Mars&Jupiter

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ハンニバル(マーヴィン・ピーターソン)の「アフリカン・ポートレイツ」を聴き、希望が丘から鶴ヶ峰まで

2011-03-14 05:20:18 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は、希望が丘駅から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1948年生まれのハンニバルの作品。
ハンニバルとは、マーヴィン・ピーターソンのことであり、
テキサス州のスミスヴィルで生まれた彼は、
ジャズのトランペット奏者として活躍した人物である。
1967年から1949年の間、北テキサス大学で学び、
その翌年ニューヨークに移り、そのあとジャズで活躍した。
「アフリカン・ポートレイツ」は、2幕で構成されるオペラで、
1990年に作曲され、同年カーネギー・ホールにて初演された。
アフリカにいた黒人たちが白人たちの征服を受け、
その後奴隷としてアメリカ大陸にもたらされ、売買されもするが、
彼らの文化がブルースやジャズなどアメリカの豊かな音楽文化を形成する
担い手として活躍するようになっていったことを感じさせる作品である。
聴いたCDはダニエル・バレンボイム指揮、シカゴ交響楽団の演奏による。

第1幕「ドラム(太鼓)と受難」は、4つの部分から成る。
「酒:収穫、16世紀西アフリカのグリオ:ダフェングバ」、
コーラス「ドゥワ・ベ」、「攻撃/征服」、「航海の途中」と続く。
最初はコラの独奏で始まり、グリオによる歌が続く。
グリオというのは西アフリカで活躍する吟遊詩人・音楽集団のことで、
彼らが伴奏に使う楽器の代表的なものがコラという楽器である。
次に打楽器中心にアフリカ的な強烈なリズムが刻まれ、
グリオが歌い管弦楽が入ったあと、コーラスが加わる。
独唱者が強烈な打楽器の上で歌い、再びコーラスが入り、
繰り返す戦慄を歌い、盛り上がりを見せて突然終わる。
次の「攻撃/征服」は侵略者の攻撃と悲惨な状況が、
管弦楽とコーラスによって描写されていく。
独唱者が歌い、そのあとは管弦楽とコーラスの部分となり、
再び二人の独唱者(テノールとバリトン)が入る。
ムチの音がヨーロッパ人に征服され、支配されるアフリカの人々を描き、
絶望的な音楽となり、ティンパニと独唱者の叫ぶ声が繰り返され、
最後の航海の部分となり、波の音が描写される。
子どもの独唱とコーラスが続き、そのあと打楽器が入り、
コーラスとバリトン独唱となり、テノール独唱の部分となり最後静かに終わる。

第2幕「乳と蜜の流れる地」は、9つの部分から成る。
「オークション:1833年サウスカロライナ州チャールストン、ポッターの市場」、
「嘆きの歌」、「1940年テキサス州エルジン、ビクター・ネルソンの綿畑」、
「1945年ミシシッピのデルタ沼地、ミュージック・マン、ショー」、
「1952年ニューヨーク・シティ52番街のスリー・デューシズ・クラブ」、
コーラス「You can find a way」、「400年前の今日-透明なガラスの小屋の中に生きて、
1989年ニューヨーク、ベンソンハースト」、「救い」、「エピローグ、コラ」と続く。
最初は奴隷をセリで売るオークションの世界が描かれる。
独唱者が歌い、やがて合唱も加わり、荒々しい音楽となる。
女性の「ノー」という声とムチで叩く音が響き、ヴァイオリン独奏が入ったあと、
「1940年テキサス州エルジン、ビクター・ネルソンの綿畑」の部分となり、
女声の独唱が歌いだし、コーラスも加わり黒人霊歌風の音楽になる。
コーラスと管弦楽が盛り上げ、再び女声の独唱者が歌って終わる。
「1945年ミシシッピのデルタ沼地、ミュージック・マン、ショー」は、
ギター独奏から始まり、ブルース風に歌う音楽が展開される。
「1952年ニューヨーク・シティ52番街のスリー・デューシズ・クラブ」は、
トランペットが活躍するジャズの音楽であり、この中では長い部分である。
ベース奏者、ドラム奏者などのソロの演奏の部分も光っている。
コーラス「You can find a way」は、繰り返す音型の上に、
トランペットがソロ演奏を続けたあと、コーラスが入る。
トランペットがコーラスに絡みながら、盛り上がりをみせて終わる。
そのあとが打楽器の音にヴァイオリン独奏が続き、両者の応答が続き、
そのあとは独奏ヴァイオリンと弦楽器群が交互に現れて、繰り返される。
男声の叫ぶ声が繰り返され、「救い」の部分となりコーラスが歌う。
金管楽器と打楽器が加わり、盛り上がりをみせ、静まったあと鐘の音が鳴る。
「エピローグ、コラ」はコラ独奏による音楽で終わる。

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