Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

今までに使ったサブシステムSPの感想 その3 (Reference 3a Master Control Monitors)

2015年05月21日 | ピュアオーディオ


「Reference 3a Master Control Monitors swiss made」はお客様からSPの修理依頼を受けました。(リファレンス 3a マスターコントロール スイス製・・・販売は1994年)。20cmのウーハーとドームツィーターのシンプルなシステムです。これが「なかなかよく歌う」SPでもってこられたご本人さんの愛着が判ります。私も欲しくなりました。



本当によく歌うSPです。気楽に音楽を楽しむのに全く不足感を覚えません。ちょっと独特の音の弾み方で、大型SPの音の出方に近いです。これ1台あれば通常の音楽はこなしてくれそうです。欲しくなりました。



チェルシーレコードのモニターSPになっていた。何度か購入するチャンスが有ったのですが、「何処で使うか?」のシチェエーションの決定打が無く未だ未入手です。

外装はピアノ塗装でしっかりした作りになっています。ウーハーコーン紙もカーボン製で高級感が有ります。ネットワークはコンデンサーカットの至ってシンプルな作りでした。バイワイヤ仕様になっていましたが、その必要が有るのか?疑問を持ちました。

小型SPはどんなに良く出来ていても、スケール感や質感、音場感等に制限が出て来ます。多分この辺に未だ手を出せない訳が有ります。


今までに使ったサブシステムSPの感想 その2(ハーベス HL MKⅢ)

2015年05月20日 | ピュアオーディオ


前回に続き、英国のブックシェルフタイプSPのハーベス HL MKⅢ。こちらはBC-Ⅱと違って、「大音量」再生が可能。(JBLレベルではないが・・・)こちらも内部配線がメーカーオリジナル状態ではくぐもった様な音で音が前に出てこない。やむなく内部配線をスーナーケーブルに交換して使っていた。



20cmウーハーの2ウェイで何の変哲もないSPだが、日本の同サイズのSP達に比べると「音楽を聴かせる味」が違う。ユニットの性能が日本製とはグレードが違う様に感じる。結構パワーを入れても小さいツィーターはクリップしない。(入れ過ぎたら飛んでしまう事も有るでしょう)

BC-Ⅱに比べてJAZZも聴けてしまうタフネス・パワフルなサウンド。質感は英国の香り。

今までに使ったサブシステムSPの感想 その1(スペンドールBC-Ⅱ)

2015年05月19日 | ピュアオーディオ


今までにメインSPとは別にサブSPも色々使って来ました。2008年にパソコンがクラッシュしてそれまでの4年間の写真が残っていないのが残念ですが、2008年以降のサブSP達の使った感想を述べてみたいと思います。あくまでも個人的見解です。部屋やアンプ、CDPの機器やケーブル類が違えばまた違う印象になると思いますので、参考程度にお考えください。

上述のSPは有名なスペンドールBC-Ⅱです。内部配線がオリジナル状態では「くぐもった様な音」で、「枯れた音」が出て来ます。オリジナルでは個人的に「音質不足」で使い物になりませんでした。内部配線をシルバースターにして楽しんでいました。非常に「音楽的なサウンド」になって、お気に入りの一台になりました。自宅のサブで使っていましたが、自宅メインシステムの性能アップに伴い、「不要」と判断せざるを得なくなり、現在は福島の方へ嫁に出しました。

福島へ行くに当たり、貸し出し試聴をしていただきましたが、「音楽が聴こえる」と非常に気に入っていただきそのまま帰って来ませんでした。

音のバランスは非常に良く、オールマイティにどんな曲でも水準以上の音質で鳴ってくれますが、このSPの最大の泣き所は、ユニットの許容入力が低く、「大音量」再生が無理な処。静かに音楽を楽しむならこれで十分ですが、本気になって音量を上げるとツィーターがクリッピングします。

今でも置き場所が有れば手元に置いていても良いSPと思っています。サイズも手頃ですので一般家庭で使えます。

タンノイの思い出

2015年05月18日 | ピュアオーディオ


クラシックを聴くなら「タンノイ」みたいな事が、雑誌で盛んに書かれていた頃が有る。実際に私もメインのソースがクラシックなので気に成らなかった訳ではない。
ブラームスのシンフォニー2番をこのSPで聴くと、余りの心地良さにうとうとしてしまうくらいの魅力の有るサウンド。マッキンMX110+ムラードEL34ppモノアンプの組み合わせで聴いた印象。



タンノイもアーデン、レクタン、モニターゴールド10等を使って来た。弦楽器や管楽器の再現は非常に雰囲気・質感が良く、「聴かされてしまう」程の魅力が有る。しかし、現在私のメインシステムにはなり得ていない。タンノイは10・12インチのユニットが優秀だと思う。15インチ(38cm)ユニットは低域の鈍さを箱でどう音造りするか・・・で決まってくる。



タンノイ独自の同軸ユニットで、ALTECと違いコーン紙をホーンの延長として使っている処に「良さと悪さ」を持っている様に感じる。ネットワークも含めて音造りされているし、ユニットの作りも手を加えにくい様に作られているので、内部配線の交換もままならない。


