「シュンラン」 ラン科
青の中に、少し白色を混ぜたような空から、弱い雨が降っていたのも束の間、午後からは、おだやかな温もりに包まれている。新学期がはじまったのか、色とりどりのランドセルを背負った小学生の元気な声が、通学路から聞こえてくる。春は希望に満ちた良い季節。
シュンランは、漢字で春蘭と記すように、春に咲く花を代表する名。別名、ホクロともいうらしいが、夫は、ジジババと言っていた記憶がある。唇弁に、2個ある斑点をホクロにたとえたとか、あるいは年寄りが、顔に出来るシミにたとえたようだ。
一般的にランは、華やかなイメージだが、個体はどちらかといえば、少し地味な印象。しかし、細い緑の葉に包まれ、淡い黄緑のような、若草色と表現したのが良いのか分からないが、いかにも春らしく、じっと眺めていると、思わずフッフッと笑いたくなるような、ユニークな花姿だ。