前編・後編と2回に分けて取り上げた台湾・南投県の秘湯「紅香温泉」で我が人生2000湯目を達成した後、同行して下さったWさん親子とSさんはそのまま埔里へ戻っていかれましたが、まだ日没まで時間があったので、私は春陽温泉へ足を伸ばすことにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/a2/937bfef6b10a67a7e90f23238ef5a3cb.jpg)
霧社から台14線を東進し、そのまま真っすぐ進むと廬山温泉ですが、左(上)画像の地点で右折して、谷底へ向かって急な坂を下ってゆくと春陽温泉へ至ります。坂を下りきって赤いアーチの徳魯湾橋で濁水渓を渡った対岸の傾斜地に、春陽温泉の宿泊施設が点在しているのですが、それぞれが森の中で独立しているため、温泉街のようなものは形成されておらず、商店や飲食店もありません。週末にバーベキューやキャンプをしながら温泉にも入る、といったアウトドア感覚で過ごす温泉地と言えるでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/78/cdf61ed8c4999cb0c74845ddb693c083.jpg)
そのようなスタイルの温泉地であるためか、平日は営業している施設が少なく、開いていたとしても昨年訪問済みのところばかり。一応事前に行きたい施設を調べていたのですが、悉く閉まっていたので、春陽温泉では随一の規模を有し、平日でも確実に営業している「野百合温泉会館」へ伺うことにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/11/ad36048f123b0a7a347bb55d496cadf3.jpg)
敷地内は花々や木々で彩られたガーデンのようになっており、そのガーデンを宿泊棟等で囲うレイアウトになっています。バンガローやキャンプ場をメインとする春陽温泉の他施設と異なり、こちらはちゃんとしたホテルとして営業しているため、平日でもそこそこの集客があり、私が訪れた午後4時頃は、チェックインするお客さんを迎え入れるべく、あちこちで清掃作業の真っ最中でした。水圧洗浄機で塵を吹き飛ばしていたオーナーと思しき男性スタッフに入浴をお願いしますと、笑顔で対応してくれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/65/4300a06e71bbc49796ae1da52ad53e93.jpg)
受付棟の奥には2階建ての宿泊棟が連なっており、ガーデンや後述する2つの露天風呂を挟んだ反対側には戸建てのコテージも並んでいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/bf/745a2f111dc3d34f61bf7a67031377fe.jpg)
ガーデンには2つの露天風呂があり、レセプション前には上画像の開放的な露天風呂が据えられています。池のように広い槽は大小に2分割されているのですが、残念ながらお湯を張りはじめたばかりのようで、主浴槽となる大きな方にはまだ1センチも溜まっていませんでした。一方、湯口から66.8℃という高温の温泉が直接注がれる小さな槽は、嵩こそ十分でしたが、70℃弱の熱湯が全く加水されないままでしたので、熱すぎて、こちらも全く入浴できるような状況ではありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/06/81720a24c4d2bde6df85dd5d01a127f2.jpg)
水着着用のお風呂ですので、男性スタッフの案内に従い、宿泊棟1階にある浴室(内湯)内のシャワールームで着替えます。なお内湯には立派な浴槽が据えられているのですが、この時は空っぽで乾ききってした。お客さんからリクエストがあった時か、余程の多客時では限り、内湯は使われないのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/72/7cafb60920a2d6e7dcf6f07911b61658.jpg)
今回案内されたのは、上述の露天風呂の奥、宿泊棟の目の前にあるこの露天風呂です。お風呂というより温泉プールと称した方が相応しい佇まいでして、武骨なH鋼の骨組みによって屋根が設けられ、周囲にはレースのカーテンまで用意されています。また、宿泊棟とコテージに挟まれた中庭に位置しているので、景色は楽しめません。露天風呂に開放感を求める日本人の感覚とは逆ベクトルの趣向です。
四角い浴槽は、中央の軸から伸びる4本の仕切りによって、風車のような形状に4分割されており、それぞれに対して湯口があり、注がれる湯量が異なっているため、湯加減にも差があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/61/35d8a5e83c83e9d5a4cd631d904bdc60.jpg)
各湯口にはポンプが設置されており、その吐出口から直接注がれています。お湯はかなり熱く、画像をご覧の通り、しっかりとした投入量も確保されているのですが、ポンプや配管が剥き出しで殺風景ですし、その駆動音も騒々しい…。しかもスタッフさんが清掃で使っている洗浄機のコンプレッサーもうるさく、H鋼の骨組みは塗装工事の真っ最中で、ペンキの臭いも漂ってくる…。訪問したタイミングが悪かったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/32/9a2b526e3f155582dd9effed006d7476.jpg)
