ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

遅ればせながら〝さようなら チックコリア〟

2021-03-03 02:20:09 | 日記
高校時代、ジャズ好きの友人がいました。
無礼な変わり者で、好きな曲(主にレインボウ)を収録したカセットを渡すと、ジムホールやセロニアスモンクなんかに入れ替えられて返ってきたこともありました(笑)

高校2年の夏、夏の黄昏時を表現したような曲を耳にしました。
FM 番組のオープニングテーマで使われていたそれは〝ロック〟でも〝ジャズ〟でもなく、妖しさを醸し出す不思議な演奏で、ハートを打ち抜かれました。


その曲は〝Return to Forever〟。
レコード店でジャケットを見て、ますます夏のイメージを濃くしたものです。 勿論、なけなしの小遣いで購入しました。

エアチェックで、あのハービーハンコックとのピアノデュオをスコッチのノーマルテープに収め、これも本当によく聴きました。 3年時には〝Romantic Warrior〟を購入。


曲も演奏もそうだけど、特に度肝を抜かれたのはベース。
速弾きギターの如くベースを操るスタンリークラークも知ることになったのです。

当時クロスオーバーだの、その後フュージョンだのと呼ばれた世界を知ったお陰で、クラシック、フォーク、ロックしか聴かなかった僕も、冒頭に書いた友人が繰り出すお節介を、段々と耳に馴染ませるようになっていきました。


とはいえ、僕の音楽トレンドは変わらず、今に至るまでに購入したのはアナログディスクで前述の2枚だけ。 CD はフォトの6枚だけ。 いわゆる「ファン」を自称するには程遠いものです。

それでも、彼との出会いがなければ、ウェスモンゴメリーもジムホールもデイヴヴァレンティンもサラヴォーンもマイルスデイヴィスもヤンガルバレクも聴くことはなかったと思うのです。


亡くなったことを知った日は彼の曲しか聴かなかった。




今もあの曲をかけると、思春期に感じた夏の妖しい黄昏時が再生される。

2月9日、「僕の音楽ジャンルの壁を破壊した」素晴らしきアーティストは79歳でなくなったが、彼の世界は永遠に聴き継がれ、演り継がれていくのだろう ・・・ 。







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