それぞれの役割を考える

2015年05月17日 | ピュアオーディオ
機器で出さなければ出ない音やケーブルで出来る事、セッティングでしか出来ない事等、オーディオシステム全体を、大局的に捉えていかなければ高い音質には繋がらないと考えている。

ケーブルで「音色」を要求される方が非常に多い。確かにケーブルの材質で「音色」は変える事は出来るが、周波数特性やキレ・ヌケ・ノビも合わせてとなるとなかなか難しい。

機器やケーブル、セッティング、電源等は大局的に見れば「集合」なのである。重なり合う部分も有れば、重ならない部分も有る。歴然と単体の性能と云うものが有る。これをどれか一つのモノで「改善」する事は難しい処が出て来る。

「音色」は機器で担う部分だと捉えている。特にソース機器で音色を持たせないと後では難しい処が出て来る。プリアンプは全システムの司令塔で、表現方法がここでほぼ決まる。パワーアンプはSPをどれくらいコントロール出来るかが重要な要素だと思う。SPシステムは、音の表現力を決定的に決める。

セッティングは、力学や物理特性と云われる範疇に入り、電気的な事とは無関係に音質に影響する。

ケーブルは電源ケーブルとラインケーブル・SPケーブルではその作用が違う。電源や電源ケーブルは機器の性能に直結する。それに対してラインケーブルやSPケーブルは「伝送」の劣化を以下に少なくするか?が命題になる。それぞれにメインとなる役割が有る訳で、それらを機器だけで、ケーブルだけで解決しようなどと考えるのは「安直」・「小手先」に走る事だと思う。もっと「本質」を見る目を養って行きたい。

ALTEC 38cm同軸モニター 604系のサウンド

2015年05月16日 | ピュアオーディオ
ALTEC #612A(604E)モニターは、1960年代のスタジオモニターとして有名でした。100dbを越える様な大音量でモニタリングされていたと聞いています。一度は使って見たいSPの一番手でした。ALTEC 604系のスピーカーユニットは色々と聴き比べをして来ました。



①ALTEC #605A・・・低域は同社#416系と同じコーン紙を使って有ります。



605Aを612Aエンクロージャーに入れて鳴らして見ましたが、この箱とは相性が今一と思いました。クレッシェンド箱の様にもっと大きな箱が合いそうだと思いました。




②ALTEC #604E・・・低域は同社#515B系のウーハーと同等との事でした。605Aとの比較では、全てに一段上のサウンドを出して来ます。非常にシャープに引き締まったサウンドで、ソフトやアンプの違いに非常に敏感に反応します。612A箱を使う場合、質の高い管球アンプで大音量再生できればその真価が出て来るだろうと思いました。604Eは非常に完成度の高いユニットだと思います。



③ALTEC #604-8G・・・この機種は#615箱で2セット、620箱で3セット作りました。低域~高域まで非常にバランスのとれたユニットです。こちらも非常に完成度の高いユニットです。



上の箱は#615箱です。38cmユニットにしては非常にコンパクトな箱です。長らく事務所のモニターSPとして使って来ました。重低音は出ませんが軽く弾むサウンドで非常に聴き易く、またソフトやアンプの変化を良くとらえてくれました。620A箱を使えば不満ない低域が出て来ます。



④変わった所ではウーレイのスタジオモニター#813Bです。本来はスタジオのやや高い位置に設置して同軸ユニットを下にして使う様です。



同軸ユニットはやや短くなり、ALTEC 604-8Hが原型の様で、6セルホーン部がブルーのラジアルホーンに変わっています。



結局息子の自宅で使う事を前提に購入しましたので、同軸ユニットを上にして使う用に変更しました。箱が大きいので置き場所が大変です。同軸ユニットは604-8Hと同じく高域が18000Hzまでしか出ていませんので少々物足りなくなります。その為、質感がホーン型に近いリボン型でエネルギー感のあるピラミッドのツィーターに高域をカバーさせて使っていました。低域は専用ウーハーが有りますので、非常に豊潤なサウンドでした。

後日、後に有る「RCA箱システム」(D130のWウーハー+#375+HL90+ハイルドライバー+LE85+小型蜂の巣+リボン型2セットの組み合わせ)を息子宅に持って行き聴かせた所、あえなくウーレイモニターは放出されました。全然サウンドのグレードが違うとの事でした。

ALTEC 620Aが自宅に残れなかった訳

2015年05月15日 | ピュアオーディオ


ALTEC 620Aの内部配線を特殊銀線に交換(SuperTrail化)して、非常に満足出来る音質になっていた。7SPユニットシステムのオリンパスに匹敵する程の高性能な音質で有った。しかし、自宅に収まる事はなかった。それは、D130の低音が私の好みだったから・・・。



D130も色々有って、最初期型のフラットバック、初期型の16Ωタイプ、中期型の8Ωタイプ、後期型の8Ωタイプと大きく分けても4つのタイプが存在する。サンスイSP-707Jにオリジナルで装着されているのは8Ωタイプで、中期以降のユニット。これでは620Aの質感には勝てない。処が16Ω仕様クラスになるとALTECでは出ないもっと軽い低音が出て来る。D130は30年以上も作られたユニットで、型番こそ同じでも造られた時期によって音質は「別物」くらいになっている。

