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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ホアグラ禁止は当然

2012-07-01 | 政治と金

アメリカのカルフォルニア州で、ホアグラ料理が今日(7月1日)から禁止された。日本ではレバ刺し料理が、くしくも同じ日に禁止された。

食べる自由を訴える人たちがいるが、どちらも大きな問題を孕んでいる。ホアグラは鴨に強制的に漏斗を使って、穀物を流し込むのである。鳥には歯がなくそのまま消化器官に入り、消化吸収される。

肝臓は、処理しきれない脂肪で満たされる。黄色く膨れ上がる。鳥たちの虐待と言える。ヨーロッパでは多くの国でこうした飼養はすでに禁止されている。ホアグラとは脂肪肝の病的な組織を食べる料理のことである。

今回シュワルズネッカー知事がハンコを押したのは、料理として出すのを禁止しただけである。

ホアグラは病的脂肪肝の料理名である。その他の、生産を強制されている家畜の肝臓も、脂肪肝になっている。乳牛も肉牛も豚も鶏も、高生産の畜産農家の家畜の多くは脂肪肝になっていると言って良い。

高生産とは、穀物の多給のことである。動物の生理をはるかに超える穀物を与えることで、生産を上げているのである。

日本の肉牛は、それに加えて肝膿瘍になっている。草が相対的に少なくなって、一胃の防御機能が落ちるため、肝臓に細菌が集まるのである。日本の屠場では半分以上の肝臓が、廃棄されていることをご存知だろうか。

家畜は脂肪肝などの、肝機能の低下による病の中にあると言える。これを生で食べるなどとは、現場を知る人間ならとてもじゃないけど、できるわけない。

ホアグラの禁止とレバ刺しの禁止は当然である。私は、穀物多給による生産物(肉、卵、牛乳)も禁止されるべきと思っている。生産が落ちても、生理にあった飼養管理をするべきである。

穀物の大量消費による、世界の食糧事情の悪化と、苦悩する家畜の福祉のために、禁止する時が早く来ることを願っている。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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 私も同感です。幸せとは、健康とは、 (umakusa)
2012-07-02 23:17:32
 私も同感です。幸せとは、健康とは、
それが大切です。

 農業、酪農、畜産に携わる方々も、
何が大切なのかを主張すべきです。

 楽しく仕事をする。貧乏でも、食べて
行ける。そんな農業が大切です。そう
思いました。
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高生産のため、動物に負担をかけることは私も反対... (Unknown)
2013-01-22 02:12:45
高生産のため、動物に負担をかけることは私も反対です。家畜事情を知るほど、恐ろしくなります。

私たちはカリフォルニア州に住んでいますして、自給自足のオーガニック生活をしようと、大きな庭の家に移りました。カモなどは主人がハンティングで捕ってきたものを料理していますし、鶏も、Free Rangeにして新鮮な卵が毎日とれます。
やはり、自然なものはとてもおいしいですし、味が全く違います。

カモの肝は小さいものです。昔、レストランで食べたホアグラ料理を思い出して、あんなに大きくするために、どれだけカモが虐待を受けていたんだろうか、それを満足していただいていたなんて、と自分がはずかしくなります。

皆さんが自分たちの口にしているものが、どのようにどこからくるのか、知識を持った方がいいですね。
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