❝ヘアドネーション❞とは、人々が寄付した髪からウィッグ(かつら)を作り、髪の悩みを抱える子どもたちに
提供することだそうだ。 最近、よく耳にすることが増えてきているが、その仕組みや寄付する人々の
動機を探った記事を紹介します。
「伸ばし続けた髪を35㌢㍍切った」。 今年1月、都内に住む大学4年生の女性(22)は1年間弱伸
ばした髪を思い切って短くした。 新型コロナウイルス禍で外出自粛が呼びかけられた昨年3月。
美容院にも行きづらくなるなか、ヘアドネーションを決意。 頭の軽さに驚きながら「たいしたこと
ではないけど誰かの役に立つならうれしい」と目を細める。
ヘアドネーションとは、寄付で集め
た髪から医療用のウィッグを作り、
脱毛症や抜毛症などに悩む子どもに
無償で提供する活動。円形脱毛症は
子どもから大人まで男女問わず発症
し、子どもの割合も決して少なくな
い。 米国で広がっていた活動を、
現地で美容師をしていた“渡辺さん”
が持ち帰り、2009年にNPO法
人JHD&C(ジャーダック)を設立。
著名人も運動に加わって話題を呼び
メディアを通じて認知度が高まった。
ヘアドネーションに賛同する美容室
55JET ai HAPPY HAIR MAKE(東京・世田谷)代表の“当間さん”も「多い日は6,7人が
髪を寄付しに訪れる」と言う。
現在は小中生など若い参加者が増えており「全体の4割が10代以下のドナー」と渡辺さん。 夏休
みの自由研究を通じクラスで認知が広まるケースが多いという。 この勢いに拍車かけているのが
SNSの存在だそうだ。 動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿された、長い髪をばっさり切っ
て印象が大きく変わる動画の再生回数は160万回を超えていそうだ。 画像共有アプリ「インス
タグラム」では、切った髪の毛やカット前後の写真を共有する人も多く「#ヘアドネーション」の
ハッシュタグの付いた投稿は25万件を超えているという。
寄付した髪はどうやってウィッグはどうやってウィッグになるのだろうか。 医療用ウィッグ製造の
グローウィング(大阪市)が企業の社会的責任(CSR)の一環として取り組む「つな髪プロジェクト」
では、毎日約50~80人分の髪が届く。 届いた髪は長さや色、状態に応じて手作業で仕分けし
国内の倉庫で一時保管される。 その後海外の工場に送られ、殺菌・消毒。 処理が終わった髪は
職人がベースと呼ばれる布に1本ずつ植毛してウィッグの形に仕上げる。 完成したウィッグが入
荷後、子どもの希望のヘアスタイルに専門のサロンでカットしてようやく子どもの元に届けられる。
文字にすると簡単そうですが、頭全体を覆うウィッグを1つ制作するには約3㌔㌘、およそ20~3
0人分の髪が必要になる。 「寄付された髪には短い毛も多く含まれていて、使える髪を選別する
必要があるため」(プロジェクト担当の“堀江さん”)だ。 つな髪プロジェクトでは、基準に満たない毛は
美容師がカットを練習するためのウィッグに使用しているそうだ。
事務所に届いた髪がウィッグに変身するには2~3年もの年月がかかる。 その大部分が国内倉庫で
の保管期間だそうだ。 髪は多くの人から寄付されるが「一般では20万円弱するウィッグを無償
で提供している活動。 制作費や人手もそれなりにかかる」(堀江さん)といい、制約となっている。
大変な労力がかかるヘアドネーションだが、堀江さんは「ヘアドネーションを通じて髪に悩みを抱え
ている当事者への理解が進めば」と話す。
たとえばウィッグを使う理由の多くが周囲の目線というのはあまり知られていない。 小学2年生で
脱毛症になり、現在はジャーダックのウィッグアドバイザーとして働く“吉田さん”は「本当はウィ
ッグは外しているほうが楽だが、つけずに外を歩いたら周囲の目線がすごい」と打ち明ける。
「31㎝~ヘアドネーションの今を伝え、未来につなぐ~」の取材・文を担当した“岡見さん”はヘ
アドネーションへの参加を参加を通じて「誰かに喜んでもらって嬉しい、からもう一歩先の『なぜ
ウィッグが必要なのか』という疑問につながれば」と話している。
実はウィッグをつけさせてしまっている今の社会に気づくことがヘアドネーションの本当の目的だと