4分割されている槽のうち、熱い槽は45℃近くもあって入りにくく、逆にぬるい槽はほとんど水状態でしたが、その中でも最も入りやすかった、2番めに熱い槽へ入浴してみました。温度は42℃ほどでちょうど良い湯加減です。無色透明でほぼ無味無臭という掴みどころのないお湯ですが、湯口のお湯をじっくりテイスティングしてみますとほんのりとした土類感があり、特に石膏由来と思しき甘みが含まれているようでした。今回はタイミングの問題もあって、あまり宜しくない入浴環境でしたが、投入量がしっかりしている上に、れっきとした放流式の湯使いであるため、鮮度感はかなり良く、肌への当たりもまろやかで、癖のない優しい浴感が得られました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/b3/d63995496f423086c71b90e78c692e96.jpg)
露天風呂の更に奥、コテージの傍では、シューシューと音をたてながらモクモクと真っ白な湯気を上げる小屋があったので、興味津々で中を覗いてみると、そこには源泉井と思しきものがあり、ポンプアップされた温泉の飛沫が辺りへ飛び散っていました。配管周りには鱗状の造形をつくりながら、純白の析出がコンモリとこびりついており、温度が相当高く、とても熱くて小屋の内部には近寄れません。しかも湯気からは刺激を伴う噴気孔的なイオウ臭も漂ってくるではありませんか。これは凄いぞ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/3d/9c176aa3a507cce7f647f99082322ed5.jpg)
熱さに耐えつつ、近寄れる範囲内で温度計を突っ込んでみたところ、79.0℃と表示されました。実際にはもっと高いものと予測されます。また、こぼれ落ちるお湯を汲み取って、ある程度冷ましてから水素イオン濃度を測ってみたら(私のpH計は高温状態で計測すると異常値が表示されてしまうため)、pH8.2と計測されました。日本の温泉法による規定ではpH8.5以上がアルカリ性泉ですので、このお湯はそれに満たない弱アルカリ性となりますが、露天風呂ではおとなしかったお湯も、この源泉井では結構な個性の持ち主であることが判明。僅かな引湯の間に、その個性が失われてしまうようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/a6/39dc68bf8db66f22a1c53657650945ad.jpg)
湯浴みをしているうちに、この日の宿泊客が徐々にチェックインしはじめ、客室から露天風呂へ入ってくるお客さんもポツポツ現れたので、私は風呂から上がって服に着替え、オーナーさんにさよならと挨拶をしたのですが、その際にレセプション前の大きく開放的な露天風呂へ目をやると、先程は空っぽだったにもかかわらず、憎たらしいことい良い嵩までお湯が溜まっているではありませんか。しかもなかなか良い雰囲気です。あぁ悔しい…。ここに入ってみたかった…。
こちらの施設へ訪れて大きな露天風呂に入るならば、他のお客さんがいるタイミング(週末か夕方)を狙うか、予め連絡を入れておいた方が良さそうですね。台湾の温泉業界において、夏・平日・昼間というタイミングは最閑散期に当たるので、他の施設にも同様のことが言えるのかもしれません。
南投県仁愛郷春陽村虎門巷96号 地図
049-2801478
ホームページ
露天風呂の日帰り入浴 200元
シャワー室あり、ドライヤー・ロッカー見当たらず
私の好み:★★
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霧社から台14線を東進し、そのまま真っすぐ進むと廬山温泉ですが、左(上)画像の地点で右折して、谷底へ向かって急な坂を下ってゆくと春陽温泉へ至ります。坂を下りきって赤いアーチの徳魯湾橋で濁水渓を渡った対岸の傾斜地に、春陽温泉の宿泊施設が点在しているのですが、それぞれが森の中で独立しているため、温泉街のようなものは形成されておらず、商店や飲食店もありません。週末にバーベキューやキャンプをしながら温泉にも入る、といったアウトドア感覚で過ごす温泉地と言えるでしょう。
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そのようなスタイルの温泉地であるためか、平日は営業している施設が少なく、開いていたとしても昨年訪問済みのところばかり。一応事前に行きたい施設を調べていたのですが、悉く閉まっていたので、春陽温泉では随一の規模を有し、平日でも確実に営業している「野百合温泉会館」へ伺うことにしました。
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敷地内は花々や木々で彩られたガーデンのようになっており、そのガーデンを宿泊棟等で囲うレイアウトになっています。バンガローやキャンプ場をメインとする春陽温泉の他施設と異なり、こちらはちゃんとしたホテルとして営業しているため、平日でもそこそこの集客があり、私が訪れた午後4時頃は、チェックインするお客さんを迎え入れるべく、あちこちで清掃作業の真っ最中でした。水圧洗浄機で塵を吹き飛ばしていたオーナーと思しき男性スタッフに入浴をお願いしますと、笑顔で対応してくれました。
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受付棟の奥には2階建ての宿泊棟が連なっており、ガーデンや後述する2つの露天風呂を挟んだ反対側には戸建てのコテージも並んでいます。
