで)。私が訪れたのは夕方6時半でしたので、ここでの入浴は断念しました。


 
来た道をちょっと引き返すと、途中で多くの高圧電線が頭上を横切っている箇所があり、電線と並行になる形で未舗装路が分岐していますので、その未舗装路に入ってちょっとだけ北へ。
その道はやがて小川を跨ぎますから、ひとまずこの辺りで車を停めてみました。


 
小川は未舗装路をチューブで潜っていますが、この川を流れているのは、正真正銘の温泉なのです。川の上流には上述の有料温泉施設がありますから、そこの源泉から流れてきているものと思われます。


 
周囲には車がたくさん止まっていました。おそらく知る人ぞ知るアウトドアスポットなのでしょう。とはいえ、この一帯はロサンゼルス市が管理している水道用地であり、日中の立ち入りは自由ですが、キャンプを張ったり車中泊をするなどして夜を越すことは禁止されており、その旨を注意する看板があちこちに立てられていました。


 
話を小川に戻します。
小川には人為的な堰き止めによって流れが緩やかになっているところがたくさんあり、そのいくつかでは、水着に着替えた老若男女が湯浴みを楽しんでいました。


 
私が川を遡っていると、小川の流れが緩んでちょっとしたプールになっており、しかも誰もいないという、湯浴みに最適なスポットを発見しました。


 
水温34.6℃というぬるめの湯加減ですが、れっきとしたお湯であることには違いありません。しかもpH9.33という高アルカリ性を示す、本格的なアルカリ性泉なのです。お湯の見た目は無色透明無味無臭で非常にクリア。野湯とは思えないほど綺麗です。


 
草陰に隠れて水着に着替えてから、いざ入浴。雪を被ったシエラネバダ山脈を眺めながらの野湯は実にワイルドで豪快。非常に開放的です。しかもお湯はツルツルスベスベの滑らかな美人湯タイプ。これぞ大自然の恵みですね。この時は気温が10℃ほどしかなかったため、一度湯の川に入ると寒くて出られなくなってしまうのですが、それでもあまりに美しく素晴らしい環境だったため、日が暮れるまでひたすらこの湯の川に入り続けてしまいました。
車があれば容易にアクセスできますし、しかも入浴できる箇所を選べますので、野湯のようなワイルドな湯浴みがお好きな方にはおすすめです。



GPS:37.25781, -118.37176,

日中は自由に立ち入り可能(夜間は不可)
野湯につき無料

私の好み:★★★




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テコパ温泉の野天風呂 Tecopa Hot Tub

2017年10月28日 | アメリカ

前々回および前回記事に引き続きテコパ温泉(Tecopa Hot Springs)のお風呂を取り上げます。
テコパの温泉施設が集まる集落を一旦抜け、集落の北側から東側を離れるように伸びる未舗装路"Furnace Creek Rd"を南東に向かって、砂煙を上げながら車を走らせると・・・



未舗装路を走ること約1マイルで、道路の右手(西側)にヤシの木が茂る小さな丘に出くわします。ここが今回の目的地。この画像の真ん中に温泉の露天風呂があるのです。どこにあるか、わかりますか?


 
丘に上がってみました。もうおわかりですね。ヤシの木の下でポツンと佇む小さな露天風呂"Tecopa Hot Tub"に到着です。当然ながら人工のお風呂であり、オーナーさんや管理なさっている方がいらっしゃるものと思われますが、ありがたいことに無料開放されており、誰でも自由に入ることができます。ただし温泉の存在を示す看板などは無いので、あらかじめ場所を特定できていないと辿り着けません。


 
露天風呂のまわりは、少々の灌木が生えているほかは、ひたすら荒涼とした沙漠が広がるばかり。津々浦々に温泉が湧く日本でも、砂漠の真ん中にお湯を湛えるこんな露天風呂はおそらく例が無いでしょう。浴槽は2m×1.8mの四角形。浴槽内にはステップが設けられていますが、底には砂が溜まっており、また藻のようなものにも覆われているため、かなり滑りやすい状態でした。


 
温泉のお湯は無色透明で無臭ですが、アルカリ性泉によくある微収斂が感じられます。源泉などは確認しませんでしたが、おそらく前回記事で取り上げたようなテコパの温泉施設からホースで引いているのではないかと推測されます。投入口においてお湯は42.1℃ありましたが・・・


