村上何がしが逮捕直前に長々と言い訳をしていた。彼が「金儲けが悪いことですか」と問うていた。金儲けが悪いのではなく、金儲けしかしないことが悪いのである。元々株価などは、その会社の社会的活動の評価である。阪神電鉄が、住民に電車の利便性を提供したり、野球の娯楽性を与えることで受ける評価の結果であるべきである。
村上何がしは、株価を上げることが会社にとって最も重要なことと嘯いている。確かに、一般株主はそうした感覚が薄かったことも事実である。然しながら、当の本人は資金力に物言わせて、大量に株を購入して株価を吊り上げて経営に参画させろと、素人感覚でプロの経営陣に迫る。拒否されると、上がった株価の利ざやを懐に抜け出るのである。単に、頭の回転が良いやくざな人間に過ぎない。
ホリエモンなども、同種であるが、精神の醸成がなされない教育の結果生まれた、自意識の高いエリートである。わが国の教育環境が作り出した、あだ花である。
因みに農業はこの対極にある。評価されようがされまいが、なくてならない産業である。その農業がこの国では行き詰っている。何か考えさせられる、不愉快な事件である。