農業じゆう人

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講談師の「閑話休題」

2018年10月03日 12時33分22秒 | 雑学
   昨日は通勤ラッシュのもまれつつ「ドック健診」を受けに都心まで出かけてきました。
    (退職後は、ラッシュ電車に乗るのは年一回のこの健診を受ける時くらいだけ・・)。 
     何かの用事で出掛ける場合は、早朝かラッシュが終わってからなので、疲れました。
   それはさておき健診の方は、例年と変わらず指摘事項がいっぱいの結果でした。
   これからも今まで通り、指摘されたことに注意しながら過ごしたいと思っています。

   「それはさておき」という意味で使う、「閑話休題」という表現があります。
   しばらく前までは雑誌の記事や随筆などにもよく使われたものでしたが、今ではかなり
   古めかしいいい方となっているようで、若い世代の中には聞いたことがないという方も
    いらっしゃるかも知れません。

   かつての中国の寄席では、大衆向け娯楽としてよく講談が演じられたそうだ。
   特に人気があったのが、国が三つの地域に分かれ、曹操や諸葛孔明など多くの英雄たちが
    入り乱れて、息づまる抗争を繰り返した三国時代の歴史的事実を脚色したといわれる
    『三国志演義』であり、「演義」とは「軍記物」ということなんだそうだ。
   熱狂する聴衆を前に、講談師は話に熱が入りすぎて脱線し、台本にないアドリブをはさむ
    ことがあったという。 聴衆はやんやの喝采だったが、話が脱線しすぎた時に、講談師
    は「閑話休題、言帰正伝」(閑話は題するなかれ、事は正伝に帰さん)という表現で、話を
    本筋に戻した。 それが「閑話休題」といういい方のルーツで、「休」は口語で「~す
    るなかれ」という禁止命令、「題」は「堤」と同音の文字で「話題を提起する・話を口
    にする」ことをいう動詞なんだそうだ。
   「閑」という字は、日本語では「有閑階級」とか「閑人」など「ひま・余暇」、つまり時
    間的に切迫しておらず、余裕があることをいう意味で使われるが、中国語では時間だけ   
     に限定されず、もっと幅広く余裕やゆとりがあることを表し、転じて、それほど重要
     あるいは本質的ではない、という意味を表すそうです。

   中国語で「閑話」といえば無駄話・おしゃべりのこと、「閑人」は無関係の他人という意
    味なんだそうだ。 「立入禁止」という意味の掲示を中国語で「閑人免進」と書くのが
    そのもっともわかりやすい用例で、この場合の「閑人」は「ひまじん」ではなく、「無
    用の者・部外者」という意味だそうです。

   本題からそれた「閑話」から「正伝」にもどる時に使えた「閑話休憩」が死語になりつつ
    ある今、「さて余談はさておき、話を本筋にもどしましょう」と長々といわなければな
    らないとは、まことに面倒なことである。

   先月、文科省から出された国語の使い方と同じように難しいということと、本当の使い方
    ではなく間違った使い方をしている人が多いという。
   日常茶飯事に何気なく使っている言葉も、もう一度考えてみる必要もあるようですな~