 
外気の影響を受けるためか、湯船の温度は33.0℃まで下がっていました。私が訪れたのは午前中の比較的早い時間でしたが、砂漠ですから一日の温度差が大きいため、時間帯によってはもっと温かくなるかもしれません。もっとも、季節によっては寧ろ周囲の気温が灼熱地獄状態になってしまい、温泉入浴どころではなくなってしまうかもしれませんけどね。なおpH値は8.95でした。



いざ入浴です。前々回および前回記事のテコパ温泉各施設で入ったお風呂のお湯と同様、ツルツルスベスベが強い滑らかな浴感に包まれ、ぬるい湯加減であるものの、圧倒的な開放感とツルツル浴感のおかげで、気持ちの良い湯浴みを楽しむことができました。屋外で放ったらかしにされているお風呂なので、潔癖症の方にはオススメできませんが、ワイルドな温泉に慣れている方ならば、面白がってもらえるかと思います。



GPS:35.87207, -116.21913,

無料開放されているのでいつでも入浴可。
備品類無し

私の好み:★★+0.5
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テコパ温泉 Tecopa Hot Springs(公衆浴場)

2017年10月26日 | アメリカ

前回に引き続き、ネバダ州との境界に近いカリフォルニア州の砂漠の集落テコパで湧く温泉を取り上げます。テコパは砂漠のオアシスに出来上がった小さな集落ですが、温泉資源があるためか、キャンピンググラウンドに併設する形でなんと公営の公衆浴場が設けられています。


 
テコパの公衆浴場はフェンスで囲まれており、その中に男女別の浴場棟が並んでいます。まずはゲート代わりになっている受付小屋に入り、売店を兼ねている小屋の中で料金を支払って、敷地の中へと入ります。決してひと気が多くない地域であるにもかかわらず、年中無休で24時間営業なんだそうですよ。


 
男女の浴場はそれぞれ別棟に分かれています。こちらが男性浴場の建物です。


 
浴場棟の中に入ると、左or上画像で写っている屋根がない緩衝空間の先に更衣室や浴室が繋がっています。この緩衝空間の右側が更衣室やシャワールーム、左側がぬるいお風呂、そしてこの画像では見えませんが、右側から入ってすぐ左に適温のお風呂が続いています。
この公衆浴場で特筆すべきは入浴方法です。皆さんは、海外のお風呂イコール水着入浴だと思い込んでいませんか。浴室の出入口にはいくつかの注意がイラストによって喚起されているのですが、そんな注意書きでも驚くべきは"No clothing in water" つまり水着着用禁止なのです。裸でお風呂に入るのですから、まるで日本みたいですね。海外なのに裸で入れるのですから面白いじゃありませんか。


 
左or上画像は更衣室。部屋の両側にベンチが置かれ、その上に衣服を引っ掛けるフックがたくさん並んでいます。ロッカーは見当たらなかったので、貴重品は自分で管理することになるかと思います(私は自分で管理しました)。更衣室の奥にはシャワールームがありますから、湯船へ入る前にはここで汗をしっかり流し、体を綺麗にしましょう。


 
湯船がある部屋は2つに分かれています。更衣室と繋がっているこの浴室は、特に名前は無いようですが、ここでは便宜的に適温浴室と呼ばせていただきます。コバルトブルーに塗装された浴槽は4m四方はあるかと思われる大きなもので、温泉風情こそ無いものの、浴槽には無色透明で綺麗に澄んだお湯が張られており、(私の体感で)41℃前後という日本人でも満足できる湯加減になっていました。


 
この適温浴室において、温泉は丘側(道路の反対側)に開けられた湯口からふんだんに投入されていました。無色透明で無臭ですが、アルカリ性泉によくある微収斂が感じられ、湯中ではツルツルスベスベの大変滑らかな浴感が肌に伝わります。いわゆる美人の湯であり、私は湯中で何度も自分の肌を撫でで滑らかさを楽しんでしまいました。なおこうした特徴のお湯であるため、お客さんが滑らないよう室内には手すりの棒がたくさん取り付けられています。


