そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

経済とコロナ対策を対比して論じるべきではない

2020-09-22 | 新型コロナウイルス

新型コロナ(COVIDー19)はインフルエンザと同じという人たちについて、本ブログで反論もしたががどうもそうした風潮が拭いきれない人たちも多くいるようである。新コロナ対策は謀略説だと述べる人たち、PCR検査など適当にやればよい、感染者全員が助かるわけでないと、テレビ画面でツラーと説明する自称専門家もいる。しかし指定感染症の2類は外して、格差下げ論議の対象にしてはいいかとは思われる現状ではある。
新型コロナが色んな意味でインフルエンザとは異なる。異なるから分類されている。インフルエンザの発生が今年は少なくなりそうである。主な理由は、新型コロナの発生でマスクなどの対応が徹底されたからである。だったらインフルエンザと同じように新型コロナ対応をやれと主張するのでなく、インフルエンザを新型コロナと同じ対応をやれと主張すべきである。田中宇氏たちは、経済活動を最優先にしろ主張しているに過ぎない。
先ずはPCR検査であるが、感染実態を知るのに外に確実な手段が少なく本法を用いるのは当然のことである。それがCOVID-19感染を100%をカバーしていないことも事実である。時間がかかる抗体検査より有効であるに違いはない。

多くの全国の獣医師は、今回の国のコロナ対応に忸怩たる思いで見ているに違いない。牛の人で言えば腸結核であるといっていい、ヨーネ病という病気があり、日本では家畜伝染病予防法に指定されている。ヨーネ病感染牛は淘汰されることになっている。淘汰された牛については、獣医師たち現場の人達の評価を参考に補償金が支払われる。
現在はPCR検査が主流になっていて、陽性と診断されたら淘汰(殺処分)しなければならない。検査は強制であり検査費用はほぼ国の負担になる。PCR検査が陽性であっても、慢性病で潜伏期間が長く発病しない個体もあるが淘汰される。日本の牛はヨーネ病フリーと言ってよい。
因みに、アメリカでは乳牛の60%が感染しているといわれている。大型酪農家では80%の感染群も珍しくはない。日本の消費者は店頭に並ぶ牛乳や牛肉を価格だけで評価してはならない。日本の牛乳と牛乳はPCR検査による徹底した検査と淘汰が行われていて、人への感染が懸念されるヨーネ病フリーである事を知るべきである。
人とは異なることは承知の上で引き合いにだした牛のヨーネ病は、PCR検査の徹底と摘発、そして淘汰と補償が防疫の基本となっている。人は淘汰は出来ないが隔離は可能である。PCR検査の強制も可能である。獣医界に比して人医界は防疫の思考が全くないといって過言でない。
都会を作って人間も企業も密集させる方が経済効率が高い。お金の回りも良く、人々は経済が動いていると追う。何かが犠牲になっていることなど思いもつかない。人医界の防疫思想は乏しく、お金のためなら人の命などどうでもいいのである。特に貧者の生命は軽んじるられる。

防疫対策と経済という相矛盾する対策が求められている、という思考の範囲から抜け出す必要がある。経済を効率と利潤だけで追い求める社会の構築から脱却しなければならないことに気が付かなければならない。生物学者の福岡伸一氏が、風の谷のナウシカの最終章にそのヒントがあるといっておられる。風の谷のナウシカのアニメ版は、一国の勝利の容で終わっているが、7冊からなる漫画版はナウシカは腐海が人類の汚物ばかりではなく、火を捨て生態系を持つ生命の森として人々が生きていく様を暗示している。火はお金を象徴するものと思われる。


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