気ままな歳時記

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『舟を編む』

2013年04月16日 20時23分36秒 | ときどき,映画
 2012年本屋大賞に輝いた『舟を編む』は,“三浦しをん”さんの小説を石井裕也監督が映画化したもので,新しい“辞書作り”という気の遠くなるような作業に没頭する人達を淡々と描いた映画であり,辞書(舟)を編集する(編む)=辞書作りという映画でした。

 編纂する人達が,日々の暮らしの中から言葉を探す(採取する)「用例採取」という行為や,「右」とは言葉でどう表現するかなど,今まで考えたりしたことのない言葉や行為がとても新鮮でした。(映画の中で馬締(まじめ)光也は,「右」とは西を向いた時に,北側にくる方と答えています)

 新しい辞書「大渡海」の編纂をするのは,編纂責任者の松本先生(加藤剛),来春定年退職する荒木公平(小林薫),ちょっとチャラ男の西岡正志(オダギリジョー),名前から真面目な馬締(まじめ)光也(松田龍平)という超個性的というか変わった人達のまじめな物語です。

 1995年から15年に及ぶ編纂作業の様子を劇的でなく,淡々と描き,辞書完成直前に亡くなる松本先生のこともサラッと描き,馬締の住む下宿の趣のある建物が良い雰囲気を醸し出していますし,馬締(まじめ)と言う名字や,満月の日に突然現れる香具矢(かぐや)(宮崎あおい)と言う名前も駄洒落っぽいけれど悪くないネーミングかもしれません。

 チャラ男の西岡正志(オダギリジョー)の,映画後半での真面目な活躍振りは素晴らしく,映画の唯一の盛り上がりは,馬締が香具矢に思いを告白するところですが,その他はまさにカメラで言えば定点観測しているような映画でしたが,2時間半という長さを感じさせない映画でした。

 『舟を編む』のポスター


 『舟を編む』


 『舟を編む』のキャスト

 

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