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アレクサンドル・スクリャービンの交響曲第1番ホ長調作品26を聴く

2016-04-02 09:07:16 | 古典~現代音楽ロシア編
今回取り上げるのは1872年生まれのスクリャービンが、
1900年に作曲した交響曲第1番ホ長調作品26である。
聴いたCDはステファニア・トツィスカのメゾ・ソプラノ、
マイケル・マイヤーズのテノール、ウェストミンスター合唱団、
リッカルド・ムーティ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏による。
第一楽章レントは、弦楽器による淡いゆらめきの音で始まる。
そして、その中からクラリネットの音が現れ、旋律を奏でていき、
それをフルート、ヴァイオリンなどの楽器が引き継いでいく。
自然の風景を思わせるかのように、フルートなど木管楽器が絡んでいき、
やがて独奏ヴァイオリンがゆったりと旋律を奏で、甘美で美しい。
第二楽章アレグロ・ドラマティーコは、力強い旋律から始まる。
甘美的で牧歌的な部分と、金管楽器と打楽器による力強い部分と、
が交互に入り、ドラマティックな展開をしていき、ワグナー風でもある。
第三楽章レントは、再び第一楽章の雰囲気に戻る感じで、
弦楽器のゆらめく音の上でクラリネットが旋律を奏でて始まる。
やがて高揚していくところやそれが静まる部分はワグナー風である。
ロマンティックな部分が溢れており、耽美的である。

第四楽章ヴィヴァーチェは、軽快な弦楽器の旋律に、
金管楽器や木管楽器が絡みながら始まる。
中間部は木管楽器が活躍し、牧歌的な感じである。
再び冒頭の旋律が現れて、最後は可愛らしく終わる。
第五楽章アレグロは、重々しく情熱的な旋律で始まる。
この楽章も耽美的な部分が続き、高揚したあと最後力強く終わる。
第六楽章アンダンテは、フルートのすがずがしい感じの音で始まる。
このあたりは第一楽章の冒頭と同じ感じであるが、これに続いてアルト独唱が、
「おお、神と崇高なる芸術と調和の至高の象徴よ、
そなたの前にわれわれは捧げものとして賛辞を送る」と歌い始め、
続いてテノール独唱が入り、独唱と二重唱が続いていく。
この詩はスクリャービンが自ら書いた芸術の卓越性を讃えるものである。
そして、終わりの方で合唱が入り、芸術を讃えていき、
フーガ的な展開をしていき、高揚したところで終わる。

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