そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

サイが繁華街に来たわけではない、人が際の生活圏に入ってきたのである

2024-05-30 | 環境保護と循環

繁華街を餌を求めて彷徨うサイ。人の生活圏にサイが入ってきたわけではない。サイの生活圏を人類が壊したから、サイが餌を求めて彷徨っているのである。
友人の養豚家が住民に迷惑が掛かららないようにと、田んぼを潰して離れたところに豚舎を移した。ところが次々と住宅が建ってついにその豚舎近くまで迫ってきた。臭いから移してくれと住民から言われて、アイツ等何ってるかと怒っていた。先住権などというものは、同列のものとして語られない。
過去には、こうしたことがあれば、これまでは人はサイを射殺してきた。このところようやく本末転倒を意識してき始めたから、簡単に処分はしなくなってはきた。サイの先住権を認めようとしているのであろうか。
サイは草食で人を殺して食べるわけでもないが、これが肉食獣だと問題は一気に広がる。
現在日本各地で熊の出没が相次いでいる。熊は雑食であるが、元々は肉食獣である。私自身もこのところ平地でも熊と時々遭遇するようになった。温暖化の影響か以前はほとんど見かけなかった狸を、根室台地の平地でも散見するようになった。鈍感な狸の交通事故は珍しくない。目前で道路を横断するエゾリスが跳ねられて死んだのを目撃した時に、何頭も家畜を安楽殺してきた身であっても、心穏やかではない。
人類、ホモ・サピエンスは細菌や昆虫などの一部を除けば、地球上でもっとも新しい種である。我々は新参者である。
人類は他種の先住権をあるいは先住地を凌駕することで、80億もの個体を抱えるようになった。
熊を生かして人は逃げろとは主張しないが、単純に殺害、駆除だけすることがどういう意味を持つのか考えさせられる問題である。


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