温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

六日町温泉 湯らりあ

2014年09月03日 | 新潟県
 
2011年に惜しまれながら閉館した公衆浴場「六日町中央温泉」の生まれ変わりのような感じで、2012年6月オープンした六日町温泉の新しい公衆浴場「湯らりあ」は、開業時から既に多くの温泉ファンによってレポートされており、中央温泉時代を懐かしむコアな温泉通をも満足させるほど湯使いのクオリティが高い浴場として知られていますが、私は中越地方へ何度も足を運んでいるくせに、なぜか今まで入浴する機会に恵まれず、先日ようやく訪問することができましたので、諸先輩方に遅ればせながら、いつものような駄文でレポートさせていただきます。
駅から徒歩5~6分でたどり着ける立地は、鉄道で旅行する者にとって実にありがたいのですが、国道17号に面していて駐車場も完備されているため、車でのアクセス面も良好です。沿道には「源泉かけ流し」の幟がはためいていました。シックな黒塀が印象的な、木造平屋の建物です。


 
下足箱は施錠ができるロッカー式なのですが、男女によって使える番号が違うので、案内に従って自分の性別に合う番号を利用します。券売機で料金を支払い、入浴券と下足箱のキーを番台へ差し出すと、引き換えに脱衣室のロッカーキーが手渡されます。なお脱衣室のロッカー番号は下足箱と同じ番号のものが提供されます。館内の使い勝手を把握している常連さんになれば、自分の使いたい脱衣室ロッカーと同じ番号の下足箱を利用するのでしょうね。
受付前にはちょっとした休憩スペースが用意されており、飲料の自販機やマッサージチェアなども設置されていますが、お座敷等は無く、機能的には銭湯そのものと言って良いでしょう。


 
開業して既に2年が経過していますが、脱衣室にはまだ新しさが残っており、明るく綺麗です。男湯の場合は左手にロッカーが並び、右手に洗面台や無料で使えるドライヤーなどが配置されています。決して広い空間ではありませんが、限られたスペースの中にひと通りの物がきちんと備わっており、コンパクトながら使い勝手は良好でした。



脱衣室内にはありがたいことに冷水器によるお水のサービスが用意されていました。入浴に際しては水分補給が欠かせませんから、入浴前と後の両方で是非飲んでおきたいものですね。


 
公衆浴場ですから内湯のみで露天風呂はありません。タイル貼りで実用的な雰囲気の浴室には、温泉が張られた主浴槽の他、サウナや水風呂が設けられ、室内左手には洗い場としてシャワー付き混合水栓が5基並んでいます。なお洗い場に石鹸類の備え付けはありませんので、予め用意しておくか、あるいは番台で購入しましょう。温泉風情を醸しだすような装飾は見当たりませんが、十分な採光が確保されている明るい室内には清潔感が漲っており、どなたでも安心して利用することができるかと思います。


 
浴室の中央には桶や腰掛けが整然と積み上げられていました。お風呂の管理が行き届いている上、お客さんのマナーも良いのでしょう。子供用の桶や腰掛けも用意されていますので、親子で一緒に湯浴みできますね。なおサウナ利用に際しては別料金を要します。料金を支払うことによって、サウナ用の青いマットが手渡されて、これが利用証代わりになります。


 
浴槽は大凡6~7人サイズで、縁には御影石が用いられており、角は優しい曲線を描いています。周囲の壁といい浴槽の様子(特に角のR)と言い、どことなく廃止された「六日町中央温泉」に似ているような気がします。もしかして中央温泉の後継施設として、そのスピリッツを継承しているのでしょうか。浴槽隅っこの石積みからちょっぴり熱めのお湯が注がれ、湯船を満たした後に縁からふんだんに溢れ出ています。そしてオーバーフローしたお湯は縁の下に敷かれたグレーチングへと落ち、徒に洗い場へ流下しないように配慮されています。
こちらのお湯は、沿道の幟にも記されていたように完全掛け流しです。(個人的見解として)新潟県は入浴施設に対して消毒の実施を厳しく求める傾向にあるようですが、こちらは新規施設なのに消毒措置を実施しておらず、おかげで混じりっけのない鮮度感良好なお湯を楽しむことができました。

こちらに引かれているお湯は前回取り上げた「大和屋旅館」と同じく7号井・12号井・13号井の3源泉をブレンドした混合泉であり、見た目は無色透明で特に浮遊物は見られません。ほぼ無味無臭ですが僅かに塩味を有しており、お湯を口の中で転がすと、芒硝っぽい感覚の他、甘露な味わいも仄かに得られました。私が訪れた時の湯加減は43~4℃で、人によってはちょっと熱く感じるかもしれませんが、加水用の蛇口のハンドルが外されており、加水できない状態でしたので、水で薄めたい場合は番台に申し出る他ないのかな…。でも六日町のお湯らしく、湯船の中ではまろやかで軽やかなフィーリングが体を優しく包んでくれますので、多少熱くても体への負担が気にならず、しっかり湯浴みできるかと思います。湯上がり後もよく温まりますし、肌もスベスベでモッチモチになりました。
使い勝手とお湯の両方が優れている、温泉公衆浴場として文句なしの施設でした。


7号井・12号井・13号井混合泉
単純温泉 47.6℃ pH7.91(試験室) 溶存物質841.4mg/kg 成分総計843.0mg/kg
Na+:239.0mg(79.94mval%), Ca++:44.1mg(16.91mval%),
Cl-:381.9mg(82.40mval%), SO4--:31.0mg(4.97mval%), HCO3-:76.3mg(9.56mval%), CO3--:6.6mg,
H2SiO3:28.3mg,
(平成16年10月26日)(なぜか分析表は古いものが掲示されていました)
加水加温循環消毒なし

JR上越線および北越急行・六日町駅より徒歩6分(500m)
新潟県南魚沼市六日町392-3  地図
025-770-0215

10:00~22:00(受付21:30まで)
400円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸・タオル等販売あり

私の好み:★★+0.5
コメント
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