 
適温浴室の隣にある浴室は"Cool Pool"と名付けられていました。中の様子は適温浴室と大差ないようですね。その名前から私は水風呂を想像したのですが・・・


 

coolとはいえ湯温は(私の体感で)38℃近くはありました。相対的に隣のお風呂よりも低いという意味なのでしょう。こちらの湯船も適温浴室と同じような造りをしており、カラーリングも同様なのですが、新鮮源泉を投入する専用の湯口は無く、お湯は隣のお風呂から横長の穴を通じて流れこんでいました。その一方、この"Cool Pool"は湯尻としての位置付けにもなっており、大きな浴槽のお湯は丸い穴から排出されていました。加水の有無はわかりませんが、おそらく放流式の湯使いかと思われます。またカルキ臭らしきものも感じられなかったので、消毒などの処理もなされていないものと推測されます。

私が訪れた時、他に利用していたお客さんはご老人ばかり。みなさん目を閉じながら瞑想するように静かに湯船へ浸かっていました、その様子は日本の銭湯とまったく変わりありません。裸で40℃近い湯船に浸かると、人種の違いや洋の東西を問わず、どんな人も自然と同じスタイルになるのですね。ツルスベの滑らかな浴感がとても気持ちよいですし、裸で入れる公衆浴場という存在はアメリカでは珍しいかと思いますので、もしテコパを通過する機会がありましたら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。



GPS:35.87192, -116.23221,
Co Park, Tecopa, CA

24時間営業。年中無休
9ドル
私の訪問時(半年前)は7ドルでしたが、最近値上げしたようです。
備品類無し

私の好み:★★+0.5

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テコパ温泉 Tecopa Hot Springs Resort

2017年10月24日 | アメリカ
 
ロサンゼルスの東部からインターステートハイウェイ15号でラスベガス方面へ走ると、途中にベイカーという小さな街を通り過ぎるのですが、この街で進路を北に変え、デスバレーに向かって伸びるその名も「デスバレー・ロード」(127号線)で、見渡す限り何にもない荒野をひたすら北上します。


 
ベイカーから50マイル強走り続けると、やがてオアシスのまわりに形成された小さな集落であるテコパに辿り着きます。観光地デスバレーへ向かう途中に通過する集落のひとつに過ぎず、これといった観光資源があるようには思えないので、デスバレーを取り扱う観光ガイド(書籍やウェブサイト)を見てもこの集落が登場することはありませんが、なんとここには温泉が湧いており、いくつかの温泉施設で入浴することができるのです。そこで今回は、集落に複数ある温泉関係施設の中でも、モーテルとして営業している"Tecopa Hot Springs resort"で一晩を過ごすことにしました。


 
だだっ広い敷地内にはいくつかの建物が点在しています。その中で道路に面しているこの小屋がフロントなのですが、フロントが開いているのはお昼から夕方5時まで。私がここへ辿り着いたのは夜6時過ぎだったため、小屋の扉は閉まっていました。


 
時間外はバスを改造した"Campground Host"を訪ねて、かつてヒッピーだったような風貌をしているおじさんに対応してもらうことになります。私は予約せず飛び込みで訪問したのですが、難なく部屋を確保することができました。
なお、宿の名前に「リゾート」という語句が入っているものの、正直なところそれらしき要素は見当たりません。しかし、私が利用したモーテル棟のほか、コテージや車中泊用スペースなど客のニーズに合わせた泊まり方ができるので、その多様性と後述する温泉浴場の存在を以てリゾートと称しているのかもしれません。実際に"Campground Host"のバスの近くには複数のトレーラーハウスが数台止まっており、この荒野の真ん中で長期滞在している人がいらっしゃるようでした。


 
さて私は上述のようにモーテル棟の客室で一晩を過ごしました。左or上画像がその外観で、右or下画像が客室内(10号室)の様子です。ちなみにお値段は素泊まりで一晩95ドルと各種税金。


 
客室にはクイーンサイズのベッドが1台据えられているほか、冷蔵庫・エアコンなどが備え付けられ、洗面台・トイレ・シャワールームも完備されています。なおシャワーから出てくるお湯は温泉です。


 
客室を出て、敷地内をちょっと散策してみることに。
敷地内にはビストロと称する食堂があり、ここで夕食や朝食を別料金でとることもできますが、私は事前に購入しておいたサンドウィッチなどで食事を済ませたので、そのビストロで提供される内容に関してはわかりません。ビストロの隣には青空ステージが設けられていて、ドラムセットが置きっぱなしになっていたのですが、楽器を屋外で吹き晒しにして大丈夫なのかな?


