そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

田母神は何を企てているのか

2008-11-10 | 政治と金

田母神論文は政府の公式見解に反するとして、この男を降格させた。降格させたおかげで、退職金までもらった。報道によると6000万円だそうだ。お咎めもなく、まるで泥棒に追い銭である。

ところで、政府の見解とは自民党が担ぎ出した社会党の総理であった村山談話を、踏襲しているだけである。この考えの内容についてではない。要するに、中国や韓国や東南アジアの反論を恐れて触れたくないだけのことである。

麻生太郎は、これまでの発言を見ると、クリスチャンだからと靖国に参拝していないだけのことで、戦前の日本軍の行動を肯定している。

今回も、麻生総理は稚拙な田母神論文の内容を問題にしているのではない。大半の自民党員、国会議員の多くは、今でも日本は中国を侵略したとのではないと思っている。妄言と言われながらも、発言が後を絶たない。本来ならこのことの方が大きな問題なのである。

田母神は政府見解を知らなかったはずがない。確信犯である以上に、こうした騒ぎを予Photo測していたと思われる。政府見解と異なる意見もつなら、職責を蹴るべきだった。

これまでも、天木直人さんのように小泉総理の方針に反するからと、大使を辞任する男もいる。それもできない、この男はこの騒ぎを望んでいたのだろう。

田母神が幕僚長を引き受けた時の総理が、阿倍晋三である。今回の懸賞論文を応募した元谷が後援会の副会長を務める、阿倍ボンがこの男を任命したのである。それに乗って、現職の自衛隊員が結局95人も応募している。(上の写真は後ろの元谷の出版記念で祝辞を述べる田母神)

そうみると、構造は単純である。復古的国粋主義者たちの仲良しグループの茶番劇である。田母神は、自らの意見を公的な場で述べない自民党に対する苛立ちからの行動である。

民主党は、この男を呼びつけて主張の詳細まで切り込んで問い詰めることができるだろうか? 民主党の真価が問われる。

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筑紫哲也最後の言葉

2008-11-09 | 政治と金

02筑紫哲也の最後のWeb多事争論が、サイトから見られる。彼はここで、この国は未来にも過去にも投資しないと発言している。http://www.taji-so.com/window.php?mv_id=22

未来とは教育のことで、過去とは医療のことである。先進国の中でも日本は、教育と医療予算が格段に低い のである。それぞれ半額ほどである。その分の金を土木事業に投資しているのである。

しかし私はそこに、現在にも投資していないと言いたい。現在とは私たちが今日生きるために食べる食料のことである。先進国の中でも、この国は格段に農業予算が低いのである。加えて、農産物の関税が信じられないほど低いにである。

食料に予算を組むとなると、安心・安全対策ばかりになって、質や量もの問題は取り上げれることなく、農業のことは考えられることがない。地方がおかしいと、公共事業投資ばかりを持ってくる。

この国の形は極めて歪なのである。土木事業を国の隅々まで沁みわたらせた結果、地方にはそれで生きる人たちがいっぱいになった。おかげで、地方の主要産業である、農業や林業はすっかり衰退し疲弊してしまった。

すなわちこの国は、過去にも未来にも、そして現在にも投資していないのである。その対象は、人間であるべきである。人間の過去にも、未来にも投資しない土建国家はどこに行くのであろうか。

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筑紫哲也を悼む

2008-11-07 | 政治と金

筑紫哲也が亡くなった。タバコを止めなかったためであろう。彼を知ったのは、朝日ジャーナ01ルを通じてである。都会的で明るく明快な論理を見せてもらったものである。この頃は、時代を創り続けていた感がる。

朝日テレビのキャスターのトップの日、4月1日であるが「ネシー発見」の報道をやった。エイプリルフールのつもりだったようだが、ひんしゅくをかった。3年ほどで辞めてしまった。

