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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ、やさしいか判らんだろ

2006-08-18 | 環境保護と循環

アメリカが、地域の活性と石油依存エネルギー打開のために、コーンによるエタノール生産を真面目に検討している。当面車のガソリンの3%ほどを、無公害のエタノールにしようというのである。環境問題とアメリカ中部の過疎対策のためとされているが、この一見進んだように思える、対策はおかしなことだらけである。

コーンからエタノールを生産するのは非常に効率が悪く、サトウキビやビート(甜菜)に比べるとかなり落ちる。サトウキビやビートはアメリカが主産国ではない。発展途上国の農産物である。これらを生産する国では、サトウキビやビートの残滓でのエタノール生産、セルロースからの生産を試みている。これは極めて健全な発想である。人が利用できなくなったものから、人が利用できるものを生産することは、農業の基本である。多少のコストがかかっても国家なりの援助で行うべきであろう。

アメリカが国内事情からここに参入するのは、環境全般から見て途上国の健全な行為を潰すことになりかねない。工業生産のための穀物生産は、食料になるものと違って、農薬や遺伝子組み換え種子の利用など今まで以上に効率一辺倒になり、生産方法に歯止めが利かなくなることが考えられる。水を大量に消費するアメリカのコーン生産は、現在の生産方式でも大きな環境破壊を起こしている。

しかしよく考えてみると、このような残滓は牛の大好物である。工場を作ってエタノールにするよりも、牛の食わせて肉や牛肉に変えたほうが、より地球にやさしいと獣医師なら考えるのではあるが・・・どうだろう。

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