
ジョン・ロバート・ボルトンはこれまでアメリカ政権内に身を置いた人物の中で、最も好戦的な極右翼人物として知られている。トランプはこの男を2018年に大統領補佐官として招聘した。しかし、1年半でボルトンは辞表を提出している。そのボルトンが回顧録を出版した。トランプは慌てて出版差し止めを出したが、時すでに遅く間に合あわなかった。トランプが慌てたのにはそれなりの理由がある。
トランプは個人的な趣味と国益しかない人物であると、ストイックで一本気の強いボルトンはこき下ろしている。
日本との関係では、米軍駐留費を現在の4倍にもなる80億ドル(約8500億円)をNSCの谷内に側近に吹っ掛けさせている。それができないなら、米軍の撤退をするといってやれと述べている。北朝鮮のミサイルはいい商売のネタになる。人を馬鹿にした。現状把握が全くないとても世界最大最強の国家の大統領とはとても思えない発言である。トランプと最も親交を深めている安倍晋三は単なる趣味のゴルフ友達であるとこき下ろしている。イランとの仲介に安倍晋三は勢い込んででテヘランに飛んだが、トランプは全く期待もしていなかったというのである。
北朝鮮とのシンガポールでの首脳会談については、成果などなくて良いこれは宣伝活動だと述べている。さらに板門店での会談については、境界での写真撮りに行ったに過ぎないと述べている。北朝鮮への拉致問題については、ボルトン達の提言を無視して触れず共同声明の文面にも残さなかった。トランプは朝鮮半島の歴史を何も知らないとこき下ろしている。
中国については小麦や大豆を大量に購入して協力するなら、トランプの支持層が喜んでくれ大統領選に有利になると、習近平の条件を出して経済交渉をしている。自分益のためなら唯一の政策ともいえる国益さえも下に置かれる。
トランプはボルトンは嘘つきであることが解ったと述べている。ボルトンはメモ魔として知られ、常時黄色いノートを持っているということである。
いくら岩盤支持層があるといっても、共和党内部しかも極右からの暴露は大統領選へ大きな影を落とすであろう。