ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

悲しい結末しか想像できない〝妻、小学生になる。〟

2022-02-10 20:43:25 | 日記
〝妻、小学生になる。〟・・・ 誤解されても仕方がないタイトル。

実は、1月24日に書いた通り、万理華という小学生の姿になった貴恵を演じる毎田暖乃さん(小学4年生!)という俳優の類い希な演技力で成り立っている、コメディを装った正解のない真面目で深く重く切ない物語だ。


ドラマとしてのストーリーも背景(ロケ地)も映像もカメラワークも音響も効果音も BGM も主題歌も秀逸。

コミックもセット買いしてしまったぞ。(明日届く予定)


この物語、激痛のような切なさの源は「圭介と麻衣が、突然失ってしまった掛け替えのないひと(貴恵)を再び失うこと」と「貴恵が万理華としての現実に苦しみながら自身の記憶をなくしていく(いなくなってしまう)こと」への予感だろう。


ベンチで圭介からお弁当友達のことを聞いたとき、寺カフェで好美から圭介の好印象を聞いたときの貴恵(姿は万理華だけど、演技力が凄くて貴恵にしか見えない)の表情 ・・・ これだけで号泣!


そもそも、貴恵が生きている仮想世界をフィルム撮りしたような家族団らん風景が流れたり、「第二の人生に乾杯!」前後の目の表情や、荒れ果てた〝にいじまファーム〟を見て涙声で「なんでよ」と嘆いたり、ひっそり逞しく自生し続けたハバネロや、日の出や

寺カフェマスターが取り出した〝11~20歳のバースデーケーキ〟や、不意にデリバリーされた〝ハバネロミートボール〟のお弁当や、グリーティングカードや、貴恵しか知り得ない事実の告白や、堤防で圭介の自転車の後ろに乗る万理華が貴恵の姿になったり

貴恵が麻衣の化粧をしてあげたり、シアターでガラスに映った圭介と貴恵の姿で現実を思い知ったり、親子3人で写真を撮ったり、「優しくて天然でポンコツで…」と回想するシーンでダブりながら貴恵の声になったり

万理華になった貴恵が現在の家で「ちゃんとお皿の上にのったもの」を食べていない姿や、「ただいま」と言っても母親(千嘉)にいつも無視されていたり

母親(千嘉)が言い出した休日の約束を交際相手優先で出発直前にあっさり反故にされたり、圭介から「(今のお母さんと)仲良しなんだな」と言われて困惑しながら「うん」とあえて子供の声で嘘の返事をしたり

友利とアパートのコタツで話すシーンや、灯りが消えた誰もいない自宅へ帰って洗濯物を畳みながら「ここが今の私の家」と呟いたり

番組最後に近付いた頃の温かなシーンで主題歌〝灯火〟が流れ出したり、「ちょっとトイレ」などと言っただけで号泣しているのだから。



この感覚は、フォトの ブラックジャック「目撃者」にも似ている。

それは、犯人が新幹線ホームに置いた爆発物によりガラスが突き刺さり両目とも視力を失ってしまった目撃者が、犯人特定のため眼球移植を受け「5分間だけ」視力を取り戻す物語。

無事、犯人が逮捕された後、徐々に消えていく光のけしき…




最終話は未だリリースされていないけど、悲しい結末しか想像できないのです。
それは、例えばこんなエンディング。


 圭介は明るく前向きになり
 紆余曲折を経て麻衣と蓮司の仲も進展

 安心した貴恵の記憶は完全に消えて
 万理華は完全に普通の小学生に戻った

 ある日、優しくなった千嘉に連れられ
 あの堤防上の歩道で
 好美と再婚することになった圭介と
 仲睦まじい麻衣と蓮司と
 最後の挨拶を交す万理華

 「さようなら」

 そして、圭介と麻衣に背を向け
 千嘉と手を繋ぎ
 歩き出した万理華の目から涙が
 誰にも気付かれることなく、一筋だけ




たとえ貴恵の意識が戻ろうと、今は小学生で、別の家族がいて、万理華の大切な人生があるのだから。

明日の第4話も見逃せないぞ。







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