Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ピストンの「不思議な笛吹き」を聴きながら横浜から和田町まで

2007-09-01 10:25:37 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は、横浜から和田町まで歩いた。
途中聴いたのは、1894年メイン州生まれのピストンの曲。
独学でヴァイオリンとピアノを学び、
鉄道会社の製図工をしたり、画家をめざそうとしたりし、
ハーバード大学で作曲を学んでからは、
パリに渡りブーランジェとデュカスに学んだようだ。
帰国後は、ハーバード大学で音楽学部の教授として、
長きにわたり教育活動をしたようで、
教えた学生の中にはバーンスタインもいる。

組曲「不思議な笛吹き」は、彼の代表作である。
舞踏家ハンス・ウィーナーの依頼を受けて1937年に作曲された。
12曲からなるこの曲は、フランス音楽のバレエ音楽を感じさせる。
曲のテーマの「不思議な」にピッタリな
あやしい雰囲気の導入部から始まり、
サーカスの行進の騒がしさは、
サティのバレエ音楽「パラード」を思わせるもので、
(最後の犬がほえる声が入るところもおもしろいが)
スパニッシュ・ワルツはラヴェル・ドビュッシーを感じさせる。
その一方でロマンティックな旋律もあり、でもそれに溺れない。
オーケストレーションの技術はさすがだと思う。

「ニュー・イングランドの3つのスケッチ」は1959年の作品で、
さらに円熟した彼のオーケストラーションの
すばらしいテクニックを見ることができる。
「海辺にて」、「夏の夕暮れ」、「山々」の3つから成るが、
個人的に聴いた印象としてはルーセルを思わせる作品だ。
内容的には「不思議な笛吹き」のよりも深いものを感じさせ、
彼が画家としての道を断念したとはいえ、
その画家でできなかった風景のスケッチを
音楽で成し遂げたと思える描写的な作品である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハンソンの「青春時代の主題... | トップ | ネルソンの「サヴァンナ川の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

古典~現代音楽北アメリカ編」カテゴリの最新記事