そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ家畜のほうが進んでるべさ

2007-03-24 | 維新の会

向井亜紀さんの「代理母」が認められない。最高裁が彼ら夫婦の親子関係を日本の法律は認めないと、判決を下した。感情的な問題は多少はあるものの、法律的には正しい判断と言うより、これしかなかったのだと思われる。

ところで、一般的には人医師は獣医師より技術的にも、設備的にも社会的にも進んでいるように思わPhoto_98 れる。が、繁殖に関してだけは、人医学より獣医学のほうが進んでいるところがある。

今回の代理母(この呼び名もいかにも社会的な呼称である)問題が典型である。家畜、とりわけ乳牛の分野では、日常的に受精卵の移植(代理母:家畜ではETと呼ばれている)は行なわれている。

乳牛はお産しなければ泌乳しない。乳牛はほぼ13~15ヶ月で分娩を繰り返す。それこそ生む機械である。生まれた子牛がオスの場合、ホルスタインなら肉牛の素牛として売られるのであるが、二束三文である。ところが、これが和牛なら10万円以上で販売される。

そのために、初産や子どもが欲しくない母牛に受精卵移植は日常的に行なわれているのである。2週間ほどで資格の取れる人工授精師が、移植師の資格を取って行なっているのが通常である。因みに、乳牛の98%程度は人工授精で妊娠している。

その他、能力が高く改良された乳牛の卵子を対外受精させて、移植することも珍しくない。これらの親子判定は、日常的に簡単に行なわれている。人と家畜を単純に比較するべきではないが、必要とするような人たちが現れるようだと、医学は対応するべきではないだろうか。

300日を経なければ離婚後に分娩した子どもは、前夫の子となる法律がぬくぬくと生きている。今回の代理母同様に、技術の発展に法律が追いついていないのである。犯罪捜査などでは存分に生かされる技術も、立法府では関心がない。彼らは改憲しか頭にないのだろうか。

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