Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

ALTEC 620Aが自宅に残れなかった訳

2015年05月15日 | ピュアオーディオ


ALTEC 620Aの内部配線を特殊銀線に交換(SuperTrail化)して、非常に満足出来る音質になっていた。7SPユニットシステムのオリンパスに匹敵する程の高性能な音質で有った。しかし、自宅に収まる事はなかった。それは、D130の低音が私の好みだったから・・・。



D130も色々有って、最初期型のフラットバック、初期型の16Ωタイプ、中期型の8Ωタイプ、後期型の8Ωタイプと大きく分けても4つのタイプが存在する。サンスイSP-707Jにオリジナルで装着されているのは8Ωタイプで、中期以降のユニット。これでは620Aの質感には勝てない。処が16Ω仕様クラスになるとALTECでは出ないもっと軽い低音が出て来る。D130は30年以上も作られたユニットで、型番こそ同じでも造られた時期によって音質は「別物」くらいになっている。

出来ればフラットバックのユニットが欲しかったのだが、SP端子が半田付け仕様になっているので扱い辛い面が有る。そこで少しの妥協で16Ω仕様のコルクガスケットのユニットを使っている。16Ω仕様も前期はコルクガスケットで、後期はコルクではないガスケットなのだ。

L-100→#4343とLE15A系のサウンドばかり聴いて来たが、D130からは重低音は出ない。重低音が出ないから「古いユニット」だと思われていると思うが、私個人としてはD130の軽く素早い反応と音の厚みの有る処が気に入っている。常時「重低音」の音を聴き続けるのは辛い。その点D130の低音はストレスなく長く聴き続けられる。

写真のSP-707Jを最初期にマッキンのC29+MC2500でドライブしていた。チョッとボリュームを上げると、音の波動が身体を震わせる。顔の皮膚でその音圧を感じる事が出来るのです。耳かきの綿毛で頬をなでられている様な感触。これがたまりませんでした。

それに、中域に#375とゴールドウィング+ハイルドライバーの組み合わせが載って来ます。女性ボーカルや弦楽器のさざめく様な質感が出て来ます。・・・と云う様な訳でALTEC 620Aが自宅のシステムになれなかったのです。しかし、シンプルで何も足さない・何も引かないと云う面では620Aも捨てがたい気は今でも有ります。掃除も非常に簡単に済みます。ユニットが沢山SPBOXの上に乗っているのは掃除が大変です。