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テレビ画面「型」や比率の謎

2022年01月10日 12時37分26秒 | 雑学
  家電販売店には薄型テレビがずらりと並んでいる。 サイズを見ると43V型、55V型
   などと表記されている。 半端な数字を使うのはどうしてなんだろうと思いません?
  テレビ画面の規格の謎を探ってみた。

  そもそもなぜテレビは型という、見慣れない単位で大きさを表すのだろうか。
   電子情報技術産業協会(JEITA)ディスプレイデバイス統括委員会の“久保委員長”は
   「日本のテレビ放送が米国の放送方式や技術を採用したから」と説明する。 
   「1955年前後のテレビ受像機の広告には漢字の『吋(インチ)』が用いられた」
   という。 ただ、国内ではインチが単位として浸透していなかったため、60年代
   以降はインチを「形」「型」などに置き換えて使うようになったそうだ。
  ではテレビの型は何の長さを表しているのか。 実は型は縦横の長さではなく、対角
   線の長さなのだ。 その理由について久保委員長は「初期のブラウン管は円形しか
   作れず、画面が丸かった」と教えてくれた。 円形の大きさは直径で表したので、
   対角線を使うのはその名残だ。 ちなみに「V」は枠などを除いた画面そのものの
   多きさを示す。

 43V形など半端
 な大きさが多いの
 は製造工程に原因
 がある。薄型テレ
 ビのパネルはマザ
 ーガラスと呼ばれ
 る超大型の1枚ガ
 ラスから切り出さ
 れる。 例えば、
 8.5世代と呼ば
 れるマザーガラス
 の場合、大きさは
 横2500㍉㍍、
     縦2200㍉㍍。 55V型の横長のパネルが6枚、49V形なら8枚とされる。

  「メーカーは自由にテレビの画面の大きさを決められる」(久保委員長)が、無駄にな
   る切れ端を最小限にしようとすると、自然と同じ大きさに収束する。
  テレビの横と縦の比率(アスペクト比)は長い間4対3が主流だった。  現在は横長の
   16対9が多い。 これらはどうやって決まったのか。
  4対3が採用されたのはカラーテレビ放送規格が米国で誕生した50年代当時の映画
   のアスペクト比が4対3だったためだ。 テレビの普及に脅威を感じた映画業界は
   その後「横長のアスペクト比とすることで競争力を保とうとした」(久保委員長)
   近年、テレビが横長になったのは1990年代以降に普及した高精細のハイビジョ
   ン放送の影響が大きい。
  NHK放送技術研究所では最初の東京五輪が開かれた64年から、旧来の標準テレビ
   方式に代わるハイビジョンの研究を推進。 当時の4対3を横に伸ばしていき、実
   験の参加者に最も好まれたのが5対3や6対3だった。
  こうした結果に加え、人間がパッと見て情報を得られる視野は横方向に約30度、縦
   方向に約20度という知見もあった。 テレビの高さの3倍程度の距離から画面を
   見つめた場合、5対3はこの条件にも合うため、国内外で5対3を規格化する動き
   が広がった。
  ところが、米国の映画団体から「映画との互換性を考慮すべきだという指摘が入った」
   (同研究所の“日下部上級研究員”)といい、アスペクト比はテレビと映画の間をとる形で16
   対9に決まった。 薄型テレビでもう一つ気になっていたのが、オンラインで映画な
   どを購入・レンタルする際に「1080P]などと表記される、映像の品質を示す数字
   だそうだ。 数字が大きいほど高画質というのは分かるが、どういう経緯で決まった
   のだろうか。

  液晶画面は画素を光らせることで映像を表示する。 画素を画面の端から端まで水平
   方向に光らせることを「走査」といい、横1列分の走査の軌跡は「走査線」と呼ば
   れる。
  ハイビジョンの規格策定では、視力1.0の人がテレビの高さの3倍の距離から見た
   場合に、走査線が1100本あれば映像は高精細に見える、との結論が得られ、最
   終的に1125本に決まった。 これはそれまでのテレビの2倍以上の高精細さで
   ハイビジョン映像ことを「1080P」と表記するのは、1125本のうち、実際
   に使われる「有効走査線数」が1080本のためだ。
  現在はスマートフォンでも画素数がハイビジョンの4倍の4K動画も気軽に撮れるよ
   うになり、8Kなどさらに高精細な規格も生まれている。
   ただ、どんな規格であっても「大事なのはどうすれば人間の感覚を引き出せるのか
   という視点」(日下部さん)だ。  将来登場するテレビは今より臨場感と迫力が得ら
   れるものになっていることだけは間違いない。 最新の売り場を見ながら、テレビ
   の未来に思いをはせてしまいました‥‥。