毎日系の「ニュース23」ではこれまで培ってきた、人脈を縦横に発揮して政治や財界に限らず、芸能部門からの切り口も少なくなかった。単一の視点からではなく、いわば複眼的にさらには歴史的なところも失うことなく、一味違った切り口をみせてくれた。

新聞記者時代から、沖縄にはこだわり続けていた。政治だけでなく、多くの地元の人たちの声や文化を丁寧に拾っていた。西山記者の密約にはこだわり続けてくれていた。時代が忘 れようとしていたことである。

筑紫哲也は丸谷真男の数少ない市民受講者の一人であった。しかしながら、彼のお人好しか八方美人のためか、強く彼らしい論理を展開する場面が次第に少なくなってきたことに不安を抱いていた。とりわけ、小泉改革以降はぶれていることを自身も感じていたのであろう。

何度か、かつての論理との齟齬を、ホームページに送ったことがある。返答はあるわけではなかったが、メールは残さず目を通しているとの言葉に期待は持っている。そのためででは09あるまいが、彼の生前最後になったサイン入りの本が手元にある。

キャスターを引き受けた時に流行っていたのが、井上陽水の「傘がない」である。これは政治や社会問題よりも、彼女に会いに行くのに傘がないことの方が問題だという歌である。彼はこの歌をニューヨークで聞いて、日本の変化を感じ引き受けたと述懐している。

通常の番組では取り上げることにない、埋もれた歌手や芸術家を金曜日の夜に紹介してくれた。新井栄一もその一人である。社会の底辺からの声である。

政治や経済の広がり、さらには強大な力を持て来ることに不安を持っていたと思われる。芸能や芸術に関心が高かったのは、そうしたことからの逆の視点ではないかと思われる。

彼のように博識で読書好きで芸能を愛するキャスター、ジャーナリストは今後出てこないのではないか。筑紫哲也の冥福を祈りたい。

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自衛隊を標的にする右翼

2008-11-07 | 政治と金

どうもおかしいと思っていた。田母神元航空幕僚長の論文であるが、私が見ても論文としての程度が低いのである。事実誤認などは右翼にとっては知ったことではないが、彼らは自説を述べるのである。内容はともかく文章構成としても、程度の低い論文がなぜ最優秀になったか疑問だった。

答は意外と簡単で、これを募集した人物にある。まずAPAグループと呼ばれる、ホテルなどを建設運営するグループの会長が、元谷外志雄という人物である。この男は、ホームページを戦闘機で飾るほどの戦争好きである。

この男は、阿倍晋三の後援会「安晋会」の副会長である。正真正銘の、右翼であり復古Photo的国粋主義者である。元谷外志雄が自らの信念に沿った論文を募集したのである。

またAPAグループは、耐震偽装問題で業界が揺れに揺れた時に、なぜか生き残り平然と営業をしている唯一の会社である。

元谷外志雄が本を出版した時に、出版記念に田母神俊雄が挨拶に立っている。もちろん国粋主義者の本の出版記念である。

元谷外志雄が募集するのは自由であるが、自衛隊にそれを要請したらしい。少なくとも、航空自衛隊を中心とする自衛隊幹部が、多数応募した。幹部職員が10名その下の準幹部隊員が64名で計74名も応募している。

そんな関係で、航空自衛隊のトップの人物を最優秀作品にしたのである。

自説を唱えるのも構わないが、元谷外志雄という人物は結局は政界に関係を持ち、甘い汁を吸うゴロツキでしかないのである。古くからこの国にある構図である。

田母神だけでなく、阿倍晋三も国会で証人喚問して論文の内容について、意見を聞くべきではないか。

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ビンボーくじ引いたオバマ

2008-11-06 | 政治と金

今年初めに指摘したように、オバマが大統領選に勝った。ブッシュがボロボロにしたアメリカをどう彼が立て直すことができるか興味のあるところである。結論から言うと、支持者の期待を裏切るのは目に見えている。

