そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

黄香に学ぶ

2008-11-26 | 政治と金

黄香(おうか)というリンゴがある。正式名は岩手6号と言うらしい。糖度が13あり、風味もあっ01てとても美味しいらしい。ところがこのリンゴは皮が薄いのが欠点である。

最も美味しい時まで待つと、このリンゴは割れてしまうそうである。美味しい時に輸送するわけにもいかない。そこで、美味しい黄香を食べるためには、現地で食べるしかない。そのため黄香を食べるためのツアーも組まれているようである。

地産地消が鮮度も高く最も美味しいものである。何も旨みがなくなるばかりではない。地域の振興につながり、目に見える形で農産物が生産されることにもなる。輸送コストもエネルギーも最小限で済む。

形だけの食を求める多忙な現代人にとっては、安価であることが優先される。市場経済は多くの農産物が効率優先で、大量生産されることになる。大量生産体系では、当然遠隔地生産になる。

消費者は、安全や美味い物を要求する。質を追求するなら当然、安価であるはずがない。安全を求めるなら、近隣のものを求めるべきではないか。

日本各地では、生き残りつつある農家が、生産形態を消費者に見せようと様々な試みをやっている。三重県では、まるでイベント会場にでもなった感のある施設で、ソーセージや乳製品の製造を見せてレストランに出す施設が好評である。裏には畑もあり、野菜の除草する体験もさせてもらえる。

農家は生産物を単なる商品にするのではなく、自慢しながらもっと高く売るべきなのである。消費者を引き付ける方法も考えるべきである。生涯土をほとんど踏まない人たちが増えている。一昔前までは、ほとんどの都会人には田舎があったがそれもかなわなくなった。

昔往診に行った農家で、スイカをバーさんに貰った。これ食えと渡された。もっと小さいので良いと言ったら、おらんちで一番うまいものこれだ。他の倍で売っていると言って、とても美味しいスイカをもらった記憶がる。作ったものを自慢する大切さを教えてもらった。

自販機のように農産物が生産されないことを、都会の人たちに教える機会を農民は持つべき時代になっている。黄香の食べごろはそれを教えてくれているようである。

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