啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「皐月に」

2022-05-03 16:53:09 | 庭の花木
「エビネ」 ラン科
 一足早く、当家では連休の喧噪もおえ、ようやく静かな日常が戻ってきた。ほっとすると同時に、賑やかで元気な声がきこえないと、やや寂しくもあり、家の中では朝から音楽が流れている。
 八十八夜も過ぎ、この頃になると霜も降りなくなり、農家では作業も一気に進んでゆくのだろう。当家でも、夏野菜の苗を少しばかり植え、これから花が咲き、成長してゆく様子を楽しみにしている。
 穏やかな春。しかし、外に目を向ければ、ロシアのウクライナ侵攻により、報道されるその状況に目を覆うばかりの悲惨さ。いったい、ここはどんな建物だったのかも分からない地下室から、這い上がってくる子供たちや女性。攻撃を恐れ、長い間太陽の光を見なかったと語る人。地下室が崩れるのではないかと思い、怖かったと語る女性。もし、自身がその立場にいたら・・そう思うとゾッとするし恐ろしい。物価が高く、生活に多少の影響は受けているものの、遠く他人への想像力が働かない。青葉の輝きは、気持ちが華やぎ、ときめきもするし、目を愉しませてくれる。それは当然のこととして実感しているが、何だか、心がざわつくのです。
 エビネの漢字で表すと「海老根」。地下茎の曲がりを「海老」に見立ててつけられた名前で、個体はヂエビネ。「ヂ」とは、山地に自生している普通のエビネ。生えている場所により、花の色は様々で、園芸品種もたくさんあるとのこと。個体は、夫が佐渡の実家からもってきたもので、毎年咲いてくれる。