 
上述のトレーラーハウスが止まっている付近の丘の上にポツンと寂しく立っているのは浴場棟。後述しますが、モーテル棟にもお風呂がありますから、この独立した浴場棟は車中泊のお客さん向けなのでしょう。私が訪ねたときには鍵が閉まっており、中も真っ暗でしたので、残念ながら中の様子は窺えませんでした。


 
さて、モーテル棟に戻りましょう。棟の中央を貫く廊下に沿ってバスルームが3室並んでおり、いずれも貸切で利用することができます。3室とも同じレイアウトであり、時間の制限もありませんから、任意の時間に任意のお風呂を利用して良いかと思います。


 
空いている浴室に入ってドアの内側から鍵をかけます。お風呂は実用本位の至って質素なもので、窓が無いため少々の圧迫感を覚えるのですが、それでも室内空間はそこそこ広いので(6畳ほど)、実際に入ってみますと、さほどストレスなく利用することができました。


 
壁に掲示されている注意書きには、入浴前に必ず客室のシャワーを浴びるよう記されていました。というのも、このお風呂にはシャワーなど洗い場スペースがないためです。従いまして、浴室内では石鹸やシャンプーの類も使用禁止です。もちろん私も自分の部屋で汗と垢を洗い流してから、このお風呂に入りました。この注意書きの隣にはハングル表記の張り紙もあったのですが、私はハングルが全く読めないので、何を書いてあるかわかりません。ここは韓国人客が多いのかな? 


 
浴槽は小さなプールのような感じ。コバルトブルーに塗装された浴槽は、2m×2.5mほどの四角形。深さが2段階になっており、ステップ部分に腰を掛けるといい具合に湯浴みできます。丸い湯口から出てくる無色透明の温泉の吐出温度は43.0℃。湯の花などは見られない綺麗に澄んだお湯です。湯口の傍に排水口があり、浴槽のお湯の全量がそこから排出されてゆきます。完全掛け流しの湯使いだと判断して間違いないでしょう。


 
湯船の温度は39.6℃ですから、ちょっとぬるめの湯加減ですが、のんびり長湯するにはもってこい。pH8.33ですから、アルカリ性泉と言っても差し支えないでしょう。実際にお湯からはアルカリ性泉によくある微収斂味が感じられます。なお匂いは特に嗅ぎ取れませんでした。無臭のお湯なのでしょうね。



屁理屈が長くなりましたが、いざ入浴です。
温泉風情はないものの、浴槽自体が比較的ゆとりのある造りであるため、四肢を伸ばしてゆっくり入れますし、ぬるめの湯加減ですから湯あたりを気にせず長湯ができます。しかもアルカリに傾いているお湯は滑らかで、湯中では全身がツルツルスベスベになりますから、湯加減と相まって大変気持ち良く、意外にも後を引いてお湯から上がるのを躊躇ってしまうほど気に入りました。なかなか良いお湯です。
さらには、このお風呂は"clothing is optional"、つまり水着の着用は任意となっており、日本のように裸で入浴できることも嬉しいところ。上述の張り紙でも裸での入浴を推奨しています。日本人なら一糸まとわない姿で湯浴みしたいものですが、ここではそんな希望を叶えてくれます。だからこそ気持ち良く感じたのしれません。
沙漠のオアシスに湧出するとっても優しい温泉でした。



GPS:35.86987, -116.23243,

860 Tecopa Hot Springs Road, Tecopa, CA
760-852-4420
ホームページ
GPS:35.86987, -116.23243,

私の好み:★★
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サンタバーバラ郡 ガヴィオタ温泉 Gaviota Hot Springs

2017年10月22日 | アメリカ
カリフォルニア州サンタバーバラ郡のガヴィオタ州立公園には、手軽にアクセスできる野湯があるという情報を得たので、実際に行ってみることにしました。



