ネットで調べると、“ 従来の JBL と異なり、セッティングには大らか ” とも解釈できる記事を目にするが、実際に手をかけてみると結構ナーバスなスピーカーである。
まずはスピーカーの向き ・・・ 内振りの角度で音像フォーカスと広がり、さらにファンダメンタルの量が大きく変化する。 振り角が不十分だとセンターが希薄になり、振り角が過ぎるとスピーカーの外側からリスナーの後方まで及ぶ音場が消滅する。 加えて、ファンダメンタルの量は 1 度単位で大きく変化する。
続いて後方壁との距離 ・・・ 近づけると中低音が豊かになる一方でファンダメンタルは痩せる。 離していくと中低音は減少する一方、ミリ単位でファンダメンタルはモリモリと力を増す。 一方、L R チャンネル間の距離には無頓着で、140 cm ほど離せばボーカルはリアルになり、側壁との距離も 40 cm もあれば十分な音場が確保できる。
最後にアンプと CD プレーヤーの極性 ・・・ 久々にアンプの電源コードを外してプラグを逆に差し込んだところ、マッシヴでくっきりとした音に変化。 続いて CD プレーヤーも同様にしてみると、一瞬高音がかすれて感じたものの、CD を変えて聴き込むにつれ、かすれはその CD 本来の音だということが判明。 その差は歴然で、元に戻すと新鮮で明瞭だった CD がそのまま古い録音のバージョンに変性してしまったような埃っぽい音になる。 この追い込みで、量はあるのに妙に細身で違和感があった中低域が包容力を増し、あたかもスピーカーが 2 サイズほど大きくなったかの如く激変を遂げた。
実はアンプと CD プレーヤーの極性合わせは引越し当時に SX - 700 spirit で行っている。 極端に鷹揚だったのか、その差が分からないほど経年劣化が進んでいたのか ・・・ 。
ちなみに後日ふと見ると、以前の家と違ってコンセントの穴長でアース側が分かるタイプだった。 「 なら最初から ・・・ 」 と、ちょっと悔しい思いをしたけど、今回の結果は見事合致していて、耳の経年劣化はそれほど進んでいないことが判明。 ちょっと嬉しい瞬間である。