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ガーデンには2つの露天風呂があり、レセプション前には上画像の開放的な露天風呂が据えられています。池のように広い槽は大小に2分割されているのですが、残念ながらお湯を張りはじめたばかりのようで、主浴槽となる大きな方にはまだ1センチも溜まっていませんでした。一方、湯口から66.8℃という高温の温泉が直接注がれる小さな槽は、嵩こそ十分でしたが、70℃弱の熱湯が全く加水されないままでしたので、熱すぎて、こちらも全く入浴できるような状況ではありませんでした。
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水着着用のお風呂ですので、男性スタッフの案内に従い、宿泊棟1階にある浴室(内湯)内のシャワールームで着替えます。なお内湯には立派な浴槽が据えられているのですが、この時は空っぽで乾ききってした。お客さんからリクエストがあった時か、余程の多客時では限り、内湯は使われないのでしょう。
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今回案内されたのは、上述の露天風呂の奥、宿泊棟の目の前にあるこの露天風呂です。お風呂というより温泉プールと称した方が相応しい佇まいでして、武骨なH鋼の骨組みによって屋根が設けられ、周囲にはレースのカーテンまで用意されています。また、宿泊棟とコテージに挟まれた中庭に位置しているので、景色は楽しめません。露天風呂に開放感を求める日本人の感覚とは逆ベクトルの趣向です。
四角い浴槽は、中央の軸から伸びる4本の仕切りによって、風車のような形状に4分割されており、それぞれに対して湯口があり、注がれる湯量が異なっているため、湯加減にも差があります。
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各湯口にはポンプが設置されており、その吐出口から直接注がれています。お湯はかなり熱く、画像をご覧の通り、しっかりとした投入量も確保されているのですが、ポンプや配管が剥き出しで殺風景ですし、その駆動音も騒々しい…。しかもスタッフさんが清掃で使っている洗浄機のコンプレッサーもうるさく、H鋼の骨組みは塗装工事の真っ最中で、ペンキの臭いも漂ってくる…。訪問したタイミングが悪かったようです。
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4分割されている槽のうち、熱い槽は45℃近くもあって入りにくく、逆にぬるい槽はほとんど水状態でしたが、その中でも最も入りやすかった、2番めに熱い槽へ入浴してみました。温度は42℃ほどでちょうど良い湯加減です。無色透明でほぼ無味無臭という掴みどころのないお湯ですが、湯口のお湯をじっくりテイスティングしてみますとほんのりとした土類感があり、特に石膏由来と思しき甘みが含まれているようでした。今回はタイミングの問題もあって、あまり宜しくない入浴環境でしたが、投入量がしっかりしている上に、れっきとした放流式の湯使いであるため、鮮度感はかなり良く、肌への当たりもまろやかで、癖のない優しい浴感が得られました。
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露天風呂の更に奥、コテージの傍では、シューシューと音をたてながらモクモクと真っ白な湯気を上げる小屋があったので、興味津々で中を覗いてみると、そこには源泉井と思しきものがあり、ポンプアップされた温泉の飛沫が辺りへ飛び散っていました。配管周りには鱗状の造形をつくりながら、純白の析出がコンモリとこびりついており、温度が相当高く、とても熱くて小屋の内部には近寄れません。しかも湯気からは刺激を伴う噴気孔的なイオウ臭も漂ってくるではありませんか。これは凄いぞ!
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熱さに耐えつつ、近寄れる範囲内で温度計を突っ込んでみたところ、79.0℃と表示されました。実際にはもっと高いものと予測されます。また、こぼれ落ちるお湯を汲み取って、ある程度冷ましてから水素イオン濃度を測ってみたら(私のpH計は高温状態で計測すると異常値が表示されてしまうため)、pH8.2と計測されました。日本の温泉法による規定ではpH8.5以上がアルカリ性泉ですので、このお湯はそれに満たない弱アルカリ性となりますが、露天風呂ではおとなしかったお湯も、この源泉井では結構な個性の持ち主であることが判明。僅かな引湯の間に、その個性が失われてしまうようです。
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湯浴みをしているうちに、この日の宿泊客が徐々にチェックインしはじめ、客室から露天風呂へ入ってくるお客さんもポツポツ現れたので、私は風呂から上がって服に着替え、オーナーさんにさよならと挨拶をしたのですが、その際にレセプション前の大きく開放的な露天風呂へ目をやると、先程は空っぽだったにもかかわらず、憎たらしいことい良い嵩までお湯が溜まっているではありませんか。しかもなかなか良い雰囲気です。あぁ悔しい…。ここに入ってみたかった…。
こちらの施設へ訪れて大きな露天風呂に入るならば、他のお客さんがいるタイミング(週末か夕方)を狙うか、予め連絡を入れておいた方が良さそうですね。台湾の温泉業界において、夏・平日・昼間というタイミングは最閑散期に当たるので、他の施設にも同様のことが言えるのかもしれません。
南投県仁愛郷春陽村虎門巷96号 地図
049-2801478
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露天風呂の日帰り入浴 200元
シャワー室あり、ドライヤー・ロッカー見当たらず
私の好み:★★