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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第10番ホ短調作品93を聴く

2016-04-13 06:26:50 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1953年に作曲した交響曲第10番ホ短調作品93である。
聴いたCDはパーヴォ・ヤルヴィ指揮、
シンシナティ交響楽団の演奏による。
第一楽章モデラートは、低弦の重々しい音型で始まる。
音型の繰り返しの中、クラリネットが寂しげな旋律を奏でていく。
やがて、金管楽器と打楽器が加わり、盛り上がりを見せ、
そのあと再び沈み込んだような旋律が繰り返され、
今度はフルートが新たな旋律を奏でて、
これを弦楽器が引き継ぎ、盛り上がっていく。
その後これらの旋律をもとにした展開部に入り、
徐々に盛り上がりをみせていき、最高潮に達する。
高揚する部分と静まった部分を繰り返しながら、
最後は冒頭部分の音型が繰り返され、静かに終わる。
第二楽章アレグロは、弦のせかすような音型に乗り、
狂乱したような荒々しい旋律が奏でられる。
駆け抜けていくような疾走感のある音楽である。
この楽章についてはクールな感じのヤルヴィ盤よりも、
狂乱ぶりを伝えるムラヴィンスキー盤の方がいいと思う。

第三楽章アレグレットは、舞踏風の旋律で始まる。
木管楽器、弦楽器全体とその旋律を引き継いでいく。
ホルンの音が何かを思い起こさせるような感じで繰り返される。
舞踏風の旋律が再び現れて、お祭り騒ぎのような感じの中、
その旋律が繰り返されながら、徐々に荒々しい感じになっていく。
舞踏的な旋律を奏でる弦楽器とそれに絡んでいく金管楽器、
この扱いについてはヤルヴィ盤はなかなか明快でいいと思う。
再びホルンが響き、舞踏的な旋律と絡んでいき、
タムタムの鈍い響きが聴こえてくるが、
この辺も録音の良さもあって、ヤルヴィ盤はいい。

第四楽章アンダンテ-アレグロ・モルトは、
低弦部による序奏で始まり、オーボエの悲しげな旋律が現れる。
この悲しげな旋律はフルートにも引き継がれたあと、
ファゴットが旋律を引き継ぎ、オーボエ、フルートへと移る。
木管楽器の中でその旋律が引き継がれていったあと、
クラリネットのおどけた音に続き、
元気のある明るい旋律が弦楽器により現れる。
木管楽器にも引き継がれながら、
行進曲風なリズムに乗って勢いをつけていく。
もう一つの旋律はロシア的な感じを持たせる旋律である。
そして第二楽章を思わせるような部分も現れたあと、
序奏の部分も現れ、再びファゴットが行進曲風のリズムの中、
明るい旋律を奏でて、クラリネットがそれを引き継いでいく。
それぞれの旋律が再現された後、金管楽器が加わり、
徐々に盛り上がりをみせ、ティンパニが響く中、力強く終わる。

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