ブラック・スワン

怖い映画だった。
あと少しでホラーのジャンルになってしまうんではないかと(^^;;

ナタリー・ポートマンの主演女優賞はさすがにそのとおりだったが、主演女優賞を受賞の映画が即ち面白いとは限らない。

一般の評価が高い映画なんだけど、作品として見応えがあったのは作品賞受賞の「英国王のスピーチ」。

映画はなかなか衝撃的で、心理描写は圧倒される。
それを表現できるナタリー・ポートマンは凄い。
音楽もとても良いよね。

ただね、私には重い映画だった。

アンノウン

交通事故に巻き込まれ、病院で気が付くと既にもう一人の自分がいる。
奥さんまでがもう一人の自分を夫と言い、アンタ誰？状態。自分の存在する場所が無くなる。

このような場合、巧妙に仕組まれているか、単なる記憶障害か、事故直後に記憶の刷り込みがされたか、のどれかのパターンだろうと想像しながら映画を観る。

病院から出たあとで、尾行されるが、これは被害妄想ではないかと思っていたが、実際に周囲の人間が殺され始め、おっと単なる記憶障害ではなさそうだと気付く。

カーチェイスのシーンでは、大学の先生なのになんでこんなに車の運転が上手いんだよと、実はタダモノでない事を気付かせてくれる。

ちょっとマットデイモンのボーンシリーズみたいなところはあるけど、こんなスリルとアクションの映画は好きなジャンルで、とても面白く観る事が出来た。

最後はなんだよ、お前だって…
なんだけど、ネタバレになるので。

時間を忘れる面白い映画だった。

素敵な映画だよ「阪急電車」

つかみは大事。
オープニングの中谷美紀さんのしゃべりと表情にまず掴まれます。
最初のシーンで観客を引き込むのって、脚本や演出だけじゃなくやっぱり役者の演技力がものを言う。
中谷さんの演技は素晴らしかった。
綺麗なだけじゃないよね。

電車の中で泣くシーンなんて圧倒されるもの。
涙流すだけでこれだけ気持ち持ってかれる中谷さんてすごい。
もちろん釣られて泣いてしまいました（苦笑）
こういう上手な役者さんの映画は観ていて心地よいというか安心できる。

戸田恵梨香さんは関西弁が饒舌というか、自然過ぎてイキイキして見える。
もともと兵庫県の人だったよね。

あと宮本信子さん。
いいおばあちゃん。
品があって凛としてる。
最初マルサの女だとは気づかなかった。
良い枯れ方してきたなと、もちろん役の上の話だけど。
おばあちゃん役でこれだけ品と色気のある役者さんは見ないね。

邦画としてそれほど大々的に広告打ってるわけではなく、また上映する劇場も少ない映画だけど、是非多くの人に観てもらいたいオススメの映画。
心暖まります。
観て良かったと思わせてくれる映画でした。


となりの席にいた小学生の女の子グループ。
おどおどしたキスシーンにキャーと言ったり、プレゼントを開けたら避妊具が出てくるシーンでは照れ笑いしてみたり。
そんな年代の少女にも是非観てもらいたい。
映画の中谷にはイケメンだけどどうしようもないDV男と、見た目はイケてないけど誠実な男が出てくる。
君達はカッコに釣られることなく、誠実で常識ある男性を見つけて欲しい。

自分が理解できないのか「八日目の蝉」

原作は超えられなかったと思う。
原作から削られた部分もあれば、原作にはなかったシーンもあったが、映画という決められた時間の中で原作に忠実なままというのは無理な話。

女優さん達の演技はすごく良かった。
特に小池栄子さん、ちょっと特徴あるキャラなんだけどうまく演じてた。こんなに上手な女優さんだとは正直思っていなかった。
永作博美さん、井上真央さんもうまかったんだけど、映画としては原作を読んだときに感じたようなインパクトはなかった。音楽も合ってないんだよね。

果たして原作を読んでいない人は、面白いと思って観ているんだろうかと思ってしまった。

最後のシーンでは鼻水をすする音があちこちから聞こえてきたけど、原作とは違うし、どうも肩透かし食らった感じが否めない。

ところがだ、さっきこの映画の評価を見たらすごい高評価。
自分が理解できないのかな。


それにしても去年「告白」という映画があったけど、この映画は原作がすごくてどうやって映画化できるんだろうと要らぬ心配してたけど、映画は松たか子さんの演技で原作を上回る出来だった。