goo blog サービス終了のお知らせ 

そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

世界の食糧動向を左右する中東

2012-05-29 | 中東

Photo左の表は、中東の穀物輸入量の半世紀ほどの経過である。世界市場で流通される穀物の、ほぼ半量は家畜に給与されてきている。輸入国の多くは、先進国だからである。

しかし、ここにきて中東の金余りの国々が、食糧輸入の量を増加させているのである。家畜の場合は、戦略物質として使われた場合に切り捨てる対象になりうるが、中東のように主に人に利用される場合はそうはいかない。

彼らは農地の開発を放棄し、輸入することで食糧不足を乗り切っているのである。しかも世界の流通穀物の、20%にもなってPhoto_2
いるのである。
しかも最近になって、乳肉への志向が強くなりかなりの勢いで、穀物輸入が加速している。

右は、中東の穀物生産量と消費量の予測表である。明らかに輸入依存は加速する。中東にオイルマネーがあふれる間は、この予測に沿うことになるであろうが、アメリカやブラジルやオーストラリがどこ前応じるかである。

日本は円高の背景もあって、こうした世界事情を頓着しないまま、食糧自給率を上げることを怠ってきている。

これらのデーターを見る限りでも、食糧を海外に依存する危うさを知らなければならない。

民主党は、食糧自給率50%を掲げていたが、TPPを参加を目指す現状ではさらに悪化することになる。こうした実情を知るべきである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中東革命のドミノ倒しが始まった

2011-02-20 | 中東

中東で市民革命の連鎖が始まっている。チュニジアで始まった、市民運動は政Photo 権を倒す革命へつつながって広がっている。一見無関係に起きているこれらの、この革命の共通点となるキイワードを並べてみた。

長期政権、独裁、弾圧、不正蓄財、報道の統制、弾圧、貧困、格差、自由、そしてインターネットである。これらの共通項を並べるだけで、この市民運動の本質が見えてくるようである。

チュニジアで果物売りの市民が警察にわいろを要求され、屋台を没収され、彼 は焼身自殺した。これの激怒した市民が警察に押し掛けたのを、ネットで動画で流した。それは大きなきっかけにはなったが、こうした独裁長期政権が持つ腐敗を、市民が怒ったのである。これを教訓に中東最大の国家、エジプトがムバラク政権を倒す結果になった。83歳だかのムバラクは、2兆円もの資産を持っているとのことである。

市民運動の広がりはこれまでの長期政権の、独裁と言論弾圧が根底にあるが各国の目的と不満の矛先は微妙に異なる。バーレーンでは王政の打倒で002あり、イランでは言論の自由であり、リビアはカダフィへの不満である。これらの運動は特定の政治的思惑や方向性あるいは思想があるわけではない。その分、エジプトのように既成政党がここぞとばかかりと台頭してくることになる。

エジプトと親密な関係にある、北朝鮮はこうした市民運動を最も恐れているであろうが、上記のキーワードの中うちのインターネットが欠落している。この種の動きに最も敏感になっているのが中国である。さっそくインターネットの切断などに取っかかったようである。

こうした国民の表現や報道の自由、更には政治活動の自由を奪うことで成し遂げてきた経済成長は、社会主義国家としての中国にどのような意味があるのだろう。上記キーワードのインターネットだけを外してみても、意味があるとは思えない。いずれにしても、中東では当分の間は混乱が続くであろうが、結果として反米政権が続出することになるものと思われる。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中東に学ばない民主党

2011-02-18 | 中東

地中海の平和な観光国家チュニジュアで始まった、反政府市民運動は中東各国に広がっている。バーレーンで反王制運動が起きたも驚いたが、カダフィのリビアで反政府運動までなるとは、多くの人は思わなかったであろう。もちろんこうした運動は、突如として起きたように思えるが、実際にはその基盤になるものが見えてはいた。

中東はヨーロッパ各国が近代になって、好き勝手に進行して切り刻んできた歴史がある。更には宗教的な対立に加えて、なんと言っても20世紀を引っ張ってきた石油が、大量に発掘されたことが大きな要因としてある。y-ろっぱ列強が手を引いたとたんに、イスラエル国家が建設され、ヨーロッパにとって代わったアメリカがこれを協力に支持した。

冷戦後のアメリカは、世界の全てを支配し、世界の警察を自認していたのである。中東はその最も典型的な地域でもあった。これに宗教的対立を煽ったのが、アルカイダなどのイスラム急進主義者たちである。ここ数年の新興国の台頭によって、世界は急速に多極化へと向かっている。とりわけBRICsの経済的成長は、多極化への加速基盤となった。