気づかされたと‥‥。 吞気な私もハッと考えさせられる問題だと気づかされました
提供することだそうだ。 最近、よく耳にすることが増えてきているが、その仕組みや寄付する人々の
動機を探った記事を紹介します。
「伸ばし続けた髪を35㌢㍍切った」。 今年1月、都内に住む大学4年生の女性(22)は1年間弱伸
ばした髪を思い切って短くした。 新型コロナウイルス禍で外出自粛が呼びかけられた昨年3月。
美容院にも行きづらくなるなか、ヘアドネーションを決意。 頭の軽さに驚きながら「たいしたこと
ではないけど誰かの役に立つならうれしい」と目を細める。
ヘアドネーションとは、寄付で集め
た髪から医療用のウィッグを作り、
脱毛症や抜毛症などに悩む子どもに
無償で提供する活動。円形脱毛症は
子どもから大人まで男女問わず発症
し、子どもの割合も決して少なくな
い。 米国で広がっていた活動を、
現地で美容師をしていた“渡辺さん”
が持ち帰り、2009年にNPO法
人JHD&C(ジャーダック)を設立。
著名人も運動に加わって話題を呼び
メディアを通じて認知度が高まった。
ヘアドネーションに賛同する美容室
55JET ai HAPPY HAIR MAKE(東京・世田谷)代表の“当間さん”も「多い日は6,7人が
髪を寄付しに訪れる」と言う。
現在は小中生など若い参加者が増えており「全体の4割が10代以下のドナー」と渡辺さん。 夏休
みの自由研究を通じクラスで認知が広まるケースが多いという。 この勢いに拍車かけているのが
SNSの存在だそうだ。 動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿された、長い髪をばっさり切っ
て印象が大きく変わる動画の再生回数は160万回を超えていそうだ。 画像共有アプリ「インス
タグラム」では、切った髪の毛やカット前後の写真を共有する人も多く「#ヘアドネーション」の
ハッシュタグの付いた投稿は25万件を超えているという。
寄付した髪はどうやってウィッグはどうやってウィッグになるのだろうか。 医療用ウィッグ製造の
グローウィング(大阪市)が企業の社会的責任(CSR)の一環として取り組む「つな髪プロジェクト」
では、毎日約50~80人分の髪が届く。 届いた髪は長さや色、状態に応じて手作業で仕分けし
国内の倉庫で一時保管される。 その後海外の工場に送られ、殺菌・消毒。 処理が終わった髪は
職人がベースと呼ばれる布に1本ずつ植毛してウィッグの形に仕上げる。 完成したウィッグが入
荷後、子どもの希望のヘアスタイルに専門のサロンでカットしてようやく子どもの元に届けられる。
文字にすると簡単そうですが、頭全体を覆うウィッグを1つ制作するには約3㌔㌘、およそ20~3
0人分の髪が必要になる。 「寄付された髪には短い毛も多く含まれていて、使える髪を選別する
必要があるため」(プロジェクト担当の“堀江さん”)だ。 つな髪プロジェクトでは、基準に満たない毛は
美容師がカットを練習するためのウィッグに使用しているそうだ。
事務所に届いた髪がウィッグに変身するには2~3年もの年月がかかる。 その大部分が国内倉庫で
の保管期間だそうだ。 髪は多くの人から寄付されるが「一般では20万円弱するウィッグを無償
で提供している活動。 制作費や人手もそれなりにかかる」(堀江さん)といい、制約となっている。
大変な労力がかかるヘアドネーションだが、堀江さんは「ヘアドネーションを通じて髪に悩みを抱え
ている当事者への理解が進めば」と話す。
たとえばウィッグを使う理由の多くが周囲の目線というのはあまり知られていない。 小学2年生で
脱毛症になり、現在はジャーダックのウィッグアドバイザーとして働く“吉田さん”は「本当はウィ
ッグは外しているほうが楽だが、つけずに外を歩いたら周囲の目線がすごい」と打ち明ける。
「31㎝~ヘアドネーションの今を伝え、未来につなぐ~」の取材・文を担当した“岡見さん”はヘ
アドネーションへの参加を参加を通じて「誰かに喜んでもらって嬉しい、からもう一歩先の『なぜ
ウィッグが必要なのか』という疑問につながれば」と話している。
実はウィッグをつけさせてしまっている今の社会に気づくことがヘアドネーションの本当の目的だと
気づかされたと‥‥。 吞気な私もハッと考えさせられる問題だと気づかされました