出来ればフラットバックのユニットが欲しかったのだが、SP端子が半田付け仕様になっているので扱い辛い面が有る。そこで少しの妥協で16Ω仕様のコルクガスケットのユニットを使っている。16Ω仕様も前期はコルクガスケットで、後期はコルクではないガスケットなのだ。

L-100→#4343とLE15A系のサウンドばかり聴いて来たが、D130からは重低音は出ない。重低音が出ないから「古いユニット」だと思われていると思うが、私個人としてはD130の軽く素早い反応と音の厚みの有る処が気に入っている。常時「重低音」の音を聴き続けるのは辛い。その点D130の低音はストレスなく長く聴き続けられる。

写真のSP-707Jを最初期にマッキンのC29+MC2500でドライブしていた。チョッとボリュームを上げると、音の波動が身体を震わせる。顔の皮膚でその音圧を感じる事が出来るのです。耳かきの綿毛で頬をなでられている様な感触。これがたまりませんでした。

それに、中域に#375とゴールドウィング+ハイルドライバーの組み合わせが載って来ます。女性ボーカルや弦楽器のさざめく様な質感が出て来ます。・・・と云う様な訳でALTEC 620Aが自宅のシステムになれなかったのです。しかし、シンプルで何も足さない・何も引かないと云う面では620Aも捨てがたい気は今でも有ります。掃除も非常に簡単に済みます。ユニットが沢山SPBOXの上に乗っているのは掃除が大変です。

ALTEC 620Aの思い出

2015年05月14日 | ピュアオーディオ


この10年間に色々なSPを試して来ました。その中で「残して置けば良かった・・・」と思うSPが有りました。それがALTEC 620A。当該品は604-8Gの16Ω変更品で、ALTECの604系にしては低域も満足出来るサウンドでした。



このブルーの仕様がデザイン的にも気に入っていました。




一般的な620A(604-8G)も使いました。



612A(604E)も同時期平行して鳴らしていました。こちらはBOXがUSAの米松仕様で軽く反応するサウンドでしたが、低域の量感では620Aに及びません。但し、組み合わせるアンプでその辺の差は埋まる様だと実験で感じました。

「この620Aを何処で使うか?・・・」で悩みました。自宅で使うのが一番似合うと思いました。シンプルで同軸で定位は良いし能率も高いので、WE101Dppアンプの1.4W/chのパワーで十分鳴らせます。



しかし、自宅にはSP-707J+αのシステムが鎮座している状況では持っていけません。JBL#D130oldtype16Ω+#375+ハイルドライバー+DLH175+#2405+リボンツィーター2種の7SPユニットシステムが既に鎮座していました。やむなく620Aは手放してしまいました。

現在でもSP-707Jシステムを自宅で使っていますが「埃」に悩んでいます。こんな時は、620Aだったら直ぐに拭けば終わるのになーと思ってしまいます。


アナログサウンド

2015年05月13日 | ピュアオーディオ


CDのサウンドも良いけれど、最近はテープデッキやチューナーのアナログサウンドを見直している。2TR38のオープンデッキのサウンドは文句なしに良いと思う。デジタルには出来ない「音の柔らかさ」が有って、音の厚みとエネルギー感も有る。レコードの元になった録音デバイスでも有る。



最近は「カセットデッキ」も良く聴く様になっている。先日紹介したSONY TC-FX6Cも、音質的にはCDPに負けるけれど、「柔らかい音」は気に入っている。聴き流す様な使い方ではCDPより落ち着いて楽しめる。FX6Cはそのままでは「線が細く」感じられるので、ヒューズ交換で少しでも改善を・・・と考えてトライしたのだが、なかなか思う様にはいかない。

FMのエアーチェックもしたいと思うのだが、オープンデッキの10号リールでは採算が合わない。ここはやはり従来通りのカセットデッキで良いかも知れない。そうなるともっと性能の良いカセットデッキが欲しくなる。

「感動分岐点」のお話

2015年05月12日 | ピュアオーディオ
この間、NHK総合TVを見ていたら、浜松フラワーパーク理事長の塚本こなみさんの活躍の話が出ていました。その話の中で気になった言葉が「感動分岐点」のお話。企業に損益分岐点が有る様に、感動するにも「感動分岐点」が有るとの事でした。

この「感動分岐点」はオーディオにも当てはまると思いました。聴く曲と演奏とそれを再生する再生装置の「音質」にも「感動分岐点」が有る様に思います。同じモノ(花や曲も)を何度も聴くと(見ると)、感動が失われます。それは「経験した」からです。次に感動する為にはもっと上の音質で「今まで聴いた事のない」音質にしなければなりません。(感動分岐点は変化している)それくらいインパクトが無いと感動は出て来ません。

現在の「音質」に満足していますが、この状態の音質で1年も聴くとややマンネリになって来ます。更なる高みを目指して「感動分岐点」を押し上げれる様に、終わりの無い挑戦を続けていくしかない様です。オーディオの泥沼状態は生涯続くのかも知れません。