こうした相対的なアメリカの存在の低下が、エジプト国民に新たな意識を芽生えさせたと言える。エジプト国民の半数は、ムバラクが政権取って以降の若者である。

アメリカは、エジプトの独裁政権も、サウジの王体制であろうがイスラエルの暴力国家であろうが、アメリカになびくものであれば、何でも受け入れた。イラクに攻め入った、民主国家の建設などどうでもいいことである。アメリカにとって都合の良いものなら、制度も理念も問うことはないのである。

アメリカの意向に沿ってさえいれば、あるいはリビアのように反米を掲げていれば40年にも及ぶ長期政権を維持できたのである。そのアメリカの経済力等の低下、多極化が今回の中東各国のソーシアル型市民運動の原動力である。

こうした流れに全く抗うように登場したのが、日本の民主党政権である。政権交代は、こうした世界の変化を受け入れる絶好の機会であったが、民主党政権はアメリカに袖にされても,すり寄る政策を選択しているのである。どこかおかしくないか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃイランはやるさ

2006-09-15 | 中東

Iranian_president_ahmadinejad_urged_agai_1 イランが元気である。イランの元気の原因は二つある。一つはいわずと知れた石油価格の高騰による、外貨の増収である。もう一つが、この国が長年苦労した隣国をアメリカが退治してくれたためである。隣国とは、オサマビン・ラディンと関係が深いとされたタリバン政権のアフガニスタンである。タリバン政権とは長年敵対関係にあった。もう一つはイラクである。イラクとは中東の覇を競う関係にあったが、アメリカが無根拠の理由でフセイン政権を潰してくれた。おまけに、国の建て直しなど及びもつかないに状況に二国ともある。あり難い事である。

この二つの理由を作ってくれたのはアメリカである。今こそイランが自国の存在感を示す絶好のチャンスである。イランは中東では少数派のペルシャ系民族である。アラブ系のイラクやサウジアラビアや、多民族国家であるアフガニスタンとは元々一線を画している。宗教的にもシーア派が多く、国家としてもまとまりも強いものがある。イランはアメリカに感謝していることであろう。

地政学的な分析もなく、単純に武力攻撃をするしかできないアメリカは、イランの核施設Photo_22 攻撃を真剣に考えているのかもしれない。その原因を作ったのが自国である認識など毛頭ない。

現在、キューバで非同盟諸国会議(115カ国、1機構)が開催されている。東西冷戦時代に、どちらにも属さない国々が集まって開かれた会議であるが、今や反米色が強い会議となっている。ベネズエラとイランの急接近に不吉な予感すら感じるが、日本の報道陣はカストロの容態以外には無関心のようである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃ厭になるサ

2006-09-06 | 中東

アメリカがどうやら”イラクを間違った標的だった”と思い始めているらしい。今更なんだPleas_for_peacemaking_fall_on_deaf_earsと思ったりもするが、300億ドルを越す出費と2600人の戦死者を抱えて、出口すら見 えない状態である。金もさることながら、州兵まで動員して大量の死者は、脱走兵の問題なども含めて国内的にも高まる厭戦機運も、無視できない状態になっている。引くに引けない現状を、虚偽を大義にしてまで行った戦争を超大国は全面否定できないのであろう。

イラク人の死者は10万人をはるかに越えている。ここに来て、イラク国内の宗派間の戦The_new_middle_east_bush_is_resistingいが際限ない泥沼に陥っている。西欧の民主主義を押し付けられなかったばかりか、日 本のように進駐軍を歓迎さえもしてくれなかった苛立ちがアメリカに見られる。当初の目論みは、フセインを支持基盤のスンニー派に対するシーア派が、アメリカ国旗を掲げて「解放」を歓迎してくれる青写真はすっかり当てが外れた。バクダッドに入った若い兵士が、市民の歓迎がなかったことに戸惑いを話していた。

A_girl_peers_out_from_her_familys_damage_1 「お前の亭主は態度が悪いからオレが退治してやる」と、土足で他人のうちに侵入して、民主主義を押し付けられるとした思惑は中座したと見るべきである。アフガニスタンではアルカイダなどの攻勢の中で、アメリカは一時の勢いを失っている。武力ができることの限界を持って知るべきである。憎しみの再生産は際限ない。

現在の戦いは、国家間の戦争ではない。テロの再生産を生み出すだけの個別の戦争である。標的が間違っているのではなく標的を儲けることが間違っているのである。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃ核開発するサ