Obama_errs_on_way_to_fight_terroris財政、経済、金融危機、軍事、外交のどれを見ても閉塞感が感じられる。ほとんどが解決困難な 状況にある。2年以内に「黒人はやっぱり駄目だったか」と言われかねない。誰がやっても相当難しいが、期待感の反動が彼をどのように襲うかが問題である。

彼は奴隷の末裔ではない。オバマは、北部の都会リベラル派である。彼がブッシュのような覇権主義に陥ることはないと思われる。しかし、周辺がそれを容認するかどうかは別問題である。まずは、16カ月以内にイラクから撤兵できるかどうかを注目したい。

オバマが世界に起こりつつある、多極化を容認するためには、一度アメリカの失墜をどんな形にせよ確認しなければならない。彼が、当初からその意識があるかどうかは「チェンジ」だけでは分からない。覇権主義を捨て、国際協調路線をとるかどうかを注目したい。

今世界に起こりつつある多極化を容認するには、一度アメリカの弱体化を認めなければならない。彼にそれができるか。勝利宣言で、アメリカの蘇生を宣言したが、新興国に対してどう対処するか見ものである。

アメリカにすり寄ることを「国際化」とか「世界は求めている」という言葉で説明していた、日本の外交はオバマが多極化を認めた瞬間にとん挫する。すでにその兆候は表れている。

北朝鮮については、すっかり日本を孤立させた。オバマは、カーター時代に戻る可能性がある。つまり、アメリカは北朝鮮を国際社会に呼び戻すのである。6者協議も拉致も2国間協議に回される可能性が高い。協調路線をとるとさらにそれは進行する。

アメリカ経済の立て直しはとても無理な話である。オバマはビンボーくじを引いた。4年後に再選されるかどうかである。

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罷免すらできない

2008-11-04 | 政治と金

田母神俊雄前航空幕僚長が、先の戦争を正当化する“大本営発表”に沿った内容の論文を書いたことで、彼は定年退職をした。??こんなバカなことがあっていいのか。

報道によると、浜田防衛大臣は辞職勧告をしたそうであるが、この男は全く応じなかった。やむなく降格をしたそうである。ところが、この男はすでに60歳を過ぎていた。降格されると定年になって、おさらばと言うわけである。残った大臣たちは、自分たちに減俸を課すのがせいぜいだった。

軍の統治を政治ができない。いわゆるシビリアンコントロールが利かない状態であると言える。どのような国家でも、大量の兵器を持つ軍は常に戦(いくさ)志向にある。それを、コントロールするのが、政治である。

今回は、罷免もして当然の状況である。部下にそれを拒否されて、通常の退職になってしまい、政府としてのけじめも何もあったものでない。それどころかこの男は、大臣に向かってとうとうと持論を述べたそうである。

記者会見の場でも、誤認識の歴史観を述べている。これくらいのことがいえないようでは北朝鮮と同じだと言うのである。軍が好き勝手放題で国家予算の半分以上を使って、シビリアンコントロールすらないのは、それこそ北朝鮮ではないか。

この男の論文には、歴史的な間違いが山盛りである。あの当時、確かにコミンテル(ソ連)が裏で暗躍はしていたが、蒋介石がそれに乗ることなどあるわけがない。ドイツから武器援助は受けてはいたが、単純な構図であの当時のことを説明できることはできない。

おまけに右翼の口がたつやつを探すこの論文募集に、現職の自衛官が50名も応募していた事実は見逃せない。自衛隊が右傾化し、戦前の大本営の発表を肯定するような思想で満ちていることを物語っている。

他国に派兵して、その正当性を主張することが、侵略された国家にとってどのような感情になるか、軍人には解らないらしい。だからこそ、一般人の監視が必要なのである。

何もかもが矛盾したこの男の言動である。防衛省も、コケにされたままである。僅かな救いは、対応が早かったことで、韓国も中国も大きく取り上げようとはしなかったことである。