ハイウェイ101号の132番ランプ(ロンポク)を出ると、すぐにガヴィオタ州立公園の駐車場に到着できました。この州立公園は広大であるために、駐車場や公園入口が複数ありますが、今回私が行きたい野湯へ向かうには、この132番ランプの傍にある出入口を利用することになります。



駐車場の利用には2ドルが必要らしく、トレイルの入口には料金入れが設置されていましたが、無人であるため、残念ながら実際に投入している人は見かけませんでした。かく言う私はバカ正直にお金を納めてから入園しましたよ。


 
トレイル入口に地図が設置されているので、これで温泉の場所を確認。これによれば、駐車場から温泉までは0.7マイルとのこと。一か所だけ分岐があるので、そこを注意すれば迷うことなく辿り着けそうです。


 
温泉までのトレイルは登り一辺倒。ひたすら登ります。道は未舗装ですが広くて歩きやすいため、特別な装備は必要ありません。


 
途中には道しるべが立っていました。「方向に誤りはないんだ」と安心して歩いていると、目の前の足元を細長いものが横切ってゆくではありませんか。なんと大きなヘビでした。でもそんなことで挫けるわけにはいきません。私が近くで飛び跳ねてドンドン大きな足音を立てたら、ヘビは驚いて藪の中へ消えていきました。



駐車場から8~9分で細い杣道が右へ分岐していますので、広い道から逸れてこの細い道に入り、更に山を登ります。


 
杣道を登って、何が記されているかよくわからない小さな看板を過ぎると・・・



駐車場から歩くこと11~12分で、目的地であるガヴィオタ温泉に辿り着きました。たしかにアクセスが容易なので、天気が良ければビーチサンダルでも行けちゃうかもしれません。湯溜まりはふたつあり・・・


 
右手の奥にある湯溜まりは四角い湯船で、石垣に囲まれた人工的なものなのですが、沢を越えた泥濘の先だったので、今回はパスすることに。


 
私が実際に入ったのは、こちらの湯溜まりです。小さな池のような感じですが、一応石で縁取りされており、野良のお湯ながら、そこそこの利用者がいることが推測されます。アクセスしやすいので、お手軽なアウトドアを楽しむにはもってこいなのでしょう。湯溜まりの温泉は透明ですが底にチャコールグレーの泥が沈んでおり、お湯を動かすと泥が舞い上がって一時的に灰色に濁ります。


 
お湯の温度は35.0℃で、pH値は8.45。湯面からはゆで卵のような卵黄臭が放たれ、卵黄味とほろ苦みが感じられました。前回記事までで取り上げてきたサンルイスオビスポ郡の各温泉と似たような泉質かと思われます。私の訪問時、お湯は無色透明でしたが、硫黄が含まれているため、状況によっては白濁するかもしれません。



湯溜まりの底からお湯が湧出しており、時折底からブクブクと気泡が上がってくるのですが、この気泡の全てが湧出に伴うものではなく、底の藻類が光合成によって生み出した酸素の類も一緒に上がってくるようでした。


 
湯溜まりで入浴してみました。念のために水着に着替えたのですが、これが大正解。私が入った数分後に、若い女の子のグループが賑やかにやってきて、もうひとつの湯溜まりへ入っていきましたから、もし水着を着用していなかったらトラブルになっていたかもしれません。
長年浚渫されていないと思しきこの湯溜まりは浅いために、思いっきり寝そべらないと肩まで浸かれませんが、アルカリ性の温泉は大変滑らかで、私の肌はツルツルスベスベ。いわゆる美人の湯に属するでしょう。なかなか良い湯ではありませんか。なお湯中の腕には気泡が付着したのですが、上述のしたように湧出の泡と光合成の泡が混在しているため、付着した気泡がどちらなのかは、判別できませんでした。また湯中では泥も舞い上がるため、どうしても体に底の沈殿物が付いてしまいます。とはいえ、車があれば簡単に行けちゃうので、アメリカ西海岸で手軽に野湯を体験したい方には良い場所かと思います。



GPS:34.503, -120.220,

入園時間8:00~日没
野湯につき無料(ただし駐車場利用料2ドル)

私の好み:★★

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