企業や消費者から食品の寄付を募り、貧困家庭や福祉施設などに配るフードバンクが
新型コロナウイルス禍で注目されている。 活動は外側からは見えづらいが、現場
では分刻みのスケジュールで動く職員の姿がある。
東京都日野市のフードバンクTAMAは社会福祉施設や貧困家庭向けに食品を集める。
午前8時ごろ、同団体の一日は事務局長の“芝田さん”のメール確認で始まる。 近所
の運送会社の配送センターに企業などが提供した食品がどのくらい届くかを把握す
る。 「届いて初めて分量が分かることも多い」という。
午前10時ごろ、職員の一人が食品を受け取りに向かう。 車の荷台に30箱ほどの
食品を手際よく積んでいく。 重さが20㌔近くになる箱もあるが、作業時間は約
10分ほどだそうだ。 職員がフードバンクに戻ると、芝田さんは近隣の施設や子
ども食堂に電話をかけ始める。 「冷凍ギョーザが届いたけど、取りに来ない?」
と用件を手短に伝え、届いた食料の配分を決めていく。
確認の取れた施設から順次食料の配送を始める。 ボランティアの一人が向かった先
は、子どものデイサービスなどを手がけるクリッパーズ(同市)。 休日に子どもを
預かることもあり、野菜や卵などの食材は不足している。 「子どもたちのおなか
を満たすだけでなく、食育にもつながっています」。 職員の男性は手を動かしな
がらそう話している。 ボランティアは「空き箱は回収しますね」などとごく短い
会話をし、次の配達先へ。 滞在したのは2~3分だけ‥。
本部には子ども食堂の担当者が車で食料を取りに訪れる。 この日は午前11時半ま
でに10件近くの子ども食道が訪れた。 隙間時間を活用して個々の家庭向けに複
数種類の食品の箱詰めなども行う。 作業の大部分を午前中に終えÞ。
企業からは日持ちしない生野菜なども寄付されるため、配布は時間との勝負だという。
TAMAは主に月曜と金曜の午前中に職員を集め、集中して作業するそうだ。
配布先には優先順位をつけて効率化する。 優先度が高いのは近隣の福祉施設や子ど
も食堂などで、野菜などはここで配りきる。 日持ちする食品が余ったら、地区の
社会福祉協議会などを通じて広く希望を募る。 生鮮食品の提供は受けないという
選択肢もあるが「できる限り普通の食生活を送れるように様々な食品を受け入れる」
(神山理事長)という。 食品を提供する企業も細かい判断を重ねる。
しょうゆや加工食品を製造する宮島醬油(佐賀県唐津市)は今年から地元のフードバンク
の活動に協力している。 同社では数カ月先の需要を見込んで加工食品を製造して
いる。 その上で余剰が出た場合、賞味期限が3カ月を切った商品の一部をフード
バンクに提供する。 上限はないが「賞味期限間近の商品をトラック1台分ほどを
寄付に回したこともある」(同社)という。
寄付は同社の社会貢献活動の一つだが、フードバンクの商品は消費者の手に届くこ
とが確約されており、認知度を高める効果がある。 「食べておいしいと思っても
らうチャンスをもらっている」(同社の福岡営業所で担当する脇山さん)。
コロナ過は困窮世帯の食卓にも影響をおよぼしている。 フードバンクTAMAでコ
ロナ前に提供していた食料は1月当たり2㌧ほど。 コロナになってからは少ない
ときでも約8㌧、多いときでは約17㌧に上るという。 「食に困っている人は公
表されている以上に多いと感じる」(芝田さん)。 「絶食状態の人だけでなく、その
一歩手前で食べ物に困っている『黄色信号』の人も多く、今まで以上に食料の確保
と作業の効率化に注力せざるを得なくなった」
効率的な作業を優先した一例が米の調達。 フードバンクは行政の備蓄米の提供を受
けられるが、報告のための書類に記録する作業は煩雑だという。 TAMAはマン
パワーが限られるため、備蓄米の利用を諦め、米を自前で購入しているという。
システマチックに動くフードバンクだが、運営は個々の職員の能力に依存する場合
も。 TAMAは芝田さんが企業などとと定期的に連絡を取ることで継続して食品
を確保できている。 倉庫の管理は、スーパー業界を会見した職員が担当。 職員
の大半は60歳以上で「後任も活動を継続できるように、食品のやりとりの記録や
運営のノウハウをデータベース化している」(芝田さん)という。
全国フードバンク推進協議会の“米山さん”は「フードバンクが安定して活動するため
には、より公的支援が必要だ」と話している。
この意見、官邸や永田町の皆さんどう思われますか? 少しはこういった実情をもっ
ともっと勉強・把握して、自分たち優遇を減らしたお金をこういったものに使って
