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もやもや日記

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『あらしのよるに』

2005年04月06日 | 読書日記ー日本
木村裕一/文 あべ弘士/絵(講談社)



《あらすじ》
あらしの夜に真暗闇の山小屋で出会ったオオカミとヤギ。お互いの姿が見えないので,ふたりともすっかり仲間と思い込んで……。



何年か前に話題になっていたので、ずっと読んでみたかったのですが、
図書館の児童書コーナーを通りかかった時、ふとそのことを思い出し、読んでみました。
タイトルはわかっていたのですが、作者名がわからず、最初は本を見つけられなかったので、館内の検索端末を利用したところ、シリーズ全6冊が全て揃っているようでした。

「あらしのよるに」
「あるはれたひに」
「くものきれまに」
「きりのなかで」
「どしゃぶりのひに」
「ふぶきのあした」


「日本のものがたり」の「作者名 か行」のところに置いてあるという情報を得て、しかも現在貸し出し件数0件で全巻読むことができるはずでした。
ところが、お目当ての「あらしのよるに」だけがどうしてもみつかりません。
仕方なく「ふぶきのあした」を読みました。
続き物だということを知らず、最終巻から読む愚かな私。
読み終えてから気が付きました。
そこで、「あらしのよるに」以外のものを順番に読んでみました。
なるほど、面白かったです。
最後の「ふぶきのあした」などは、1回目に読んだよりも続けて読んだ後のほうが、感動がひとしおで、書棚の前で立ち読みしながら思わず落涙の危機でした。
人と人を対立させるのは(物語ではオオカミとヤギですが)何なのか。
対立し合うはずのふたりが惹かれ合うとどうなるのか。
古典的なテーマではありますが、ひらがなだけの簡潔な文章で、物語は静かに展開していきます。
ごく少ない文字数で、これほど考えさせる作品を組み立てるというのはすごいです。
やはり児童文学は侮れません。
『100万回生きたねこ』(佐野洋子 講談社)もたまらないのでした。