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金融経済と実体経済

2008-11-03 | 政治と金

金融危機は「実体経済」へ影響を及ぼすことで、危機が増大する。つまり、今起きている金融危機とは金融経済の出来事なのである。

それでは、金融経済とは一体何だろう。1980年代から、ソビエト崩壊を受けて競争相手のいなくなったアメリカは、実体経済、つまりモノ作りの現場からもっと儲かる世界へとシフトしていったのである。

金融市場のグローバル化を推進していったのであるが、結局は金のあるところが最終的に儲かるシステムになっている。モノ作りをやる連中に資金的な援助を繰り返し、実体のない金貸しの経済社会が膨らんでいったのである。

WTOもそうした、アメリカの経済のグローバル化の一環として進められた。ところが、金融経済とは実質的にマネーゲームであり、ばくち事業である。ヘッジファンドの出現などによって投機的性質が鮮明になってきたのである。

金融経済は、常時株式市場を活性化させて、右肩上がりのインフレ状態でなければならないのである。このわずかでも上がることで利益を生み出す非実体経済システムは、社会構造上の上下関係が逆転しているように思える。

こうした動きは、アメリカが生みだした金融経済のグローバル化のおかげで、アメリカ一国が破たんすればいいものを、世界各国へと波及させることになったのである。

素人目に見て、あるいは実体経済の中にいる人間の目から見て、こんなものはいずれは行き詰まるのは明らかであことが解る。農業こそ、実体経済そのものであるからである。

これにイラク戦争によってアメリカ経済が大きな痛手を被ったことが、更に拍車をかけることになったのである。

市場が経済を決めるとする新自由主義者たちは、楽観論しか持ち合わせていない。公的資金の注入は新自由主義の終焉と、アメリカ外交の破たんを意味しているといえる。

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自衛隊は侵略思想の巣窟か

2008-11-01 | 政治と金

何度も繰り返される侵略戦争の正当性は、ワンパターンと事実誤認で満ち溢れている。今回またもや、日本の行った戦争の正当性を主張する人物が現れた。しかも現職の航空幕僚長長官M7400469である。

早速事態が大きくなるのを恐れた、ハマコーの息子の防衛大臣はこの男を更迭した。政権への影響を懸念してのことである。田母神利 雄なるこの男の論文を読んでみた。かなり短い論文である。段落に乏しくタイトルも何もなく、ただ「日本は侵略国家だったのか」という、総じてできの悪い稚拙な論文である。

ホテルグループの懸賞論文であるが、応募タイトルが「真の近現代史観」で、右翼思想・国粋主義者の投稿を煽るものである。この男の論文が最優秀論文になって、300万円ももらった。

この男の論文は、中国や朝鮮に要請されて日本は派兵したというのである。そんな国家があるか!あるのは、傀儡政権と裏取引で行う侵略隠し行為しかない。歴史も政治も無視したものでM7400156_2ある。

蒋介石がコミンテルの支持を受けていたとか、近衛が暴支を抑えるために派兵したことも、中国のシナリオだというのである。こうした国粋主義者が必ず主張する、大東亜共栄圏は、白人からの解放だったとするのは全く身勝手で、お節介な主張である。

中国の満州地方が日本によって豊かになったなどとは、侵略で追い出されたその地の人たちに向けて言えるようなことではない。大東亜共栄圏思想も同じである。

東京裁判についても、敗戦国家が裁かれる不当性を論じている。それでは、勝てばよかったのだろうか。この男の主張は、戦争の内容や被侵略国家のことなどでなく、勝てなかった戦争の技術問題に閉じ込めていることである。

確信犯がいつまでも絶えない。日本が戦争の本当の意味での検証も総括も反省もしてこなかったためである。たまたま、しっぽを出しただけであり、自衛隊幹部にはこの種の男ばかりなのであろう。恐ろしい国である。

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羅臼港

春誓い羅臼港