ほしいものです。
新型コロナウイルス禍で注目されている。 活動は外側からは見えづらいが、現場
では分刻みのスケジュールで動く職員の姿がある。
東京都日野市のフードバンクTAMAは社会福祉施設や貧困家庭向けに食品を集める。
午前8時ごろ、同団体の一日は事務局長の“芝田さん”のメール確認で始まる。 近所
の運送会社の配送センターに企業などが提供した食品がどのくらい届くかを把握す
る。 「届いて初めて分量が分かることも多い」という。
午前10時ごろ、職員の一人が食品を受け取りに向かう。 車の荷台に30箱ほどの
食品を手際よく積んでいく。 重さが20㌔近くになる箱もあるが、作業時間は約
10分ほどだそうだ。 職員がフードバンクに戻ると、芝田さんは近隣の施設や子
ども食堂に電話をかけ始める。 「冷凍ギョーザが届いたけど、取りに来ない?」
と用件を手短に伝え、届いた食料の配分を決めていく。
確認の取れた施設から順次食料の配送を始める。 ボランティアの一人が向かった先
は、子どものデイサービスなどを手がけるクリッパーズ(同市)。 休日に子どもを
預かることもあり、野菜や卵などの食材は不足している。 「子どもたちのおなか
を満たすだけでなく、食育にもつながっています」。 職員の男性は手を動かしな
がらそう話している。 ボランティアは「空き箱は回収しますね」などとごく短い
会話をし、次の配達先へ。 滞在したのは2~3分だけ‥。
本部には子ども食堂の担当者が車で食料を取りに訪れる。 この日は午前11時半ま
でに10件近くの子ども食道が訪れた。 隙間時間を活用して個々の家庭向けに複
数種類の食品の箱詰めなども行う。 作業の大部分を午前中に終えÞ。
企業からは日持ちしない生野菜なども寄付されるため、配布は時間との勝負だという。
TAMAは主に月曜と金曜の午前中に職員を集め、集中して作業するそうだ。
配布先には優先順位をつけて効率化する。 優先度が高いのは近隣の福祉施設や子ど
も食堂などで、野菜などはここで配りきる。 日持ちする食品が余ったら、地区の
社会福祉協議会などを通じて広く希望を募る。 生鮮食品の提供は受けないという
選択肢もあるが「できる限り普通の食生活を送れるように様々な食品を受け入れる」
(神山理事長)という。 食品を提供する企業も細かい判断を重ねる。
しょうゆや加工食品を製造する宮島醬油(佐賀県唐津市)は今年から地元のフードバンク
の活動に協力している。 同社では数カ月先の需要を見込んで加工食品を製造して
いる。 その上で余剰が出た場合、賞味期限が3カ月を切った商品の一部をフード
バンクに提供する。 上限はないが「賞味期限間近の商品をトラック1台分ほどを
寄付に回したこともある」(同社)という。
寄付は同社の社会貢献活動の一つだが、フードバンクの商品は消費者の手に届くこ
とが確約されており、認知度を高める効果がある。 「食べておいしいと思っても
らうチャンスをもらっている」(同社の福岡営業所で担当する脇山さん)。
コロナ過は困窮世帯の食卓にも影響をおよぼしている。 フードバンクTAMAでコ
ロナ前に提供していた食料は1月当たり2㌧ほど。 コロナになってからは少ない
ときでも約8㌧、多いときでは約17㌧に上るという。 「食に困っている人は公
表されている以上に多いと感じる」(芝田さん)。 「絶食状態の人だけでなく、その
一歩手前で食べ物に困っている『黄色信号』の人も多く、今まで以上に食料の確保
と作業の効率化に注力せざるを得なくなった」
効率的な作業を優先した一例が米の調達。 フードバンクは行政の備蓄米の提供を受
けられるが、報告のための書類に記録する作業は煩雑だという。 TAMAはマン
パワーが限られるため、備蓄米の利用を諦め、米を自前で購入しているという。
システマチックに動くフードバンクだが、運営は個々の職員の能力に依存する場合
も。 TAMAは芝田さんが企業などとと定期的に連絡を取ることで継続して食品
を確保できている。 倉庫の管理は、スーパー業界を会見した職員が担当。 職員
の大半は60歳以上で「後任も活動を継続できるように、食品のやりとりの記録や
運営のノウハウをデータベース化している」(芝田さん)という。
全国フードバンク推進協議会の“米山さん”は「フードバンクが安定して活動するため
には、より公的支援が必要だ」と話している。
この意見、官邸や永田町の皆さんどう思われますか? 少しはこういった実情をもっ
ともっと勉強・把握して、自分たち優遇を減らしたお金をこういったものに使って
ほしいものです。