2006-09-02 | 中東

イランが核開発を、国是として行う。世界唯一の被爆国日本では「核兵器」そのものの論Iranian_president_ahmadinejad_urged_agai議が、どうしても主体になっておこなわれる。論議の前に、嫌悪感が存在して核兵器を所有することの政治的な意味の本質を見逃す傾向になる。核兵器を所有したいと宣言しただけで、北朝鮮は膨大なエネルギーと食糧の援助をクリントン時代に貰った経験がある。国内政策が行き詰っても001_1 「核兵器を作ろうかな~」と言うだけで、なんでも解決できたのである。まさに、核兵器の持つ政治的意味を正確に理解しているといえる。再度甘い汁は吸えなかったものの、核開発を強烈な政治の駆け引きのカードとして使用している。

世界最貧国の一つである北朝鮮が、国家の存亡を危うくするような戦争を本気でやるわけがない。一発打ってそれで終わりである。戦争ができない国が核兵器を持つ意味を再度確認するべきである。いたずらに危機感を煽ったり国防論や改憲論に置き換えてはならない。イランはインドやパキスタンが所有する限り、この国の国民は所有を望むであろう。核拡散防止条約は、米国、英国、仏国、ソ連、中国の5ヶ国以外が核を持つことを禁じた、かなり身勝手な条約である。被爆国日本が、核拡散に反対する意味は大いにあるが、結果的にアメリカを支援することになる政治的すり替えを理解しているのであろうか。広島は全ての核兵器の廃絶をうたっている。核兵器の拡散防止ではなく廃絶が本論である。

September_11_2001_terrorist_attacks ところで、ビンラディンも核兵器を欲しがっているようであるが、これは政治的な意味や駆け引き材料ではない。まさしく「核兵器」として使用したいのである。は二つの大きな意味を持ち、それらは個別の視点から論ぜられるべきである。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦争の無意味さ

2006-09-01 | 中東
Little Birds -イラク 戦火の家族たち- Little Birds -イラク 戦火の家族たち-
価格:¥ 5,985(税込)
発売日:2006-03-24

戦争の悲惨さ残忍さと意味のなさを見せ付けられるDVDである。本編は、アメリカの空爆直前から2年ほどを、イラクの庶民の目線から採り続けたドキュメントである。作者の綿井健陽氏は、中東でビデオを片手に最も危険なところを撮り続けているビデオジャーナリストである。タイトルの”Little Bireds”は、幼くして亡くなった子どもたちは小さな鳥になるという言い伝えである。悲惨な空爆直後の病院で死に行く人たち、死んだ人たちの映像を直視するのは勇気がいる。

子どもを3人亡くしたアリ・サクバンは、戦争をするために神は人を作ったのではない。文化や倫理を深めるために作ったのだ。と、戦争の無意味さを、一家に戦争による7人の死者を抱えて訴えていた。

その一方で、侵略した米兵へ戦争の意味や大儀を問うても、何の返事も返ってこなかった。この落差がこの戦争の本質を語っている。アメリカは、イラクに自由と民主主義をもたらすとする傲慢な姿勢のアメリカ兵に、哀しさが漂う。

本DVD撮影後のイラクでは、宗派間の対立が激化している。大儀もなく殺戮と混乱を招くだけのアメリカ侵略を、後日歴史はどのように説明するのであろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そりゃイスラエルの負けサ

2006-08-30 | 中東

An_artillery_unit_fired_a_shell_toward_s_1 イスラエルが仕掛けたかレバノンのヒズボラが仕掛けたのか、実態はわからないが約5倍ほどの死者の数に反比例して、この戦争は明らかにイスラエルが失ったものが多い。非人道的な空爆、一般人の大量殺戮など国際世論の逆風だけでなく、当初目的としていたヒズボラの戦闘能力を殺ぐことすらできなかったようである。中東最大の圧倒的戦力を背景に、数日で終わるとの目論みは見事に砕かれ、ヒズボラの思わぬ攻勢にたじたじであった。戦争が終わった後に、イスラエル兵が書面で自国の首相に、戦争を本気でやる気がないと抗議文を提出する始末である。

Smoke_billowed_from_beirut_after_an_airs_2 ヒズボラは住宅がイスラエルによって破壊された場合には、平均的な収入の2年分に相当する補償を行っている。ヒズボラの豊かな財政と豊富な兵器がイランによって担保されている事実は、レバノン政府の存在すら危うくするものである。レバノン国内での、ヒズボラの評価が高まる結果にもなっている。ナスララ師が勝利宣言するする程である。

日本の総理が全く無視されたのに比べると多少はましだとは思われるが、調停に出たアメリカのライス国務長官の無能ぶりや、国連の非力があからさまになった。このような状態では今後の中東情勢は、いっそうの混迷が進むことであろう。

こんな状況で、ヒズボラは武装解除する気など毛頭なく、どの国もいかなる団体も、自らの勝利以外の戦闘終結を考えていない。武力以外の解決方法しかないことを、彼らに教えられるのは日本のような非戦闘国家であるのだが・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港