これまで特に不味かった料理は3つ。
1つ目は研究所が北関東へ移転した際の社食で出された塩鮭。 それはまるで肌色絵の具を塗った岩塩。 若く食欲旺盛だったため不覚にも、まとまった塊で食べてしまい、突き刺すような辛さが頭痛さえ誘発した気色悪い出来事も、今や笑い話だけど。
時間が長く不規則な研究職にとってランチは楽しみの1つ。 「塩っ辛過ぎ!」 と直接訴えた僕に、「美味しいのにねー」 と落胆する食堂のオバチャン達も驚異! 勿論、他の社員にも同様に不評だったため翌日にはメニューから外された。
2つ目は以前にも書いた、とある田舎の老舗 “恩波楼” で出された止め椀の赤だし。 色こそ付いてはいるものの、出汁が欠落していて匂いも味も薄っぺら。 驚いて、隣席のものを味見させてもらうと、清々しさに欠けるも普通の味。
椀毎に出汁の有無が生じるということは、この “老舗” とやら、即席出汁を使っているのだろう。 誇らしく挨拶をして、店の歴史を滔々と語る店主は正しく “裸の王様” 。 その滑稽な姿は、とても正視できたものではない。
3つ目は 「〇〇さん(← 僕)は濃い味が好きでしょうから」 と出された味噌汁。 舌を蹴散らす塩辛さの鎧を纏った熱褐色溶液に、飲み込む是非さえ考えた挙げ句、大量のご飯を口に運んで誤魔化すこととした。 だって、これは厚意による素人料理だ。
だから 「不味い」 なんて言えないんだよね、どうしても。 せっかく作ってくれた料理に文句を言うなんてとても ・・・ 目前の作者も同じモノを摂取しているということは、その御方にとっては尚も味覚のストライクゾーンなんだろうし。
確かに割烹では時折、「味が薄いな」 と言うことがある。 但し、この 「薄い」 は概ね出汁のこと。
田舎で 「由緒ある」 などと評される店には出汁が薄かったり、手を抜いていたりが多い。 そんな “地元の恥晒し” が、その筋のサイトに 「名店」 と掲載されているから困ったものである。
出汁を疎かにした日本料理は味が、尖っていたり、貧しかったり、混濁したり。 音で言うなら、「ピーキーで耳障りだったり、“高音、中高音” と “低音” とを繋ぐ肝心の “中音、中低音” が抜け落ちたり、歪んだり」 といったところだろうか。
外食かケータリング、ホテルの朝食、ささやかな自炊料理、といった今日この頃だけど、これからも言えないだろうな、素人に振る舞ってもらった料理に 「不味い」 なんて。。。
フォトは The Doors の “the soft parade” 。 暖かな春の日には、こいつを聴きたくなる。 大学時代には、あの〇二〇谷〇荘で暖かな春の日に LP(アナログディスク) をなけなしの金で購入し、大切に聴いていた。
1つ目は研究所が北関東へ移転した際の社食で出された塩鮭。 それはまるで肌色絵の具を塗った岩塩。 若く食欲旺盛だったため不覚にも、まとまった塊で食べてしまい、突き刺すような辛さが頭痛さえ誘発した気色悪い出来事も、今や笑い話だけど。
時間が長く不規則な研究職にとってランチは楽しみの1つ。 「塩っ辛過ぎ!」 と直接訴えた僕に、「美味しいのにねー」 と落胆する食堂のオバチャン達も驚異! 勿論、他の社員にも同様に不評だったため翌日にはメニューから外された。
2つ目は以前にも書いた、とある田舎の老舗 “恩波楼” で出された止め椀の赤だし。 色こそ付いてはいるものの、出汁が欠落していて匂いも味も薄っぺら。 驚いて、隣席のものを味見させてもらうと、清々しさに欠けるも普通の味。
椀毎に出汁の有無が生じるということは、この “老舗” とやら、即席出汁を使っているのだろう。 誇らしく挨拶をして、店の歴史を滔々と語る店主は正しく “裸の王様” 。 その滑稽な姿は、とても正視できたものではない。
3つ目は 「〇〇さん(← 僕)は濃い味が好きでしょうから」 と出された味噌汁。 舌を蹴散らす塩辛さの鎧を纏った熱褐色溶液に、飲み込む是非さえ考えた挙げ句、大量のご飯を口に運んで誤魔化すこととした。 だって、これは厚意による素人料理だ。
だから 「不味い」 なんて言えないんだよね、どうしても。 せっかく作ってくれた料理に文句を言うなんてとても ・・・ 目前の作者も同じモノを摂取しているということは、その御方にとっては尚も味覚のストライクゾーンなんだろうし。
確かに割烹では時折、「味が薄いな」 と言うことがある。 但し、この 「薄い」 は概ね出汁のこと。
田舎で 「由緒ある」 などと評される店には出汁が薄かったり、手を抜いていたりが多い。 そんな “地元の恥晒し” が、その筋のサイトに 「名店」 と掲載されているから困ったものである。
出汁を疎かにした日本料理は味が、尖っていたり、貧しかったり、混濁したり。 音で言うなら、「ピーキーで耳障りだったり、“高音、中高音” と “低音” とを繋ぐ肝心の “中音、中低音” が抜け落ちたり、歪んだり」 といったところだろうか。
外食かケータリング、ホテルの朝食、ささやかな自炊料理、といった今日この頃だけど、これからも言えないだろうな、素人に振る舞ってもらった料理に 「不味い」 なんて。。。
フォトは The Doors の “the soft parade” 。 暖かな春の日には、こいつを聴きたくなる。 大学時代には、あの〇二〇谷〇荘で暖かな春の日に LP(アナログディスク) をなけなしの金で購入し、大切に聴いていた。