ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

秋から始まった物語 その1

2010-09-08 00:20:01 | 日記
それは某街道から環八に出ようとして渋滞にハマっていた最中だった。 社用車のカーステFMから流れ出した曲に心は釘付けになる。 音楽番組のナツメロ特集で聴いた The Tornados “Telstar” なんかに似ている哀愁を帯びた旋律と音色が時間を停止させた。

曲名、アーティスト名を注意深く聴こうとしても、連続でかかった何曲かのうちの最後だし、英語オンリーの放送で、唯一の手がかりはDJが流暢に告げた「センテンテン」という一言。(笑) 僕は慌ててシステム手帳の端っこにメモった。

直後の休日にはCDショップに行き、「センテンテン」というやつを血眼になって探した。 そして、あった! あった!! 「Saint Etienne(セイントエティエンヌ)」。 しかも在庫は1枚だけ。 偶然の制約が幸運を呼ぶ。 その曲は6番目に存在した。

その後、お付き合いでグァム、中国へ立て続けに行く機会があり、そのアルバムは一転して真夏の思い出になった。 以下、リラクゼーション効果溢れるこのアルバムの中でも、特に好きな曲を勝手なサブタイトル(邦題)付きで紹介。

    1:Mario's Cafe 「初夏の朝の爽やかな窓辺」
      ベースやフルートのピッチが狂っていたり、不意に突入する、逆相が強調され
      実体なく濃霧のように拡がるエンドもクサくて良い。(笑)
    2:Railway Jam 「あの日、灼熱太陽を見上げた記憶」
      なぜか初めて聴いたときから懐かしかった。 当時ベランダで飼っていた金魚
      を思い出す。(爆) 水槽は濃緑の大きなプラスティック製の箱で、鳥害に遭わ
      ないよう、金網で覆ってたっけ。
    5:Avenue 「夏の高原で見た白昼夢の回想」
      中盤ブレイク直前に展開される変調と、コード進行の懐かしさは極限を超え、
      幻想的でさえある。  ちなみにこのタイトルは、 曲想に感動したらしい上の子
      のメアドの一部になっている。
    6:You're In A Bad Way 「澄み切った青空に流れる寂しげな秋風」
      アルバムの中で一番バランスのとれた曲かも知れない。  5度の音をメインと
      するゆったりとしたロングトーンの小節末毎、頼りなさげに微妙にゆらぐ key を
      ささやかなアクセントとして挿入した伴奏が、ちょっとハスキーでソフトな Vo を
      軽やかにエスコートする。     
    8:Hobart Paving 「静かな夏の午後」
      この曲を彩るシーンは・・・僕の日常とは無縁だったりする。(苦笑)
    9:Leafhound 「日本最古の海水浴場」(笑)
      浜辺にて缶ビールを飲みつつカセット(古い!)で聴いてました。 アルバムを
      構成する楽音のほとんどが key の合成音なんだけど、ここまでで紹介した曲
      全てが、空や海、湖の青さ、木々の緑、爽やかな風を連想させるから不思議。
    16:Join Our Club 「熱帯夜」
      メディアでもよく流れてましたね。 当時ヒットしてたのかな? バブル時代の
      ワンレンボディコン(古過ぎ!)が懐かしい。(爆)

The Cardigans に似た「実力の80%しか出さない美しさ」は見事。 ベージュとグリーンのジャケットと見事にマッチした、High Fidelity から程遠い音質さえも魅惑的に感じさせる作品だ。
コメント
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